スキーキャリアとは
スキーキャリアとは、車の上に取り付けるアタッチメントで、スキーやスノボを車の上に乗せて運ぶことができます。
スキーキャリアにスキーやスノボを乗せるのには、様々なメリットがあります。
一つ目は、車内を雪で濡らす心配がないという点です。スキーキャリアに乗せて運搬すれば、雪にまみれたスキーやスノボを車内に持ち込んで、車内を雪で濡らさずに済みます。
二つ目は、車内にスペースを作れるという点です。車内にスキーやスノボを置くとかなりスペースをとりますが、スキーキャリアに取り付けて運べば車内を広々と使えるようになります。
三つ目は、車から降ろすのが手軽になるという点です。車内は狭いので、車内に積んでいるスキーやスノボを外に運び出すのは、大変です。しかし、スキーキャリアであれば手軽に降ろすことができます。
したがって、スキーキャリアはスキーやスノボの持ち運びに非常に役立つのです。
そして、スキーキャリアを販売している会社は、THULE(スーリー)、inno(イノー)、TERZO(テルッツォ)が代表的です。
どちらの会社も大きく違いはありません。しかし、使うパーツのメーカーがそれぞれ異なると、互換性がなくて使えないという場合もあります。ご注意下さい。
■スキーキャリアの歴史
そもそもスキーキャリアは、どのようにして普及していったのでしょうか?
1960〜1970年代、世界では車の所有が広まっており、1972年には国内での乗用車の保有台数が1千万台を超えました。
しかしこの時期は、車の部品や用品のメーカー純正品が、ほとんど販売されておりませんでした。
スキーキャリアが普及し始めたのは、1980年代のことです。この時期になると、日本にTHULEのスキーキャリアが輸入されるようになります。その頃から、徐々にスキーキャリアが国内で広まっていきます。
そして、1987年に公開された「私をスキーに連れてって」を契機に、日本ではスキーブームが起こります。それに乗じて、TERZOがスキーキャリアの販売を拡大していきます。
このように、スキーキャリアは1980年代以降に、徐々に国内に広まっていったのです。
スキーキャリアをつけるにあたって必要なもの
スキーキャリアをつけるにあたっては、スキーやスノボの板を載せる「スキーキャリア」と、スキーキャリアを取り付けるための「ベースキャリア」が必要になってきます。
「スキーキャリア」と「ベースキャリア」の二つについて、それぞれ解説していきます。
■スキーやスノボの板を載せるスキーキャリア
スキーキャリアは、スキーやスノボの板を載せて運ぶことができるアタッチメントです。車の屋根にベースキャリアを取り付けた上に、スキーキャリアを取り付けます。
スキーキャリア以外のアタッチメントとしては、様々なものを収納できるルーフボックス、上に荷物を乗せてネットなどで固定するルーフラックなどがあります。
ルーフボックスやルーフラックも、スキーやスノボの板を運ぶことができますが、スキーキャリアには他の二つのアタッチメントにはない、独特のメリットがあります。
一つ目に、スキーキャリアは他のアタッチメントと比べて価格が安いです。ルーフボックスの相場はおよそ30,000〜140,000円で、ルーフラックの相場は18,000〜100,000円です。
それに比べて、スキーキャリアの相場はおよそ7,000〜25,000円で、他の二つのアタッチメントと比べて安く販売されています。
二つ目に、スキーキャリアはルーフボックスやルーフラックに比べて、サイズが小さめです。そのため、取り付けや取り外しがしやすいという特徴があります。
そして、サイズが小さいおかげで、置くスペースを取らずに済むので冬以外の季節の保管も楽です。
というわけで、スキーヤーやスノーボーダーの方にとって、スキーキャリアは魅力的なアタッチメントと言えます。
■スキーキャリアを取り付けるためのベースキャリア
スキーキャリアを取り付ける際は、下にベースキャリアを取り付ける必要があります。ベースキャリアはフック(取付Kit、ホルダー)、フット(ステー)、バー、の3つから構成されています。
ベースキャリアのパーツは、メーカーによって呼称が異なりますので気を付けましょう。各メーカーのそれぞれのパーツの呼称は、以下のとおりです。
THULE | TERZO | inno | |||||||
フック | 取り付けKit | ホルダー | 取付フック | ||||||
フット | フット | フット | ステー | ||||||
バー | バー | バー | バー |
まず、フック(取付Kit、取付フック、ホルダー)は車体にベースキャリアを取り付けるためのパーツです。フックを車体や取付ポイント、ルーフレールに取り付けてベースキャリアを固定する役割があります。
フット(ステー)は、フックとバーの間に位置するパーツで、ベースキャリアの土台となる部分です。フットには、バーを支える役割があります。
しかし、適合するフットは、車種やルーフタイプによって異なってきます。どのフットが車に適合するか、あらかじめ確認しておきましょう。
そしてバーは、ベースキャリアの一番上にあるパーツです。スキーキャリアなどのアタッチメントは、バーの上に取り付けます。
ドアの種類によって違う取り付け方や積み方
ドアの種類によって、スキーキャリアとベースキャリアの取り付け方や積み方は異なってきます。
車のドアは、手前に引いて開けるスイングドアが主流です。しかし、中にはドアが上に向かって上がるガルウィングタイプのドア、横にスライドして開くタイプのスライドタイプのドアがあります。
■上に向かって開くガルウィングタイプへの積み方
ガルウィングタイプのドアは、ドアが上に向かって開くタイプのドアです。
ガルウィングは「かもめの翼」という意味ですが、開いたドアの見た目がかもめの翼のようなので、そのような呼称になりました。
ガルウィングタイプのドアは、開くと屋根の面積が小さくなります。そのため、一般的なスキーキャリアは取り付けが不可能です。
ガルウィングタイプの車にスキーキャリアを取り付けたい場合は、各メーカーに相談しましょう。
■横にスライドして開くスライドタイプへの積み方
スライドドアの車は、横にスライドして開け閉めします。そのため、ドアを開ける際に隣の車にドアをぶつける心配がないのが特徴です。
そんなスライドドアの場合、スライドドア用のフックとバーが販売されているので、それを用いて車体にベースキャリアを取り付けます。
一般車とはパーツの形が異なるので、使い分けに注意しましょう。
安全走行のための取付時の注意点とは
スキーキャリアは便利ですが、取付時に注意を払わないと、外れてしまったり事故が起きたりしてしまいます。
ここからは、取付時の注意点について解説していきます。
■注意点
一つ目に、スキーキャリアを取り付ける前に、車高を確認しておきましょう。
車高の高い車にスキーキャリアを設置すると、トンネルなどの天井が低い場所で引っかかってしまい、スキーキャリアが壊れてしまいます。
スキーキャリアの取付をする際は、持っている車の車高が高くないかを確認しておきましょう。
また、車高が高い場合はあまり高さを取らないスキーキャリアを購入しましょう。
二つ目に、スキーキャリアは真っ直ぐに取り付けるようにしましょう。
もしスキーキャリアを真っ直ぐに取り付けないと、急ブレーキの衝撃などでスキーキャリアが落ちてしまうことがあります。
曲がったままスキーキャリアを取り付けることがないよう、気を付けましょう。
三つ目に、パーツの締め付けをしっかりと行いましょう。
パーツの締め付けが緩いと、積んでいたスキーが崩れて事故が起きることがあります。
取り付け時はもちろん、取り付けてからも定期的にパーツの締め付けをチェックしましょう。
オススメのスキーキャリア
ここからは、おすすめのスキーキャリアを紹介していきます。お気に入りのスキーキャリアを見つけて、ぜひ車に設置してみましょう。
■THULE TH739
まず紹介するのが、THULEの「TH739」です。
THULEは、スウェーデンにある世界最大のカーキャリアメーカーです。THULEのカーキャリアシステムは、1980年代に日本に輸入され始め、日本でのカーキャリアの先駆けとなりました。
こちらの「TH739」は、キャリアがスライドする作りになっています。従来のスライドしないスキーキャリアだと、スキーを降ろす際に体が車体に接触して体が濡れるなど、不便な点がありました。
しかし、「TH739」はスライドしてスキーを降ろすことができるので、車体に体が接触する心配がありません。
また、キャリアのスライドは手袋のままでもやりやすいので、寒い冬でも便利に使えます。
金額は30,000円代と高めですが、利便性に優れています。最大積載数はスキー6セット、スノボ4セットです。
■PIAA TERZO ES152
TERZOとは、PIAA株式会社が展開している、カーキャリアブランドです。日本車を中心としたベースキャリアの製作を行っているので、日本車に適合しやすいベースキャリアばかりです。
TERZOの「ES152」は、ガルウィングタイプのスキーキャリアです。ガルウィングなので、キャリアが上に開きます。
キャリアは、左右のどちらからでも開くことができ、好きな方にスキーやスノボを乗せることができるのが特徴です。
そして、ES152はスキーやスノボを挟む部分に、肉厚発砲ゴムを採用しています。そのため、スキーやスノボを強固に固定することができ、走行中でも落ちる心配がありません。
スキーキャリアの相場はおよそ7,000〜25,000円ですが、ES152は12,000円代で販売されており、スキーキャリアの中でも安い方といえます。
最大積載数は、スキー6セット、スノボ4セットです。
まとめ
本記事では、スキーキャリアについて解説してきました。車に乗ってスキーやスノボをしに行く方にとっては、スキーキャリアは役立つアイテムでしょう。
どのスキーキャリアも利便性は備わっていますが、メーカー等によってデザインが異なってきます。スキーキャリアはおしゃれにもなるので、デザイン性も重視したいところですね。
そして、細かな機能もそれぞれのスキーキャリアによって、異なってきます。ぜひ自分に合ったスキーキャリアを選んで、スキーやスノボを楽しみましょう。