大阪府 市区町村別 車室数ランキング TOP10
■TOP10の考察ポイント
1位は大阪市中央区、2位は大阪市北区と、都心部の商業・業務集積地が上位を占めました。中央区は心斎橋・本町・なんば、北区は梅田・中之島などのエリアを抱え、平日・休日ともに高い駐車ニーズを維持しています。
また、3位の吹田市や4位の東大阪市、5位の堺市北区など郊外エリアも上位にランクイン。これらの市は幹線道路や大型施設が集積し、車移動を前提とした都市構造が、駐車需要を押し上げていると考えられます。
6位の泉佐野市は、関西国際空港の玄関口。空港利用者や送迎需要などが、車室数に反映されていると見られます。
都心・郊外ともに、交通の結節点や商業・観光の集積地が上位に集中しており、大阪府全体で多様な移動スタイルが広がっている様子がうかがえます。
万博エリア周辺の駐車場事情
現在開催中の大阪・関西万博(2025年4月〜10月)の会場である夢洲(此花区)を取り巻く市区の車室数状況を比較したところ、やや意外ともいえる結果が見られました。
万博会場および周辺市区の車室数比較 ※本表の掲載順は、順位順ではなく本文中の考察の流れに基づいて構成されています。
特筆すべきは、会場所在地である此花区が28位とTOP10圏外にとどまった点です。これは、万博来場者の多くが公共交通機関(ゆめ咲線・バス)での来場を促されているためと見られます。
また、港区(41位)や大正区(44位)など、湾岸部の他の市区も相対的に車室数が少なく、湾岸エリアにおける駐車インフラ整備が今なお発展途上にあることを示唆しています。
一方で、住之江区(11位)や西区(10位)など、夢洲に近く都市機能も整ったエリアは比較的高順位となっており、会場周辺においてバランスある都市交通の形成が進みつつある様子も見て取れます。
今後、万博レガシーを見据えた都市開発の進展により、湾岸部や此花区周辺でも恒常的な駐車需要の増加が期待されます。
今回の集計結果は、万博開催中という“いま”の都市交通の実態を捉えたひとつの示唆といえるでしょう。
出典元:パーキングサイエンス株式会社