流行に過敏すぎるオッチョコチョイに警告
新型「ジムニー」が売れている。
納車まで半年とか一年といわれるほどの熱狂ぶりだ。従来型の「ジムニー」ユーザーや、オフロード大好きのマニアが新型「ジムニー」に飛びつくのはわかる。
新型「ジムニー」が、ちまたに溢れるクロスオーバーという、カッコだけの軟派なSUVではないことを良く知っている人たちである。問題は、かつてのSUVブームで「パジェロ」に飛びついたような、流行に過敏すぎるオッチョコチョイなのだ。
かく言う私も新型「ジムニー」が好きだし欲しい。
いや、何十年も前から一度は所有したいと思っていた。その気持ちは今でも変わらないし、新型になった今では前にも増している。けど、私が買わなかったのはなぜか?
私が新型ジムニーを買わない(買えない)理由
軽自動車なのは問題ない。最近の軽自動車は広いし快適だ。しかし、新型「ジムニー」は違う。
はっきりいって狭い。前席はともかく、後席はありえないくらいの狭さだ。これは常にたたんで、荷室として使うべき代物でしかない。しかも、ドアが2枚しかないことを忘れてはいけない。では荷室はどうかというと、これまた狭い。
後席もまともに収納出来ないし、フロアも高くて重いものを乗せるのも苦労しそうだ。
新型「ジムニー」のパワーユニットは変わったが、燃費は軽自動車の平均値を大きく下回る。
WLTCモードではあるが、4AT車では13.2㎞/L(5MT車は16.2㎞/L)でしかない。これは4WD車だSUVだという理由はあるにしても日常使いではありえない。エクストレイルの2.0L車でも15.0㎞/Lなのだから。
だから何だ、と「ジムニー」乗りに言われそうだが、一家に一台のファミリーカーとしては使えない。だから買えないのだ。勢いで買おうものなら家族の大ブーイングを覚悟しなければならない。
そして、どんなに「ジムニー」の良さを力説しても、誰もいっしょに乗ってくれなくなる。そうなれば家庭崩壊だ。したがって、家庭持ちはマツダロードスターと同様に、手を出してはいけない車種の筆頭といえる。
新型ジムニーを買うべき理由
どんな人がかえるのだろうか?きままな一人暮らしの人、もしくは2台目を所有できる人だろうか。とにかくうらやましい。
そして、若い人には是非、新型「ジムニー」に乗ってもらいたい。何しろ面白いのである。いくら若者のクルマ離れを止めようとして、スポーツカーを出したものの、クルマに興味を持ち始めた若者は皆無だ。速く走れても、どこでそんなに早く走るんだ?と、見透かされたからである。カッコイイデザインも、老人のノスタルジアでしかなかった。
だが、 新型「ジムニー」はアイテムとして、ギアとして最高なのである。天気が悪くても、熱くても寒くても気軽に移動できるし、どこか行きたくなる。最近頻繁におこる異常気象であっても、普通の乗用車よりずっと頼りになる。運転に多少自信がなくても、自動ブレーキを始めとする安全装備も充実しているから安心だ。
悪路の走破性能は、自動ブレーキと同じで、万が一の時たよりになるぐらいで特に気にしないでいい。スマホにも使ってないけど役に立つ機能があるように。そう、新型「ジムニー」はスマホと同じくらい使える道具なのだ。
買えなくてもあきらめないで!Bプランがある!
ハスラータフワイルド
新型「ジムニー」目当てでスズキのお店に行っても、結局あきらめて変えることはない。スズキには「ハスラー」という軽SUVがあるのです。中は広くて、燃費だって「ジムニー」の2倍以上走るし、これなら家族は反対しないはず。そこで、グレードだけは任せてもらう事にすればいい。「ハスラー」には最近、男心をくすぐるハードな特別仕様車が出ている。「タフワイルド」だ。
スズキが、新型「ジムニー」が欲しいけど、様々な理由で買えない人のために用意してくれたBプランである(だと思う)。”カワイサ”が目立つハスラーだが、ちょっとした意匠の変更と、ボディカラーによって、見違えるほどのワイルド感をかもし出している。特に黒塗りのスチールホイールがいい。これひとつで魅力倍増だ。
ハスラー・タフワイルド
メーカー希望小売り価格:1,487,160円から
室内長:2,160mm
JC08モード燃費率:32.0㎞/L(4WD車30.4㎞/L)
新型ジムニー
メーカー希望小売り価格:1,458,000円から
室内長:1,795mm
WLTCモード燃費率:4AT車13.2㎞/L、5MT車16.2㎞/L
まとめ
貴方は勢いで新型「ジムニー」買いますか?それとも現実的なBプランである「ハスラー・タフワイルド」にしますか?それにしても新型「ジムニー」を買える人がうらやましい。
買いたくても買えない私たちは、その願望がかなう事を願いつつ、新型「ジムニー」を見るたびに嫉妬して生きていくしかないのだ。