スパイクタイヤとは?
みなさんはスパイクタイヤをご存知でしょうか?
まず初めに、スパイクと言う用語とその他の活用例についてご説明したします。
■スパイクとは
スパイク「spike」とは英語の名詞であり、その意味は滑り止めとしての突起物を指します。
またその機能を取り入れたスパイクシューズやスパイクタイヤの略称としても用いられます。スポーツの分野ではバレーボールにおいて、見方のトスで打ち上げられたボールを相手のコートへと激しく打ち込むプレイをスパイクと呼んでいます。
スパイクシューズは野球や陸上競技で、靴のソールに鋲などを打ち込むことで、地面をしっかりとらえて強力な推進力が得られる靴です。
スポーツ用品店のシューズコーナーへ行けば、現物を確認できますが、地面に食い込む突起が多数取り付けられていることがよく分かります。
すなわち、スパイクタイヤも同様に、タイヤトレッドに無数の突起が取り付けられており、雪上や凍結路面を走行する際に地面に突起が食い込むことでタイヤスリップを防止する効果が期待できます。
それでは、スパイクタイヤの歴史について見ていきましょう。
1. 歴史
北欧にフィンランドという国があります。気候は亜寒帯気候で、冬は-30℃になるくらい寒い国です。このような気候では、雪は当然のこと、路面の凍結も当たり前です。そんな中の自動車の走行は、かなり危険であり、ウィンタータイヤだけではカバーしきれないでしょう。
したがって、タイヤチェーンの装着が当たり前となるのですが、チェーンは装着が手間であり、破損のリスクがあります。
そんななか、登場したのがスパイクタイヤです。1959年に誕生したとも言われています。便利な物はあっという間に広がります。約10年の内に欧米で急速に普及したそうです。
私たちの日本でも1960年代に生産が始まり、70年代には一般普及したそうです。ところが現代の日本ではスパイクタイヤの装着が皆無となっております。
2. 現代での取り扱い
北欧では現代でもスリップ事故防止の観点で、使用が許可されている地域があるようですが、日本では80年代に舗装路面における粉塵被害が問題となり、地域の条例で使用が禁止され始めました。80年代後半にはスパイクタイヤメーカーと長野県の弁護士による調停で製造販売が中止されることとなりました。
90年6月にはスパイクタイヤ粉じん発生防止に関する法律が施工され、現在に至ります。
例外や対象外車両(緊急車両など)もありますので、使用できない、とまでは言わないものの、現在スパイクタイヤは基本的に使用できない…と考えることが一般的です。
スパイクタイヤの役割
ずばりスパイクタイヤは低摩擦抵抗路面でもしっかりと動力と制動力を伝達する、ノンスリップタイヤです。
かくして国内では使用が出来ないスパイクタイヤですが、これまでの経緯から分かるように相当路面攻撃性が強く、言い換えるとそれだけしっかりと地面に食いつくタイヤであり、スリップ知らずの安全性の高いタイヤなのです。
すなわち正しい使い方さえ出来れば、危険な凍結路面でのスリップ事故率を極めて低減してくれるはずだったのですが、逆に使用方法を誤ると弊害も顕著となり、このように淘汰されてしまいました。
■スタッドレスタイヤとスパイクタイヤの違い
日本国内で2019年現在において冬用タイヤとして高い認知を得ている物はスタッドレスタイヤです。
スタッド「stud」と言う言葉は、これもまた「鋲、機械における埋め込みボルト」と言う意味で、スタッドレスタイヤすなわち鋲無しのタイヤという意味です。まさに、スパイクタイヤの後継として冬用タイヤに一般採用されているタイヤなのです。まずは特徴について箇条書きで比較してみましょう。
スタッドレスタイヤ
・スパイクタイヤのような固い突起物がない
・雪をつかみ取りやすいヒダ状の細かい溝がトレッドに無数に切られている
・ゴム質は柔らかく、低温時にも柔軟性に富んでいる一方で、高速運転に弱い
スパイクタイヤ
・タイヤトレッドに無数の突起物が付いていて、雪や氷に物理的に引っかかる仕組みを持つ
・スタッドレスに近い構造を持っていて、雪を掴みスリップを防止する
スタッドレスタイヤとスパイクタイヤの一番の違いは、突起物の有無です。スパイクタイヤにある突起物がない分、スタッドレスタイヤはゴムのコンパウンドの柔軟性や溝の切り方で、擬似的にスパイクの機能を付加させる努力をしてきたのです。
スパイクタイヤの製造が禁止されて以降、タイヤメーカーはスタッドレスタイヤの開発で、「如何にスリップを起こしにくく制動距離の短いタイヤを製造するか」と鎬を削ってきました。そのおかげで無謀運転をしない限り、運転に自信が無い方でも安全に冬のドライブが楽しめるようになったと思います。
もちろん、タイヤあっての車ですが、車そのものの横滑り防止機能などが向上していることも事実です。自動車を構成する様々な機能が向上することで、人間の操作ミスをカバーできるのでしょう。
正規メーカーによる製造及びルートでは既に販売されていない
90年代に法律で正式にスパイクタイヤの製造使用に関する細かいルールが取り決められて以降、正規のメーカーによる製造及びルートでは販売されなくなったことから、市場で姿を消しました。
もちろん、一部の特殊用途車両には、その役目の関係情報の適用が除外されていますが、運送業を含めて一般車両の行動での使用は認められていません。
当然国内での製造もありませんし、販売目的での輸入も自粛するよう通達がでています。
例えば、タイヤ取扱店の倉庫に売れ残りが無い限りは個人で輸入する以外の入手方法は無いということです。
もちろん、仮に国内で売れ残っているものがあったとしても、20年くらいの長期在庫であれば、走行用タイヤとして使うのは返って危険です。ゴムは生もの。長期保管には適していません。
そもそも雪道以外の公道は走行不可
スパイクタイヤの製造使用を禁止された経緯を振り返ってみても理解できることですが、タイヤに施された突起はアスファルトやコンクリートの損傷につながり、公害となります。
実際に、1月~3月上旬にかけての積雪地域では、事実上の黙認状態としてスパイクタイヤでの走行が認められている場合もある・・・という程度です。
まとめ
現在は存在しないと言っても過言ではないスパイクタイヤについて解説させていただきました。スタッドレスタイヤの方が日本では適していると思われた方も多いことでしょう。雪道でも安全対策をしっかりして事故のないカーライフを過ごしてください。
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