車のエアコンが効かない!冷えない・温まらない原因は?
夏でも冬でも非常に困るのが車のエアコントラブル。車のエアコンが効かなくなってしまうと、運転が苦痛になってしまいます。ここでは、暖房と冷房に分け、エアコンが効かない原因と対処方法を説明します。
■エアコンが冷えない原因、この3点のどれかかも
冷媒が足りていない
カーエアコンを冷やすための燃料、「冷媒(エアコンガス)」がなくなっている・減っている、また漏れている場合、冷房が効かなくなります。
エアコンガスの状態は、エンジンルーム内のサイトグラスで確認できます。
サイトグラスとは、エアコンガスの通り道を見るためのガラス窓です。コンプレッサーが動いている状態で、液体がちゃんと流れているか、気泡が出ているか確認をしましょう。泡が白く濁っていればガスが減っている証拠です。透明な気泡が浮いている状態ならば、ガスが詰まっている可能性があります。
コンプレッサーが故障
また、コンプレッサー自体が不具合を起こしている可能性があります。車のエアコンを作動させた時に、エンジンルーム内で「カチッ」となるのが、コンプレッサーが作動開始した音です。コンプレッサーはエンジンルーム内にあり、直径20cmほどの筒の形をしています。ファンベルトを動かすことで作動します。
エアコンガスの補充が必要ないのにコンプレッサーが動かない場合は、コンプレッサー自体が故障している可能性があるため、修理や交換を検討しましょう。
フィルターやファンが目詰まり
エアコンとして温度を調整する部品類に故障がなくても、それらの部品で作った冷風が効率よく吹き出せないと、結果として室内温度がなかなか下がらず、効きが悪いような印象を受ける場合もあります。
近年の車種のエアコンなら、空気中の細かな汚れをキャッチするエアコンフィルターが助手席グローブボックス奥などに装備されており、これが目詰まりしてしまうと風量が大きく減ってしまうので、汚れがひどいようなら交換が必要です。
また、風を生み出すブロアファンという円筒形の羽根が、ホコリなどの汚れで目詰まりしてしまい、そもそもエアコン用の風をしっかり生み出せていないケースも考えられます。
冷媒不足 | 冷媒(エアコンガス)がなくなっている・減っている、漏れている可能性がある。 | |
---|---|---|
コンプレッサーの故障 | コンプレッサー自体が不具合を起こしている可能性がある。 | |
フィルターやファンの目詰まり | ブロアファンがホコリなどの汚れで目詰まりしている可能性がある。 |
■暖房が効かない時は?
暖房が効かない理由の多くは、サーモスタットの故障です。サーモスタットが故障してしまうと、冷却水がエンジンに流れることで暖房から冷たい風が出たり、熱い風が流れることがあります。
また、冷却水の減少により暖房が効かない場合もあります。暖房はエンジンを冷やすための冷却水の熱を利用しており、冷却水が漏れてしまったら暖房が効きにくくなってしまうのです。
冷却水が減ってしまうと暖房が機能しなくなるだけでなく、オーバーヒート等のトラブルを起こす場合があります。また、温度センサーが故障しているなど、各種部品の不良や異常での故障の可能性も捨てきれません。
■車のエアコン、修理費用相場はいくらくらい?
業者に頼んだ場合、ガスの漏れや詰まりを直す修理であれば2万円前後、補充だけなら数千円ほどでできます。
コンプレッサーの修理ならば、5万円前後、サーモスタットの交換なら1万円前後で行うことができます。いずれにしても、工賃や作業量が別途かかってきます。また、車種や部品の規格によって変わるので注意が必要です。
車のエアコンが臭い!原因は?カビを吸ってる可能性も
車のエアコンの臭いの原因は、カビ菌にあります。
家のエアコンでも水が滴ることがありますが、カーエアコンも同じく水が滴ります。エアコンをつけていると、外気の温度の違いにより水滴が生じるのです。
たとえば立体駐車場等にエンジンを切った車を置いておくと、水滴がついているエアコンを湿った暗い場所に放置することになりますが、その時カビ菌や細菌がエアコン内部で繁殖します。カビ菌や雑菌が増えることにより、エアコンは臭いを放ってしまうのです。
このように環境や気温によって臭いが発生する要素が生まれてしまいますが、逆説として、車の保管方法や駐車場所を変えることによって、この臭いを減らせるということでもあります。さあ、ここまで臭いの原因について説明したところで、次はこの臭いを消す方法について紹介します。
■車のエアコンの臭いを消す方法
エアコンの臭いを消すための応急処置として、エアコンを一度止めて換気をしてから、暖房を風量最大で数分間放置するという方法があります。菌糸は50度でほとんど死滅するので、これによってエアコンのカビ菌や雑菌を減らすことができます。
完全に臭いを取り除くのであれば、カー用品店等でカーエアコン用のスチーム消臭剤・エアコン洗浄スプレーを買い、エバポレーターの洗浄をすると消臭が可能です。また、エアコンフィルター自体を交換するという手もあります。それでも臭いが消えない場合は、プロに相談しましょう。
車のエアコンのガスやフィルターを交換する方法
エアコンを快適に使うためには、エアコンガスの補充・交換やエアコンフィルターの交換が大切です。以下では、エアコンガスの補充・交換方法、エアコンフィルターの交換方法について説明します。
■車のエアコンガスを交換する方法
エアコンの配管部分の中には、エアコンガスの補充や圧力を測るための道具を接続するカプラーという部品があります。
カプラーは、エアコン配管部分の高圧と低圧の2つに分かれており、エアコンガスを補充するには低圧のカプラーにエアコンガス補充金具を装着して、ガスを補充します。補充用のエアコンガスはフロンガスというガスが入っており、スプレー缶のような金属製の缶に密閉されています。
■車のエアコンフィルターを交換する方法
車のエアコンフィルターの交換は以下の順番に行うことができます。
1.グローブボックスを外す
2.フィルターカバーを外す
3.フィルターを交換する
4.フィルターカバーをつける
5.グローブボックスをつける
車のエアコンから異音が!故障が疑われる2部品とは?
エアコンから「ガラガラ」「カラカラ」といった音がすることはないでしょうか。以下では、エアコンから異音がする2つの原因と、その対処方法について説明します。
■コンプレッサーやブロアファンモーターの故障が原因かも
車のエアコンから「ガラガラ」「カラカラ」といった異音がする場合、ブロアファンモーターが故障している可能性があります。ブロアファンモーターはエアコンの風を生み出す部品で、最悪の場合エアコンから風が出なくなります。
また異音の原因として、コンプレッサーが故障している可能性も。コンプレッサーが動かなくなると、エバポレーター・ブロアファンモーターといったエアコンの大事な部分を動かせなくなります。「ガラガラ」「カラカラ」という音は故障の前兆の音です。
■異音が気になるときの対処方法はあるの?
車のエアコンは非常に難しい構造をしていますので、素人が直すのは困難です。異音がした場合はディーラーや整備工場等、プロに任せましょう。
車のエアコン、マークを学んで賢く操作
車のエアコンにはたくさんのボタンがありますが、どれをどのタイミングで使えばいいか知らないと、エアコンをうまく使いこなせません。以下では、A/Cマークの使い方や外気導入・内規循環について説明します。
■A/Cのマークはいつ使う?押し忘れに注意!冷えません
A/Cスイッチは、エアコンディショナー(Air/Conditioner)のことで、以下のように作動します。
A/CスイッチON:コンプレッサーが作動して冷風が出る
A/CスイッチOFF:コンプレッサーは作動せず冷風は出ない送風モード
つまり、A/Cスイッチによってコンプレッサーが作動して、冷房・除湿機能のON・OFFを切り替えられるということです。
暖房は、A/CスイッチがOFFでも温風がでます。これは、暖房が空気を圧縮したり膨張させたりすることによって、圧縮熱・気化熱を利用し空気の温度を変えるためです。
これにより、冬はA/Cスイッチを使わなくてもいいと考える方もいるかと思いますが、A/Cスイッチには除湿機能があるので、冬場に起こりやすい窓ガラスの曇り対策には重宝します。
■外気導入・内気循環の使い分け
車のエアコンスイッチの中の、外から車の中に矢印が入っているのが外気導入、車の中で矢印が丸くなっているのが内気循環です。
オートエアコンの場合はONで内気循環、OFFで外気導入にすることができ、内気循環を使うことで空気を循環させ温度を調整するため、車の中を早急に暖めたり冷やしたりできます。
しかし、長時間内気循環にしたままだと、乗車人数が多ければ多いほど二酸化炭素濃度が高くなるので、適宜外気導入をして外の空気を入れるようにしましょう。
外気導入は、エアコンの暖める・冷やすといった効果がなくなります。要するに、換気をしているということです。外の空気を入れているだけなので、トンネルの中や工業地帯など空気の悪い場所や臭いが気になる場所では使わないようにしましょう。
普段の設定は内気循環を選び、必要になったら外気導入を使うことをおすすめします。
まとめ
エアコンの臭いの原因やエアコンガス・フィルターの交換方法、マークの使い方について説明しました。
A/Cマークや外気導入・内気循環を状況に応じて使い分けることで、車内の温度や湿度を快適にすることができることを知っていただけたでしょうか。
車はもうひとつの家のようなものです。エアコンのスイッチを使い分け、臭いを消す対策を行うことで快適なカーライフを送りましょう。
よくある質問
■車のエアコンはだんだん効かなくなるもの?
本来、ガス漏れなどの不具合がなければ、カーエアコンの効きは低下しません。しかし、家庭用エアコンなどと同じく、フィルターやファンの目詰まりなど、蓄積していく汚れの影響で段々と効きが弱くなっていくことも。定期的な清掃や部品交換を行えば、調子を維持しやすいでしょう。
■車のエアコンが効かない理由は?
もともと効きが弱かった車種なのか、冷媒ガスが漏れてしまっているのか、部品が故障していて交換が必要なのか、清掃が必要なのか、ケースバイケースでエアコンの効きは悪化します。効きが極端に悪くなる条件などがあれば、しっかり記録しておくことで、修理を依頼する際にもやりとりがスムーズでしょう。