目次へ戻る

スパイクタイヤって知っていますか?|意外と知らないスパイクタイヤの現在とルール

スパイクタイヤって知っていますか?|意外と知らないスパイクタイヤの現在とルール

現代で最も認知されている冬用タイヤはスタッドレスタイヤかと思われます。しかしながら、20年前にはスパイクタイヤというタイヤがありました。何故このタイヤが消滅してしまったのか、今回注目してみたいと思います。


スパイクタイヤとは?

みなさんはスパイクタイヤをご存知でしょうか?

まず初めに、スパイクと言う用語とその他の活用例についてご説明したします。

スパイクとは

スパイク「spike」とは英語の名詞であり、その意味は滑り止めとしての突起物を指します。

またその機能を取り入れたスパイクシューズやスパイクタイヤの略称としても用いられます。スポーツの分野ではバレーボールにおいて、見方のトスで打ち上げられたボールを相手のコートへと激しく打ち込むプレイをスパイクと呼んでいます。

スパイクシューズは野球や陸上競技で、靴のソールに鋲などを打ち込むことで、地面をしっかりとらえて強力な推進力が得られる靴です。

スポーツ用品店のシューズコーナーへ行けば、現物を確認できますが、地面に食い込む突起が多数取り付けられていることがよく分かります。

すなわち、スパイクタイヤも同様に、タイヤトレッドに無数の突起が取り付けられており、雪上や凍結路面を走行する際に地面に突起が食い込むことでタイヤスリップを防止する効果が期待できます。

それでは、スパイクタイヤの歴史について見ていきましょう。

1. 歴史
北欧にフィンランドという国があります。気候は亜寒帯気候で、冬は-30℃になるくらい寒い国です。このような気候では、雪は当然のこと、路面の凍結も当たり前です。そんな中の自動車の走行は、かなり危険であり、ウィンタータイヤだけではカバーしきれないでしょう。

したがって、タイヤチェーンの装着が当たり前となるのですが、チェーンは装着が手間であり、破損のリスクがあります。
そんななか、登場したのがスパイクタイヤです。1959年に誕生したとも言われています。便利な物はあっという間に広がります。約10年の内に欧米で急速に普及したそうです。

私たちの日本でも1960年代に生産が始まり、70年代には一般普及したそうです。ところが現代の日本ではスパイクタイヤの装着が皆無となっております。

2. 現代での取り扱い
北欧では現代でもスリップ事故防止の観点で、使用が許可されている地域があるようですが、日本では80年代に舗装路面における粉塵被害が問題となり、地域の条例で使用が禁止され始めました。80年代後半にはスパイクタイヤメーカーと長野県の弁護士による調停で製造販売が中止されることとなりました。

90年6月にはスパイクタイヤ粉じん発生防止に関する法律が施工され、現在に至ります。

例外や対象外車両(緊急車両など)もありますので、使用できない、とまでは言わないものの、現在スパイクタイヤは基本的に使用できない…と考えることが一般的です。

スパイクタイヤの役割

ずばりスパイクタイヤは低摩擦抵抗路面でもしっかりと動力と制動力を伝達する、ノンスリップタイヤです。

かくして国内では使用が出来ないスパイクタイヤですが、これまでの経緯から分かるように相当路面攻撃性が強く、言い換えるとそれだけしっかりと地面に食いつくタイヤであり、スリップ知らずの安全性の高いタイヤなのです。

すなわち正しい使い方さえ出来れば、危険な凍結路面でのスリップ事故率を極めて低減してくれるはずだったのですが、逆に使用方法を誤ると弊害も顕著となり、このように淘汰されてしまいました。

スタッドレスタイヤとスパイクタイヤの違い

日本国内で2019年現在において冬用タイヤとして高い認知を得ている物はスタッドレスタイヤです。

スタッド「stud」と言う言葉は、これもまた「鋲、機械における埋め込みボルト」と言う意味で、スタッドレスタイヤすなわち鋲無しのタイヤという意味です。まさに、スパイクタイヤの後継として冬用タイヤに一般採用されているタイヤなのです。まずは特徴について箇条書きで比較してみましょう。

スタッドレスタイヤ
・スパイクタイヤのような固い突起物がない
・雪をつかみ取りやすいヒダ状の細かい溝がトレッドに無数に切られている
・ゴム質は柔らかく、低温時にも柔軟性に富んでいる一方で、高速運転に弱い

スパイクタイヤ
・タイヤトレッドに無数の突起物が付いていて、雪や氷に物理的に引っかかる仕組みを持つ
・スタッドレスに近い構造を持っていて、雪を掴みスリップを防止する

スタッドレスタイヤとスパイクタイヤの一番の違いは、突起物の有無です。スパイクタイヤにある突起物がない分、スタッドレスタイヤはゴムのコンパウンドの柔軟性や溝の切り方で、擬似的にスパイクの機能を付加させる努力をしてきたのです。

スパイクタイヤの製造が禁止されて以降、タイヤメーカーはスタッドレスタイヤの開発で、「如何にスリップを起こしにくく制動距離の短いタイヤを製造するか」と鎬を削ってきました。そのおかげで無謀運転をしない限り、運転に自信が無い方でも安全に冬のドライブが楽しめるようになったと思います。

もちろん、タイヤあっての車ですが、車そのものの横滑り防止機能などが向上していることも事実です。自動車を構成する様々な機能が向上することで、人間の操作ミスをカバーできるのでしょう。

正規メーカーによる製造及びルートでは既に販売されていない

90年代に法律で正式にスパイクタイヤの製造使用に関する細かいルールが取り決められて以降、正規のメーカーによる製造及びルートでは販売されなくなったことから、市場で姿を消しました。

もちろん、一部の特殊用途車両には、その役目の関係情報の適用が除外されていますが、運送業を含めて一般車両の行動での使用は認められていません。

当然国内での製造もありませんし、販売目的での輸入も自粛するよう通達がでています。

例えば、タイヤ取扱店の倉庫に売れ残りが無い限りは個人で輸入する以外の入手方法は無いということです。

もちろん、仮に国内で売れ残っているものがあったとしても、20年くらいの長期在庫であれば、走行用タイヤとして使うのは返って危険です。ゴムは生もの。長期保管には適していません。

そもそも雪道以外の公道は走行不可

スパイクタイヤの製造使用を禁止された経緯を振り返ってみても理解できることですが、タイヤに施された突起はアスファルトやコンクリートの損傷につながり、公害となります。

実際に、1月~3月上旬にかけての積雪地域では、事実上の黙認状態としてスパイクタイヤでの走行が認められている場合もある・・・という程度です。

まとめ

現在は存在しないと言っても過言ではないスパイクタイヤについて解説させていただきました。スタッドレスタイヤの方が日本では適していると思われた方も多いことでしょう。雪道でも安全対策をしっかりして事故のないカーライフを過ごしてください。

関連するキーワード


タイヤ

関連する投稿


スパイクタイヤは利用禁止?許可されてる地域がある?罰則や関連法まとめ

スパイクタイヤは利用禁止?許可されてる地域がある?罰則や関連法まとめ

雪道で強い性能を発揮しているスパイクタイヤ。スタッドレスタイヤと何が違うのか、わからない方も多いですね。スパイクタイヤの利用者が減っているけれど何か理由があるんだろうか?公道の走行が禁止になったわけや自作でスパイクタイヤを作る方法など何もわからない方のために、わかりやすく紹介していきます。


【タイヤのパンク】修理・交換・JAFを呼ぶ際に掛かる費用と原因を解説

【タイヤのパンク】修理・交換・JAFを呼ぶ際に掛かる費用と原因を解説

車の走行中にタイヤがパンクしてしまった場合の修理方法や、スペアタイヤへの交換方法の解説、またJAFを呼ぶ際に掛かる費用の説明から、応急処置の方法とカー用品店などでの修理費用や所要時間について解説しています。 タイヤのパンクでお困りの方、必見です!


タイヤに入れる窒素ガス|メリット・デメリットや充填時の価格を説明

タイヤに入れる窒素ガス|メリット・デメリットや充填時の価格を説明

タイヤに入れている窒素ガス。窒素ガスのメリットやデメリット、そして窒素ガスと空気どちらを使うほうがいいのか徹底解説します。


【アライメント調整とは】掛かる料金・時間からDIYでの調整方法を解説

【アライメント調整とは】掛かる料金・時間からDIYでの調整方法を解説

こちらの記事ではタイヤのアライメント調整について、そもそもアライメントとは何なのかの説明から、アライメント調整のメリットと必要性、DIYでの調整方法と業者に依頼する場合に掛かる料金や時間について、また事故を起こしてしまった場合の調整についての説明をしています。


タイヤメーカーおすすめランキング!メーカー毎の特徴を比較

タイヤメーカーおすすめランキング!メーカー毎の特徴を比較

タイヤのメーカーってどれくらいご存知でしょうか?愛車のタイヤを選ぶ時、自分の車に合いそう、価格が安いからなどで選んでいませんか?タイヤメーカーの特徴を比較して知ることで、愛車に合ったタイヤでより快適に走れるように今回は車のタイヤのメーカーについてご紹介します。


最新の投稿


日産 オッティ(OTTI)とはどんな車?┃維持費や購入法を徹底解説

日産 オッティ(OTTI)とはどんな車?┃維持費や購入法を徹底解説

オッティを購入しようかどうか迷っているけど詳細が良く分からず悩んでいるという人はいませんか?実は、日産のイメージが強いオッティですが、三菱自動車工業からのOEMで出来ていた車なんです。この記事では、オッティがそもそもどんな車なのか、維持費や購入方法なども含めて詳しく解説しています。是非、記事の内容をご覧いただきオッティを購入する前に参考にしてください!


【違反走行をしないために】知っておくべき道路の路肩に関する規制

【違反走行をしないために】知っておくべき道路の路肩に関する規制

車を運転する人も自転車に乗る人も。みなさんの身近にある道路のすぐ傍にある路肩。実は知らないと警察に捕まってしまうかもしれない規制があることをご存知でしょうか。本記事では改めて、知らないと損するかもしれない、路肩に関連した規制と豆知識についてご紹介しています。


根強い人気があるトヨタの高級セダン クラウン┃中古価格やスペック等 一覧

根強い人気があるトヨタの高級セダン クラウン┃中古価格やスペック等 一覧

クラウンの歴史は古く、60年以上の歴史を持つトヨタの人気車種です。トヨタのクラウンは時を超えて常に、時代とともに挑戦し続けています。初めて発売が開始された1955年から現行のモデル全ての特徴や車のスペックに中古車価格などを分かりやすくまとめました。これからトヨタの「クラウン」を検討している方は、是非参考にしてみてください。


北海道の新千歳空港周辺の駐車場情報21選!料金は?予約はできるの?

北海道の新千歳空港周辺の駐車場情報21選!料金は?予約はできるの?

北海道の新千歳空港。観光客が多く訪れるイメージですが、北海道から外に出る人にとっても大事な場所です。特に車移動が多い北海道では駐車場に車を置いて飛行機を利用する人も多いはず。いざというときのために料金が安い、予約ができる、新千歳空港の近隣の駐車場を把握しておきましょう。


アウディ S1とはどんな車?┃維持費や中古の購入方法を解説

アウディ S1とはどんな車?┃維持費や中古の購入方法を解説

「せっかく車を買うならアウディ S1に乗ってみたい」 「アウディって高いイメージがあるけど実際にその費用に見合うだけの満足感を得られるの?」このようにアウディ S1を購入しようかどうか迷っているけど詳細が良く分からずお悩みではないですか?この記事では、アウディ S1がそもそもどんな車なのか、維持費や購入方法なども含めて詳しく解説しています。是非、記事の内容をご覧いただきアウディ S1を購入する前に参考にしてください!