オープンカーとは
そもそも、オープンカーとは。
オープンカーとは、屋根がない、もしくは屋根開放が可能な乗用自動車を指す言葉で、和製英語です。
とは言え、「オープンカー」くくりの中にもまた細かく種類があり、意味合いが変わります。ややこしい…。と思うことなかれ!本記事では、オープンカーの呼び方、意味の違いを簡単にご説明いたします。
様々なオープンカーの呼び方・違いを知ろう
コンバーチブル
コンバーチブルとは、英語で「convertible」と記載します。この英語表記からも推測できるように、おもにアメリカやイギリスでコンバーチブルの呼称が使われます。
コンバーチブルとは、変換という意味のある「convert」に、可能という意味の「able」が合わさり、convertible、つまり変換が可能、2つのボディ形態を持つ車という意味です。
スパイダーやロードスターとの大きな違いは、コンバーチブルはしまっている状態が基本ということですね。
そして、ハードトップ・ソフトトップの屋根を取り付けられる構造でないと、「コンバーチブル」の条件は満たせないため、コンバーチブルとは呼べません。ドアガラスが上がり、完全なクローズド・ボディーにできることが条件です。
■コンバーチブル 主な車種一覧
MINI クーパー コンバーチブル
シボレー カマロコンバーチブル
レンジローバー イヴォーク コンバーチブル
ジャガー Fタイプ コンバーチブル
カブリオレ
カブリオレとは、「Cabriolet(仏語:Cabriolet、独語:KCabriolett)」と表記します。この語からもわかるようにカブリオレとはドイツ車、フランス車によくつけられている名称です。
カブリオレは、コンバーチブルと同じクローズ状態を基本とするオープンカー。
もともと19世紀フランスで開発された馬車のひとつで、形が似ていることから現在のオープンカーの名称につながっていると言われています。
■カブリオレ 主な車種一覧
メルセデスベンツ Cクラスカブリオレ
VW ゴルフ カブリオレ
ポルシェ 911カブリオレ
BMW 2シリーズカブリオレ
ロードスター
ロードスター、と聞くとマツダのロードスターを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
マツダの「ロードスター」という車種名だと、誤解している人も多いかもしれませんが、そもそもロードスターとは、オープンモデルの分類のことです。
ロードスター「Roadster」は、屋根のない幌馬車が語源。イギリスやドイツで好んで使用されます。
オープンにした状態がデフォルトで、その中でも2ドア・2シーターのオープンカーを「ロードスター」と呼んでいます。
■ロードスター 主な車種一覧
マツダ ロードスター
テスラ・ロードスター
パガーニ ウアイラ ロードスター
スパイダー
Spiderは、おもにイタリア車で使われているオープンモデルの呼称です。
由来は、所説ありますが、軽量で速い車をスピードスターと呼んでいたものが、欧州に広がるうちにスピーダーからスパイダーに転じたという説、スパイダーの重心の低い姿勢がまるでクモのように見えるから、などと言われています。
いずれにせよ、呼び方は違うものの、根本的にロードスターとの違いはないようです。
※ちなみにイタリアでは、ロードスターの他に、「バルケッタ」という呼び方もあります。イタリア語で小舟を意味するバルケッタは、おもに小型の2人もしくは1人乗りオープンモデルに用いられていました。
しかしながら、あまり使われないため、覚えなくてもそこまで問題はないでしょう。
■スパイダー 主な車種一覧
ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォマンテ・スパイダー
マクラーレン570S スパイダー
アルファロメオ 4Cスパイダー
アウディ R8スパイダー
最後に
いかがでしたか。
本記事ではオープンカーの呼び方および意味の違いをご紹介いたしました。
こうやって見ていくと、オープンカーの呼称についてあまり明確なルールがないように見えますね。
そこまで神経質にならずに、「あ、これはロードスターかな」「これはスパイダーかな」と心の中で思いながら、「オープンカー」とひとまとめで呼んでしまってもいいかもしれません。
また、メーカーは「マツダ ロードスター」のように車種名にロードスター、コンバーチブルとつけているので、メーカーに倣えば大丈夫です!!
違いを知らずに一括りでオープンカーと呼ぶのと、意味の違いを踏まえて「オープンカー」と呼ぶのでは、思い入れも乗り心地も少し違う…そんな気がします。