タンデムとは?二輪車で二人乗り!
タンデムツーリング
タンデムとは、オートバイなどで二人乗り運転することを表す言葉です。後ろ側に乗る人は自動車と共通してパッセンジャーと呼ばれます。
今回の記事では意味・語源はもとより、タンデムが可能な場所や車両の条件などを詳しく学んでいきましょう。
■タンデムの語源
本来タンデムという言葉は、前後に二頭の馬を並べて走行する馬車のことを指していました。
直列という意味を持つ単語で、派生語として航空機の操縦席の並び方や飛行機の翼の形状にも使われます。
前後に直列に乗ることが語源であり、バイク以外にサーフィン・経営などさまざまな場面で用いられます。
■タンデムできる道路・条件
バイクの二人乗り、すなわちタンデムは一般道と高速道路の両方で走行可能となっています。
実は2004年までは、高速道路でのバイクの二人乗りはどの区間・場所であっても全面的に禁止でした。
しかし、2005年の道路交通法改正以後は、一部の区間を除いた高速道路でのタンデムが可能です。なお道路だけでなく、免許を取得してからの年月やバイクの定員・排気量なども条件に含まれます。
オートバイの定員と排気量
二人乗りが可能となる条件として、バイクの排気量が51cc以上であることが挙げられます。そのため50cc以下である原付一種のバイクでは、二人乗り走行が認められていません。
ただ同じ原付でも、黄色やピンクナンバーの原付二種であれば51から125ccとなりタンデムは可能です。加えてタンデムには、二人乗り仕様となっているバイクでのみ許可が得られます。
つまり、51cc以上でも、パッセンジャー用のステップなどが備え付けられていない定員1名のバイクでタンデムすることは不可能です。
二輪免許取得からの経過年数
一般道で二人乗り走行を行うには、二輪免許を取得してからの年数制限もあることを覚えておきましょう。
二輪免許を取得してから1年間は、初心運転者期間に該当するため後部に人を乗せて運転してはいけません。
すなわち免許を取得してから、1年以上を経過していなければ後ろに人を乗せてはいけないということです。
ここでの二輪免許とは大型自動二輪免許、普通自動二輪免許と小型限定普通自動二輪免許の3つが該当します。もし2つの免許を別々のタイミングで取得した場合、期間の合算をして経過年数とすることができます。
たとえば普通二輪免許を取得して6ヶ月経過した後に、大型二輪を取得して6ヶ月経てば問題ありません。
高速道路でもタンデム可能!
一般道と同様に、高速道路でも国が定める条件を満たしていれば二人乗り状態での走行は可能です。ただし条件として、免許を取得してから1年間ではなく3年以上経過している必要があります。
もちろんこちらも一般道と同じで、3つの免許の取得期間の合算で3年間経過していれば問題ないです。ただ免許取得から3年経過しても、運転者が20歳未満であれば二人乗り禁止という点に注意が必要です。
また首都高速道路の場合、二人乗りが規制されている区間がある点にも気をつけなければなりません。中央環状線の内側はほぼ規制されており、首都高速をよく利用する方は警視庁のページを確認しましょう。
タンデムにおすすめのオートバイ
ADIVA VX-1
ここまではタンデム走行のための道路・免許取得期間の条件、年齢制限などを詳しく学んできました。
ここからはタンデムライディングをする上で、おすすめのオートバイをご紹介していきます。
■ホンダ ゴールドウイング
ホンダ ゴールドウイング ツアー DCT
世界のホンダが放つ、四輪スポーツカー並みの懸架装置など先端テクノロジー搭載のオートバイです。
水平対向6気筒1800ccエンジンや、リバース付き7速DCTやABSなど優れた機能が満載です。スリムかつ先鋭的なデザインで、二人乗り用シートも自然かつスタイリッシュに組み込まれています。
大きく見えるボディとは裏腹に、またがると意外とコンパクトであり操作の楽しみも折り込み済みです。
タンデムはもちろんソロ乗りも十分に楽しめる設計が、多くのライダーの心をキャッチしています。
■ハーレーダビッドソン ロードグライドリミテッド
ハーレーダビッドソン FLTRXS ロードグライドスペシャル
LEDヘッドライトをデュアル装備する印象的なルックスのロードグライドの、待望のリミテッド版です。
大柄なカウルによって、快適な高速クルージングと軽快なハンドリングが可能となっています。タイヤの空気圧モニタリングシステムや、ブレーキの電子制御など最新技術が盛り込まれています。
スマートフォンと連結することにより、ナビなどさまざまな情報をスピーディーに獲得可能です。
そのスケール感は圧倒的で、ソロでもタンデムでも快適に乗りこなせること間違いなしのバイクです。
タンデムでの注意点
トリシティ 125でタンデムを披露する大島優子さん
バイクを運転する上で注意点はありますが、タンデムは普段以上に気をつけなければなりません。
バイクに同乗する二人の絆を深め、そして安全に走行するために気をつけたいポイントを見ていきます。
■オートバイの重量バランスが変わる
二人乗りであるため、当然ながらバイクに積載する物量は単純に2倍に増えると考えてください。たとえば運転手が60kgとして、後部に乗る方も60kgであればその分重くなるためパワーも必要です。
発進時に通常より高回転でクラッチを繋ぐ、停止時の制動距離など普段とは異なると意識するのが大事です。
特に日頃からタンデムに慣れておらず、初めての場合は長距離走行やカーブの多い道路は避けましょう。
■後ろに乗ると結構怖い?カーブでの注意点
運転者は右・左のカーブの楽しさを知っているものの、後部のパッセンジャーには初体験かもしれません。
タンデムの際は、ライダーとパッセンジャーが一体となって体重移動を行う必要があります。特に後ろ側は経験が少なければかなり怖く感じるものであり、ドライバーは気を配らなければなりません。
曲がる前にはしっかりとパッセンジャーに声を掛けて予告するなど、しっかりと合図を送りましょう。もちろんコーナリングの際、カーブ前は十分に減速しておいてから入るというのも鉄則です。
タンデム快適化グッズをご紹介!
タンデムグッズ
タンデム走行での難所として、運転中における後ろの同乗者とのコミュニケーションが挙げられます。
カーブの際だけでなく、走行中に何かトラブルがあった場合にもスムーズに意思疎通を図りたいところです。
ここからはタンデム走行中に備えておけば便利、安心なグッズに関して紹介していきます。
■タンデムベルト
安全性をしっかり重視したいのであれば、同乗者をきちんと固定できるタンデムベルトがおすすめです。
特にバイクに乗り慣れていないお子さんであれば、寝てしまった時も安心なリュックタイプが良いでしょう。
もし運転に自信がなければ、ドライバーの上半身が自由になるベルト・リュックタイプが良いです。身体の大きさは関係なくウエストを固定する腰ベルトタイプは、大人の同乗者によく利用されています。
■オートバイ用インカム
オートバイ用インカム
ヘルメットをしていて走行中は意思の疎通が困難であるため、インカムを使用すると便利です。
タンデムだけでなくツーリング時にも有効なほど、有効範囲が広い機種もあり用途に応じて選びましょう。
まとめ
走行中に通話できるインターカム
一般道であれば免許取得から1年以上、高速道路であれば3年以上経過していればタンデムが可能です。
ただし51cc以上のバイクであること、高速道路は20歳以上でなければならないことに注意してください。
ソロ乗りとは違い、後ろに同程度の重量が加わるためバイクの操作感は大きく異なります。同乗者にも気を配りながら、協力し合って運転することが快適なタンデム走行を行う上で不可欠です。
お互いに気をつけ合いながらグッズなど準備を万全に整えて、安全かつ快適にタンデムを楽しみましょう。