はじめに
7月13日に発売されたホンダ新型軽バン「N-VAN(エヌバン)」ですが、
はたらくクルマに革命を起こせるか注目の一台ですが、実際に受注状況はどうなのでしょうか?
全国軽自動車協会連合会が発表した2018年7月 軽四輪車 通称名別 新車販売確報からN-VANと他のライバル車の受注状況を分析します。
N-VANとは
新型車のN-VANは、働く人々の生活を見つめ、さまざまな仕事での使いやすさや優れた走行性能、安全性能を追求し、軽バンの新基準となることを目指して開発されました。
主な特長としては以下の4つが挙げられます。
■利便性
FFプラットフォームの低床フロアと助手席ダイブダウンで、大空間の荷室を実現
■助手席側ピラーレス採用による「ダブルビッグ大開口」で、積み下ろし効率を向上
■走行性能
荷物を積載した状態でもストレスなく移動できる、優れた走行性能と乗り心地、低燃費を実現
■安全性能
Honda SENSINGを全タイプに標準装備
商用ユースでHonda SENSINGを全タイプに標準装備してきたのは素敵だと思います。
助手席ピラーレスも魅力的ですね。N-BOXの派生モデルにも今後展開を期待したいです。
エンジンはN-BOX用エンジンをベースに商用車向けに改良してきました。
搭載重量対応としてラジエターサイズアップ、触媒金属量アップ、
6MT搭載対応として、エンジンマウント強化、動弁系最適化などを図り細かい改良が加えられています。
商用用途への見直しとしてN-BOXで好評なVTECを非搭載にしてきたのもトピックですね。
コスト面もあるのでしょうが、VTECを搭載しなくても十分な動力性能を確保できたのもあるかもしれません。
開発担当によると走りについては従来の商用車のゾーンを超えて、軽乗用の加速ゾーンまで引き上げており、
ターボ仕様についても軽乗用のターボ仕様と変わらない加速性能を有しているとのことです。
CVTも同様にN-BOX用をベースに商用車向けに改良されています。
軽バンの常識を変える低燃費とスムーズな走りをコンセプトに、強度・耐久性の確保として
ギア、ベアリング、ベルトの強化、レシオカバレッジの最適化、
駆動力の最適化として、ロー端レシオの適正化、ブリーレシオ制御の最適化などを行い、
発進時の駆動力を確保し、燃費と静粛性の向上、CVTでスムーズな走りを実現しているとのことです。
注目の6速マニュアルトランスミッションは「S660」用の6速MTをベースにFF化および商用向けに改良しているそうです。
従来5速までだったものに対して、その上にさらに6速を追加することによって巡航時のエンジン回転数を抑えられ、巡航時の静粛性を大幅に向上させているとのことで、走りも期待できそうですね!
N-VANの受注状況
全国軽自動車協会連合会が発表した2018年7月 軽四輪車 通称名別 新車販売確報で
N-VAN(エヌバン)の販売台数は、3,053台となっています。
7月13日に発売されたので実質半月なのとディーラー登録の展示車や試乗車も入っているでしょうから
倍としても6千台で新車効果考えると思ったほど台数でてないなという印象もあります。
ちなみに同じホンダNシリーズのN-WGNは4,315台でした。
N-VANは販売計画台数が3,000台なので半月で達成は十分かもですが、発売初月と考えると思ったほどではないかなと感じます。
N-VANのライバル車の販売状況
N-VANは4ナンバーの事業者用登録が多いので
ライバル車はスズキ エブリイバン、ダイハツ ハイゼットカーゴ、日産 NV100クリッパー辺りになります。
それぞれの7月の受注状況は
■スズキ エブリイ 5,503台 (前年比93%)
■ダイハツ ハイゼットカーゴ 5,219台 (前年比104%)
■日産 NV100クリッパー 2,710台 (前年比107%)
となっています。
ライバル車は前年比93%-107%とほぼ影響を受けてない印象です。
8月の販売台数を見ないとわかりませんが、他メーカーはちょっとほっとしているのではないでしょうか。
とはいえ半月で3千台も売る新型車がいきなりでてきたのは他メーカーにとっては脅威に変わりはないかと思います。
さいごに
N-VANはN for Workというコンセプトではたらくクルマに革命を起こすことを目標としてつくられました。
今のところ受注状況を見てみると期待や注目度の割には思ったほど売れてないなって印象があります。
筆者の分析では、やはり価格帯が営業車としては高くライバル車と比べても割高感があり思ったほど伸びなかったのかなと感じます。
Hondaセンシングやピラーレス、低床設計など他のモデルにはない魅力もたくさんありますが、
N-BOXとあまり変わらない価格設定では訴求力が少し足りなかったのかなと思います。
NAだけですがMTモデルも設定され、フルフラットにでき車中泊にも良さそうで自家用車としても売れるのではと期待していましたが、
運転席以外の助手席、後部座席の作りがイマイチで日常で長距離の移動は厳しく、
結局N-BOXと値段もあまり変わらないということで自家用車としては売りづらいクルマになってしまったのではと思いました。
N-VANのベースグレードにはリヤヘッドレストもなく、+STYLEにはヘッドレストの要件を満たさない簡易型シートピローはついていますが、これでは多人数乗車を想定する日常ユースには厳しいかなと感じます。結構期待してただけに残念です。
ただ商用車としては非常に優秀なクルマであることには代わりはないので今後売れていくといいですね。
8月の販売台数で爆発的に売れている可能性もありますが、今後の販売状況次第では早めに何かしらテコ入れが入る可能性もあるのではと感じます。
今後のN-VANにの販売状況に注目していきたいと思います。