この存在感でこの価格?!高コスパSUV、トヨタ RAV4の実力は
トヨタ RAV4
近年人気のSUVは、もともとが存在感のあるエクステリアデザインとなっていることもあって、やはり大きめのボディでドッシリと構えたスタンスが魅力的に写りますよね。
しかし、SUV以外のボディタイプと同様に、ボディが大型化するとお値段もどんどん膨らみがちなので、SUVの価格帯をチェックしてから「ちょっと…」とお思いの方も多くいらっしゃるかもしれません。
そんな中2019年4月に颯爽と発売された5代目トヨタ RAV4は、アメリカンっぽさも感じるような余裕のあるボディに、凝った仕組みの四輪駆動を世界初採用したり、コネクティッドカー技術や予防安全技術など最新技術をふんだんに投入した全方位的商品力の高さながら、なんと税抜価格で250万円切りスタートという破壊的な価格設定で話題を呼びました。
しかし、すでに成熟が進んだSUV市場では、カタログ上での見栄えがよくても、価格が安くても、車としての魅力が備わっていない限りヒット車にはなり得ないはず。それでもRAV4は、大型のSUVとして快進撃の販売実績を残し続けています。
きっとRAV4には、オーナーや試乗した評論家だけが知っている魅力がまだまだ隠されているはず。口コミ評価や試乗記をまとめてみましたので、それを探っていきましょう。
■先代は国内未導入だったのに、SUVブームが追い風に!
トヨタ RAV4
先ほど現行モデルが5代目であるとお伝えしましたが、RAV4自体は初代が1994年発売と意外と歴史のあるブランド。木村拓哉さんを起用したCMでポップな印象を強調するなど、クロスオーバーSUVブームのはしりの1台として大ヒットしました。
しかし、扱いやすさ際立つ5ナンバーサイズだったのは初代だけで、2代目以降は主に海外市場からの要求に応えるべくどんどんボディを大型化。あまりに上級移行しすぎたとの危惧もあったのか、ついに4代目RAV4は日本国内に導入されないという大変化まで巻き起こしました。
しかし、日本で売られていなかった4代目RAV4は世界中で大ヒット。この実力が日本でも通用することをトヨタは確信したでしょうし、折りからのSUVブームとはいえ、RAV4のようなアクティブ感の強い大型クロスオーバーSUVは意外とライバルも少ないこともあって、5代目RAV4は凱旋帰国を果たしたというわけです。
■似た境遇のCR-Vは苦戦しているのに、RAV4はスマッシュヒット
ホンダ CR-V
一時期はモデル廃止となっていたという不遇の境遇をRAV4とも共有する車が、ホンダ CR-Vでしょう。
こちらは初代モデルから一貫して3ナンバー車ではあったのですが、ライトな感覚で付き合えた初代や2代目以降のモデルでは、ホンダの強みとはいえない印象もある高級車的立ち位置を追求してきており、現行モデルの5代目では全幅1,855mmという堂々ボディに迫力の顔つきが印象的です。
しかしそのCR-V、RAV4に1年先行した2018年に登場したということも無視はできないにせよ、近年では販売成績が低迷中。直近のデータとなる2020年度登録者新車販売台数をチェックしてみると、RAV4は5万台あまりを販売して14位にランクインしていますが、CR-Vはなんと50位までのランキング自体に食い込めていないほどとなっています。
過去のCR-VやRAV4が持っていたアクティブ感をうまく復活させたRAV4に対して、CR-Vはライバル多数の高級クロスオーバーSUV市場に真っ向勝負を挑んだことが裏目に出たのかもしれませんね。
トヨタ RAV4の魅力をおさらいしていきましょう
■ヤンチャでアクティブなデザイン
トヨタ RAV4
いい意味で、オモチャっぽさのような若々しい印象を感じさせるのがRAV4のデザイン。特にアクティブ系グレード「アドベンチャー」では、よりワイルドながらちょっぴり愛嬌のあるエクステリアデザインとなっており、RAV4の中でも目立つ存在です、
また、標準グレードでは、エレガントさも感じさせるような上質なデザインとなっている点もポイント。愛車に求めるイメージの違いに応じて、ぴったりくる雰囲気を選べる楽しさもRAV4の魅力ですよね。
■先進装備が満載の未来カーという一面も!
《画像提供:Response 》トヨタ RAV4 インテリア
ラギッド感のある外観に気を取られがちではありますが、装備内容も非常に充実しているのがRAV4の特徴。
特に、近年トヨタが推進している「コネクティッドカー」としての一面は注目ポイントで、DCM(車載通信機)を全車で標準装備しているので、オペレーターサービスや車の状態のリモート確認、万が一の急病時などに活用できるヘルプネット機能など、最新のサービスがすぐに使い始められます。
もちろん予防安全性能や運転支援装備も至れり尽せりの充実っぷりで、2021年の新車として不足のない装備内容となっています。
■室内使い勝手はSUVらしく良好!
《画像提供:Response 》トヨタ RAV4 荷室
全長が約4.6m、全幅が約1.86mと余裕のあるボディサイズを活かし、室内のゆとりもしっかり確保されているのがRAV4のうれしいところです。前席がゆったりしたスペースなのは当然ながら、後席の足元や頭上空間は余裕たっぷりで、5人全員がくつろげる空間となっています。
また荷室スペースの使いやすさも見所で、フラットでワイドな荷室床面は何を積むにも使いやすいですし、デッキボードの高さを2段階で調整できるなど、荷物の量や形状に合わせた使い分けにも対応。SUVらしくアウトドア用品をガンガン積んでのお出かけ、なんてシーンにもしっかり対応してくれます。
■突然の悪天候も余裕で対応!四駆性能も侮れない
《画像提供:Response 》トヨタ RAV4 アドベンチャー”オフロードパッケージ”
もともとはピックアップトラックベースの堅牢な四輪駆動車として北米で人気を得はじめたSUVではありますが、近年ではSUV”ルック”というだけでも市場で人気となれることもあって、プロテクター風の造形を持つエクステリアながら2WD仕様しか用意されないSUVも出現してきています、
RAV4もそんな軟派SUVかと思いきや、実は四駆仕様だけでも3バリエーションも用意される意外とこだわりの性能が特徴、ハイブリッド車の電気式4WD「E-Four」の他に、ガソリン車には「ダイナミックトルクコントロール4WD」と「ダイナミックトルクベクタリングAWD」の2種類が用意されます。
このうち注目したいのはダイナミックトルクベクタリングAWDで、よりアクティブな仕立てのアドベンチャーグレードと、ガソリン車最上級グレードとなるG”Zパッケージ”グレードでのみ選択できる同システムは、高級スポーツカーのような後輪左右トルクベクタリング機構や、世界初となるディスコネクト機構の採用で、異次元の楽しさと高効率性を両立。
両グレードなら、200mと余裕のある最低地上高も相まって、悪路にも積極的にチャレンジしてみたくなってしまいそうです、
トヨタ RAV4のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,610mm×1,865mm×1,685mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,690mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,630kg | |
燃費 | WLTCモード:15.2km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリン 1,986cc | |
エンジン最高出力 | 126kW(171PS)/6,600rpm | |
エンジン最大トルク | 207N・m(21.1kgf・m)/4,800rpm | |
駆動方式 | 四輪駆動(4WD) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 3,009,091円(消費税抜) |
プロ評論家も唸った!RAV4の試乗記をチェックしてみよう
トヨタ RAV4
さて、新型RAV4の「ダイナミックトルクベクタリングコントロール」を備えたアドベンチャーグレードで走りだせば、まずは専用インテリア、シートのデザインセンスのよさ、シートのかけ心地の良さに感動である。2Lエンジンのスペックは170ps、21.1kg-mと控えめながら、エコモードでも十二分なトルク、加速力を発揮。スポーツモードにセットすれば、胸のすく加速を味わえる。
乗り心地も文句なしだ。アドベンチャーグレードは19インチのオールシーズンタイヤを履いているが、やや固めながらフラット感、快適感は見事で、荒れた路面、段差、穴などを乗り越えてもボディーはミシリともせず、低級音も皆無。カーブでの車体の傾きは最小限で、本格的な走破性を備えたクロスカントリーとして極めてスムーズな乗り味に満足することができた。
印象に残ったのは、ガソリン車のCVTとは思えない応答性の良さ。CVTのウィークポイントはダイレクト感がないことだが、RAV4のトランスミッションはCVTながら発進用の1速ギヤを組み合わせたことでスタート時の反応がいい。
さらには変速速度や変速応答性を高めたことで発進以降の加速にもリニア感があり、CVT車を運転していることを忘れてしまうほどだ。なにより、アクセルを踏み込んだ時にまずはエンジン回転が高まり、続いて車速が上がっていくというCVTならではの加速の違和感が大幅に緩和されていたのは驚いた。
ただブレーキは少々手を加えるべきところ。制動力の最後の部分で「カックン」となる。そう、いわゆる“カックンブレーキ”的。なので、そこにリニアな制動力とフィーリングが加われば完璧。ひとつクラスを上げるのは間違いない。
ついでにいうと、インターフェイスはこの価格帯で考えれば納得ではあるが、操作系は別としてデザインは一考してもいいだろう。オフロードとオンロードをうまくミックスした提案があれば嬉しい。
ひさしぶりに投入の新型車だけあって、意外とベタ褒めといった感もあるRAV4の試乗記ですが、特に注目したいのは、乗り心地や加減速の仕立てのうまさを指摘する声が多いことでしょう。
特に、オフロードも走破できる実力のあるSUVでありながら、普段のRAV4の活躍すシーンであろうオンロードでの快適性もしっかり重視されている様子。
とはいえRAV4も完璧ではなく、中にはブレーキタッチに不満を覚える声も聞かれました。また、インテリアはここまで本格的4WDシステムを備える車としてはちょっと演出不足という声も。
しかし、全体評価として見れば、RAV4には乗用車として不足なく使い倒せそうな実力がきちんと備わっているといえそうです。
実ユーザーの声はポジティブ?ネガティブ? 評判まとめ
ネット上でRAV4の評判を探ってみると、意外なほどにネガティブな意見に出会わないことにびっくりするかもしれません。どのオーナーさんも、RAV4が心底気に入っている様子。
SUVユーザーの求めるニーズを高度なバランスで全て満たしてくれる、RAV4の懐の深さがあってこその高評価なのかもしれませんね。
ただし、やはりアメリカンなボディサイズには戸惑いの声も。そのボディサイズあってこその室内や荷室のゆとりではありますが、普段の利用シーンで狭い道を頻繁に通ったりするなら、やはり試乗してみて車両感覚が掴みやすいかどうかなどをチェックしておきたいところですね。
また、標準グレードだけではなく、「アドベンチャー」グレードや「アドベンチャー”オフロードパッケージ”」などこだわりのグレードを気に入って利用しているオーナーも多く見られ、RAV4の趣味性の高さを感じられますね。
【2021年最新】トヨタ RAV4の新車・中古車価格まとめ
トヨタ RAV4
先述した通りリーズナブルな価格設定が特徴的なRAV4。2021年4月現在の税抜新車価格では、ガソリン車が約249.4〜約321.7万円、ハイブリッド車が約303.9〜約366.3万円となっています。高価格化も進んでいる印象のあるSUVとしては、クラス平均、または平均よりやや下程度の価格設定に見えますが、その価格設定だけではなく、ポイントは標準装備の充実度でしょう。
最廉価グレードであっても8インチディスプレイの「ディスプレイオーディオ」が標準装備されるので、Apple CarPlayやAndroid Autoを利用したナビゲーションアプリの利用が可能となっています。
RAV4が世界初採用となる「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を選択しようと思うと、ガソリン車の最上位グレード系である「アドベンチャー」「G“Zパッケージ”」を選ぶ必要がある点はやや残念な点ではありますが、どちらも四輪駆動システムに留まらない専用装備の数々が魅力的。
特にアドベンチャーグレードでは、専用意匠の内外装など特別感が高いのに、税抜価格で約300.9万円と意外にお安めなので、ぜひおすすめしたいグレードです。
《画像提供:Response 》トヨタ RAV4
中古車市場でのRAV4は、もちろんその人気を反映して豊富な在庫台数から選べる点がうれしいところ。
2021年4月現在では860台あまりの在庫が確認できます。
現行モデルに限ると、中古車平均価格は325.3万円とまだまだ高めで推移しています。趣味性の高い上位グレードが中古車市場でも人気なほか、フルエアロ装着などのコンプリートカー状態での販売も多数見られる点が、平均価格を押し上げているようです。
この点は、実は注意しておきたいポイント。新車を購入してご自分でアフターマーケット部品を買い集めて装着するよりも安上がりになる場合もありそうですし、手間を考えるとコンプリートカーで手に入れたいなとお思いの方もいらっしゃることでしょう。
ご自分のお気に入りの仕様が見つかるかもしれませんので、中古車市場もチェックしてみることをお薦めします。
まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ RAV4
RAV4のクチコミ評価や試乗記などをご紹介してきました。
トヨタの車らしく商品性にはスキがなく、あらゆる人にぴったりのSUVとして定評を受けていることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
カラバリやグレード展開も豊富ですので、きっとあなただけのRAV4見つけられるはず。まずはお気に入りのエクステリアカラーから決めてみてもおもしろそうです。