トヨタアルファードとは
≪写真提供:response≫トヨタ アルファード
今日では広い車内空間を確保した軽ハイトワゴンなどの人気も高まり、子育て世帯向けのファミリーカーの選択肢は広がっています。とはいえ、依然としてファミリーカーといえばミニバンというイメージを抱いている方も多いのではないでしょうか。
コンパクトカーや軽自動車などの人気の高まりから、市場規模としてはやや縮小傾向にあるミニバンですが、車体の大きさを活かした広い車内空間などから根強い人気があります。
トヨタでは複数のミニバンが展開されていますが、中でも特に高い人気を集めているモデルのひとつがアルファードです。トヨタのミニバンの中でもフラッグシップにあたるモデルであり、デザインや性能などありとあらゆる面で高いクオリティのミニバンに仕上がっています。
ここではまず、アルファードとはどういったモデルなのかを詳しくご紹介します。
■高級感溢れるミニバン
初代アルファードが発売されたのは2002年のことでした。90年代から2000年代にかけて、トヨタ エスティマや日産 セレナなどスタイリッシュなデザインを採用したミニバンが数多く発売され、子育て世帯を中心として高い人気を集めていました。しかし、ミニバンはあくまで実用車というイメージが強く、高級車との間には大きな溝があったのです。
そんな中、高級ミニバンというコンセプトで登場したのがアルファードです。スタイルとしては大型ミニバンですが、高級感を前面に押し出すことによって他のモデルとの差別化を図りました。少し早く発売された同じく高級ミニバンである日産 エルグランドと共に高い人気を集め、このカテゴリーを確立しました。
初代アルファードは大型のボディを活かしたワイルドなシルエットに上品なメッキパーツを組み合わせたデザインが採用されました。パワーユニットには3LのV6エンジンと2.4Lの直列4気筒エンジンを採用し、サイズの大きなミニバンでありながらパワフルな走行が可能なモデルに仕上がっています。さらに、2003年のモデルチェンジではハイブリッドモデルも登場しています。当時、ミニバンのハイブリッドモデルは選択肢がほとんどなかったこともあり、大きな注目を集めました。
2代目アルファードが登場したのは2008年のことでした。基本的なコンセプトはそのままでさらに高級感もグレードアップしています。デザイン面ではさらにフロントグリルがややサイズアップし、迫力を増しました。パワーユニットは2.4Lの直4と、3.5LV6エンジンの選択が可能。ハイブリッドモデルは2011年のマイナーチェンジの際に追加されました。
この2代目モデルを語る上で外せないのが姉妹モデルのヴェルファイアの登場です。現在ではトヨタの販売店であればすべてのモデルが購入できるようになっていましたが、当時は販売店によって販売されているモデルのラインナップが異なっていました。そのため、同じモデルをベースとした姉妹車がいくつも存在しており、中にはデザインやスペックなどもほぼ同一で名称のみが違うものもあったほどです。
アルファードとヴェルファイアもそれぞれ別の販売店で販売される姉妹車でしたが、デザインが大きく異なっていました。高級感を前面に押し出しているアルファードに対して、ヴェルファイアやワイルドでスポーティなデザインを採用し、より若い世代に人気のモデルとなっています。
現在でもアルファードとヴェルファイアは姉妹車ではありますがそれぞれ別のモデルとしてラインナップされています。
2015年に登場したのが現行モデルにあたる3代目です。こちらのモデルではデザインが大幅に変更されました。特に目を惹くのが超大型のフロントグリル。ブラックとメッキを組み合わせることによってさらに迫力ある外観となりました。全体のシルエットもよりシャープでスポーティな印象となっています。
すでに発売から7年ほどが経過していますが現在でも古さを感じさせない完成度の高いデザインに仕上げられたモデルです。
現時点では正式発表はされていませんが2022年頃には4代目となるニューモデルの発売も噂されています。これからアルファードおよびミニバンの購入を検討しているのであれば最新情報もチェックしておきましょう。
■質感の高い内外装
初代から現行モデルまで受け継がれているアルファードの伝統として、非常に質感の高い内外装が挙げられます。高級ミニバンとして発売されたこともあり、徹底して高級感にこだわってデザインされています。外観からしてしっかりと「高級車」としての風格を感じることができます。
内装において最大のポイントとなるシートは複数パターンが用意されていますが、特に注目なのが7人乗りモデルの2列目で採用されている、左右が独立したキャプテンシートです。ベンチシートとは違い、1人分の座席が独立しているため広いだけでなく体がしっかりとフィットし、着座姿勢がとても安定します。足元もとても広いのでまるで飛行機のファーストクラスのようにゆったりと過ごせます。
■ワイルドかつエレガントなスタイリング
現行にあたる3代目モデルでは、デザインを一新することによってさらにワイルドなスタイルに生まれ変わっています。特に迫力あるフロントフェイスは「オラオラ顔」と表現されることもあるほどに非常に力強いデザインとなっています。Lクラスミニバンなのでサイズの大きなモデルですが、実際の大きさ以上の迫力を感じます。
もちろん、ワイルドなだけでなく各所で直線と曲線をうまく使い分け、融合させることによるエレガントさも持ち合わせています。
■ヴェルファイアとの違い
アルファードとヴェルファイアは姉妹車ということもあって、スペックの面はほぼ共通しています。違いはデザインのみです。先ほどもご紹介したとおり、アルファードは高級感を重視したデザインになっているのに対して、ヴェルファイアはよりスポーティなデザインを採用しています。
印象的なフロントグリルなどのデザインもまったく異なっており、ヴェルファイアはより力強く、ダイナミックなスタイルに仕上げられています。
価格帯も近く、スペックも同じなのでデザイン上の好みで選びましょう。
アルファードの魅力
≪写真提供:response≫トヨタ アルファード
ここからはアルファードの現行モデルの魅力を詳しくご紹介します。
■長時間のドライブでも快適に過ごせる車内空間
アルファードの魅力として外せないのは圧倒的な車内空間です。Lサイズミニバンの大きな車体を活かした広々とした車内はアルファードならではの魅力となっています。各座席のサイズも余裕を持って設計されているので、全員大人でフル乗車しても窮屈さを感じることはありません。
また、室内高も非常に高いことから頭の上のスペースにも余裕があり、開放的です。
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,935~4,950×1,935~1,950×3,000 |
室内(長×幅×高) | 3,210×1,590×1,400 |
■広々としたラゲッジスペース
ラゲッジスペースの広さもアルファードの魅力のひとつです。面積が広いだけでなく室内高も高いので、大きな荷物も楽に積み込めるようになっています。
3列目シートも簡単に倒せるようになっており、さらにラゲッジスペースを拡大することも可能です。
■多彩なシートアレンジで車中泊も快適
シートアレンジの多彩さもアルファードの魅力のひとつです。後部座席を丸ごとフラットにすることもできるので近年人気が高まっている車中泊も快適に楽しめます。室内幅も十分なので、大人2人でも楽に体を伸ばして寝ることができるでしょう。
もちろん、シートアレンジの豊富さは大型の荷物などを積み込む際にも便利です。自転車などもそのまま積み込める広さを確保でき、大型の荷物を運ぶ機会が多いという方でも安心です。
アルファードの価格、燃費は?
≪写真提供:response≫トヨタ アルファード
車の購入を検討する際には、コストパフォーマンスも気になるポイント。
そこで、ここからはアルファードの価格や燃費など、コストの面について詳しくご紹介します。
■グレード別の新車価格
アルファードに多くのグレードが用意されており、価格帯もかなり幅広くなっています。もっとも安価なエントリーモデルにあたるX(2WD・8人乗り)は3,270,000円(税抜)となっており、もっとも高価な最上位モデルであるHYBRID Executive Lounge S(4WD・7人乗り)は7,047,273円(税抜)で、倍以上の価格となっています。
もちろん中間グレードのモデルもしっかりとラインナップされており、ミドルグレードにあたるSC(2WD・7人乗り)は4,797,818円(税抜)です。
このように、アルファードにはさまざまな価格帯のモデルがラインナップされているので予算に合わせて選ぶことができるという点も魅力的。
※価格などの情報は公式サイトより(2021年5月時点)
ガソリン
X | 2WD:3,270,000円 4WD:3,500,910円 |
S(8人乗り) | 2WD:3,582,728円 4WD:3,814,546円 |
S(7人乗り) | 2WD:3,622,728円 4WD:3,854,546円 |
S“C パッケージ” | 2WD:4,256,000円 4WD:4,486,910円 |
GF | 2WD:4,729,637円 4WD:4,909,637円 |
SC | 2WD:4,797,819円 4WD:4,976,910円 |
Executive Lounge | 2WD:6,608,182円 4WD:6,787,273円 |
Executive Lounge S | 2WD:6,746,364円 4WD:6,926,364円 |
※情報は2021年5月 トヨタ公式サイトより
※価格はすべて税抜き価格です
ハイブリッド
HYBRID X(8人乗り) | 4,193,637円 |
HYBRID X(7人乗り) | 4,232,728円 |
HYBRID S“TYPE GOLDⅡ” | 4,625,819円 |
HYBRID G“F パッケージ” | 5,066,364円 |
HYBRID SR“C パッケージ” | 5,200,000円 |
HYBRID Executive Lounge | 6,908,182円 |
HYBRID Executive Lounge S | 7,047,273円 |
※情報は2021年5月 トヨタ公式サイトより
※価格はすべて税抜き価格です
■アルファードの中古車市場価格
アルファードはミニバンの中でも特に人気の高いモデルということもあって中古車市場にもかなりの台数が出回っています。型落ちモデルにあたる、初代や2代目モデルであれば車体価格で10万円前後のものも少なくありません。現行モデルも発売が2015年とかなり経過しているので100万円以下の車体もある程度の選択肢があります。
ただし、人気の高い7人の乗りのハイグレードモデルは高値で安定しており、300万円を超えるものが中心です。
■アルファードの燃費
アルファードの燃費はグレードによって異なりますが、ガソリンエンジン搭載モデルの場合WLTCモードで10km/L前後となっています。ハイブリッドモデルでは14.8km/Lです。燃費の面ではややもの足りない数値ではありますが、サイズの大きなLクラスミニバンであることを考えるとハイブリッドモデルの燃費は優秀であると言えます。
アルファードではエントリークラスのモデルにもハイブリッド仕様が用意されています。そのため、購入後のコストのことを考えるとハイブリッドモデルを選ぶことをおすすめします。
※情報は公式サイトより(2021年5月時点)
まとめ
≪写真提供:response≫トヨタ アルファード
アルファードはトヨタを代表する高級ミニバンとして長年にわたって高い人気を誇っています。グレードのラインナップも豊富で、価格帯も広いので高級モデルでありながら、予算が限られている場合も十分に選択肢に入れることができます。
ただ、2022年にはニューモデルの発売も予想されていますので、購入を検討している方は最新情報もチェックしておきましょう。