ホンダの誇るミニバン、オデッセイに迫る
■待望のハイブリッドモデルが登場
オデッセイのハイブリッドシステムは、『アコード』で初採用された、2モーターのスポーツハイブリッド『iMMD』を 小型化・高出力化したものです。
オデッセイのデビュー当時、「HV化すると50万円以上価格アップするのであきらめた」と開発陣から聞いたというエピソードもありますがこの懸念は、システムの小型化でコストダウンが可能になったと考えられます。
■気になる、オデッセイHVの燃費は
モード燃費は驚愕の最高26.0km/リットル。
現時点では実質30~35万円程度のハイブリッド代で、5年、5万km走行程度で元が取れそうですね。
2リットルエンジンは145ps、17.8kg-m。モーターは184ps、32.1kg-m。つまり、アコードの143ps、16.8kg-m/169ps、31.3kg-mを凌ぐエンジン&モーターパワー(標準車と「アブソルート」共通)。
■実は、オデッセイ。意外なヒット作だった!?
今でこそホンダといえばミニバンやSUVに代表される、RVメーカーのイメージが定着していますが、一昔前まではセダンとスポーツカーに強い拘りをもっていたことをご存知でしょうか。
創業者である本田宗一郎の飽くなき新技術への探求を伝統とする社風も影響し、RV開発に乗り遅れ、業績も悪化する一方…。
バブル崩壊直後の1990年代は高級セダンやスポーツカーの需要は減退し、いよいよホンダも社運をかけたRV開発の着手を迫られていました。
そんな時、ホンダの救世主となり、今日のRVのホンダのイメージを作り上げたのが1994年に発売された車。そう、それがオデッセイにほかなりません。
オデッセイは本田技研工業が生産しているミニバンだ。ミニバンカテゴリーの中では車高は低めにできているため、高級セダンを運転しているような上質な感じとミニバンの広さの両方を楽しめる車だ。今回はこの車の魅力について迫ってみた。
しかし、当時のホンダには、一から新たにRVを開発するだけの資金的・時間的余裕がありませんでした。
そこで選択した苦肉の策が、既存のセダンである『アコード』のプラットフォームを流用するというものでした。
ミニバンとしては車高2m前後が常識だった中で、ホンダが既存の生産ラインで作ることができた最大サイズが、初代オデッセイの車高1660mmでした。
その姿はRVというより、どちらかというと大型ワゴンに近いかもしれません。
当時の経営陣の中には「こんなスライドドアもなく、ディーゼルエンジンも選べない、中途半端な車高のミニバンが売れるはずがない!」と最後まで市販化への抵抗があったと言われています。
そんな経緯もあり、発売当初の販売目標は月間4000台と控えめなものでした。
■そして今では大人気のクルマへ
結果は、というと、従来のミニバンにはない低重心からくるセダン並みの高い走行性能とスライドドアではないことの斬新さから、爆発的ヒットを記録するという嬉しい結果になりました。
経営陣の心配は杞憂に終わります。
1994年に日本カー・オブ・ザ・イヤー特別賞を翌95年にはRJCカー・オブ・ザ・イヤーを受賞するというこれ以上ない華々しいデビューを飾りました。
賞の受賞による宣伝効果もあって、1995年には12万5590台の販売台数を達成しました。
残念ながら海外の市場では非力で小柄と判断されて販売は伸びませんでしたが、それでも経営不振に陥ったホンダを復活させるには十分なものでした。
その後も当初のコンセプトを貫いたまま順調に開発を重ね、2013年からは5世代目となるモデルが今日まで販売され続けています。
5世代目のトピックスは何といってもハイブリッドの搭載で、主たる販売先も、不調だった欧州から中国を中心とする発展著しいアジア圏に広がりをみせています。
オデッセイの大成功を受けて、その後は『エリシオン』や『ステップワゴン』といった兄弟車種も数多く展開され、ホンダのRV帝国を築き上げるに至りました。
オデッセイ、2017年の動向は???
北米向けホンダ・オデッセイ新型
アメリカンホンダは、米国で開幕したデトロイトモーターショー2017において、北米向けの新型『オデッセイ』を初公開しました。
北米向けオデッセイは、日本仕様よりもひと回り大きなボディを持つという特徴があります。
1994年デビューの初代オデッセイは、日本仕様と同一ではあったものの、1999年に登場した2代目から、ホンダは北米専用モデルを開発。日本には『ラグレイト』として輸入されました。
2005年には、3世代目モデルが登場。米国市場におけるベストセラーミニバンに君臨した。現行の4世代目モデルは、2010年6月に発表。
デトロイトモーターショー2017で初公開された新型は、5世代目モデルとなり、およそ6年半ぶりのモデルチェンジとなります。
新型オデッセイは、新しいパワートレイン、先進のコネクティビティやエンターテインメント、安全装備を採用。
家族に優しい機能性や快適性も実現しました。
中でも、新開発の直噴3.5リットルV型6気筒ガソリンエンジンは、最大出力280hpと、従来比で32hpパワーアップ。気筒休止システムを採用して、燃費を引き上げました。
トランスミッションには、新開発の10速ATを用意しています。