キーレスエントリーとは?
キーレスエントリーとは、鍵を車のシリンダーに差し込み、回さなくても、遠隔操作でドアロックを施錠や解錠できる機能の事です。正式名称はキーレスエントリーシステム(Keyless Entry System)と言い、その際に必要な鍵をキーレスキーやリモコンキーと呼びます。
また、キーレスエントリーシステムを有し、エンジン始動等もリモコン操作(プッシュボタンで操作)する鍵をスマートキーと呼びます。
このキーレスキーに付いているボタンを押す事で、ドアロックを施錠、解錠の操作が可能です。
最近の車には標準装備されている事も多いので、何気なく使っている方が多いかもしれませんね。
キーレスエントリーを装備している車なら、乗降車時のちょっとした手間が削減され、所作もスマートになります。
後に紹介しますが、キーレスエントリーシステムを装備していなくても、後から付ける事が可能なので当記事をご参考ください。
キーレスエントリーの仕組み
キーレスエントリーシステムは、車体とキーの双方に電波をやり取りする送受信機が備わっています。テレビやラジコンのリモコン操作と同じようなシステムと考えていただいて差し支えありません。
日本のキーレスキーでは、周波数が315Mhzと規定されています。
周波数とは、簡単に説明してしまえば「1秒間に振動する数」です。キーレスキーやラジオなど電波を発するものは、この周波数を合わせる事で信号の送受信を行っています。
ちなみに、アメリカも日本と同様の315Mhzを採用しており、欧州等では433Mhzを採用しています。
このような仕組みを用いて、暗号化された固有情報を車体とキー間でやり取りし、特定の車とキーを一致させ施錠、解錠しています。
ですので、当たり前ですが別の車に反応してしまう事はありません。
■キーレスエントリーを使用するメリット
最近では、キーレスエントリーシステムを装備している車が主流にもなってきているので、無自覚に恩恵を受けている方も多い事でしょう。
例えば、買い物に出かけた際、両手に荷物を抱えてる状態で車に戻った際、自身の車がキーレスキーを装備していなければ、荷物を地面やボンネットなどに置いて解錠する必要があります。
ちょっとした事ではありますが、キーレスキーに慣れている方からすれば、この手間は大きな不便とストレスを感じる事と思います。
「キーのボタンを押すだけでドアロックの施錠、解錠ができる」というのが、キーレスエントリーシステムの最大のメリットです。
■スマートキーとの違いは?
「スマートキー」とはカギに触れることなく、ドアロックの施錠・解錠を行うほか、エンジンを始動させたりすることができる機能を備えたものを呼びます。
この機能は「スマートエントリーシステム」と呼ばれます。スマートキーであればカバンなどに入ったままでも、近づいたり離れたりするだけで解錠・施錠が可能なものもあります。
ドアの施錠・開錠の際には、ハザードやルームランプが点滅したり、電子音が鳴ったりします。
キーレスエントリーは後付け可能?
昨今、中古車を購入しても予めキーレスエントリーシステムが備わっている事が多いです。
しかし、お持ちの車や購入予定の車にキーレスエントリーシステムが備わっていなかった場合や、中古車購入時、キーレス対応しているもののリモコンが付属していなかった場合等、後から取り付ける事はできるのでしょうか。
答えは「可能です」。
キーレスエントリーシステムは、カーショップで依頼するか、もしくは、ちょっと専門的な知識があれば個人でも後付けは可能です。
■キーレスエントリーの取付け方
キーレスエントリーシステムを自分で後付けするには、少し専門的な知識が必要になってきます。
手順を簡単にご説明いたしますので、ご自身で出来そうであれば、ぜひトライしてみてください。
まずキーレスエントリーの部品(キーレスエントリーキット)の購入場所ですが、カーショップでも取り扱っていますしネットでも購入できます。
ロックの操作だけでなくハザードランプを点灯する機能を持った物など種類は複数ありますが、ご自身で取り付ける場合、最初は2ボタンのロック操作のみの物を購入するのが無難です。
ここでは2ボタンのキーレスエントリーシステムの取り付け方のみのご説明とさせていただきます。
実際の作業としては、キットに付属している配線図通りに受信機側と車両側を配線し、受信機を車両の空いた空間に収納する。という流れになります。
ただし、キーレスエントリーキットは大半が海外製なため、配線図を含む説明書が英語など日本語以外で記述されている事が多いのでご注意ください。
では、具体的な交換方法ですが、まずキーレスエントリーシステムの受信機を格納する場所を決めます。格納場所としては、運転席周りのパネル類を外してスペースの空いている場所を探してください。
ドアロック配線の近くだと取り付けやすいです。
取り付け場所が決まったら、キットに付属している配線図通りに受信機と車体を接続します。
車種によって多少の違いがあるので、必ずテスターを使って本来の配線を確認してから作業をしましょう。
また、配線が緩いと繋いだケーブルが外れてしまう事があります。ケーブルが外れてしまうとショートして、その他の機能にも影響を及ぼす可能性があるので、各ケーブルの接続は緩みがないよう行ってください。
配線が完了したら、両面テープ等で受信機を車体に固定して、パネルを元に戻せば作業終了です。
慣れている方であれば1時間程度の作業ですし、費用も部品代だけなのでカーショップに依頼するより安価に済みます。
ですが、ケーブル一本のミスで無駄な手間と費用が発生する可能性がある作業ですので、不安であればプロに依頼するのが賢明でしょう。
また、上記の方法は2つの条件を満たしている事を前提とした取り付け方法です。
1つ目の条件が、ドアのロックを”ドアロックモーター”を用いて行っている事。そして、”集中ドアロック機能”が付いている事です。
■後付け可能な車の条件
先述したように、上記の取付け方にてキーレスエントリーシステムを車に後付けするには2つの条件がありますが、ドアロックモーター、集中ドアロック機能(センタードアロックとも)が装備されていない車でも後付することは可能です。
今ではほとんどの車で標準装備されている事が多い集中ドアロック機能ですが、この集中ドアロック機能が装備されていない車にキーレスエントリーシステムを後付けする場合、キーレスエントリーシステムを取り付ける前に、足りない両装備を取り付ける事で問題を解決できます。
二段階の手順を踏む事になりますので、必要な知識や手間、時間も大きく増えるため、車両整備の仕事に関わった事がなければ、迷わずプロに任せるべきでしょう。
ちなみにエンジンの始動もリモコン・プッシュボタンにて操作するスマートキーの場合は、キーレスエントリーの後付は出来ないためスマートキーの交換が必要となります。
■キーレスエントリーの取り付けに掛かる時間や費用・工賃。相場は?
カーショップに取り付けを依頼した場合、部品代と工賃がかかります。
キーレスエントリーシステムの部品代は5,000円から10,000円ほどが相場になりますが、施錠開錠以外の機能が付随したキットはより高額になってきます。
工賃は5,000円~10,000円がおおよその相場です。
ですが、ドアロックモーターや集中ドアロック機能が付いていなかった場合は工賃も変わってきます。
あくまでも概算になりますが、それぞれ下記のような料金になります。
【 集中ドアロック機能あり 】
約5,000〜10,000円
【 集中ロック機能あり/運転席ドアロックモーターなし 】
約8,000〜15,000円
【 集中ロック機能なし 】
約17,000〜24,000円
ネットで安いキットを購入して、取り付けはショップに持ち込もうとすると断れらる場合もありますので、購入する前にショップに確認してください。
作業にかかる時間は、プロであれば1時間前後で終わってしまうので代車などを手配する必要もありません。
こちらも事前にショップに確認してください。
キーレスエントリーが電池切れになった場合と電池交換方法
ドアロックを操作するキーレスキーの効きが悪くなってきたら電池交換の合図です。
電池交換はテレビのリモコンの電池を変えるのと、なんら変わらない簡単な作業です。
交換用の電池はカーショップやガソリンスタンドなどでも売られていますので、自分のキーに適した電池を購入してください。
実際の交換方法ですが、一般的なキーであればドライバーでカバーを開けられる構造になっているので、カバーを開けて電池を交換して、元のようにカバーを閉めて完了です。
キーの効きが悪くなってきたら早めに電池交換してしまいましょう。
スマートキーが電池切れの場合の、ドアの開錠やエンジン始動については下記記事にてご覧下さい。
まとめ
現在、乗っている車にキーレスエントリーシステムが搭載されているなら、その機能がなくなった時の不便さは想像にやすいはずです。
今やキーレスエントリーの存在は珍しくなく、大半の車に搭載されているでしょう。
ですが、中古で車を購入した場合、会社で使っている社用車にキーレスエントリーシステムが搭載されていなかった場合。
当記事を参考に、キーレスエントリーシステムの後付けをご検討ください。