セクシー?スポーティ? デザインに特徴のあるSUVはこれだ!
ランドローバー レンジストーマー コンセプト(デトロイトモーターショー2004 出展車両)
世界的に人気のSUV系車種では、各メーカーが個性を発揮して顧客を引き寄せようとしのぎを削っています。
しかし、どうしてもSUVとなると、ボディ下部のプロテクターやゴツゴツとしたボディ造形はどの車種でも共通となりがちで、せめてどギツいディテールを盛り込んだり、ルーフラインをやや強めに絞り込むくらいでしか差別化がしにくいというのも事実でしょう。
そんな現代のSUVラインナップにおいて、特別に目を引く独特なデザインのモデルを4車種ピックアップしました。
街中で他のSUVに囲まれても堂々と存在感を示す、我が道を行くSUV達をご覧ください。
■マツダ MX-30:あえての2+2ドア、パーソナル感マシマシ!
マツダ MX-30
「クーペSUV」とは、もはや使い古され気味の言葉となりつつある印象もありますが、その定義に最も忠実な車の一つと思えるのが、マツダの最新SUV「MX-30」です。
なんといっても特徴的なのはその観音開き式ドア「フリースタイルドア」でしょう。エクステリアのドアノブはフロントドア用の2セットしか装着されておらず、一見2ドアのようなスポーティな印象がありつつ、リヤドアも開くとセンターピラーレスの大開口が実現されている実用性の高さも両立。
流麗なルーフラインと、カラーバリエーションとグレードによってはボディともルーフとも異なる3トーンの仕上げとオーナメントプレートの装着であえてCピラーの存在感が強調されたフォルムは、まさにクーペのそれを思わせるスポーティでパーソナルな印象があります。
MX-30の全長全幅とホイールベースは、実はよりSUVとしてオーソドックスな同社のCX-30と共通となっているのですが、それを感じさせない凝縮感のあるスタイリングがMX-30の魅力ですね。
マツダ MX-30
既存のマツダ車とのデザイン的な連続性も感じさせつつ、よりシンプルなディテールや面構成とすることで、独特の雰囲気を持つMX-30。グリルとヘッドライトを連続させるマツダお馴染みの「シグネチャーウィング」をあえて廃していることもあり、やや無機質・無表情なフロントフェイスが先進性を感じさせます。
内装でもシンプルでクリーンな印象は継続。装飾パネルとしてコルクを利用するなど、サステナブルさやマツダの自動車製造の前身であるコルク製造のヘリテージをも意識させるインテリアは、もはや車の内装というよりもホテルのラウンジのような洒脱な空気感が魅力的です。
現在日本ではガソリンマイルドハイブリッド仕様が先行して販売されていますが、こちらはお求めやすい価格が話題に。本命となるフルEVモデルは2021年初頭、噂が絶えないロータリーエンジンを利用したレンジエクステンダーEVモデルの投入はさらにその先が見込まれています。
スタイリングの先進性に違わないフルEVの未来的な走りを、早く公道で体験してみたいものですね。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,395mm×1,795mm×1,550mm | |
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エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンハイブリッド 2.0L | |
WLTCモード燃費帯 | 15.1〜15.6km/L | |
新車価格帯(消費税抜き) | 2,200,000〜3,085,000円 |
■アウディ e-tron スポーツバック:ついに登場、アウディの電気自動車
アウディ e-tron スポーツバック
海外ではよりオーソドックスなSUV形状のe-tronが先行して販売されているのですが、日本市場では登場順番が逆転し、クーペスタイルのスポーツバックから先行して導入されるアウディの電気自動車、e-tron。
これまでは、電動テクノロジーを投入された車のことをe-tronと総称していたのですが、これ以降はフルEVのみをe-tronと呼称する方針に変更されたようで、トップバッターであるe-tron スポーツバックでは見た目は流麗なクーペSUVながら、中身はフルEVのパワートレインとなっています。
もちろんアウディらしく駆動方式はクワトロで、とはいうものの前後アクスルにモーターをそれぞれ持つ2モーター式四輪駆動となっています。
力強いモーターの駆動をしっかりと受け止めるクワトロによって、約2.6トンという重量級のボディながらかなり刺激的な加速性能を有するe-tron スポーツバックは、そのスポーティな見た目に違わない運動性能の持ち主です。
アウディ e-tron スポーツバック
もはやSUVをクーペ化したのか、クーペの車高を持ち上げたのか、ハッキリと言い切ることが難しくなってきているような印象もあるe-tron スポーツバックのエクステリアの特徴は、なんといってもその流麗なルーフライン。Bピラー周辺を頂点としてテールエンドまで滑らかに下降していくルーフラインは、まさにクーペのそれですよね。
無論、そのスポーティな見た目の弊害として、後席頭上の余裕は素のe-tronよりは少なくなってはいるのですが、その他のエクステリアデザインがアウディSUVラインナップとしての共通項が多いこともあり、e-tronの先進性をアピールするにはスポーツバックのルーフラインがもってこいとなっています。
バーチャルエクステリアミラー仕様車では、まだまだ装着車両が数えるほどしかない電子ドアミラーという先進的装備も体験できますし、インテリアの仕上げや操作性は定評のあるアウディ車共通のハイクオリティさが嬉しいところ。
大袈裟にアピールすることなく、電気自動車の先進性を堪能できるe-tron スポーツバックは、これからアウディの次世代を引っ張っていく存在となることでしょう。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,900mm×1,935mm×1,615mm | |
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モーター種類 | ー(前後計2基) | |
WLTCモード一充電走行距離 | 405km | |
WLTCモード交流電力量消費率 | 245Wh/km | |
新車価格帯(消費税抜き) | 12,063,637〜12,236,364円 |
■BMW X6:光るキドニーグリルは間違いなく注目の的!
BMW X6
ラグジュアリー「SAV(スポーツアクティビティビークル)」として市場に大旋風を巻き起こした初代X5が、さらに洗練された2代目にバトンタッチしてからモデルレンジに追加されたのが、クーペ風に低められた全高と寝かせられたリアピラーを持った「X6」でした。
登場当初はクーペSUVという新しい車型自体に対する拒否反応も少なからず見られたX6ですが、世代を重ねるごとに定着が進んだのか、デザインが洗練されてきたのか、違和感は少なくなり、近年ではかなりの人気車種となっていますよね。
特に現行モデルとなる3代目は、これまでややポッコリ感もあったリアエンドがワイドな印象になり、さらにスポーティなクーペ感が増しているのが特徴的。BMWのクーペラインである8シリーズや4シリーズと共通するようなスリムなテールライトは存在感がありますよね。
BMW X6
しかし、エクステリアでの最も特徴的な部分は、もしかすると光るフロントグリル「キドニー・グリル アイコニック・グロー」機能かもしれませんね。
全グレードで標準装備となるこの機能は、BMWラインナップではX6が先陣を切って搭載。BMW車の象徴的なデザイン要素の一つであるキドニーグリルが柔らかな光でライトアップされることで、BMWであることを強烈にアピールするとともに、より顔つきの立体感を強調します。
先代X6よりもシャープさが増したヘッドライトと合わせ、新世代の車であることが一目で分かる先進的な仕上がりですよね。現在ではセダンの5シリーズや3シリーズでもオプション装着が可能となっているアイコニック・グローですが、押し出しが強く迫力のある顔つきのX6でこそより輝く機能のように感じられます。
クーペSUVという、それだけでも特別な存在であるX6が、さらに洗練された現行型は、街中でも注目の的となること間違いなしでしょう。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,945mm×2,005mm×1,695mm(xDrive35d) | |
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エンジン種類 | 直6ディーゼルターボ 3.0L、V8ガソリンツインターボ 4.4L | |
WLTCモード燃費帯 | 7.8〜11.3km/L | |
新車価格帯(消費税抜き) | 9,000,000〜12,745,455円 |
■ランボルギーニ ウルス:こんなスーパーSUV他にない!ランボワールド
ランボルギーニ ウルス
これまでご紹介してきた各車とはクラス違いではありますが、SUVとして周囲の目線を捕まえる才能にこれ以上恵まれた車はないのではと思われるほどの個性派が、ランボルギーニ唯一のSUV「ウルス」です。
ランボルギーニといえば、ミウラやカウンタックなどの往年の人気車、近年のアヴェンタドールやウラカンといった最新スーパーカーでお馴染みのメーカーですが、そんなランボルギーニですらSUVを販売するほどにSUVブームは過熱しているのには驚かされますね。
しかも、発売以降、ウルスは爆発的な人気を博しており、デビュー2年ですでに1万台を生産済。4,000台程度だったランボルギーニの年間生産台数を一気に2倍以上にまで押し上げるほどの人気車種となっています。
ウルスはスーパーカーラインに比べてやや廉価とはいえ、それでも税込みで3,000万円級の超高額車ということを考えれば、尚のこと驚きですね。
ランボルギーニ ウルス
もちろんランボルギーニの作る車ですから、たとえSUVであっても常識外れの刺激の強さは健在。
Y字形状モチーフがボディ各部に散りばめられたデザインは、単体で見るともはや破綻寸前の際どさを持つ奇抜なデザインのディテールなのに、全体で見るとランボルギーニのSUVと一目で分かるまとまりを持つのですから不思議です。
低めに抑えられた全高に、これでもかと張り出したフェンダーのもたらすワイド感が相まって、もはや路上には似たものが無い、唯一無二の世界観がウルスの魅力。
見掛け倒しでなく走行性能もSUVとして究極クラスの実力派なのですが、ここまでくるともはや見た目の魅力だけでも欲しくなってしまいそうですね。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,112mm×2,016mm×1,638mm | |
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エンジン種類 | V型8気筒ツインターボ 4.0L | |
WLTCモード燃費帯 | ー | |
新車価格(消費税抜き) | 27,891,882円 |
まとめ
ホンダ SUV e: コンセプト(北京モーターショー2020 出展車両)
特徴的デザインのSUVをご紹介してきました。
SUVが流行っているからこそ、SUVの便利さや使い勝手の良さは欲しいけど、流行りに乗ったと思われるのはイヤだな…と思って二の足を踏んでいる方もいらっしゃることでしょう。
しかし、ここでご紹介したような特徴的なSUVなら、周りのSUVオーナーからも一目置かれること間違いなしでしょう。