スペーシアとN-BOXの販売台数はどうなっているのか?
スペーシアカスタム
これまでのスペーシアとN-BOXの販売台数を見ると、その優劣は明らかです。
(2017年8月度)N-BOX:10,079台 スペーシア:6,699台
(2017年9月度)N-BOX;26,983台 スペーシア:9,573台
(2017年11月度)N-BOX:20,992台 スペーシア:6,933台
(販売台数累計2017年1月から11月)
N-BOX:200,020台 スペーシア:96,006台
N-BOXがフルモデルチェンジする直前の8月でも、大きな差があり、新型N-BOXが登場するとその差はさらに広がり2倍以上になっており、そして2017年11月までの累計では3倍以上という結果となっています。それでもスペーシアは前年比を上回っており、N-BOXにスペーシアが食われたということでもなく、軽ハイトワゴンの人気はまだまだ続いているのがわかります。
どこをどう変えてN-BOXに対抗したのか?
さて、スペーシアがN-BOXに差をつけられた要因である、スタイリング、使い勝手、安全性能などはどのように進化したのでしょうか?項目別に検証してみましょう。
■デザインはどう変わったの?
スペーシア ハイブリッドX
スペーシア、N-BOXともに標準車とカスタムが用意されており、スペーシアカスタムは従来型に2016年12月に新設定されて好評だった「カスタムZ」をさらに進化させたダイナミックなフロントフェイスを導入。そのため、従来型と区別がつきにくいことも。標準車のデザインはガラリと変わり、大人しいファニーフェイスから一転、メーカーのいうスーツケースのような道具感を前面に押し出しています。このスーツケースというモチーフはインテリアにも用いられており、N-BOXの直線基調とは真逆の個性的な雰囲気を与えています。
■室内はどうなの?
室内長はダッシュボードの造形によりかわるので、2車に差があるとはいえず、室内高は1㎝というわずかな差でスペーシアに軍配が上がります。しかし、問題はシートアレンジです。
チップアップ&ダイブダウン機構付スライドリアシートや、座面をワンアクションではね上げ(チップアップ)られるリアシートなどは、センタータンクレイアウトを採用するN-BOXならでは。
独立してシートがスライドする後席や、ワンタッチダブルフォールディング式リヤシートなど、工夫はされており、使い勝手は非常に良いのですが、この、独自のシートアレンジなど、飛び道具がないのは、スペーシアにとって、もう一つ物足りないと思われる要因になりかねません。
安全装備で上を行く
軽自動車に先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備したことが評判を呼び、人気が沸騰したN-BOXに対し、後発となる新型スペーシアはそれを上回る機能が求められました。その内容とは?
■充実のスズキ セーフティ サポート
後退時ブレーキサポート
そして、スペーシアが対N-BOXへの最強の切り札となり、CMでも大きく取り上げているのが安全装備です。予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を採用し、安全装備を充実させ、衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」に加え、軽自動車で初めての後退時の衝突被害軽減ブレーキ「後退時ブレーキサポート」を採用するなど、前後の衝突被害軽減ブレーキを全車標準装備しました。Honda SENSINGに引けを取らない安全装備は、大きな訴求効果があるはずです。
■ヘッドアップディスプレイ
ヘッドアップディスプレイ
また、フロントガラスに進入禁止の道路標識や車両情報などをカラー表示するヘッドアップディスプレイや、周囲を立体的に360°確認できる「3Dビュー」を軽自動車で初採用するなど、普通車並みの装備は、目に見えるN-BOXとの差別化となり、インテリアの高級感にも影響が出そうです。
まとめ
はたして新型スペーシアがN-BOXキラーとなりえるのか?もう一台のライバルであるダイハツのタントとともに、これまでのようにN-BOXとその他、という屈辱を再び味わうことになるのか?12月と1月の販売成績が決め手になるはずです。
はたして、ユーザーの判定は、さすがにもうN-BOXは飽きられるのか、やはり、「N-BOXでしょ!」となるのか?注目していきたいと思います。