カプチーノとはどんな車だったの?
スーパー・スポーツカーの様な軽自動車それがスズキ・カプチーノ。
今となっては中古でしか入手出来ない車になってしまいましたが、それでもあの性能は今でも色あせる事はないでしょう。もう一度あのカプチーノという車を振り返ってみましょう。
カプチーノは1991年にデビューした軽スポーツです。なんと開発時には総重量480Kgを達成した、ライト・ウェイト・スポーツカーとしても画期的な軽さでしたが、販売時にはコスト等の問題をクリア出来ず700Kgまで重量は増えました。
何故ここまで軽量化に拘ったかはスズキのライバルでマツダのオートザムAZ-1の存在が大きかったのです。AZ-1は軽自動車としてはおそらく世界初といってもよいガルウィングを採用していました。このインパクトはかなり強力でした。
これを凌ぐウルトラ・ライト・ウェイト・スポーツ プロジェクト89として1987年より開発はスタートしたのです。
合言葉は「見た目はおしゃれ・走りは本格派」を基本理念として開発は始まったのです。
■カプチーノの特徴とは
カプチーノの大きな特徴
カプチーノはルーフを3つのタイプから選択できるのです、それは。
・フルオープン
・タルガ・トップ
・Tトップ
この3種類です。
こんな事、車普通車でも見たことないと評判になりました。こうしてカプチーノは発売前からかなりの評判を受けて満を持して、1991年発売となったのです。
実際発売されるとライバルはホンダのビートになっていました、同じ軽自動車の2シーター・オープンカーどうしの火花が上がり始めたのです。
スズキのカプチーノ・スペック
カプチーノのスペックは軽自動車の域を超えていました、エンジン駆動もFRと本格走行にも耐える形式でした。おまけにターボ搭載車でしたのでスポーツ走行はお手の物だったに違いありません。パワートレインは
657㏄直3ターボエンジン
最高出力 64Ps/6500rpm
最高トルク 8.7Kg/4000rpm
駆動方式 FR
車両重量 700Kg
ダブルウィッシュボーン式サスペンション搭載は軽自動車としては初でした。
最初の目標であったおしゃれで走りは本格的な車の誕生でした。
■MT車とAT車
カプチーノにはMT車とAT車が設定されていました。MT車の総販売台数は1184台と今となってはかなり貴重です。現在走行できるMTカプチーノは、おそらく1000台を切っていると思われます。
ちなみにカプチーノの総販売台数は26583台となっています。これ以外にはイギリスとドイツに1182台輸出されています。
よくカプチーノのAT車の出足は悪いと聞きますが、実際はそれほど悪くもなかったようです。今となってはクラシックカーの部類に入る車ですので過度な期待は禁物です。
■カプチーノ、エアロパーツの中古
カプチーノのエアロパーツは驚く事にまだ新品でも入手可能な物も多く出回っています。多くは楽天市場やAmazonなどの通販サイトにて入手可能ですが、有名メーカーの造っていた本格エアロなどは残念な事に生産中止になったものは多くなってきています。
そういったものを探すのなら中古部品を探すしか方法はないようですが、案外とカプチーノのパーツはエアロに限らず多く販売されているのが現状の様です。
しかしながら中古部品をネットなどで購入する場合には、パーツの点数は揃っているか、割れや欠けなどがないかの確認は大事です。可能で有ればやはり自分の目で確認してから購入が望ましい購入方法であると思います。
カプチーノ・ロータリー
世の中にはエンジンスワップと呼ばれる、恐ろしい改造を行うショップも存在します。今回はカプチーノに、ロータリーエンジンを載せてしまうといった事が行われた話です。
カプチーノは元々エンジンルームの体積が大きいと言われてきました。実際それゆえにセルボモードやフォードYBMコスワースチューン等のエンジンに換装されたカプチーノは存在しました。これまではやはりスペースの問題でNAのエンジンに限られてきましたが、ついにターボエンジンそれもロータリーに載せ替えたカプチーノが登場したのです。
その結果、重量は若干増の870Kgになりましたが、これはかえってこのエンジンのパワーに応えるべく走行安定性に寄与したと言われています。
エンジンスペックはターボブースト1.25kg/立法メートルで380psと軽では考えもつかない馬力を得ました、載せ替えられたエンジンは13Bエンジンでした。ただ本来の13Bエンジンではこのスペックは無理で、その為タービンをハイフロータービンに変更、サード800ccインジェクター・アペックス製パワーFC制御などの変更により380Psを実現しました。
そしてこのカプチーノは勿論エンジンだけに止まらず、エクステリアではオーバーフェンダーやGTリアウィング・オーバーサイズのSタイヤ。
安全強化と車体の補強の為のロールケージやバケットシートなどいちいち数えれば上げるに枚挙がないほどの変更を受けていました。
勿論改造車検登録の公道を堂々と走る事の出来る車で有ったことは言うまでもありません。
カプチーノの後継車は出るのか、噂の検証
消えては出て、カプチーノの後継車は出てくるのかといった話です。
ホンダのS6やコペンの成功など軽自動車のスポーツカーが発表されるたびに、スズキは?といった話をよく耳にします。この噂の検証を行ってみたいと思います。
この噂のきっかけとなったのは一冊の雑誌のCG画像が発端の様です。
そしてこれを皮切りに一気に噂が広がったようです。
あくまで噂の域を出ない話ですが、これほど多くの噂になったのは、世間がカプチーノの再来を期待している事の証明といっても良いと思います。
メーカーサイドは、どうやらカプチーノの再発売にはあまり積極的ではないようです。その理由として昨今の若者や都市部の人達の車離れは大きな理由になっているようです。勿論売れる車なら作りたいのが本音でしょうが、もし惨敗した結果を考えるとメーカーサイドは慎重になるのは頷けます。
どうやら結果はカプチーノの再来は現在では来ないという所でしょうか。
しかし将来は分かりません夢の車であるカプチーノの再来を待ちましょう。
カプチーノの中古車を探す時の注意点
本題のカプチーノを探す手段と、探し方を見ていきましょう。
最初にも書きましたがカプチーノは総販売台数が26.583台と非常に少ない車種です。そして既に生産販売終了した車である事と、生産終了から年月が経った車という事もあり探すのは大変です。
しかし幸運な事にこの車は非常に人気のある車という事で、希少価値はかなりある車という事は他の車に比べるとまだ現存している数の多い車だといえる事です。
Amazonなどで調べればカプチーノ専科といった、カプチーノ専門の解説書などもあるくらいの車です。
探せばまだ購入可能な車という事です。探し方としては主に二通りだと思われます。馴染みか大きい中古車屋で探して頂く方法と、ネットで検索する方法です。
どちらも利点と欠点はあります。
まず中古車屋さんで探して頂く方法は、その中古車屋さんの規模が大きければ大きいほど安心も増すでしょうし、きっと複数台はカプチーノを探してくれるでしょう。もちろんこれは利点ですが、購入金額は個人売買などに比べると高くなるのは仕方がない事です。
確実に探したいなら全国チェーン展開している大手中古車グループにお願いすれば、ほぼ確実に探して頂けると思います。
次にネットを介して探す方法ですが、欠点としては中々実車を確認できないと言った所でしょうか。
現物の車の状態が写真でしか確認できないといった事が一番の欠点です。
その反面価格的には業者などにお願いするよりも確実にお安く入手できるでしょう。どちらを選択するかはご自身の環境などもご考慮なさってお考え下さい。
まとめ
俗に呼ばれるABCの一台です、軽自動車のスポーツカー、AZ-1・ビート・カプチーノを評してABCと呼ばれているのです。
この3台は全て人気の車種ですが、中でもカプチーノは街乗りからサーキット走行まで幅広い人気の車でした、1998年の製造中止から20年を経過した今でも、幅広い層から絶大な支持を受けている車です。一度は所有してみたい手の届くスーパーカーではないでしょうか。