メルセデスベンツ Gクラス、高級SUVで孤高の存在
メルセデスベンツ Gクラス ストロンガーザンタイムエディション(欧州仕様車)
さまざまな自動車メーカーから「高級SUV」が登場している現代にあっても、ズバ抜けた高級感で周囲の目線を独り占めしてしまうほどのオーラを持つ車が、メルセデスベンツのSUV「Gクラス」でしょう。
クーペSUVやクロスオーバー車を横目に、もはやレトロとも思えるような角張ったボディとほぼ直立したキャビンを持つGクラスは、大幅に改良が加えられながらとはいえ、なんと初代モデルは1979年から2018年まで生産が続けられており、そのルックスがレトロ狙いのものではなく「本物」であることがわかりますね。
2018年からは、モデルライフ初となるほぼ全域にわたる完全刷新を経た事実上の二代目モデルが販売されていますが、それにしてもこの単一モデルの継続生産は、メルセデスベンツの乗用車種としては最長のものだったそう。継続的な人気の高さが伺えます。
■Gクラスの車名の由来! 「ゲレンデ」とは?!
メルセデスベンツ Gクラス(欧州仕様車)
Gクラスのことを、「ゲレンデ」や「ゲレンデヴァーゲン」と呼んだりする通な人を見かけたこともあるのではないでしょうか。しかし、そのゲレンデとはどんな意味なのかはあまり知られていないことかもしれませんね。
Gクラスの車名の由来ともなっている「Geländewagen(ゲレンデヴァーゲン)」とは、ドイツ語で「オフロード車両」を意味する言葉。車の成り立ち通りに正直な名前が付けられているわけですね。
「Gelände」を単体で翻訳すると「地形」などとなるようですが、一般的にはスキーのしやすいように整備がなされたスキー場のことを指す際によく使われる言葉かもしれませんね。
そんなゲレンデが、自動車を示す「wagen」と組み合わされることで、どんな地形でも走破できるGクラスにぴったりの「オフロード車両」という意味になるのです。
メルセデスベンツ Gクラスの魅力5選!
■イカツいエクステリア!でも目はパッチリ
メルセデスベンツ Gクラス
すでにお伝えしたように、基本的なデザインが1979年のデビューから継続されているGクラスは、その武骨かつ機能性重視なエクステリアデザインが非常に印象的な部分です。
近年ではレトロ感やかわいさ重視で円形のヘッドライトが採用される新型車も複数見られますが、Gクラスのそれは最新のLED技術が詰め込まれている明るいヘッドライトとはいえ、ルックスのための小道具ではなく、長すぎる歴史を感じさせる生き証人のようなもの。
しかし、角ばったボディに真ん丸のヘッドライトが取り付けられていてこそ、Gクラスのアイコニックな外観が実現されているのかもしれませんね。
2018年の大幅改良ではボディ表面まで露出したドアヒンジやグッと張り出すオーバーフェンダーなど、機能面で重要な部分のデザインもきちんと受け継がれました。
■メルセデスらしい豪華なインテリア
メルセデスAMG G63(海外仕様車)
レトロとも言える外観から打って変わってモダンな仕上がりとなっているインテリアは、まさにメルセデスベンツの車として相応しい高級感のあるもの。
64色から選択可能なアンビエントライトを備えたインテリアは、本物のレザーやアルミニウムがふんだんに用いられた贅沢な空間となっているほか、12.3インチのコックピットディスプレイとCOMANDシステムディスプレイが2枚並んでいる様子はまさに最新の車両といった印象ですね。それらの操作性の高さもメルセデスベンツらしいところ。
また、エクステリアで切り立ったキャビンが用いられているおかげで、ショルダールームやヘッドルームの広々とした印象もGクラスのインテリアの特徴でしょう。
定番のブラックだけでなく、明るめのベージュ系やシックなブラウン系、鮮やかなレッド系などインテリアカラーのバリエーションも非常に豊富ですし、さらに上級グレード限定ではありますが、「G manufakturプログラム」「G manufakturプログラム・プラス」によっておしゃれなツートーンシートも選択が可能。
選択肢の広さは、さすが高級車といったところでしょう。
■世界トップクラスの悪路走破性
メルセデスベンツ Gクラス(海外仕様車)
もはやわざわざご紹介せずともお分かりとは思いますが、そのルックスに恥じない悪路走破性の高さは、SUVの中でもトップクラス。
本格派らしくラダーフレームを採用しているほか、フロントには独立懸架、リアにはリジッドサスペンションを搭載し、凹凸の激しい道なき道であっても確実にタイヤを接地させることができます。
もちろん四輪駆動システムが採用されるだけでなく、インテリアからスイッチ一つで操作が可能なフロント/センター/リアのディファレンシャルロックなど、一輪しか接地しないような過酷な路面でも対応が可能なほど。
意外と短く抑えられた全長や、約241mmにも達する最低地上高、短いオーバーハングによる優れたアプローチ/デパーチャーアングルなど、高級車だからといってオフロード車であった伝統を忘れていない点が、Gクラスの美点でしょう。
■スポーツカー真っ青のハイパワーモデルも!
メルセデスAMG G63 ストロンガーザンタイムエディション
Gクラスは、エントリーグレードとなるG350dであっても最高出力が286PSとハイパワーなエンジンが搭載されているのですが、トップグレードとなるメルセデスAMG G63にもなるともはや別世界の舗装路性能を実現。
ツインターボが装着された4.0リッター V型8気筒エンジンは、なんと585PSを発生させる超ハイパワーエンジンとなっており、9速のAMG スピードシフトTCTや、AMG ライドコントロールスポーツサスペンションと合わせて、なんと0-100km/h加速を4.5秒でこなす俊足ぶり。
その大柄なボディからは想像のつかないダッシュ力は、見る者を唖然とさせることでしょう。
無論、AMGとはいえGクラスですので、悪路走破性能も確保されているほか、負荷に応じて8気筒のうちの半分となる4気筒を休止させることのできるAMG シリンダーマネジメントが採用されており、最新の環境規制にも対応しています。
■やっぱり…著名人オーラが止まらないところ?
メルセデスベンツ Gクラス
ここまでのメカ的な魅力ももちろんGクラスならではの世界には欠かせないものですが、Gクラスの魅力とは、長年築き上げてきた最強SUVという実力に基づいたオーラも欠かせない部分ではないでしょうか。
事実上新型モデルへ切り替わった2018年以降のモデルでも、それ以前のデザインをここまで忠実に再現していることからもわかるとおり、Gクラスというデザインには、もはや替えの利かないアイコニックさがあるということでしょう。
事実、メルセデスベンツは2006年に登場したGLクラスによってGクラスの代替わりを意図していたものとされており、現在ではGLSとして販売されているそれは、悪路走破性能ではGクラスに劣るものの、舗装路上の乗り心地や室内の利便性などではGクラスに優る部分も持つ、後継車に相応しい実力の持ち主でした。
しかし、Gクラスのユーザーはより流線型のGLクラス・GLSには思ったほど移行しなかった様子。なんとイメージそのままの新型Gクラスを登場させたほどなのですから、この形状に対する憧れの大きさが窺い知れますよね。
メルセデスベンツ Gクラスのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,660mm×1,930mm×1,975mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,890mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 2,450kg | |
燃費 | WLTCモード:7.4km/L | |
エンジン種類 | V型8気筒ガソリンツインターボ 3,982cc | |
エンジン最高出力 | 310kW(422PS)/5,250-5,500rpm | |
エンジン最大トルク | 610N・m(62.2kgf・m)/2,000-4,750rpm | |
駆動方式 | 四輪駆動(4WD) | |
トランスミッション | 9速AT | |
新車価格 | 15,318,182円(消費税抜き) |
メルセデスベンツ Gクラス、2020年最新情報まとめ
メルセデスベンツ Gクラス(海外仕様車)
2020年モデルのGクラスでは、大幅な変更はされていませんが、本国仕様ではG Manufakturプログラムに3色のソリッドペイントが追加されています。
「クラシックグレーユニ」「ディープグリーンユニ」「チャイナブルーユニ」のこれらの色合いは、長い歴史を誇るGクラスのデザインにぴったりのややレトロ感もある色合いですね。日本への早期の導入にも期待がかかります。
また現在、日本向けにはG350dとAMG G63向けに「manufakturエディション」が設定されており、内外装に特別仕立てのカラーリングや装備が追加されるほか、G350dでは人気のAMGラインやラグジュアリーパッケージなどが、G63ではAMGレザーエクスクルーシブパッケージなどが追加装備されているなど、嬉しい内容となっています。
セレブ御用達だけあって限定車多数!限定販売の稀少Gクラスたち
メルセデスベンツ G63AMG 6x6
2018年に現行モデルに切り替わってからはまだ鳴りを潜めていますが、世界中のセレブリティ御用達だけあって、度肝を抜く限定車が複数設定されてきたこともGクラスの伝統です。
その中でもインパクトの強い2台をご紹介しましょう。まず、1台目は、6輪駆動というもはや自動車の枠を超えてしまいそうなほどの特別な車、「メルセデスベンツ G63AMG 6x6」です。
なんと日本向けにわずか5台限定、価格もぶっ飛んで約8,000万円が設定されていたこの車は、名前からもわかるとおりオーストラリア軍向け車両の技術を活用して6輪駆動化されただけでなく、防弾仕様車向け技術をベースに新開発されたポータルアクスルによる460mmもの最低地上高を持つほか、タイヤの空気圧を走行中に調整できる機能まで持つなど、もはや走れない場所を探す方が難しそうな究極の性能を実現。
その上、スパルタンな仕様とするのではなく、室内はdesigno Exclusiveレザー仕様の豪華すぎる仕立てと、Gクラスの無限の可能性を感じさせる特別な一台でした。
メルセデスマイバッハ G650 ランドレー(海外仕様車)
もう一台は、ついに日本には正規導入されることがなかったのですが、ハイエンドブランド「メルセデスマイバッハ」初のSUVとして登場したG650ランドレーをご紹介します。
技術的には、先ほどご紹介したG63AMG 6x6の4輪仕様とも思えるG500 4x4スクエアードをベースとしており、無論Gクラスとして究極の性能を持つ一台のひとつであることは疑いようのない部分ですが、注目ポイントは名前にもあるランドレールーフや、室内の仕上げでしょう。
メルセデスマイバッハ S600に使用されるリヤシートをそのまま装着した後部座席は、延長されたホイールベースによる余裕も相まってもはやファーストクラスのような空間となっていますし、さらに頭上のルーフは電動で開閉が可能と、あらゆる要素を欲張りに追求している究極の一台。
マイバッハの名に相応しい、選ばれし99人のオーナーのみが体験できる、 約6,000万円の究極のGクラスでした。
メルセデスベンツ Gクラス 4x4スクエアード 次期型テスト車両
先述したとおり、2018年のモデルチェンジ以降はまだ通常ラインナップのものしか販売のないGクラスですが、現在は現行モデルをベースにした4x4スクエアードのテスト車両と思われる車両も確認されており、間もなくの登場が期待されています。
どんな飛び道具を備えて世界をあっと驚かせるか、今から期待が高まりますね。
魅力的なGクラスの新車価格と中古車価格
メルセデスベンツ Gクラス(海外仕様車)
2021年10月現在、Gクラスの税抜き新車価格は、G350dが約1,124万円、G550が約1,531万円、メルセデスAMG G63が約1,994万円となっています。
このうち、エントリーグレードとなっているG350dは、車両価格としても比較的廉価なほか、クリーンディーゼルエンジン搭載車ですので、重量税が免税、登録翌年度の自動車税が75%減税など、諸費用面で嬉しいお得さもあります。普段の燃費もGクラス随一の低燃費ですので、助かりますね。
メルセデスベンツ Gクラス
2021年10月現在、Gクラスの中古車は453台の在庫が確認でき、中古車平均価格は税抜きで約1,744万円とまだまだ高止まり中。デビューからそれほど時間が経っていない点もありますが、Gクラスは全体的に中古車相場が高めで維持される車ですので、これからも大幅な値下がりは期待できそうにありません。
台数としては、高額車両としては選びやすい台数が揃っていますので、じっくり探せばお求めの仕様とも巡り会えそうですね。オプションなどが豊富に用意されているGクラスですので、どんな仕様を探すのか、先にしっかり決めておくほうがスムーズな中古車探しができそうです。
まとめ
メルセデスベンツ Gクラス
今や電気自動車のEQCも合わせて7車種もラインナップされるメルセデスベンツのSUVラインナップにおいて、不朽の頂点ともいえそうなGクラス。これまで最新装備や快適性でやや遅れをとっていましたが、2018年の改良では一気に最新のライバルたちとガチンコで勝負できる実力を手にしています。
ここまでの本格派の性能は、普段は持て余してしまうオーナーの方も多そうではありますが、本物の性能がもたらす高級感や安心感は替え難いところでしょう。
メルセデスベンツの誇る長い歴史を体感してみては。
メルセデスベンツ Gクラスに関するFAQ
■Gクラスの魅力って、なに?
Gクラスの魅力は、その圧倒的な本物感にあります。先代のGクラスのクラスは、もともとドイツ陸軍が使用する軍用車両として、オフロード性能を徹底的に追求する事を第一の目的として開発されました。そのため、ラダーフレームと本格的な4WDシステムをもった、無骨なクルマとなったのです。
他のSUVがセダンをベースに、外見をちょこっと変えただけというのに比べ、軍用車両ベースのGクラスは圧倒的な本物感で見るものを圧倒し、乗る人を唸らせます。
現行モデルのGクラスは軍用車両ではありませんが、それでも、「圧倒的な本物感」は健在です。これが、Gクラスの魅力なのです。
■Gクラス、新車で買えるの?
2021年10月現在、「Gクラスは在庫僅少につきご購入いただけない場合がございます」とメルセデスベンツ・ジャパンの公式ホームページに記載されています。購入を検討されている方は、近くのメルセデスベンツ正規代理店にお問い合わせをされた方がいいでしょう。
その分、中古車価格が高騰しており、新車と変わらない値段で販売されているモデルもあるようです。