そもそもQ CARとは?
「Q CAR」は、実際に公道を走ることができる1人乗り電気自動車で、いわば実写版のチョロQです。
フォルクスワーゲン専門のチューナーである、コックス社の社長がチョロQのファンだったことがきっかけという理由から実車版チョロQという夢のある企画が始まりました。
2002年、タカラは子会社として「チョロQモーターズ株式会社」を設立し、電気自動車業界に参入します。アラコの電気自動車「エブリデー コムス」をベースとした「Q-CAR」を実車版チョロQとして発売しました。
Q-CARは全車限定生産だったため、現在では中々手に入らないレア車両となっています。
■チョロQって?
1980年12月にテスト販売を開始したタカラトミー(旧・タカラ)製の「マメダッシュ」というおもちゃが発祥です。
ゼンマイ動力で動く、デフォルメされた自動車のおもちゃで、子どもだけでなく、女性からもかわいいと大人気になり、翌年には「チョロQ」(チョロチョロ走るキュートなミニカーの意)という名前で正式販売。
1983年には、コロコロで新連載されたチョロQ漫画「ゼロヨンQ太」と連動し1983年~1984年にかけて第一次チョロQブームとなります。
チョロQ生誕20周年をむかえた1999年ころからは、企業等とタイアップした商品が発売され、第二次チョロQブームが巻き起こります。
現在も販売中のシリーズがあり、親子でチョロQファンという方もいるほどに愛され続けているおもちゃです。
販売停止となってしまった理由は?
2002年に販売を開始した「Q CAR」、外見の可愛らしさ、物珍しさから話題を呼び、売り上げも伸びました。
2003年には、山口県のMINEサーキットの経営権を取得、2004年にはル・マン24時間レースにチョロQチームとして参戦する等、積極的に活動していきました。
しかし、順調に思えたチョロQモーターズですが、次第に売り上げが低迷し経営不振となってしまいました。その結果、2004年にはQ-CARの製造が終了となります。
同時に、タカラ本体もチョロQモーターズを不採算事業として出資比率を引き下げ、連結決算の対象外としました。
販売されたQ CAR 一覧
Q-CARはすべて、一人乗りの電気自動車で、公道を走ることができますが、車両法上の区分は原付4輪のため、車検や車庫証明、重量税、取得税が不要です。
道路交通法上は自動車の扱いになるので、運転には普通自動車の運転免許が必要となります。
新車購入もいずれも価格は100万円台からで、軽自動車なみの金額での販売でした。
それでも欲しがる人は当時多かったようです。
■Qi(キューノ)
Q-CARの第一弾「Qi(キューノ)」は129万円にて販売されました。999台の完全限定生産という希少性もありました。
アルミフレームのボディで、家庭用100Vコンセントから充電が可能。約8時間の充電で80km走ることができます。
最高速度は50km/hのため、高速道路の使用はできません。Q-CARの中でもっとも多く製造されたモデルで、限定のカラーバリエーションも存在しました。
■QQ(ナインナイン)
2003年2月にクラシックカータイプとして発売されました。コンセプトは「大人のエンタテイメント」。
Qiよりもさらに生産数が少ない、300台の完全限定生産品で、当時199万円にて販売されました。ちなみにプロトタイプのときは、「Modern Times」と呼ばれていました。
プロトタイプから屋根が取り払われ、オープンカーになりましたが、そのため天気が悪い日は走れないというデメリットも出てしまったそうです。時速や重量はQiと同じになります。
■u(ユー)
2004年に、109万円にて販売。
前作のQQとは異なって、フロントスクリーンとルーフが付いて、雨天でも運転が出来るようになりました。
フロントスクリーンは、バックミラーが付いていないため運転には技術が必要との声も上がっていたようです。
また、NTTドコモとの協業で「U mobile」、サーフボードを装着可能な「U surf」、ペットキャリーバックが標準装備された「U pet」、原動機付き自転車「tu」を載せるキャリアを備えた「U town」といった5つのバリエーションが用意されました。
■POPED・tu(ポペッド・トゥー)
2004年に、19万円にて販売。
自転車と電気式モータで動くバイクとの両機能を持った原付自転車。原付免許が必要となります。
■QVOLT(キューボルト)
Q-CARの製造終了後、2005年に190万円にて販売。
漫画「ドラゴンボール」作者の鳥山明氏のデザインで、クラシックなストリートロッド風のデザインで鳥山明らしさ全開でした。
ランドローバーからもチョロQライクな新型車が
チョロQモーターズとの関連はありませんが、ランドローバーの本格オフローダー「ディフェンダー」の次世代型として、ショートホイールベースの3ドアモデルが登場予定となっています。
次世代型にはEVやプラグインハイブリッドの設定も予想されており、現代版「Q CAR」のようなチョロQライクな車が販売されることが期待されています。
まとめ
実際の「Q CAR」は販売車数も限られ、今から手に入れることはなかなか難しいかもしれませんが、実際に子どものころに遊んでいたおもちゃに乗れる!と思えば、ぜひ乗ってみたいですよね。
もし中古車市場に出ていた際には、要チェックです。
また、今後販売される、「ディフェンダー」の次世代型にも期待しましょう。