マイカーローンとは?
マイカーローンとは、その名のとおり、自動車の購入や、その関連の費用のために、貸し付けてもらうことです。「ローン(loan)」という言葉には、「何かを貸す」という意味があり、銀行などの金融機関からお金を借りて、後から少しずつ返済するという約束になります。もちろん、これは貸す側の視点に立った言葉であり、利用者の側から見ると「借り入れる」という意味になるでしょう。
住宅を購入するための借り入れが住宅ローン、子どもの進学に伴う一時的な教育資金などのために借り入れるのが教育ローンですが、同じように自動車のために借り入れるのがマイカーローンです。それぞれ、借り入れる目的が明確になっています。
マイカーローンは、ほかに「自動車ローン」や「オートローン」と呼ばれることもあります。基本的に、同じ意味だと思って大丈夫です。この記事では「マイカーローン」という名前で統一して解説いたします。
マイカーローンを利用するメリットとは?
■マイカーローンを利用すると、大きな買い物ができる!
マイカーローンを利用するメリットは、何といっても1度にまとまった金額を用意できて、大きな買い物ができることです。お金が貯まってから買い物するのとどう違うのか、考えてみましょう。
例えば、300万円の自動車購入を考えているとしましょう。現在、元手はゼロです。そこで毎月、5万円ずつ貯めはじめます。そうすると300万円貯めるには、60か月つまり5年かかります。お金が貯めはじめてから購入するまでに、5年の期間がかかり、その間コツコツと貯金しなければなりません。
一方、マイカーローンを利用すると、この順番が逆になります。つまり、マイカーローンを使って300万円のお金を先に手にして、希望の自動車を購入し、その後コツコツを返済していくというパターンです。もちろん、金利その他の要因があるので、支払い金額は変化しますが、それでも先に自動車を手に入れて返済していくパターンのほうが、望むときに自動車を手に入れられることは確かでしょう。
このローンのメリットは、大きな買い物になればなるほど、効果を発揮しやすくなります。住宅など、数千万円が必要になる買い物の場合、そのお金を貯めてから購入するとなると、購入を思い立ってから20年や30年の長い期間が必要になります。それよりは、ローンを使ってお金を借り、先にマイホームや土地を購入して、貯金していくだけであった20年や30年を、マイホームを楽しみつつ返済していく期間にできます。こうした考えをもと、ローンが広く使われるようになりました。
■不測の事態への備えになる
ほかにも、マイカーローンのメリットに「長期的かつ計画的な生活設計に役立つ」ことがあげられます。
一括で支払う資金力を持っていたとしても、まとまった金額が手元からなくなるのは、リスクをはらんでいます。ケガや病気はだれにでも起こりうることです。また、住まいの修繕や会社の一次的な業績悪化といった不測の事態も考えられます。もし、手元に資金がないとしたら、こうした事態を受け止めきれないこともあります。
その点、ローンであれば、月々の返済は一括で購入するよりも少額で済み、手元に資金が残っています。ですから、キャッシュで支払えるとしても、リスクマネジメントの一環としてローンを利用する方もいます。
■上手に利用すると、一括とほとんど変わらない金額になることがある
ディーラーや自動車販売店などでは、「特別低金利キャンペーン」を開催していることがあります。このキャンペーンを利用すると、一括購入するのとほとんど変わらない金額で、ローンを利用できる場合があります。
例えば、2020年5月~6月に、BMWが期間限定で「0.01%特別低金利ファイナンスプラン」を行いました。期間中に、対象モデルをスタンダードローン及び残価設定型ローンで、購入・登録した場合に適用される条件付きでしたが、これほどの超低金利であれば、一括で購入するのとあまり変わらない金額で、ローンを利用できてしまいます。
後述しますが、ローンのデメリットのひとつは「金利」ですから、こうした超低金利キャンペーンを利用すると、ローン購入はメリットのほうが多いと感じられるかもしれません。
マイカーローンのデメリットは?
■利息の分だけ、最終支払い金額が高くなる
マイカーローンに限らず、ローン全般に言えることですが、ローンのデメリットは「金利が設けられている」という点です。
ローンはひとつの金融商品ですから、定められた金利に基づいて利息が発生します。そのため、マイカーローンを利用して購入すると、一括で購入するより最終的に支払う金額は利息の分だけ高くなります。
ですからマイカーローンを組む際は、より金利の低いローンの選択が重要になります。自動車販売店が提供しているローンの中は、金利が10%近いものもあるようです。金利の高さをあまり気にせず利用してしまうと、最終的には数十万円単位で多く支払わなければいけなくなります。
■毎月の支払いがある
別のデメリットは、毎月の返済が必要だということです。ローンを利用するということは、平たく言えば借金していることですから、返済の義務を負っています。ですから、計画的に行わないと、無理が生じやすくなります。
とくに落とし穴となりやすいのは、「ボーナス月を設定している場合」です。一般的に、ボーナス月には毎月の支払いにプラスして、比較的大きな金額を設定します。ところが、会社の業績や臨時の出費で、毎月の支払いは問題なくても、ボーナス月の支払いが困難になるといったことが起こり得ます。
もし滞納してしまい、それが続くようだと「〇月〇日までに車を引き上げます」と通告され、引き上げという最悪の事態もあり得ます。引き上げとは、滞納が続くことで自動車を取り上げられて、売却されてしまうことです。
ですから、貯めるのは苦手なのでローンを組めばいい、と安易には考えられないでしょう。基本的に、コツコツ貯めるのも、コツコツ返済していくのも、同じ計画性が求められるからです。
■ローンの支払い中は、自分の所有物にならない場合がある
ローンで自動車を購入した場合、「所有者」は自分自身ではなく、ローン会社やディーラーになる場合があります。これもデメリットにあげられるでしょう。
こうしたケースでは、車検証を見ると「所有者」の欄にローン会社やディーラー、「使用者」の欄に購入者が入ります。これは、購入した自動車自体がローンの担保とされているためです。
所有者が自分自身ではない場合、返済途中に自動車を売却したり、買い替えたりするには、面倒な手続きが必要になることがあります。また、借りていたお金を一括で返済する必要も生じるでしょう。
ただし、どのようなマイカーローンを利用するかで、この点は異なってきます。もし、所有者を自分自身にしたいのであれば、それが叶うマイカーローンから、選ぶとよいでしょう。
マイカーローンの種類にはどんなものがある?
マイカーローンには、大きく分けて「ディーラーローン」と「銀行系ローン」がありますが、比べる際に注目したいポイントは、「ローン審査」「金利」「利便性」です。
「ローン審査」とは、ローンを申し込む人の返済能力を見極めることです。ローン会社としては、貸したお金を確実に返済してもらう必要があるので、継続した返済は可能なのかをチェックします。個人信用情報、自社や他社を含めた総借入残高、年齢・職業・勤続年数・年収などの属性審査によって、判断されることが多いようです。
「金利」とは、返済者が借りているお金に対して支払う利子の割合を言います。金利が高いと、それだけ多くのお金を支払う必要が生じるので、低い金利で借りられればそれだけお得になります。
「利便性」とは、便利さのことです。複雑な手続きが必要であったり、審査に相当な日数がかかるようであれば、たとえその他が魅力的なマイカーローンでも、利用価値が下がってしまいます。
これら3つの観点を踏まえながら、マイカーローンのメリットとデメリットを解説いたします。
■ディーラーローン
《写真提供:Response》《写真提供 アウディジャパン》アウディ宇都宮
ディーラーローンとは、自動車ディーラーと提携している金融機関とローン契約を締結する方式のことで、販売会社を経由で申し込みます。
メリット
顕著なメリットのひとつは、「ローン審査」がそれほど厳しくないという点です。そもそも、ディーラーが提携しているために審査が通りやすいことに加え、返済が終わるまでは自動車の所有権がディーラー側にあるため、担保があり、審査に通りやすいと言えるでしょう。
別のメリットは、自動車を購入する時点でローン契約を結べるため、手続きが簡単という「利便性」です。審査自体も、一般的に30分から1時間ほどで済むため、条件を満たしてさえいれば手軽にローンを組めます。
ほかにも、決算期などには金利優遇キャンペーンを開催していることがあったり、ディーラーローンを組む条件で自動車購入価格を割り引いてくれることもあります。
デメリット
ディーラーローンのデメリットは、何といっても金利が高いことです。2021年11月現在、ディーラーローン(フルローン)の金利の相場は、一般に3%~9%と言われています。わずか数%の違いでも、借りる金額が大きいので、かなりの金額差が生じてしまいます。
また、前述のとおり、ディーラーローンを利用した場合には、所有権がディーラーに設定されることが多く、自分の都合で自動車を売却したり、買い替えたりできません。もし、自動車を売却したい・買い替えたいなら、ローンの一括返済が必要になります。
さらに注意しなければいけないのは、返済途中に事故を起こして全壊になってしまう状況です。その際は、ローン残額の一括返済を求められることがあります。
ほかにも、販売会社が取り扱うローンから選ぶことになるため、後述の銀行系ローンと比べて、選択肢が少ないことがあげられます。ローン完済の期間も短めに設定されがちです。担保にもなる自動車価値との関連もあり、最大返済期間は7~8年といったところが多く、銀行ローンと比べて短い返済期間です。
■銀行系ローン
銀行系ローンとは、銀行などの金融機関が提供しているマイカーローンのことです。マイカーローンを取り扱っている金融機関は多く、銀行以外にも、信用金庫、信用組合、JAバンクなどがあります。
メリット
メリットは「金利」の低さです。2021年11月現在、ディーラーローンの相場が一般に3%~9%と言われるのに対し、銀行系ローンは1%台後半~4%とされていて、圧倒的に低い金利設定です。
別のメリットは、一般的に自動車の所有権が購入者に帰属することがあげられます。ディーラーローンでは難しかった、自動車の売却や買い替えもおこないやすいので便利ですし、自分の自動車であれば、いま流行りのキャンピング仕様にするといった、思い切った改造なども自由に行えます。
ローンは、返済期間が長くなればなるほど、利息支払い総額が大きくなります。そのため、資金に余裕のあるときに臨時で「繰上返済」を行って、返済期間を短くしたり、返済総額の軽減を図ったりしたいと考える方もいます。
この点、銀行系ローンでは繰上返済などに柔軟な対応を期待できるのに対し、ディーラーローンではそもそも繰上返済ができなかったり、回数に上限が設けられていたり、手数料が必要になったりすることがあります。そうした意味において、銀行系ローンは「利便性」が高いと言えるでしょう。
デメリット
「審査が厳しい」というのが銀行系ローンのデメリットです。とくに、個人信用情報や、他社での借り入れ契約、その残高などもしっかりと調査され、属性審査と共に、総合的に判断されますので、ディーラーローンと比べると非常にシビアです。
これに関係して、銀行系ローンの審査には時間がかかります。審査に1週間程度は、みておいたほうがいいでしょう。ですから、すぐに自動車を購入したいという場合、銀行系ローンでは間に合わないかもしれません。
銀行系マイカーローンには、シミュレーションがおすすめ!
銀行系マイカーローンでは、概ね各社シミュレーションを用意しています。
借り入れたい金額、期間、支払い方法などを入力していくだけで、毎月の返済額や支払総額を簡単に調べられる機能です。
いわゆる日本3大メガバンクといわれる、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行では、いずれも公式ホームページから、マイカーローンのシミュレーションができます。
まとめ
今回は、「マイカーローンて何?」「メリットやデメリットは?」といった、はじめてマイカーローンを利用してみようとお考えの方向けにまとめました。
自動車の購入は大きな買い物ですが、上手に使えば、マイカーローンは便利な方法です。ぜひ検討してみてください。
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