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売れに売れてる「N-VAN」は本当に買うべきクルマなのか?

売れに売れてる「N-VAN」は本当に買うべきクルマなのか?

新しもの好きもオッチョコチョイも、愛すべきクルマ好きであることは確かであり、メーカーもこれらの人たちのおかげで商売ができているのは否定できない。でも、行き過ぎた幻想を与えすぎてはいけないとの思いから、せっかくのフィーバーに水をかけてみたいと思う。まずは、ホンダの新型軽バン「N-VAN」から。


勢いで「N-VAN」を買う新しもの好きに警告

「N-VAN」が、積載能力も使い勝手も自身の仕事と運転にピッタリとフィットしてるために、「アクティ」などこれまでのキャブオーバータイプから「N-VAN」に買い替えた方は、きっと満足しているはずです。問題はよく考えずに手を出した新しもの好きのユーザーなのです。

仕事、「N-VAN」と「アクティ」どっちがより使える?

左アクティ/右N-VAN

2018年3月に生産を終えたキャブオーバータイプの「アクティバン」と比較してみましょう。

荷室長(前席シートバックまで)
・N-VAN:1,510mm
・アクティバン:1,725mm

荷室フロア長
・N-VAN:1,585mm
・アクティバン:1,940mm

「N-VAN」は「N-BOX」ベースのFFであるために、キャブオーバータイプの「アクティ」など、他の軽商用バンよりも荷室の長さで不利となります。しかし、助手席をダイブダウンさせフラットフロアを作り出せるために、長尺物の積載に対応しています。また、助手席スライドドアを「タント」のように、ピラーレスにすることで大開放を実現し、荷物の出し入れが容易になっています。

しかし、作業用長尺物の代表格である脚立を載せる気になるかというと、ドアにガンガンあたって内装も傷だらけになるし、運転席によりかかったらそれこそ危険。キャブオーバーなら気にせず積み込めるのに。「N-VAN」では 写真のように十分に固定をする方法を考えないと無理です。

宅配などの個別配送でならどお?

荷室高:
・N-VAN:1,365mm
・アクティバン:1,220mm

荷室床面地上高:
・N-VAN:525mm
・アクティバン:665mm

宅配などの個別配送ではどうかというと、助手席をダイブダウンさせた状態で段ボール箱などを置けば長尺物以上に荷物は動き回るはずです。したがって、間仕切りの様なものを付ける必要があります(アームレストはありますが不安)。また、1つならともかく2つ重ねたら助手席側の視界も妨げます。むしろ、助手席をスライドさせて床に置く方が無難なのです。

荷室は「アクティ」より、「N-VAN」の方が高く、より積み上げられることになりますが、シートバック以上に詰み上げるのはご法度。そもそも、荷室と前席は仕切るのが必須ですから、専用のポールやパネルなどで荷崩れしないようにするのが一般的です。また、ピラーレスにすることで大開放したスライドドアから出し入れするような大きな荷物は、後部から積み込むのが普通です。あえて助手席側から行う理由が思い当たりません。

また、荷室の床面は「N-VAN」の方が低く楽なのは確かですが、完全にスクエアでフラットな「アクティ」と比べると、ホイールハウスの出っ張りが、邪魔になります。したがって、かさばらない大きさの荷物を少量運ぶなら都合がいいのですが、それなら「N-VAN」ではなく、「N-BOX」で十分なはずです。作業用、商用目的なら「N-VAN」よりキャブオーバーバンにするべきです。

レジャーユースにならいいのでは?

「N-VAN」には、「+STYLE FUN」、「+STYLE COOL」という、仕事とレジャー兼用に最適なちょっとオシャレなタイプがあり、キャンプなどアウトドア目的には最適であると思い込む人も多いでしょう。確かに、「N-BOX」より大きなサイズのものや、量的にもがっつり積み込めます。「ハイゼットキャディ」のような150kg積みではなく、商用タイプの350kg積みなのも頼りになります。が・・・

商用バンが乗用車と大きく異なるのは乗り心地。350kg積みにしっかりと対応する「N-VAN」が、空荷状態で乗り心地であるのは容易に想像できます。そして、フルフラットにすることが優先される後席のシートは見るからに薄っぺら。後席は補助シートと思った方が良いかもしれません。

しかも、スライドドアは電動ではなく、ボディサイドの意匠も安価な商用車テイストむき出しです。キャンプやなら「N-BOX」で十分なのですから、あえて「N-VAN」にする理由がありません。一人での車中泊なら助手席を収納してのびのび出来るという利点はありますが。

N-BOXの室内

「N-VAN」をどう使うか?ホンダからの挑戦だ!

「N-VAN」は使い物にならないかというとそうではありません。つまり、これまでの軽商用バンでは不向きだった利用が可能なるのです。例えば飲食などの移動販売車があります。ハイエースなどの大きなバンよりずっと安価な軽自動車であっても、大開放したスライドドアが活躍するはずです。また、これまでにない後部と助手席という歪な空間にヒントを得て、新たな使い道を思いつく人がいると思います。

「我々はこんな空間の車を造ってみました。貴方ならどう使いますか?」これはホンダからの挑戦なのかも知れません。

まとめ

つまり「N-VAN」は、キャブオーバーバンに取って代わるのではなく、まったく別のニーズを掘り起こし、その可能性にかけたのが、これまでの「アクティバン」の生産をやめてまで「N-VAN」にかけたホンダなのです。商用バンのシェアが圧倒的に低いホンダからできたともいえ、スズキやダイハツのようにシェアが高いと挑戦できなかったともいえます。7月に手に入れた3千台もの「N-VAN」のオーナーのみなさんは、どのように使っているのでしょうか?

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