ロータスエリーゼってどんな車?
ロータスエリーゼは、ロータスカーズが設計し、製造するライトウェイトスポーツカーです。創業当初より、車は軽量であることをモットーにして、車作りをし続けています。それでエリーゼも同じようにして、車体を軽くすることにこだわりが持ち続けられており、徹底的に重量が落とされているのが、大きなポイントです。
■ロータスエリーゼの特徴は?
エリーゼの大きな特徴となっているのは、アルミ合金製の部材を、接着剤で組み合わせたバスタブフレームとFRPによって作られている外装にあります。アルミニウム製のシャシーはリベットではなく、接着剤を用いることで、精度を保ちながらもシャシー単体で68kgと軽量化に成功しています。
初期の頃のエリーゼは、エンジンベイや、リアハブキャリアもアルミで作成されていました。またブレーキローターも、量産車初となるアルミディスクを利用していたのも、特徴となっています。
初期のロータスエリーゼのモデルは、フェイズ1と呼ばれています。1998年に発売がスタートしたこのモデルは、軽量であり走行性能が高いというコンセプトの元に開発が進められ、発売がスタートしました。エアコンやパワステ、ブレーキブースターなども設定されておらず、車両重量はわずかに690kgという軽さを実現しています。
エリーゼ 111R
2003年にエリーゼはフェイズ2へとモデルチェンジしていきました。丸目だったフロントライトが、つり目へと変化したのは、このモデルからです。グレードの名前も多種あるのがこの時期のエリーゼで、途中からトヨタ製のエンジンも搭載しています。
エリーゼは、当初はローバー製のKシリーズと呼ばれているエンジンが距給されていましたが、ローバー社が破綻してエンジン供給がストップした後は、トヨタ製のエンジンが供給されていました。
全てのモデルでトヨタ製のエンジンが搭載されたのは、2006年6月からで1.8L直列4気筒自然吸気のエンジンが搭載されました。トヨタ製のエンジンも、2011年にエンジン形式が変更されており、2011年からは1.6L直列4気筒エンジンが搭載されています。
エリーゼ クラブレーサーSPS
2010年になると、欧州の排ガス規制であるユーロ5に適合させるために、さらに大幅なモデルチェンジを行います。現行型のフェイズ3がそのモデルです。現行モデルとなるエリーゼには、「エリーゼスポーツ」「エリーゼS」「エリーゼスポーツ220」が設定されています。エリーゼの販売20周年を記念した、20thアニバーサリーエディションも存在しています。
エンジンはキャビン後方に、ミッドシップの形で配置されています。駆動方式は、MRで後輪を駆動する方式を採用しており、優れたコーナリングを実現。布製の幌屋根は、手動で脱着する方式を採用しています。
ロータスエリーゼは、後に中国資本になりましたが、日本向けの限定モデルも発売しています。ロータスは日本市場もしっかりと見据えていることが分かるメーカーでもあり、エリーゼは魅力のあるモデルでもあるのです。
■ロータスエリーゼの走行性能
ロータスエリーゼの走行性能を語る上で、最初に触れるべきなのは、その軽量なボディです。徹底的に軽量化されているボディですので、軽さが走りに良い影響を与えています。ベースとなっているエリーゼは、エアコンなどの装備もされていないので、車重は856kgと発表されています。
以前の別のモデルでは、さらに軽量な車種もありましたので、シリーズ最軽量という訳ではありません。しかしロータスのラインナップでも、非常に軽量なモデルであることには変わらないでしょう。
軽量ではありますが、シャシーがしっかりとしているので、運転をしていてもライトウェイトよりも手ごたえがあると感じさせる走りをします。サーキットでの限界走行性能を追求した結果かもしれませんが、軽すぎない走りはドライバーに安心感と楽しさを感じさせます。
■ロータスエリーゼのパワーユニットは?
エリーゼ スプリント220
横置きのミッドシップとなっているパワーユニットは、トヨタの1.6L4気筒エンジンとなっています。欧州のオーリスなどに採用されている、1ZR-FAE型のエンジンです。ロータス向けに専用のECUが使われており、スポーツカーのエンジンと生まれ変わっています。
7000回転までしっかりと回るエンジンは、ドライバーを走る気にさせてくれます。また高回転まで使い切ることができるエンジンは、楽しいドライブとなることでしょう。エンジンを使う楽しさを味わう事ができるのが、エリーゼのパワーユニットの特徴となっています。
ロータスエリーゼの評価は?
ロータスエリーゼは、徹底的に軽量化されているのが評価されているポイントです。カーボン製のバケットシートや、ポリカーボネイト製のリアウィンドウを採用しているグレードもあります。軽量化だけではなく、低重心化もしているのが評価されます。
実際の走りにも、軽量化や低重心化されていることが活かされています。ハイグリップタイヤを装着しているので、軽量化された車体と相まって、軽快なドライビングを楽しむことができます。車重が重いモデルに乗っていると、信じられないほどのスピードで、コーナーを駆け抜けることができるのも、軽量なボディのおかげと言えるでしょう。
■硬派な走り心地がポイント
軽量化されたアルミ製のシャシーを搭載しているとはいえ、しっかりとした剛性を感じさせてくれるのもポイントです。人が乗る部分をバスタブの形にしているので、バスタブフレームと呼ばれていますが、車の軽量化と強度を維持するために用いられている技術です。
パネルをエポキシの接着剤で接続していますが、走りの際にはかつてないほどの剛性が感じさせられます。4輪ダブルウィッシュボーン式の足回りは、硬めのセッティングとなっており、手ごたえもしっかりとしているハンドリングです。
■コーナリングのための車
低重心化されたシートのおかげもあり、アイポイントが通常の車よりも非常に低くなっています。しかしダッシュボードも低くなっているので、運転席からは前が良く見えるようになっています。
フロントフェンダーがしっかりと見ることができるので、見切りの良さをさらに増しているのです。低い運転席から路面を見ると、まさにコーナリングのための車であることを感じさせます。
エンジンにスーパーチャージャーを搭載したモデルも設定されており、目を見張る加速を見せてくれます。コーナリングだけでなく、加速も良いモデルでは、運転の楽しさをさらに向上させてくれる内容です。
特にエリーゼの中でもパフォーマンスをアップさせたモデルである、スプリント220の場合には、先ほど取り上げたスーパーチャージャーを搭載しているだけでなく、カーボン製のバケットシートや、ポリカーボネイト製のリアウィンドウなどで軽量化を施しています。
車との一体感を楽しむことができ、運転を快適にさせる装備など一切ないにもかかわらず、運転を楽しむことができるのがエリーゼの特徴でもあり、魅力でもあります。
ロータスエリーゼのモデルチェンジ情報は?
ロータスのCEOによると、新型エリーゼが2020年に投入される可能性があることを公表しています。
■2020年にモデルチェンジの可能性
軽量化されていることがエリーゼの特徴となっていましたが、時代の流れに沿ってサイズが大きくなる予定になることが予想されているのがポイント。それでもやはり、軽量であるという部類には含まれる、1000kg以内になることが考えられています。
新型エリーゼは、現行モデルのアップデート版と考えられていますが、米国の衝突安全基準を満たすようになります。それで販売台数を増やすことを目標としているようです。年間販売台数は、現在は2000台ほどとなっているようですが、新型エリーゼが販売された際には、年間4000台を目指すようです。
現在でもライトウェイトスポーツのジャンルには、数多きライバルが存在しています。その中で、独自の優位性を見出しているからこそ、アメリカでの販売に勝算があるということなのでしょう。
■新しいロータスエリーゼはこうなる?
パリモーターショー2010で初公開された「エリーゼ プロトタイプ」
新しいエリーゼに関するレンダリングは、実は2010年のパリ・モーターショーからスタートしています。この時に発表されたコンセプトカーを元にして、レンダリングもされていました。
この時には、数多くのコンセプトカーを出していたので、一時話題を集めていたモデルでもあります。2020年に新型が登場するということは決定しているようですが、どのようなモデルになるのかは正式に発表されていません。
2010年に発表されたコンセプトモデルの中のいずれかとデザインが近いのではとされています。この時の経営陣は、全フェラーリの副社長であったダニ・バハールが指揮を執っており、現在の経営陣とは異なるので、同じコンセプトでモデルチェンジがされるかについては疑問が残ります。
いずれにしても、どのコンセプトモデルも流線形でスタイリッシュなデザインになっているので、現在のモデルよりもさらに上品なイメージになることは間違いがないでしょう。現在の経営陣になって2000年代からは初めて黒字化したロータスの、新しいモデルがどのように変化するのか楽しみなモデルです。
ドライビングフィールを感じるための車
ロータスエリーゼは、まさにドライビングのための車と言うことができるでしょう。創業当初から、軽量化という大きなコンセプトの元に、車作りをしてきたロータス。その中の主要モデルであるエリーゼは、変わらないコンセプトの中に、車好きを魅了する特徴を備えています。
2020年にはモデルチェンジすることを公表しているエリーゼ。どのような車に変化するのか、正式な発表を楽しみにしていきましょう。