売れすぎトヨタ ルーミー、こだわりのグレード選びで差をつけろ
トヨタ ルーミー
自動車が広く普及し始めた頃から、常に販売台数ランキングで上位を獲得してきたコンパクトカーたち。その中でも近年では、ユーティリティ性を重視した背高ノッポなトールワゴンが爆発的な人気を得ています。
そのトールワゴン人気を支える一台こそ、今回ご紹介していくトヨタ ルーミー。2016年11月に登場して以降、ダイハツとスバルからも同時に販売される兄弟車たちも合わせて、日本国内の自動車市場で非常に大きな影響力を持ち続けてきました。
2020年9月には、それまでやや古さも見えてきていた安全装備を最新型にアップグレードするなど魅力を一新する一部改良を受けて人気を回復。なんと2021年に入ってからも、1月から3月までコンスタントに1万台以上を売り続け、普通車販売台数ランキングでは2位につけているというロングセラーヒット商品となっています。
参考までに1位は同じくトヨタのヤリスですが、こちらはヤリスとヤリスクロスが合わさった数値。単一車種で1万台以上を売り上げているルーミーは、充分以上に大ヒット車といえるでしょう。
そんなルーミー、市場での人気に対して意外とグレード数はまとめられており、数自体はあまり多くないのですが、それでもせっかくの愛車としてルーミーを選ぶからには、ご自身のニーズにピッタリとハマるグレードを選びたいものですよね。
この記事では、ルーミーのグレード選びのポイントや各グレードでの装備差をご紹介していくので、読めばきっとあなたにぴったりのグレードが見つかるはずです。
ルーミーのグレード選びで大事にしたいポイント、4選
■ちょいぶさカワの標準系?ラグジュアリーなカスタム系?
《画像提供:Response 》トヨタ ルーミー G
まずルーミーのラインナップにおいて大きな違いになるのが、内外装の意匠がそれぞれ異なる標準系とカスタム系のどちらを選ぶのかというポイント。2020年の改良までは、ルーミーは全車でカスタム系の顔つきで、標準系の顔つきとしてはタンクという別車種が設定されていたのですが、タンクのモデル統合によって、ルーミーの選ぶ楽しみが増しています。
バンパー側のロワーグリルが目立つ標準系は、どこかパグを思わせるような、ちょっぴり愛嬌のある顔立ちとも取れますし、意外とヘッドライトなどは鋭角なラインで構成されているので、標準系ながら精悍さも持ち合わせている印象もある、多層的なデザイン。
対してカスタムは、より大型の高級ミニバンを思わせるボリューミーなメッキグリルや堂々とした表情でラグジュアリーさがあふれる印象。装着されるエアロバンパーには地上高を低く見せる効果もあり、より低く構えたスポーティさはやはりカスタムならではの魅力ですね。
■エンジンは自然吸気?ターボ? 遠出したいかどうかが決め手かも
《画像提供:Response 》(参考)ダイハツ トール ターボエンジン
全車で1.0リッターエンジンが搭載されるルーミーは、その排気量の小ささを活かした税制面での優位性が大きなアピールポイント。しかし、その1.0リッターエンジンには、自然吸気仕様とターボ仕様が用意されており、どちらを選ぶか迷ってしまいそうですね。
自然吸気仕様は、広々とした室内を持つルーミーだけに力不足なんじゃないの?と思ってしまいそうになりますが、そこは最新のエンジン設計と高効率なCVTの組み合わせで不満なし。昨今の軽自動車のようにアクセルをちょっと踏んだだけで飛び出るパワフルさの演出がなく、扱いやすい普通車の余裕が街乗りでしっかり実感できそうです。
それではターボエンジンの魅力はどこにあるかといえば、ツーリング性能でしょう。やはり速度域の高まる高速道路や、フル定員乗車での登坂などでは、自然吸気エンジンでは回転数がグッと高まってエンジンの頑張りも目立ちがち。ターボエンジン車なら98PSと余裕のハイパワーなので、ドライバーの意思通りにスッと加速してくれる余裕が頼もしいところです。
同等グレード比では、ターボを装着してもおおよそ10万円少々の価格差となっている選びやすさもあり、たまには遠出にも使いたい方ならターボ仕様、街乗りだけで充分だし燃費性能も少しでも追求したい方なら自然吸気仕様が向いていそうです。
■基本の安全性能は全車共通、ハイグレードさは必要?不必要?
《画像提供:Response 》トヨタ ルーミー 被害軽減ブレーキアシスト イメージ
大幅に充実した最新の安全装備を持つルーミーは、ファミリーカーとして重視したい安全性能もバッチリ。衝突回避支援ブレーキなどの安全機能をパッケージ化した「スマートアシスト」は、最廉価グレードも含めて全車で標準装備される点が嬉しいところです。
このスマートアシスト、夜間の歩行者検知に対応していたり、前後方対応のブレーキ制御付後発進抑制機能が備わっているなど、上級車顔負けの充実装備がうれしいところ。しかし、上級グレードではさらに充実の機能も備わります。
主な違いはカスタム系にあり、カスタム系のみヘッドライトが先行車や対向車を検知した部分遮光に対応する「アダプティブドライビングビーム」付きになるほか、電動パーキングブレーキが装備されることで全車速追従機能付ACCも備わります。ロングドライブにも余裕が生まれることでしょう。
■毎日乗る車なら、インテリアにもこだわりたい?
《画像提供:Response 》トヨタ ルーミー G インテリア(ブラック×アッシュブラウン)
コンパクトカーながらフロントセパレートシートによって前後左右のウォークスルーも可能となっているなど、ミニバン的な使い勝手が魅力のルーミーの室内でも、グレード間では無視できない差が発生しています。
標準系では暖かみのあるブラックとアッシュブラウンの2トーンインテリア、カスタム系では精悍なブラックにブルーの差し色がクールなインテリアと、カラーバリエーションが固定されてしまっているのはやや残念な部分ではありますが、それでも2仕様が設定されているのはうれしいポイント。
特にカスタム系では、シートファブリックが撥水機能付きとなったり、所々にメッキやシルバーの加飾が加わっていたり、運転中常に触り続けることになるステアリングホイールは本革巻きとされているなどより上質な印象です。カスタム系のみ6スピーカー仕様となる点も見逃せませんね。
トヨタ ルーミーのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,700mm×1,670mm×1,735mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,490mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,080kg | |
燃費 | WLTCモード:18.4km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリン 996cc | |
エンジン最高出力 | 51kW(69PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 92N・m(9.4kgf・m)/4,400rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 1,415,000円(消費税込) |
トヨタ ルーミーの各グレード、徹底紹介!価格帯、装備内容
ここからは、ルーミーの各グレードの詳細をご紹介していきます。
税抜新車価格とともに、そのグレードで注目したい装備についても触れていきますので、ぜひチェックしてみてください。
■X(2WD/4WD):最廉価でも侮れない充実っぷり
《画像提供:Response 》(参考)ダイハツ トール X
ルーミーで最も廉価な仕様となるのが、標準系の「X」グレード。なんと税抜新車価格では、2WD車で141.5万円、4WD車で157.5万円という、普通車として破格の安さが特徴的です。
価格が安いとはいえ、助手席側パワースライドドアやキーフリーシステムなどの便利装備はしっかり備わっています。上位グレードとの大きな違いとして、ヘッドランプがやや古風なハロゲン式となっていたり、マニュアルエアコンとなっていたりする点はありつつも、価格のインパクトを考えれば装備差も納得しやすそうです。
ただし、車両周辺の安全確認に役立つパノラミックビューモニターが、Xグレードのみではオプションでも装着できないなどの制限がある場合も。欲しい機能が備わっているか、オプションで追加できるのか、しっかり確認しておきたいところです。
■G(2WD/4WD)、G-T:選びやすい中間グレード
《画像提供:Response 》トヨタ ルーミー G
ワンランクアップした選びやすさの中間グレードとなるルーミーこそ、標準系の「G」およびターボエンジン装備となる「G-T」グレード。税抜新車価格では、Gの2WD車で158.5万円・4WD車で174.5万円、2WD仕様のみの設定となるG-Tグレードで169.5万円という、まだまだ良好すぎるコスパが注目ポイントです。
Xグレードと比べると、約17万円高に設定されていることがわかりますね。
外観上はGグレード、G-Tグレードともに14インチのスチールホイール装備など、Xグレードとの差は大きくありませんが、差が出てくるのは使い勝手部分。Gグレード以上からは両側パワースライドドアが標準装備されるほか、降車時に予約しておけば車両に近づくだけでスライドドアが開くウェルカムパワースライドドア機能なども備わります。
■カスタムG(2WD/4WD)、カスタムG-T:トップグレードの余裕
《画像提供:Response 》トヨタ ルーミー カスタムG-T
見た目もガラッと印象が変わったルーミーで最も高価な仕様こそ、カスタム系となる「カスタムG」およびターボエンジン装備となる「カスタムG-T」グレード。トップグレードながら、税抜新車価格では、カスタムGの2WD車で174.0万円・4WD車で190.0万円、2WD仕様のみの設定となるカスタムG-Tグレードで186.0万円と、それでもまだまだ軽スーパーハイトワゴンのトップグレード系と競合できるほどの廉価さです。
標準系とカスタム系の価格差は、おおよそ15万円高程度に設定されていることが分かります。
カスタム系では上位扱いとなるGグレードからスタートしていることからも分かる通り、装備は充実そのもの。カスタムGグレードとカスタムG-TグレードともにアルミホイールやLEDヘッドランプ、LEDフロントフォグランプにLEDイルミネーションランプまで備わるほか、大型のメッキグリルの組み合わせは高級感が漂います。
また、安全装備でもやや差が出ており、高度なLEDヘッドランプを備えるカスタム系は、部分遮光に対応するアダプティブドライビングビームや、交差点などで進行方向を照らしてくれるサイドビューランプなどの先進安全装備が標準装備。電動パーキングブレーキと全車速追従機能付ACCの組み合わせによるツーリング性能も見逃せないポイントです。
結局ルーミーのおすすめグレードはどれ?
価格面を重視するのか、装備面を重視するのかによっても大きな差があるため、一概に全ての方にこのグレードがおすすめとは言いにくい部分もあるのですが、それでも幅広いユーザー層にぴったりハマるおすすめグレードと思われるのは、カスタムGグレードでしょう。
カスタムG-Tのターボエンジンによる動力性能の余裕は魅力ではありますが、カスタムGなら、2020年の一部改良で加わった電動パーキングブレーキと全車速追従機能付ACCといった便利機能をリーズナブルに手に入れることができます。
室内の広さや使い勝手といった基本性能はどのグレードでも共通なだけに、後付けできない便利機能はぜひ優先して選んでおきたいところ。
高速道路などは使わないから全車速追従機能付ACCは必要ないかも、とお思いでも、電動パーキングブレーキによる操作の自動化や、ブレーキホールド機能などの優れた使い勝手は、一度使うと離れられない魅力があります。ひと昔前では超高級車でしか実現されていなかったゴージャスな装備がお得に揃う、カスタムGグレードは要チェックでしょう。
ルーミーで選んでおきたいオプションはこれだ
■サイドエアバッグとカーテンシールドエアバッグ
(参考画像)SRSサイドエアバッグ、SRSカーテンシールドエアバッグ展開状態
破格の車両価格の安さのインパクトで意外とスルーしてしまいそうなのが、ルーミーは全車で前席SRSエアバッグしか標準装備されないこと。
ルーミーのライバル車であるソリオや、同じトヨタ車でもヤリスなど発売年度の新しいモデルでは、乗員の前方向対象のエアバッグだけではなく、横方向の安全確保につながるSRSサイドエアバッグやSRSカーテンシールドエアバッグも全車標準装備となることも多くなってきているなか、ルーミーでは全車でメーカーオプション設定となっています。
廉価グレードでも同オプションが設定されているという点はうれしいものの、上級グレードでさえも標準装備されないのはかなりマイナスポイント。税抜価格で5万円前後とそう高くない価格設定なので、必ず選んでおきたいオプションといえるでしょう。
■パノラミックビューパッケージ
《画像提供:Response 》トヨタ ルーミー(改良前モデル) パノラミックビュー
現代的な安全装備としておすすめなのが、パノラミックビューモニターが備わるパッケージオプション、パノラミックビューパッケージ。こちらは税抜価格で約10万円と値が張るオプションにはなりますが、自車を上から見下ろしたような映像で周囲を確認できる点は、慣れると離れられない使い勝手のよさです。
このパッケージオプションなら、パノラミックビューモニター用の各カメラだけでなく、9インチディスプレイオーディオが同時に装備される点もポイント。GPSアンテナを備えておりApple CarPlay/Android Autoに対応しているので、スマホと連動させることでカーナビ並みの使い勝手が備わります。
よりリーズナブルにパノラミックビューを実現したい場合は、パノラミックビュー対応ナビレディパッケージもおすすめ。こちらでは9インチディスプレイオーディオが備わらないので、別途後付けナビを用意する必要がありますが、その分オプション価格は税抜価格で4.4万円と半額以下となります。
■スポーティなGRパーツでキリッと精悍なルーミーに!
トヨタ ルーミー GRパーツ装着車
人気車だけあってエアロパーツも豊富にオプション設定されており、トヨタ車定番のモデリスタのエアロも見逃せないのですが、注目したいのは「GRパーツ」。
世界中で数々のモータースポーツに参戦するトヨタ ガズーレーシングの勢いを感じさせるようなGRエアロパーツや、カスタム専用で設定されるツヤ消しブラック仕上げのGRフロントバンパーガーニッシュなどによって、迫力のスタイリングが実現されていますね。
残念ながらルーミー向けのGRパーツではインテリアパーツが設定されていないのですが、エクステリアのトータルパッケージとして導入すれば、街で他のルーミーとは差をつけられること間違いなしでしょう。
まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ ルーミー カスタムG-T
大人気のトールワゴン、トヨタ ルーミーのグレード選びに関してご紹介してきました。
どのグレードでもスマートアシストが標準装備されるなど優れたコスパが特徴ながら、装備差によってうまくグレード展開がされている印象ですよね。欲しい機能をしっかり確認して、あなたにぴったりなルーミーをぜひ選んでください。