シエンタとは?
トヨタ シエンタ
シエンタは2003年にトヨタ社から発売されたモデルで、コンパクトサイズの普通乗用車でありながら7名乗りといった実用性の高さが人気です。デザイン性の高さと実用性を両立させた車として当初は日本国内のみで販売されていましたが、現在ではアジア各国でも提供されています。
初代モデルは2003年に発売されてから2010年に一旦生産を終了しましたが、2011年5月に販売を再開したという経緯があります。再販売後は2015年7月まで販売が継続され、フルモデルチェンジを経て現在は2代目が市場に出回っています。
初代モデルも人気を誇っていましたが、フルモデルチェンジした2代目は発売後1ヶ月でトヨタが目標としていた月間販売台数7,000台の「約7倍」にあたる4万9,000台を売り上げるなど、老若男女に人気の高いモデルとなりました。
■シエンタの特徴は?
シエンタの最も大きな特徴は「コンパクトなボディでありながら実用性の高い7人乗り」であることでしょう。2+3+2の3列シートが装備され、後部座席ドアは両側ともスライドドアを採用しているため乗り降りのしやすさも確保されています。
「シエンタ」の名前はスペイン語の「Siete(シエット)」と英語の「Entertain(エンターテイン)」から取られており、それぞれ数字の「7」と「楽しませる」という意味を持っています。
シエンタのデザイン
シエンタのカラーバリエーションとしては、原色に近い9種類が用意されています。センシュアルレッドマイカメタリック、エアーイエローなどの派手な色づかいが好みの方にとくにおすすめできる一台といえるでしょう。目立つ色だけでなく、ブラックやシルバーなどのカラーリングもあるので、無難なカラーを選びたい方でも安心です。
独創的なデザインも特徴的で、左右のヘッドライトからのびるラインは他の車種にはないシエンタならではのデザインといえます。
原色にラインが入ったデザインはドライバーによって好みの分かれる部分ですが、ボディカラーとの組み合わせ次第では革新的でお洒落なラインにもなるので、ドライバーのセンスが試される部分ともいえるかもしれません。
シエンタの機能性
シエンタは乗り降りしやすい低床設計が特徴で、地上から乗り込み口までの高さは330mmです。小さな子供やお年寄りでも負担をかけずに乗り込めるため、ファミリーにも使い勝手の良いモデルとなっています。
全座席の周囲にカップホルダーやボトルホルダーが設けられているなど、収納設備が充実しているのも魅力のひとつです。
シエンタのグレード
トヨタ シエンタ 特別仕様車 G“Cuero”
シエンタのグレードは全部で6種類あります。ここでは、それぞれの特徴を簡単に解説します。
■ファンベース X
「ファンベース X」は基本グレードの「X」を5人乗り仕様にしたグレードで、3列目のシートが存在しません。それ以外の装備は基本的に「X」と共通ですが、荷室床面の専用デッキボードや壁面のユーティリティホールなどの専用装備がある点については一部異なる部分もあります。
「X」の詳細については後述します。
■X
「X」は「G」と並ぶシエンタの基本グレードですが、「G」と異なり衝突被害を軽減するための自動ブレーキなどの安全予防パッケージである「Toyota Safetey Sense」が搭載されていません。
安全装備は近年とくに注目されている分野であり、ファミリーや高齢者はぜひ装備しておきたい部分であるため、場合によってはオプション追加やグレードの引き上げも検討すると良いでしょう。また、「ワイヤレスドアロックリモートコントロール」は搭載されていますが、「スマートエントリー&プッシュスタートシステム」は標準装備されていません。
挟み込みを防止するパワースライドドアは助手席のみの搭載で、スマートロックには非対応です。
■ファンベース G
「ファンベース G」は基本グレードの「G」を5人乗り仕様にしたグレードで、「ファンベース X」と同様に3列目のシートが存在しません。
それ以外の装備は基本的に「G」と共通なので、詳細については後述します。
■G
「X」の上位グレードにあたる「G」には安全予防パッケージの「Toyota Safety Sense」が標準搭載されています。衝突の可能性を検知すると自動的にブレーキをかける機能や、ハイビームとロービームを自在に変更できるBi-Beam LEDヘッドランプなどが搭載されているため、安全性が高まるだけでなく夜間でも高い視認性を誇ります。
Xでは助手席側にしか用意されていなかったパワースライドドアが運転席側にも採用されており、利便性がより高まっているのも特徴的です。さらに「スマートエントリー&プッシュスタートシステム」が搭載されており、「G」グレードからはスマートロック操作にも対応しています。
Xグレードの場合はガソリン車のメーターがドライブモニターとアナログメーターとなりますが、Gグレードはガソリン車でもオプティトロンメーターとマルチインフォメーションディスプレイが標準装備されています。
■G クエロ
「G クエロ」はシエンタの最上級グレードで、アクセルやブレーキの踏み間違えによる誤発進を防止するための「インテリジェントクリアランスソナー」が標準装備されています。
また、ライトの装備が充実しており、夜間および悪天候でも視界を確保しやすい「LEDフロントフォグランプ」が搭載されているのも特徴です。リアコンビネーションランプに「LEDライン発光テールランプ」が使われているため相手からの視認性も高く、周囲の光度に合わせてヘッドランプが自動的にオンオフされるコンライトも採用されています。
インテリアはより高級感が意識されており、メッキ加工が追加されたり、シート素材に合成皮革とスエードが使用されたりするなど、ラグジュアリーな印象に仕上げられています。
■ファンベース G クエロ
2020年6月に発売されたシエンタの新グレードの2列車で、「G」と「ファンベース G」に搭載されていたヘッドライトがLED化されました。また、スライドドアに接近すると自分で開けなくてもドアが開く「ウエルカムパワースライドドア」を実装し、より利便性が高くなっています。
AC100V・1500Wのコンセントをオプションで装備できるようになったことから、万が一の時にも電気が使えるのは嬉しいポイントです。
新型シエンタ最新情報
トヨタ シエンタ
ここからは、トヨタディーラーで予約受付を開始した新型シエンタの価格、サイズ、機能など現在判明している最新情報についてご紹介します。
■7年ぶりにフルモデルチェンジ
2015年に2代目にモデルチェンジされて以降、3代目のモデルチェンジを発表されていなかったシエンタですが、7年が経過する2022年夏頃にフルモデルチェンジが行われる予定となっています。
ポルテ/スペイドが2020年12月上旬に生産終了しているため、現在のトヨタ製コンパクトミニバンはシエンタのみになっています。スズキ ソリオやホンダ フリードが相次いでフルモデルチェンジを行い競争の激しいコンパクトミニバン市場において、トヨタのコンパクトミニバンの主力としてシエンタの3代目に期待がかかる状況です。
■新型シエンタの発売時期は?
現在のところ発売時期は2022年夏頃を予定しています。当初は2021年にフルモデルチェンジの噂でしたが、昨今の半導体不足やコロナの影響によるサプライヤーの稼働停止など、さまざまな要因により先延ばしになっていました。2022年夏頃といってもまだ確定した情報はなく、おおむね8〜10月のどこかになるという噂です。
■新型シエンタの機能は?
新型シエンタはヤリスやヤリス クロスなどに採用されている最新プラットフォームの「TNGA GA-B」を採用し、パワートレインには現行ヤリスにも搭載される1.5Lダイナミックフォースエンジンが搭載され、しっかりとした走りを体感できる車に進化します。
エンジンタイプは前述の1.5Lガソリンと1.5Lハイブリッドの2つです。
新型シエンタのグレード構成はガソリン・ハイブリッドともにX・G・Zの3グレード構成になります。また2列・3列シートを選択できるため、さまざまなライフスタイル・幅広いニーズに対応してくれる内容になっています。
またナビには現行アクアやノアも装備する10.5インチのディスプレイオーディオが搭載されます。10.5インチの大画面を搭載しているため、広い車内空間を誇るシエンタでも物足りなさは感じないでしょう。スマホと連携させると、ナビや音楽再生などを楽しむ事ができます。
安全機能である「Toyota Safety Sense」や、上級グレードのZには駐車支援システムの「Advanced Park」がメーカーオプションに設定され、検知システムも進化します。
交差点を右折した際の対向車やカーブ後の横断歩行者も検知できる仕組みを採用する見込みで、より安全性が高められます。
現行のシエンタは個性的なエクステリアで、販売当初から話題になったデザインです。新型シエンタも同様の方向性を持ったデザインになる見込みです。日本車というよりは欧州のミニバンのような、現行型をさらにブラッシュアップしたおしゃれで存在感のあるデザインへと進化します。
■新型シエンタの価格は?
現在判明しているグレード別の価格は以下の通りです。
ハイブリッドモデル | ガソリンモデル | |
全長 | 4300mm | |
全幅 | 1695mm | |
全高 | 1670mm | |
エンジン | 直3 1.5L+モーター
M15A-FXE型 |
直列3 1.5L
M15A-FKS型 |
最高出力 | 67kW(91ps)/5500rpm | 88kW(120ps)/6600rpm |
最大トルク | 120Nm(12.2kgfm)/
3800-4800rpm |
145Nm(14.8kgfm)/
4800-5200rpm |
モーター最大出力 | フロント:59kW(80ps)
リヤ:3.9kW(5.3ps) |
ー |
モーター最大トルク | フロント:141Nm(14.4kgm)
リヤ:52Nm(5.3kgm) |
ー |
WLCTモード燃費 | 36.0~35.4km/L(2WD)
30.2km/L(4WD) |
21.4~21.6km/L
19.2km/L |
駆動方式 | 2WD/4WD(E-Four) | 2WD |
乗車定員 | 5名・7名 | 5名・7名 |
価格(5人乗り・税抜) | HYBRIDX【2WD】2,163,636
/【E-Four】2,578,000円 HYBRID G【2WD】2,409,090円 /【E-Four】2,589,090円 HYBRID Z【2WD】2,609,090円 /【E-Four】2,789,090円 |
X 1,772,727円
G 2,090,909円 Z 2,290,909円 |
価格(7人乗り・税抜) | HYBRID X【2WD】2,200,000円
/【E-Four】2,380,000円 HYBRID G【2WD】2,445,454円 /【E-Four】2,625,454円 HYBRID Z【2WD】2,645,454円 /【E-Four】2,825,454円 | X 1,809,090円
G 2,127,272円 Z 2,327,272円 |
まとめ
《写真提供:response》トヨタ シエンタ
シエンタの特徴や機能、グレードの解説から新型シエンタの最新情報までお伝えしてきました。7人乗りの低床設計など実用性の高さが支持されているシエンタは、3代目のフルモデルチェンジでさらに安全性能が進化し、高効率かつ省燃費性能の高いエンジンを搭載する予想です。
7年ぶりのフルモデルチェンジは当初予測されていた時期よりも後ろ倒しになっています。昨今の世界情勢やいまだに猛威を振るうコロナウイルスなど、新型車の登場にとっては逆風が吹き続いています。新型車登場の具体的なニュースはワクワクした気持ちを届けてくれるので、今後のトヨタからの情報も楽しみに待ちましょう。