VWとは?
VW 新ブランドデザイン
VW(フォルクスワーゲン)とはドイツの自動車メーカーで、本社はニーダーザクセン州のヴォルフスブルクにあります。傘下に多くの自動車会社があり、ポルシェ、アウディ、ランボルギーニなどがあります。
始まりはドイツの国策企業として設立され、主に大衆車の製造を行ってきた企業です。第二次世界大戦後にはイギリス軍管理下で改組されていきました。
戦後にフォルクスワーゲン・タイプ1が人気を集めると、長年に渡って販売が続けられたモデルとなりました。その後、ゴルフなどのハッチバック車を開発したり、ベントレーやブガッティなどの高級車ブランドを傘下に入れるなど、規模が拡大しています。
VWの概要
フォルクスワーゲン・タイプ1
VWの始まりは1934年にアドルフ・ヒトラーが提唱した国民車構想に基づいて、現在まで続く有名なスポーツカーメーカー「ポルシェ」の創業者でもあるフェルディナント・ポルシェが流線形のリアエンジン小型車の開発を進めたことです。
フォルクスワーゲン・タイプ1の元となるKdF-Wagenは、国民車となる予定でした。しかしその後、第二次世界大戦が始まり、軍用車の生産が始まってしまいます。
第二次世界大戦が終結すると、連合軍の占領下におかれるようになります。1945年にはフォルクスワーゲン社が改組されて、フォルクスワーゲン・タイプ1として生産が再開されました。タイプ1はアメリカ、イギリスの自動車メーカーたちによる調査では価値を見出されず、フォルクスワーゲン自体も自国の自動車メーカーに吸収させる価値すらないと連合国各国が判断したことで、幸運にもフォルクスワーゲンはドイツの民族系企業として存続します。
また主力モデルとなったタイプ1は「ビートル」と愛称が付けられて、世界各地で人気を集めるモデルとなりました。またワンボックスタイプの車はタイプ2として人気モデルとなります。
1974年には、スペース効率がよい前輪駆動のモデル「ゴルフ」が発売されます。走行性能も高く、スペース効率に優れたモデルとして多くの人の度肝を抜くモデルとなりました。その後も「パサート」や「ポロ」などの人気モデルを販売しています。
ビートルについて詳しく知りたい方はこちら
■日本でのVW
VW 新ブランドデザイン
日本ではフォルクスワーゲングループ・ジャパンが輸入元となって販売されています。そもそも日本での事業展開は1953年にヤナセによって輸入が開始されたことが始まりです。輸入が始まった当初から右ハンドル仕様を設定しており、日本市場に適したモデルを展開していました。
1983年には子会社であるフォルクスワーゲン株式会社が設立され、1989年にフォルクスワーゲンアウディ日本株式会社となり、直接的な販売をスタートさせます。2009年にはスズキと提携を行い開発が行われていましたが、2011年に解消しています。
輸入がスタートしたときから右ハンドル仕様が設定されるなど、日本市場に適したラインナップが多かったVWは、乗りやすいドイツ車として日本でも人気を博しています。
VWが人気の理由
多種多様な海外自動車メーカーがある中でVWは人気モデルですが、なぜ人気を集めるメーカーとなっているのでしょうか?他のメーカーと比較してVWが優れている理由をいくつか取り上げていきましょう。
■1:万人受けするデザイン
フォルクスワーゲン・ゴルフ
VWが販売しているモデルは、万人受けするデザインのモデルが多くあります。例えばビートルの愛称で親しまれていたタイプ1は世界中の国で長年愛された車です。その他にも、ゴルフも発売されてからデザインの変更は行われながらも、ロングセラーとなったモデルもあります。
VWらしいデザインを持っていながらも、長く愛されるデザインを採用しているので、年月が経過しても古さを感じさせないのも魅力。インテリアも上質なデザインを採用しており、長く愛される車が多いです。
■2:優れたプラットフォーム
VW MQB
VWは傘下の会社を含めると数多くの会社があります。それぞれの会社で独自のプラットフォームを開発していると、開発スピードやコストに大きな影響を与えます。そこでVWはプラットフォーム開発に注力し、設計の自由度があるプラットフォームモジュールを開発しました。
MQBと呼ばれているプラットホームは、セグメントをまたぐほど自由度の高い設計が可能となりコストも抑えることができるものとなりました。同時にドイツ車らしい重厚感のある走りが失われたという声もありますが、改良を重ねて乗り心地も改善されています。
低価格で機能性が高いモデルにふさわしいプラットフォームです。
■3:リーズナブルな価格帯
VW ポロ TSI ハイライン
輸入車であれば車体価格の高いというイメージがありますが、VWのラインナップではリーズナブルな車が多数存在しています。VWの始まりが国民車を製造する会社だったということもあり、品質と価格のバランスが優れたモデルが多いのです。
VWの車は品質や走行性能だけでなく、安全装備も充実しており予防安全装備されています。価格を抑えながらも安全性に抜かりがないこともVWの魅力です。
VWの最新情報
VWの最新情報を見ていきましょう。新しいロゴが採用されて、フラットなデザインに変化していることや新型のクロスオーバーが欧州で発表されています。
■新しいロゴの採用
VW 新ロゴ
2019年にはVWの新しいロゴが使用されています。新しいロゴはフラットなデザインとなっており、電動化やコネクテッド化を目指しているVWのイメージに合うものとなっています。またデジタルメディアに適合しやすいデザインです。これまでの立体的なデザインから、見やすいデザインに変更されています。
■新しいクロスオーバーの登場
フォルクスワーゲン・ゴルフ・オールトラック 新型
新型のクロスオーバーである、ゴルフ・オールトラックが欧州で受注を開始されています。新型ゴルフのヴァリアントがベースとなっているモデルで、車高を高めることで人気のクロスオーバータイプの車となっています。
フルタイム4WDとなっており、牽引力も高いです。「Digital Cockpit Pro」が採用されており直感的に操作できるように、多くの部分でデジタル化されています。
VWの人気モデル
VWの人気モデルを見ていきましょう。長年人気を集めているゴルフだけでなく、コンパクトでクロスオーバータイプのTクロスも人気があります。
モデル別の特徴もご紹介していきます。
■VW ゴルフ
VW ゴルフ TDI Highline Meister
初代ゴルフが発売されたのは1974年です。日本で発売されている現行モデルは7代目となっており、40年以上も販売され続けている人気モデルです。日本で定番輸入車として人気になっているだけでなく世界中で販売され続けており、安定感のあるモデルです。
生産台数の多いモデルで、トヨタのカローラのように人気と信頼性を兼ね備えているモデルです。上質な質感と安定感のあるデザインで長年人気があります。
ちょうどよいサイズで扱いやすい
VWゴルフ GTE
欧州や日本の道路事情で使いやすいサイズになっているのもゴルフの魅力です。居住性を高めたり安全性を高めたりするため、ボディが大型化する傾向はあります。しかしゴルフはどのモデルも大きすぎるということはありません。
1997年から販売されている4代目のゴルフから全幅が1,700mmを超えて3ナンバーサイズとなっています。しかし日本で発売されている7代目モデルでも全幅が1,800mmと取り回しが難しいサイズではありません。程よい広さというバランスのよさが魅力です。
スポーティーなモデルも展開されている
ゴルフ GTIパフォーマンス
日常生活で使いやすいモデルだけでなく、スポーティな走りが楽しめるモデルがあるのもゴルフの魅力です。上質な走りが楽しめるのは、どのグレードでも同じですが、初代モデルから設定されている「GTI」は運転の楽しさをドライバーが体感できるホットハッチです。
例えば3代目ゴルフのVR6には、狭角V6エンジンが搭載されていたり、2.0L直列4気筒ターボが搭載されたGTIなどがラインナップされています。コンパクトなボディに秘められた高い走行性能が魅力です。
複数のタイプがラインナップされている
VW e-ゴルフ
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンというパワーユニットの違いだけでなく、プラグインハイブリッドやEVのラインナップも存在していました。eゴルフは日本で販売が終了していますが、新しい可能性を模索したモデルでした。
またステーションワゴンタイプのゴルフ・ヴァリアントやクロスオーバータイプのゴルフ・オールトラックも個性的で人気となっています。同じゴルフでも複数のボディタイプから選択できます。
■VW Tクロス
VW Tクロス TSI 1st プラス
扱いやすいコンパクトなサイズで、VWらしいデザインと人気のクロスオーバーが融合したのがTクロスです。SUVの特徴というと、大型で価格が高いというイメージがありますが、コンパクトで安価帯でもSUVの魅力を堪能できます。
Tクロスはポロがベースとなっており、日本でも扱いやすいサイズで、よいところ取りをしたモデルといえるでしょう。
パワフルでありながら低燃費
VW Tクロス TSI 1st
搭載されているパワーユニットは、1.0L直列3気筒ターボです。人気となっているダウンサイジングターボですが、巡航速度が高いことで知られている欧州で開発されているので、小さな排気量でも力強く走ることが可能です。
7速のDSGが組み合わされることで、きびきびと走行できます。マニュアル車のようなギア変速の楽しさもあるモデルです。燃費もWLTCモードで16.9km/Lと良好です。
先進装備も搭載し安全性も高い
VW Tクロス TSI 1st
安全性能を重視しているドイツ車らしく先進装備も充実しています。全車速追従機能付のアダプティブクルーズコントロールも標準装備されます。高性能なレーダーで先行車を測定し、設定されたスピードを上限に自動で加減速される機能です。
こちらも標準装備のPark Assistを選択すれば、 駐車可能スペースを検出してから、ステアリング操作を自動で行なってくれます。縦列駐車から発信するときもサポートしてくれるので、狭いスペースでの駐車も安心です。
広々とした室内
VW Tクロス TSI 1st
コンパクトでありながら広々とした室内で、SUVらしい高いアイポイントとなるのもTクロスの魅力です。ポロでも広々とした車内で快適に過ごせますが、頭上空間もしっかりとあるTクロスなら、コンパクトでも窮屈さを感じさせることがありません。
またVDA方式で455Lの大容量のラゲージスペースがあるので、週末のお出かけのときの荷物も問題なく積載できます。コンパクトなだけでなく使いやすいモデルです。
■VW ポロ
VWポロ ハイライン
BセグメントのハッチバックとしてVWの人気車種となっているのがポロです。水平基調のデザイン性の高いインテリアや、独特のキャラクターライン、また使いやすく運転も楽しめるモデルとなっています。
価格帯も比較的安くなっており国産車のコンパクトカーやコンパクトカーの上位グレードと変わらない価格で手に入れられるのも魅力です。
走りを重視したグレードも設定されている
ポロGTI
コンパクトで使いやすいことが魅力のポロですが、走りにこだわったモデルも設定されています。ポロGTIであれば動力性能が高められており、ワンクラス上の走りを楽しめます。搭載されているエンジンは、2.0L直列4気筒ターボエンジンです。
最高出力は200PSとなっており、コンパクトでありながら高速域での速さはもちろんのこと、ワインディングでの楽しさも実現しています。
コンパクトで走りやすい
VWポロ新型
VWのラインナップの中では、コンパクトなモデルとなっています。2018年から発売されている6代目モデルからは3ナンバーサイズとなっていますが、それでもコンパクトさはキープしています。
最小回転半径は5.1mと先代モデルからは拡大していますが、街中で取り回しが難しいと感じることはないでしょう。都内でも街乗りもしやすいサイズです。