トヨタが誇るプリウスPHV
トヨタが「次世代環境車の柱」とするプラグインハイブリッド車、新型『プリウスPHV』。
電気のみで走行できる距離を68.2kmまで拡大、環境性能を高めながら、新プラットフォーム「TNGA」の採用やデュアルモータードライブシステムなどにより、“走り”の面でも進化しました。
8.8kWh大容量リチウムイオン電池の搭載、プラグインハイブリッドシステムの効率化によりEV走行距離だけでなく、EVによる最高速度も135km/hまで引き上げられ、さらにハイブリッド走行時の燃費も37.2km/リットルと、トヨタ曰く「トップレベルの低燃費」を実現しました。
■売れ行きも好調!発売一ヶ月で1万2500台の受注が
ちなみに、PHVがどれだけ人気なのかを表す数字があります。
トヨタ自動車は、新型『プリウスPHV』の受注台数が、発売から約1か月にあたる3月16日時点で、目標台数の5倍となる約1万2500台となったと発表しています。
■見てほしいプリウスPHVの加速感
力強い加速感は、デュアルモータードライブシステムによるもの。
発電用のジェネレーターをモーターとして使うことでモーター2個分のトルクを駆動に与えることができます。
モーターのみの最高出力は72ps、最大トルクは163Nmだが、カタログスペック以上の心地よさを味わうことができるはずです。
大容量バッテリーの搭載による重量増は、走りの安定感にも貢献。専用の足回り、静粛性の高い室内空間と相まって、上質な走りを手に入れています。
外観デザインはハイブリッド車のプリウスと大幅に差別化。シャープな4眼のLEDヘッドランプは、左右16個のLEDで照射範囲を制御するアダプティブハイビームシステムを採用。
バックドアのガラスは二つの膨らみを持つ「ダブルバブルウインドゥ」とし、デザイン上の特別感と空力性能をアップしました。
見た目にもインパクトのあるルーフの「ソーラー充電システム」は、駐車中は駆動用バッテリーに電力を供給、最大約6.1km/日の走行分の電力量を充電可能。走行中は補機バッテリーの消費を補い燃費向上に貢献します。
■新技術、ソーラー充電システムを搭載したプリウスPHV
プリウスPHV、注目の新技術のひとつが、駆動用の電気を得るための「ソーラー充電システム」で、駆動用としては世界初の実用化となっているのをご存知でしょうか。
ルーフ上には、最大出力180Wのソーラーパネルを搭載しています。
駐車時に得た電気は動力用バッテリーに蓄え、また走行時の発電分は12ボルトバッテリー系統に供給してオーディオ用など充てます。
名古屋地区の年間日照データを基にしたトヨタの試算によると、1日当たりのソーラー充電で平均2.9km、最大では6.1kmのEV走行が可能になりました。
車両価格が約326万円と最も安い普及グレードの「S」、および約376万円の「Sナビパッケージ」にメーカーオプションで設定されています。
税込み価格は28万800円です。
■室内は?安全面はどうなっているの?
室内では、センターコンソールに設置された縦長大画面の「11.6インチT-Connect SDナビゲーションシステム」が目を引きます。
「つながるクルマ」としての機能も進化。
クルマ見守り、マップオンデマンド、エージェント、オペレーターサービス、Appsなど、様々なオンラインサービスを利用可能だ。また、専用スマートフォンアプリ「Pocket PHV」では、クルマから離れた場所から充電状況の確認・操作、エアコンの操作、充電ステーションの検索などが可能となっています。
安全面ではミリ波レーダーと単眼カメラによる衝突回避支援システム「Toyota Safety Sense P」を装備。歩行者も検知する自動ブレーキシステム、車線逸脱防止サポート、全車速追従機能付レーダークルーズコントロールなどを実現します。
■実際にプリウスPHVを試乗した感想は
先代PHVユーザーの不満点のひとつが、標準型プリウスと変わらない内外装。しかし新型は専用の顔つき、フルLEDランプ、ダブルバブルウインドーなど、ひと目で標準型プリウスとは違うエクステリアを備えている。詳細に見れば、フロントフェンダーの見切り線まで違うのである。
インテリアもまたPHV専用だ。ベースグレードのS以外に標準装備される縦型11.6インチのT-Connect SDナビゲーションシステムは、輸入車にはめずらしくないものの、日本車としては新鮮かつ先進感溢れる装備・機能の持ち主だ。何しろタイマー充電、エアコン操作を手元のスマホやタブレットで行え、オペレーターサービスまであるのだ。
そうそう、新型PHVは先代の不満点だった充電環境も劇的に向上。100V、急速充電に対応するため、家庭用電源で充電OK。高速道路のSAなどでも充電できるようになった便利さは計り知れない(EVと遭遇したら先に譲りましょう)。
16インチタイヤ仕様を走らせれば、標準型プリウスとは別物の上質感、安定感、しっとりとした快適感ある乗り心地、ステアリングを切ったときのよりリニアで気持ちいい回頭性、回頭感を示してくれる。それはリチウムイオンバッテリーの容量UPなどで約150kg(そのうちLEDヘッドランプなど装備分が50kg)重くなった車重増、低重心化によるメリットと言っていい。
内山田会長、これからのエコカーの大本命、プリウスPHVを語る
トヨタ自動車は2月15日、『プリウスPHV』を約5年ぶりに全面改良して発売した。2代目となる新型は、EV(電気自動車)走行の性能を高めるなど、世界初の量産PHVだった初代から大きく進化させた。国内では4系列全店で扱い、月間2500台の販売を計画している。
都内で開いた発表会見では、1997年に投入した初代『プリウス』の開発責任者でもある内山田竹志会長が最初に登壇し、「お客様ファーストと環境ファーストという2つの使命に答えるため、異次元の進化を遂げた」と、2代目の開発への想いをアピールした。
そのうえで、PHVは「これからのエコカーの本命でありカナメであり、主流となるクルマ」と強調。「ハイブリッド車(HV)の次は何だと問われれば、PHVであるというのがトヨタの答え」と語った。
会見の質疑では、1月に同社のHVの世界累計販売が1000万台を突破したことに関連し、PHVが1000万台に達する時期を聞かれ「HVより早いのではないか。皆さんの関心も高まっているし、バッテリーやモーターの技術も進化している」と述べた。
プリウスPHVには、プリウスとはまた違った魅力があるんですね。