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ドライブシャフトとは?交換時期や修理費用もご紹介

ドライブシャフトとは?交換時期や修理費用もご紹介

みなさんはドライブシャフトをご存知でしょうか。ドライブシャフトはクルマのタイヤにエンジンからの駆動力を伝える棒状のパーツです。本記事ではドライブシャフトの説明と、修理費用や交換時期についてもまとめています。

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⏳この記事は約3~4分で読めます。


ドライブシャフトとは

FR向け軽量・高効率ドライブシャフト

FR向け軽量・高効率ドライブシャフト

ドライブシャフトは、シャフトの名の通り“軸”のことで、自動車のエンジンによって生み出された回転を駆動輪に伝えるための部品です。

日本では、エンジンの回転を車輪に伝えるための部品のうち、自動車の左右方向に伸びるシャフトをドライブシャフトと呼び、FR車や4WD車で自動車の前後方向に伸びるシャフトはプロペラシャフトと呼びます。

ドライブシャフトは、駆動方式に関係なく、駆動輪に一番近い部分のシャフトということです。

もし、ドライブシャフトが破損して正常に機能しなくなると、エンジン・トランスミッションで生み出された回転を駆動輪に伝える機能が失われてしまうので、最悪の場合自動車は走行不能に陥ってしまいます。

ドライブシャフトの役割

NTN リア用軽量ドライブシャフト

NTN リア用軽量ドライブシャフト

ドライブシャフトの役割とは、エンジンで生み出された回転を、車輪に伝えることです。回転を伝えるシャフト部分は、主に鋼鉄製で、中実構造や、軽量化のために中空構造としたものも普及しています。

自動車にはサスペンションがついており、車輪が上下に移動することで路面の凹凸を吸収する構造になっています。それに加えて前輪は、ハンドル操作のために車輪が左右にも向きを変えられるようにする必要があります。

車種によってどのタイヤが駆動されるかは違いがありますが、ドライブシャフトはそれらの車輪に、エンジンの回転を常に確実に伝えなければなりません。

ドライブシャフトに接続された車輪が上下左右に移動できる一方、シャフトの反対側は自由に移動することができないので、ドライブシャフトは、様々な角度において動作できる必要があります。そのためドライブシャフトには、等速ジョイントと呼ばれる部品がシャフトの両端に取り付けられています。

等速ジョイントは、ジョイント内部でボールが噛み合うなどの構造によって、様々な角度に曲げられても同じ回転力を伝え続けることができます。等速ジョイントは、構成する部品点数が多いとともに自動車にとって非常に重要な部品なので、ブーツと呼ばれるゴムまたは樹脂製のカバーが取り付けられています。

ブーツ内はグリース(潤滑油)で満たされており、自由に向きを変えるジョイント内でスムーズに回転を伝える手助けをしています。

ドライブシャフトから異音!対処法は?

スバル エクシーガ

スバル エクシーガ

自動車が走行するときはドライブシャフトに強い力がかかり、非常に重要な部品であるため、定期的な点検や部品交換が欠かせません。

ドライブシャフト自体の寿命は、車の使用状況に応じて変わるため一概には言えませんが、きちんとメンテナンスをすれば走行距離で15万kmから20万kmほどは持つとされます。

ただし、ドライブシャフトの等速ジョイントを保護しているドライブシャフトブーツはゴムまたは樹脂製なので、車の使用年数に応じて劣化していくほか、ハンドルをよく切る、悪路をよく走るなど運転の状況に応じて劣化が進むおそれがあります。

ブーツが破損して内部のグリースが漏れると、等速ジョイントの内部が固着したり異物が入ったりして、異音や振動が発生する場合があります。

走行時に駆動輪付近から異音がした場合は、すぐにディーラーまたは整備工場に点検整備を依頼するようにしましょう。

ドライブシャフトの点検方法

ドライブシャフトに関する点検としては、ドライブシャフトブーツの状態を目視で確認することができます。

ドライブシャフトブーツが破れたりしていないか、周辺にグリース漏れなどがみられないかどうかを目で見て確認しましょう。ちなみにブーツは、ゴムか樹脂製で黒色のジャバラのような形の部品です。

もしも、ブーツが破れて周辺にグリースが飛び散っているようであれば、早急に修理する必要があります。

FF車であれば、ハンドルを切った状態で車を停めることで車輪側のブーツは目視できますが、車体中央側のブーツは見えませんし、下から覗き込んでもカバーがされていて見えない場合もあります。

しっかりと確認するには車をジャッキなどで持ち上げたりすることが必要で、日常点検でドライブシャフトブーツや等速ジョイント、シャフト本体の状況をしっかりと確認することは難しいですが、ディーラーや整備工場、カー用品店などで定期的に点検してもらえば確実でしょう。

走行中にいつもと違う異音や振動を感じとることでも、異常の察知につながります。

ドライブシャフトの交換時期は?

STI製大径ドライブシャフト

STI製大径ドライブシャフト

ドライブシャフトと等速ジョイント本体の寿命は、通常15年から20年ほどとされますが、ジョイント部分を覆っているゴム製のブーツの寿命についてはもっと短く、より頻繁に交換が必要になります。

ドライブシャフトブーツの寿命は車の使われ方によっても変わるため、一概に何年何万キロ走行で交換とは定まっていませんが、車検の点検項目に入っており、ブーツが破れていると車検に通らないことからも、数年単位で交換が必要になるケースもあることがわかると思います。

ドライブシャフトブーツは、ゴムや樹脂でできているため経年劣化していくほか、走行中はエンジンや排気系統、路面などからの高熱にさらされます。また、駆動輪の動きに従って様々な角度に曲げられるため、たとえ走行距離が短くても交換が必要になる場合があります。

ドライブシャフトブーツが破れてしまって、等速ジョイントに不具合が発生した場合は、ジョイント部だけを交換することはできないので、ドライブシャフトをアセンブリごと一式交換することが必要になります。

ドライブシャフトの修理費用は?

ドライブシャフトは、ブーツのみの交換で済む場合は1個あたり1万円前後で、両輪だと2万円から2万5千円ほどの費用で交換できます。

しかし、ブーツが破れて等速ジョイント内部が故障したり、シャフト自体の寿命が来た場合には、ドライブシャフトアセンブリとして、構成部品を丸ごと交換する必要があります。

車種によって交換費用に違いがありますが、5万円から15万円程度かかる場合もあるようです。

駆動方式の違いで変わるドライブシャフト

A70用プロペラシャフト

A70用プロペラシャフト

自動車の駆動方式はFF・FR・4WDの3種類が一般的ですが、駆動方式ごとにドライブシャフトの構造や取り付け位置に違いがあります。

日常点検をする場合に備えて、ドライブシャフトの取り付けられている位置や構造の違いを知っておくことが大切です。

FF車のドライブシャフト

FF車のドライブシャフトは前輪とトランスミッションの間に取り付けられています。

前輪は、サスペンションによる上下方向の動きだけでなく、操舵のために向きを変えるので、等速ジョイントが対応しなくてはならない移動量が大きく、シャフト自体にもブーツにも負担がかかります。

そのため、ブーツの劣化が早く、より頻繁に部品交換が必要になる可能性があります。

FR車のドライブシャフト

FR車のドライブシャフトは、後輪と、後輪の真ん中にあるデファレンシャルギアに取り付けられています。

FR車では、エンジンのある車体前方から後輪近くまで回転を伝えなくてはならないので、前後方向のシャフトであるプロペラシャフトもセットで取り付けられています。

プロペラシャフトによって伝えられた回転はデファレンシャルギアを通して左右のドライブシャフトに伝わり、最終的に車輪に伝わります。

ドライブシャフトの不具合による異音や振動の他にも、プロペラシャフトの回転軸がずれてしまうことでも異音・異常振動が発生することがあります。そのため、FR車の走行時に音や振動が気になる場合は、ドライブシャフトとプロペラシャフトの両方を調べる必要があります。

4WDのドライブシャフト

4WDの回転軸の構造は、車種ごとに大きく異なります。FR車に前輪を駆動するメカニズムを追加する場合と、FF車に後輪を駆動するメカニズムを追加する場合があるからです。

いずれも車体の前後方向にはプロペラシャフトが通っており、4輪すべてにドライブシャフトが取り付けられています。

近年、ハイブリッド車などにおいて、前輪駆動車の後輪に別のモーターを取り付けて駆動するタイプの4WD車も存在します。このタイプでは、プロペラシャフトは必要ないため取り付けられていませんが、ドライブシャフトは4輪に取り付けられます。

ドライブシャフトの整備の仕方

カーボンプロペラシャフト

カーボンプロペラシャフト

一般的にドライブシャフトはユーザーが整備するような部品ではありませんが、整備方法の基本や部品の寿命を知っておくと故障などのトラブルに対処するのに役立ちます。

ドライブシャフトの構成部品の中で一番寿命が短いのは等速ジョイントを覆うブーツで、車の使用頻度が少なくても数年前後では交換しなければなりません。古くなるとゴムが硬くなり、ひび割れを起こしてグリースが漏れ出してしまうからです。

ブーツを交換するためにはタイヤを取り外す必要がありますが、最近は“分割式ブーツ”が使用される車種も存在します。分割式ブーツだと取り付けが簡単なので、工賃が安くなります。ちなみに必要な工具があれば、自分で分割式ブーツを交換することも可能です。

必要な工具と知識があれば、ドライブシャフトアセンブリを入手して自分で本体ごと交換する方法もあります。ドライブシャフトを取り付ける時は、ハブのロックナットの締め付けに注意が必要です。

ロックナットは既定のトルクで締め付ける必要があるので、トルクレンチが必要です。ナットの締め付けが弱すぎると締結部が緩んで異音が発生しますし、逆にロックナットを強く締め付けてしまうと内部のベアリングを破壊してしまう恐れがあるからです。

ただし一部の車種はロックナットを締め付ける際の回転量と角度が指定されており、このような場合はトルクレンチを持っていなくても作業ができます。

まとめ

NTN 次世代ドライブシャフト

NTN 次世代ドライブシャフト

ドライブシャフトは車体の下部に隠れた部品ですが、駆動輪にエンジンの回転を伝えるという大切な役割を果たしています。

等速ジョイントを覆っているドライブシャフトブーツは消耗品なので、こまめに目視でチェックするなど点検を行うことが大切です。

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