トヨタのディーゼル車とは?
トヨタ グランエース
自動車の主な動力源としてガソリンエンジン・ディーゼルエンジン・電気の3種類がありますが、バイクや乗用車は軽量かつ高回転の運転ができるガソリンエンジンが多く用いられてきました。
その反面、ディーゼルエンジンはトルクが強いというメリットがありますが、高速回転に不向きであることや重量が大きくなりやすいというデメリットがあります。
このため、ディーゼルエンジンは大型の自動車に多く用いられる傾向が見られます。
近年は世界的に自動車の低燃費化に力が入れられており、ディーゼルエンジンを小型化することでコンパクトカーに搭載するケースも増えています。
トヨタも多くの乗用車を生産していますが、ほとんどはガソリンエンジン車です。それでも、トヨタの大型の乗用車・商用車やトラック・クロスカントリー車・ワンボックス車にはディーゼル車が存在します。
トヨタのディーゼル車は車体のサイズが大きなタイプの自動車で、燃費性能が良くてトルクが高いという特徴があります。
一部のトラックを除いて車両総重量が3.5t未満なので、普通自動車免許で運転が可能です。
【現行車種】トヨタのディーゼル車の特徴は?
トヨタのディーゼル車には、ミニバン(グランエース)・ピックアップトラック(ハイラックス)・クロスカントリー車(ランドクルーザープラド)・キャブオーバーバン(ハイエースバン)・マイクロバス(コースター)・小型トラック(ダイナ)があります。
いずれも車体が大きいので、ガソリンエンジンよりも低速で力強いディーゼルエンジンが多く使われる傾向があります。
国内外の自動車メーカーでは2L未満の小型ディーゼルエンジンを搭載したコンパクトカーを生産している例もありますが、トヨタの小型乗用車ではディーゼル車は存在しません。
■【グランエース】最新モデル!豪華ワンボックス
トヨタ グランエース
グランエースは2019年12月に発売されたミニバンで、大きさではトヨタのミニバンラインナップ中で最大のボディサイズ が特徴です。
5,300mmにもなる全長はアルファードと比較しても約250mm長く、全幅1,970mmと全高1,990mmも相まって、遠くからでもすぐ分かる存在感のあるエクステリアとなっています。
グランエースは、2019年からフィリピンを皮切りに導入された海外仕様ハイエースがベースとなっていますが、国内では乗用仕様のみが販売されています。
3列6人乗り仕様と、4列8人乗り仕様があり、どちらも余裕のある室内空間でゆったりと移動できます。
特に6人乗り仕様は、後部座席は4席ともオットマン付きのパワーシートと、非常に豪華な仕立てになっています。
大型ハイヤーや役員車などとして、これから街中で見かける機会が増えそうです。
ボディが大型で車重も重たいため、エンジンは低速から力強い、トヨタ最新の2.8リッターの直列4気筒ディーゼルターボエンジンが搭載されています。
トヨタ グランエースのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,300mm×1,970mm×1,990mm (ホイールベース:3,210mm) | |
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最大乗車定員 | 8名 | |
車両重量 | 2,770kg | |
燃費 | WLTCモード:10.0km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ディーゼルターボ | |
最高出力 | 130kW(177PS)/3,400rpm | |
最大トルク | 450N・m(46.1kgf・m)/1,600-2,400rpm | |
駆動方式 | 後輪駆動 | |
トランスミッション | 6速オートマチック |
情報は2020年5月現在の公式サイトより
■【ハイラックス】超ド級他にはないピックアップスタイル
トヨタ ハイラックス
トヨタハイラックスはピックアップトラックで、1968年に発売されてから40年以上にわたり販売が続けられています。
現行モデル(8代目)は2017年に発売され、ガソリン車が存在せずにディーゼルエンジン車のみです。
ハイラックスの車体重量は約2tで、最大積載量は500kg。
ハイラックスはランドクルーザープラドと並んで“タフな自動車”として知られており、世界的に見るとカローラの次に売れているトヨタ車です。
ハイラックスは悪路の走行性能が高く、後輪のどちらかが脱輪またはスリップに陥った場合は、後輪の左右を直結させて駆動力を発生させることで安定した走行を可能にする「リヤデフロック」スイッチも備えています。
ハイラックスは非常に高い耐久性を持つ上にオフロードの走破性に優れていることから、過酷な環境下で多く使用されている超ド級の自動車です。
海外仕様車は硫黄分を多く含む粗悪な軽油を使用した場合でも故障を防ぐために、旧型のメカポンプ式を搭載したタイプも販売されています。
ハイラックスはランドクルーザープラドとともに、“タフで長持ちする車”として、中東をはじめ世界中で高い人気を集めています。
トヨタ ハイラックスのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 5,335mm×1,855mm×1,800mm(ホイールベース:3,085mm) | |
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最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 2,060kg | |
燃費 | JC08モード:11.8km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ディーゼルターボ | |
最高出力 | 110kW(150PS)/3,400rpm | |
最大トルク | 400N・m(40.8kgf・m)/1,600-2,000rpm | |
駆動方式 | 4輪駆動(パートタイム4WD) | |
トランスミッション | スーパーインテリジェント6速オートマチック |
情報は2020年5月現在の公式サイトより
■【ランドクルーザー プラド】クリーン・ディーゼル
トヨタ ランドクルーザー プラド
トヨタ ランドクルーザー プラドは大型のクロスカントリー車で、本格的なオフロード走行も可能な5ドアSUVです。
元々はランドクルーザーの乗用仕様という扱いでしたが、現行モデルでディーゼルエンジンを搭載しているのはプラドだけです。
ランドクルーザー プラドにはガソリン車とディーゼル車の2種類があり、高い信頼性や走行性能が世界的に評価されています。
ランドクルーザープラドは他社の同クラスの自動車と比べて燃費性能が優れていて、過酷な環境下でも走破する性能、高い信頼性を持つことから、国際機関やNGOが海外で活動する際に用いられることが多くあります。
最新モデルにはオフロード走行用に5つのモードが用意されており、路面状況に応じてコンピュータがエンジンやブレーキを制御します。
耐久性が高くてオフロード走行性能に優れるランドクルーザープラドは、世界中の過酷な場所で多く用いられている自動車のひとつです。紛争多発地域では、防弾仕様に改造したランドクルーザープラドを要人警護に用いるケースがあるほどです。
トヨタ ランドクルーザー プラドのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,825mm×1,885mm×1,850mm(ホイールベース:2,790mm) | |
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最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 2,180kg | |
燃費 | JC08モード:11,8km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ディーゼルターボ | |
最高出力 | 130kW(177PS)/3,400rpm | |
最大トルク | 450N・m(45.9kgf・m)/1,600-2,400rpm | |
駆動方式 | 4輪駆動(フルタイム4WD) | |
トランスミッション | フレックスロックアップ付スーパーインテリジェント6速オートマチック(Super ECT) |
情報は2020年5月現在の公式サイトより
■【ハイエース バン】縁の下の力持ち
トヨタ ハイエース バン
トヨタ ハイエースバンはキャブオーバー型のバンで、初代は1967年発売と、長い歴史があります。
現行モデルは2004年8月に発売されました。
ビジネス用途で非常に広く使われており、見かけることも多いのではないでしょうか。
ハイエースは、走行距離が100万kmを超えたりする過酷な使われ方にも耐えうるよう、非常に耐久性・信頼性の高い設計となっていることが特徴です。
また、2020年4月に発表された一部改良によって、アクセル踏み間違い時に自動ブレーキが作動する「インテリジェントクリアランスソナー」がオプション設定されるなどし、予防安全性能にもさらに磨きをかけています。
インテリジェントクリアランスソナー装着車は、セーフティ・サポートカーSに認定されています。
乗車定員は2~9名で、後席を装備せずに荷室をフルに使用できるモデルから、5人乗り仕様かつハイルーフ・ロングボディで人も荷物もしっかり運べるモデルまでラインナップされています。
グレードにより異なりますが、最大積載重量は850kgから1,200kgです。
ハイエース バンは、余裕のある荷室長・荷室高を活かして、車中泊可能なキャンピングカーのベースなどにも用いられることがあります。
トヨタ ハイエース バンのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,695mm×1,695mm×1,980mm(ホイールベース:2,570mm) | |
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最大乗車定員 | 3名 | |
車両重量 | 1,800kg | |
燃費 | JC08モード:13.0km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ディーゼルターボ | |
最高出力 | 111kW(151PS)/3,600rpm | |
最大トルク | 300N・m(30.6kgf・m)/1,000-3,400rpm | |
駆動方式 | 後輪駆動 | |
トランスミッション | 6速オートマチック |
情報は2020年5月現在の公式サイトより
■【コースター】ザ・マイクロバス
トヨタ コースターEX(ロングボディ・冷蔵庫付き28人乗り・6AT)
トヨタ コースターは、2017年1月に発売された現行モデルで4代目となる、マイクロバスです。
乗車定員が13人から29人乗りとなっており、運転する際には中型免許が必要となりますが、その分室内は普通自動車よりもゆとりがあります。
余裕あるボディサイズを活用して、テレビ局の中継車やロケバス、またキャンピングカーのベースとして利用される場合もあるようです。
バスとしては小型のボディサイズのため、コミュニティバスとして利用されるケースや、ホテルや旅館の送迎バスとして利用されるケースも多く、実際に乗車したことがある方も多いかもしれません。
また、黄色のボディでお馴染みの幼児専用車もラインナップされていることから、お子さんが送迎バスとして日々利用しているかもしれませんね。
現行モデルはミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせたトヨタセーフティセンスを装備しており、予防安全性能を向上したほか、万が一横転した際にも、乗員スペースの安全がしっかり守られるよう、強固なボディによって衝突安全性能も向上しています。
トヨタ コースターのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 6,990mm×2,080mm×2,635mm (ホイールベース:3,935mm) | |
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最大乗車定員 | 29名 | |
車両重量 | 3,920kg | |
燃費 | 重量車モード:9.10km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒直噴ディーゼルターボ | |
最高出力 | 129kW(175PS)/2,800rpm | |
最大トルク | 461N・m(47.0kgf・m)/1,600rpm | |
駆動方式 | 後輪駆動 | |
トランスミッション | 6速オートマチック |
情報は2020年5月現在の公式サイトより
■【ダイナ】物流ビジネスを支える
トヨタ ダイナ カーゴ 標準キャブ・標準デッキ・フルジャストロー・2トン積・ディーゼル車・2WD
トヨタ ダイナは、街中で宅配便の配送などでも多く見かける小型の商用自動車です。
ダイナには、荷台が固定されたダイナ カーゴ、ダンプ仕様のダイナ ダンプ、後部が荷室になっているダイナ ルートバンがラインナップされています。
そのうち、ダイナ カーゴには1トンシリーズと2トンシリーズの2種類があり、1トンシリーズ(LPG車を除く)は普通自動車免許で運転ができますが、1トンシリーズ(LPG)車と2トンシリーズは準中型以上の運転免許が必要です。
ダイナ カーゴのエンジンですが1トンシリーズはガソリン・ディーゼル・LPGの3種類が用意されています。2トンシリーズのほうは、ディーゼル車とディーゼルハイブリッド車の2種類です。
ダイナは車体が小型なので狭い道でも走行可能で、運輸関係以外にも建設業や他の業種でも多く用いられています。
MT車に加えてAT車も存在するので、AT限定の普通・準中型5t限定・中型8t限定免許でも運転が可能です。
小型トラックのダイナは、日本の物流ビジネスを支えている自動車のひとつです。
トヨタ ダイナのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,430mm×1,695mm×1,985mm(ホイールベース:2,300mm) | |
---|---|---|
最大乗車定員 | 3名 | |
車両重量 | 1,760kg | |
燃費 | JC08モード:12.4km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ディーゼルターボ | |
最高出力 | 106kW(144PS)/3,400rpm | |
最大トルク | 300N・m(30.6kgf・m)/1,200-3,200rpm | |
駆動方式 | 後輪駆動 | |
トランスミッション | 5速マニュアルトランスミッション |
情報は2020年5月現在の公式サイトより
まとめ
トヨタ ハイラックス(ブラジル仕様)
トヨタが製造する乗用車のほとんどはガソリンまたはハイブリッドエンジンを搭載していますが、一部の大型の乗用車・商用車ではディーゼルエンジン車も存在します。
世界的に有名なハイラックスやランドクルーザープラドといった車両にも、ディーゼルエンジンが搭載されています。バンやトラックの購入をお考えの方は、トヨタのディーゼル車も検討してみることをおすすめします。