苦手な人多数?縦列駐車
教習所での実技試験で必ず練習はするものの、イマイチ上達した実感が湧かない縦列駐車。
この記事を読んでいる人の中には、これから卒検を控えていて、不安で一杯の人もいるでしょう。
また、免許は取れていても未だに縦列駐車だけは、自信が無い人も少なくないでしょう。
■縦列駐車が難しいと感じる3つの理由
では、なぜ縦列駐車は難易度が高く感じてしまうのでしょうか。その理由として、三つの理由が挙げられます。
一つは、白線が書かれている駐車スペースに駐車するのとは違い、縦列駐車の場合は、その都度前後の車の位置が変化する訳ですから、スペースが一定では無い点です。
また、セダンのようなバンパーがある車の場合は、死角が多くなるなど、車のスペースだけでなく、車の種類によっても難易度が変化してしまいます。
そしてもう一つは、ハンドル捌きが大変である点です。
スペースが広ければ比較的楽に縦列駐車できますが、狭くなればなる程ハンドルの切り替えしが大きくなり、また、そのタイミングもシビアなものとなります。
最後の一つは、車で一番障害物との距離感が把握し辛い「左後ろ」から進入していく点です。
左ハンドルの車であれば、窓を開けて目視による確認ができますが、右ハンドルの場合はミラーで左後ろを確認しないといけません。
また、その前後の車のスペースが狭い場合は、左後ろから侵入して車の後方部分を端へ寄せた後に、すぐにハンドルを右いっぱいに切り返し、前方の車に自身の車の左前部分が当たらないように前方部分を端へ寄せなければ、後ろの車にぶつかってしまいます。
車の左前も左後ろの次に距離感が掴み辛い場所である事から、縦列駐車の難易度が高くなってしまう訳です。
■方向転換も同様に苦手な人が多い
縦列駐車も難易度は高いですが、方向転換も同じく苦手意識を持っている人が多いです。
縁石に乗り上げてしまったり、歩行者と接触しそうになったりと、注意して安全確認を行わないと事故の原因となってしまいます。
また、自動車学校の試験では、安全確認をきちんと行っているか、不必要な切り返しなどがないかなど、減点になるポイントが多い事から不合格となりやすい試験でもあります。
車でバックをするだけでも、運転に集中力を要し、そこにプラスして目視などの安全確認も必要となってくるので、ついうっかりと安全確認が疎かになってしまいます。
■教習所の卒検では縦列駐車・方向転換どちらかが必ずある
教習所の卒検とは、自動車学校を卒業する為に合格する必要がある試験です。
卒業する為には合格する必要があるので、卒検でつまづいてしまうと卒業する事ができずに、再度試験を受ける必要があります。
そして、その卒検の実技試験には縦列駐車・方向転換の双方どちらかは必ず試験の科目として選ばれます。
縦列駐車のやり方・コツを動画で説明
縦列駐車が苦手な人の為に、とてもわかりやすいオススメの動画がありますので、紹介します。
こちら、JAFが公開している動画では、縦列駐車に苦手意識のあるモニターである三人と、JAFインストラクターとの違いを解説しています。
縦列駐車のコツ・手順をまとめると
動画を見ていかがでしたでしたか?
苦手意識を持っているモニターと、共通している点が多い人もいるのではないでしょうか。
では、苦手意識のあるモニターの特徴を列挙してみましょう。
モニター①足立さん(運転歴十五年)
・バック開始位置が前の車から離れている
・後方の車との距離感とハンドルの切れ角調整に手こずる
・何度も切り返すが、同じ位置に戻り寄せきれずにタイムオーバー
モニター②浦山さん(運転歴一年半)
・バックの開始位置が前の車から離れている
・6回切り返しはしたものの、苦戦しながら無事に駐車
・所要時間4分58秒
モニター➂塚本さん(運転歴十年)
・他のモニターと比較すると、バック開始位置が前の車から近い位置
・2回切り返しをして、無事に駐車完了
・所要時間1分34秒
JAFインストラクター
・前の車にしっかりと幅寄せをして、バック開始位置は前の車と近い距離に停車
・ハンドルを左いっぱいに切ってバックを開始
・右ミラーで後ろの車の前方が見えたら、ハンドルを真っ直ぐにして更にバック
・右後輪のタイヤが、白線の位置にきたら、ハンドルを右いっぱいに切ってバック
・車が駐車スペースに平行になったら、ハンドルを真っ直ぐに戻し前後調整
・1回のみの切り返しでスムーズに駐車
・所要時間59秒
モニターとJAFインストラクターとの違い
最初のバック開始位置がモニターとインストラクターでは、大きな違いがありました。
苦手意識のある塚本さん以外の二名のモニターに関しては、前の車から離れた位置に停車していました。この二名の位置では、駐車スペースへの進入する際の車が鋭角になり、ハンドルの調整が難しくなってしまう他、実際の道路上では、反対車線や隣の車線の進路を妨害してしまう問題があります。
最初のバック開始位置は、前の車にしっかりと幅寄せを行い、左いっぱいにハンドルを切ってバックします。そして車の後方部分が駐車スペースにしっかりと入ってから、ハンドルを右いっぱいに切って平行にします。
イメージとしては、車の後方部分を先に前後の車の位置と同じくらいに幅寄せができてから、最後にハンドルを右いっぱいに切って、前方部分を駐車スペースと平行になるまでバックするといったイメージです。
■交通量の多い道路では前から縦列駐車をするのも
東京や都心部などで縦列駐車をするには、交通量が多く車が途切れない場合もあります。
そのような場所では、一旦停止する事で、後続している車の進路を妨害してしまうので、バックでの縦列駐車はできません。
このような場合は、一旦停止してバックから駐車する方法では無く、前方から駐車する方法で停める必要があります。
ポイントとしては、バックでの縦列駐車とは違い、前から縦列駐車をする場合は、前後の車のスペースが広くないと駐車できません。ですから走行しながら、スペースを確認してから、いけそうなスペースがある事を確認してから駐車する必要があります。
とにかく練習とあわてないことが大事
縦列駐車の注意すべき要点は分かっていても、いざ実際に駐車をする際には、後続車両やバイクなど注意すべき点が増えます。そういった状況では、ついあわててしまい、うっかりミスをしてしまう原因になってしまいます。
頭では分かってはいても、練習をして慣れるまでは、無理をせず落ち着いて練習ができる場所で練習をしてみましょう。ぶっつけ本番で練習するのが不安な場合は、広い駐車場などでカラーコーンを置いて練習してみるのもいいでしょう。感覚が分かりにくい車の左後ろのバンパーにカラーコーンをくっつけた状態で、運転席に戻ってミラーで見て感覚を掴んでみるのも効果的でしょう。
■おまけ動画
縦列駐車で、いかに狭いスペースに車を停められるかを競うギネス世界記録、「Tightest parallel parking」の動画です。
おまけの動画ですが是非ご覧下さい。
※くれぐれも真似しないようにしましょう!
まとめ
今回は縦列駐車について、動画も交えて記載させていただきました。
JAFのモニターの方と共通点があった人も多かったのではないでしょうか。
要点はお話しましたが、頭では分かっていても、やはり練習をして回数をこなす必要があります。不安な方はゆっくりと練習できる場所などで、練習をしてみるのもいいでしょう。
縦列駐車をマスターすると、行動範囲や行ける場所が広がりお出掛けするのも楽しくなるでしょう。それでは良いカーライフを!