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クルマのESCとは?仕組みや役割を解説!

クルマのESCとは?仕組みや役割を解説!

「ESC」という言葉を聞いた時、すぐに車の横すべり防止装置が思い浮かんだあなたは、かなりの自動車通です。今回は、最近の車に装備されている車の横滑り防止装置であるESCについて詳しくご紹介します。

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⏳この記事は約3~4分で読めます。


ESCとは

ESC(横滑り防止装置)

ESC(横滑り防止装置)

自動車のカタログの安全機能一覧を見ると、「ESC」という項目を見かけることがあります。

ESCとは“Electronic Stability Control”の頭文字を取ったもので、日本語に訳すと「横滑り防止装置」となります。

ESCは走行中に作動する安全機能で、車体が横滑りを起こすのを防ぐ働きがあります。

ESCの役割

セーフティトレーニングESC

セーフティトレーニングESC

自動車を運転する場合は加減速(アクセルやブレーキ操作)だけでなく、ハンドルを操作して進行方向を変える必要があります。ハンドルを操作すると前輪の向きが変わることで自動車は右または左に向きを変えますが、遠心力の作用で車体は外側に向けた力を受けます。

速度が大きすぎるとタイヤのグリップ力が不足し横方向にスリップを起こしてしまい、横滑りやスピンを起こす恐れがあります。ESCのシステムが危険を検知するとコンピューターが車体を制御して、車体の横滑りを防ぐという大切な役割を果たしています。

カーブを曲がる時や車線変更をする際に、安全な速度で路面が乾燥していれば自動車は横滑りを起こすことはほとんどありません。しかし、スピードが出過ぎていて路面が滑りやすい状態だとタイヤが横滑りを起こしてしまい、車線を逸脱して対向車線にはみ出してしまうことがあります。

山道のカーブで横滑りを起こして車線を逸脱すると、対向車と正面衝突を起こす危険があります。このような場合にESCが作動すれば、事故を未然に防ぐことができるでしょう。

ESCは重大な事故につながりかねない危険な横滑りを未然に防ぐための機能であり、大切な安全装備のひとつといえます。

VSCやVSAとの違いは?

ボッシュ ESC

ボッシュ ESC

横滑り防止装置(ESC)の基本的な機能は、4輪の車輪のブレーキやアクセルを独立して制御することで車体の横滑りを防止することです。基本的な機能は同じですが、メーカーごとに別の呼び方をする場合があります。

日本の自動車メーカーでも呼び方がバラバラで、例えばトヨタはVSC(Vehicle Stability Control)、ホンダはVSA(Vehicle Stability Assist)です。他にも、VDC(日産・スバル)やDSC(マツダ)などと呼ばれることもあります。

ちなみにDとは、Dynamicsの頭文字です。海外メーカーではこれらとは別の呼び方をすることもあり、別のアルファベット3文字で表現されています。カタログを見ると会社ごとに違う表現が用いられていますが、国内で新車販売されている自動車には必ず装備されています。

ESCのスイッチはどれ?

ESCスイッチ

ESCスイッチ

通常はESCをオンにした状態で走行しますが、状況によっては一時的にオフにする必要があります。このため、運転席には横滑り防止装置の機能をOFFにするためのスイッチが設けられています。

横滑り防止装置はメーカーごとにVSCやVSAなど呼び方がバラバラで、スイッチの表記が違うので注意が必要です。

ESCの切り替えスイッチはアルファベット3文字で表示されますが、一目で判別できるようにイラストも記されている場合もあります。ESCのスイッチには車が左右に蛇行しているようなマークが付けられていることが多いので、確認してみましょう。

ESCのオン/オフは切り替えても大丈夫?

通常は走行時にESCの機能を有効にしておく必要があるので、特に操作をしない限りスイッチはオンになっているはずです。ただし、場合によってはESCの機能をオフにした方が良い場合があります。

雪道などで車輪がスリップしてしまった場合や、舗装されていない山道などでタイヤがぬかるみにはまって空転するようなケースです。このような場合にESCが働くとスリップした車輪やぬかるみにはまった車輪の駆動が抑えられてしまい、脱出が困難になってしまいます。

雪道やぬかるみから脱出するためには車輪を空転させる必要があるので、一時的にESCのスイッチをオフにする必要があります。

ちなみにサーキットで意図的にスピンさせたい場合も、ESCの機能をオフにすることができます。ただし舗装された道路を走行する場合は、ESCのスイッチをオンに入れておく必要があります。

ESCの仕組みを知りたい!

母と子の楽ラク運転講習会

母と子の楽ラク運転講習会

ESCの装置は横滑りを検知するための各種センサー類とコンピューター、車輪のアクセル・ブレーキを操作するための油圧または電動アクチュエーターなどから成っています。

センサー類には各ホイールの回転センサー・ステアリングセンサー・Gセンサーがセットになっており、車輪の空転や車体が左右方向に受ける力を検知してコンピューターが判断します。

走行中にドライバーがハンドル操作をした時にコンピューターが横滑りの危険を察知すると、アクセルや4輪のブレーキの強さを個別に微調整されて旋回中に車体が制御されます。

車輪のブレーキや加速が個別に調整されることで、旋回中のアンダーステアやオーバーステアを防ぐ仕組みです。

山道などでカーブを曲がる際に、アンダーステアを起こすと車体が外側に振られて車線を逸脱してしまう恐れがあります。このような場合は内側後輪のブレーキを強めることで旋回モーメントを強めて、横滑りを防ぎます。

雪道などの滑りやすい路面でオーバーステアを起こすと、ハンドルを切った時に車体が旋回方向にスピンする恐れがあります。このような場合は、外側前輪のブレーキを強めることで旋回とは逆方向のモーメントを発生させてスピンを防止します。

ESCの搭載は義務?

VWテックデイ2019

VWテックデイ2019

日本では軽自動車を含めて新たに販売される乗用車にESCを装備することが法律で義務付けられているので、新車を購入したら必ず付いています。

普通乗用車にESCの装備の義務化が始まったのは2012年10月以降に販売されるモデルで、軽乗用車は2018年10月です。これ以前に販売された乗用車にはESCの装備が義務付けられていませんでしたが、一部のメーカー・車種では早い段階からオプションなどで装備されていました。

ESCは、車輪の空転を防止するABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やTCS(トラクションコントロールシステム)とヨーレートセンサーを組み合わせる形で開発された安全装備のひとつです。

市販車では、1995年にドイツのメルセデス・ベンツが最上級車種のSクラスクーペに世界で初めて搭載しました。日本車では同じく1995年に、トヨタのクラウンマジェスタに同様のシステムが初めて搭載され、後に他のメーカーも装備するようになりました。

現在は日本国内で登録されている乗用車の約6割がESCを装備しており、バスやトラックなどの大型車にも普及が進んでいます。

国内で新車販売されている自動車には必ず横滑り防止装置を装備していますが、中古車の中には未装備の車両も少なくありません。中古車を購入する場合は、ESCの有無をチェックするようにしましょう。

まとめ

ESC氷上試乗会

ESC氷上試乗会

国内で新車販売されている自動車には必ず横滑り防止装置を備えており、カーブや滑りやすい路面で事故を未然に防ぐという大切な役割を果たしています。

ESCはあまり目立たない存在ですが、いざという時に乗員の命を守るために役立つ大切な安全装備のひとつであることを理解しておきましょう。

大事な点はご自身の車にこのESCが搭載されているかいないかを、しっかりと把握しておく必要があるという事です。

しかしながらESCが搭載されている車が絶対に横滑りやスピンをしないという事ではありません。運転なさる際には慎重の上にも慎重に運転することを心がけてください。

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