トヨタ ヴォクシーとは
≪写真提供:response≫トヨタ ヴォクシー
自動車業界のトレンドの中で、近年ではやや勢いが落ち気味となっているミニバン市場。SUVはコンパクトカーの人気が高まっていることもあって、サイズの大きなミニバンは以前ほどの存在感はなくなっています。
ミニバンにもさまざまなサイズのものがあり、近年人気が高まっているのはよりコンパクトなものです。トヨタのシエンタやホンダのフリードが好調な売り上げを維持している中、フルサイズのミニバンはやや元気がなくなっている印象です。
とはいえ、フルサイズのミニバンならではの車内空間の広さや使い勝手の良さから以前として需要はあり、多くのメーカーでラインナップされています。特にトヨタはミニバンに強く多くのモデルをラインナップしています。
そんなトヨタのミニバンの中でもスタンダードモデルとして長年にわたって人気を集めてきたのがヴォクシーです。
ここではまずヴォクシーがどんなモデルなのかをご紹介します。
■迫力あるフロントグリル×優等生な性能
ヴォクシーは、長年トヨタの定番小型ワンボックスカーとしてラインナップされ続けてきたライトエースのワゴン仕様という系統のもと登場しました。同時に発売されたノアは姉妹車です。
以前からトヨタの多くのモデルにはデザインや名称が異なる姉妹車がいくつも存在していました。中にはエスティマのコンパクトモデルとして登場したエミーナとルシーダなどはロゴの位置意外にほとんど違いはなく、別モデルである必要性をあまり感じないものも少なくありません。
当時のトヨタは複数の販売チャネルを持っており、それぞれで販売しているラインナップが異なっていました。そこで、同じモデルを複数の販売店で売る際には別のモデルとして名称などを変えて販売されるケースが多かったのです。なので、トヨタの多くの人気モデルには姉妹車が存在するのです。
ヴォクシーとノアも、もともとは販売店の違いから登場した姉妹車でした。ノアが当時のカローラ店で販売されていたのに対して、ヴォクシーはネッツです。
とはいえ、ヴォクシーとノアは単なる販売店の違いによる派生モデルというのみでなくデザインなどに違いがあります。ヴォクシーはノアよりもさらに若いユーザーを意識したデザインを採用しており、迫力あるフロントグリルなどを採用しています。車体は共通していますので、基本的なスタイルは同じですが、デザインが変更されたことによって、まったく別のモデルであるかのような印象を受けます。
外観はワイルドですが、中身はノアと共通していますので、性能は優等生でとても乗りやすいという点もポイントです。
当初はどちらかというとノアがメインでヴォクシーはその派生モデルというイメージが持たれていますが、そのワイルドなスタイルと優等生な性能が人気を集め、より人気を高めていきました。
■低床化による高い走行安定性能
ヴォクシーは5ナンバークラスのコンパクトサイズのミニバンですが、低床化によって広い車内空間を実現しています。この低床化は安定した走行性能にも繋がっています。
ミニバンは全高が高いこともあって、走行が不安定になってしまいがちです。特に強風時などにはあおられてかなり不安定になってしまいます。しかし、ヴォクシーは低床化と空力を考えられたデザインによって高い走行安定性を実現しました。
もちろん、セダンやスポーツ系クーペほどの安定感や走行性能は期待できませんが、ミニバン=走りがイマイチというイメージを抱いている方は驚いてしまうかもしれません。
■運転しやすいミドルサイズミニバン
運転のしやすさもヴォクシーの魅力です。3列のシート全てにゆったりと座れるミニバンですが、先ほどもご紹介しました通りコンパクトサイズに抑えられています。そのため、運転しやすいという点もポイントです。ミニバンはサイズが大きいことから、運転しにくいのでは?と考えて敬遠してしまう方も多いようです。
しかし、ヴォクシーは極端に全長が長いわけではなく、小回りも利きますので、慣れてしまえばコンパクトカーなどと同じような感覚で運転できます。フロントが短く、視界も高いのでセダンよりも運転しやすいと感じる方も多いかもしれません。
車内空間が広く、同時に運転しやすいミニバンを求めているという方にもおすすめのモデルとなっています。
ヴォクシーのコストパフォーマンス
≪写真提供:response≫トヨタ ヴォクシー
車の購入を考えている方にとって、気になるのはやはりコストパフォーマンスでしょう。
そこで、ここではヴォクシーの新車価格や、中古車価格、燃費などについて詳しくご紹介します。
■ヴォクシーのグレード&価格
ヴォクシーはガソリンエンジンモデルとハイブリッドモデルの両方がラインナップされています。まずガソリン車のベースグレードにあたる「ZS 2WD」は8人乗りが2,558,000円(税抜)7人乗りが2,586,000円(税抜)です。
人気のハイブリッド車「HYBRID ZS」は3,043,000円(税抜)となっています。
ガソリン車とハイブリッド車では価格差が40万円以上ありますので、購入価格を考えるとかなり迷ってしまうかもしれません。しかし、詳しくは後述しますが燃費性能には差がありますのでその点も踏まえて考えることが重要です。
その他にも期間限定の特別仕様車などが数多くラインナップされていますので、購入時にはしっかりとチェックしておきましょう。
※価格は公式サイトより(2021年5月時点)
■ヴォクシーの中古車価格
ヴォクシーは初代モデルが発売してからすでに20年ほどが経過していますので、中古車市場にもかなりの台数が出回っています。なので、中古車の選択肢はとても豊富です。
できるだけ安く購入したいと考えるのであれば2001年発売の初代モデルや2007年発売の2代目モデルでしょう。これらの世代のモデルであれば10万円台からでも購入可能です。比較的程度の良い2代目モデルでも50万円前後から選択肢はかなりあります。
2014年に発売された3代目モデルはやはり人気が高いこともあって価格は高めで状態がいいものになると100〜200万円台になってしまいます。とくにこの世代から加わったハイブリッドモデルは特に人気が高く価格も高値で安定している印象です。
ただ、ヴォクシーは前回のフルモデルチェンジから7年ほどが経過していますので、今年、または来年にはニューモデルの発売が予想されています。新しいモデルが登場すれば、3代目モデルの中古車価格が下がることも予想されますので、できるだけ安く購入したいのであればこのタイミングを狙ってみるのもおすすめです。
■ヴォクシーの燃費
ヴォクシーの燃費はガソリンモデル12.2〜13.2km/L、ハイブリッドが19.0km/Lとなっています。ハイブリッドモデルでも20km/Lには届かないこともあって、燃費性能では少し物足りないと感じてしまう方も多いかもしれません。
この点に関しては、前回のフルモデルチェンジが2014年と、やや古い設計であることも影響しているのかもしれません。
近々発表が予想されている新型ヴォクシーでは燃費性能の向上も期待されていますので、燃費にこだわるのであれば次世代のモデルを待つというのもひとつの選択肢でしょう。
トヨタミニバン3兄弟!ノア・エスクァイアとの比較
≪写真提供:response≫トヨタ ヴォクシー
トヨタのミニバンのスタンダードモデルとして人気のヴォクシーですが、先ほどもご紹介しました通り、姉妹車が存在しています。それがノアとエスクァイアです。ヴォクシーも合わせたこの3台は、基本構造を共有していますが、外観などが大きく異なっています。
そこで、最後にそれぞれの特徴をご紹介します。
■ファミリー層に人気のノア
ファミリー層に人気のノアはシンプルなスタイルを採用しています。フロントグリルにはメッキパーツを使用しており、存在感はありますがシンプルな作りとなっていますのですっきりとした印象です。世代を選ばず気軽に乗ることができるミニバンと言えるでしょう。
ただ、あまりにもすっきりとしすぎていますので、若い方などは少し物足りなさを感じてしまうかもしれません。
■高級感と実用性を両立したエスクァイア
ノアと同様にフロントグリルにはメッキパーツを使用していますが、よりギラギラとしたデザインが採用されています。これによって、よりラグジュアリー感の強い印象に仕上げられているのがエスクァイアです。どこかクラウンを思い起こさせるようなデザインでとても高級感があります。
トヨタ高級ミニバンとしてはアルファードやヴェルファイアなどが挙げられますが、もう少し安価でコンパクトなミニバンが欲しいという方にはぴったりです。
■ワイルドなスタイルが魅力のヴォクシー
ヴォクシーはワイルドなスタイルが特徴です。若い世代を狙ったデザインですが、やんちゃすぎるわけではありませんので結果として幅広い層に支持されています。この3兄弟の中ではもっとも高い人気を誇っています。
価格帯としては、もっとも高価なのがエスクァイア、次いでヴォクシー、ノアとなっています。価格帯が中間で選びやすいという点もヴォクシー人気に繋がっているのかもしれません。
まとめ
≪写真提供:response≫トヨタ ヴォクシー
ヴォクシーはトヨタを代表するミニバンとして高い人気を集めているモデルです。今回はそんなヴォクシーの特徴や魅力、そしてコストパフォーマンスなどについてもご紹介しました。近々ニューモデルの登場も予想されていますので、購入を検討しているのは今回ご紹介した情報とプラスして最新情報もチェックしておきましょう。
また、ヴォクシーにはノアとエスクァイアという姉妹車も存在しますので、しっかり比較しておくことも大切です。