原付とは?
ホンダ ジョルノ
原付バイクの正式名称は「原動機付自転車」とされており、「原動機(=エンジン)が装備された自転車」として開発されたのがはじまりでした。原付バイクの定義は「排気量が50cc以下であること」とされており、50ccを上回る排気量のバイクは「普通自動二輪車」や「大型自動二輪車」と呼ばれます。
道路交通法と道路運送車両法のそれぞれで原動機付自転車に関する定義は異なっており、道路交通法においては「50cc以下の排気量であれば原付バイク」とされていますが、道路運送車両法においては「50cc以下は第一原動機付自転車」、「125cc以下は第二種原動機付自転車」と定められています。
道路交通法は公道を走る際のルールや運転免許に関する決まりを記載した法律である一方、道路運送車両法はバイクや乗用車の安全基準を記載した法律で車検などに影響します。
第一種原動機付自転車と第二種原動機付自転車はどちらも車検が要らない代わりに、購入時に交付してもらったナンバーに応じた地方税を納める必要があります。
一般的には50cc以下のバイクを「原付バイク」、125cc以下のバイクを「原付二種」と呼ぶケースが多いでしょう。
■原付の特徴は?
原付は車体が小さく停められる場所も多いことから、普通乗用車に比べて小回りが利くのが最大の特徴です。また、燃費が良いので燃料費を抑えられるのも魅力的といえるでしょう。
新車でも十数万円程度で購入できる車種が多いため、普通乗用車の新車に比べると数分の一程度で愛車を持てるというメリットもあります。
原付の選び方
アプリリアSR50
ここからは、原付の選び方について解説します。
■価格で選ぶ
まずは購入予算から原付を選ぶ方法が考えられます。原付バイクの価格の相場は車種によっても大きく異なりますが、新車であれば十数万円程度で購入できるものが多いでしょう。
中古の場合は数万円~十数万円程度が相場です。
■性能で選ぶ
原付バイクの性能は車種によってさまざまなので、お気に入りの性能を持った一台を探すのも良いでしょう。
パワフルなエンジンを搭載した車種や女性でも乗り回しやすい車体の軽い車種など、自分に合った車種を探すのも原付選びの楽しみのひとつです。
■デザインで選ぶ
カラーリングや車体の大きさ、レトロやスポーティーなど、こだわりのデザインから選ぶ方法もあります。
愛らしいポップなデザインから、風を切る姿が様になるスタイリッシュなデザインまで幅広く販売されているので、好みの一台を選べます。
■燃費で選ぶ
普通乗用車と同様に、原付バイクも燃費は車種によって大きく異なります。少しでも燃料費を節約したいのであれば、燃費に注目して選ぶのもオススメです。
一般的に原付バイクは燃費の良いものが多く、1Lあたり40キロ前後走れるので、車を持つよりコストを抑えやすい傾向にあります。
■タイプで選ぶ
原付のタイプは3種類に分かれるので、お気に入りのタイプを選ぶのも選択肢のひとつです。
スーパーカブ
スーパーカブは1966年に登場した原付バイクで、法律上はスクーターに分類されますが、独特のギア操作が要求されます。カスタムパーツが豊富に揃っているので、「バイクはカスタマイズして乗りたい」という方にもオススメです。
カタログ燃費が50ccなら105.0km/Lという圧倒的なコストパフォーマンスを誇るのも特徴的で、車体も頑丈なのでメンテナンスすれば長く愛車として活躍してくれます。
ミッション
ミッションはクラッチ操作が必要な原付バイクのことです。
細かいギア操作が求められるため、忙しなくギア操作をしながら原付に乗るのは避けたいという方にはオススメできませんが、独特でお洒落なデザインのバイクが多数販売されています。
スクーター
スクーターは圧倒的な実用性の高さが魅力で、「お手軽に原付バイクに乗りたい」という方や「初めて原付バイクを購入する」という方には手を出しやすいといえるでしょう。コンビニなどで貰った袋をそのまま引っかけられるフックが付いていたり、スマートフォンを給電できる設備が搭載されていたりする車種もあります。
スカートを穿いていても乗れるため、女性にもオススメできるタイプの原付です。走行性はどのメーカーの車種も同程度なので、デザインや機能性など、自分が重視する部分によって選ぶと良いでしょう。
おすすめの原付4選!
ここからは、代表的なバイクメーカーのオススメの原付を4種類ご紹介します。
■スズキ レッツバスケット
《写真提供:response》スズキ レッツバスケット
スズキの「レッツバスケット」は、スーパーの買い物かごと同サイズの前かごを装備しているのが最大の特徴です。買い物を終えた後のエコバッグを前かごにセットできるため、荷物の持ち帰りが容易なのが嬉しいポイントといえるでしょう。積載容量は25リットルなので、さまざまな荷物を気軽に積み込めます。
ロール式シャッターが付いており、雨が降った時でも荷物を守れるのも利便性が高いといえます。また、シートが低めに設計されていたり、スタンドを立てやすくするためにグリップハンドル仕様になっていたりするのも女性の支持を得ているポイントです。
■ホンダ リトルカブ
ホンダ リトルカブ
ホンダのリトルカブは同社の「スーパーカブ」に比べてボディサイズがひと回りほど小さく、小回りが利くのが特徴で、近場で乗り回すのにオススメの車種です。タイヤは14インチを採用しており比較的小さめではありますが、安定性を確保するために太めに設計されているものを使用しています。
燃料を柔軟にコントロールできる「PGM-FI」というシステムをエンジンに組み込んでおり、快適な走行性を備えています。小型なので日常の買い物や通勤にも便利な原付です。現在、生産は終了しています。
■ヤマハ ビーノ
ヤマハ ビーノ
ヤマハのビーノは丸みのある遊び心が感じられるデザインが特徴的で、レトロな雰囲気が人気を集めている一台です。見た目の愛らしさとは裏腹にエンジンはパワフルで、傾斜のある道路でも軽々と走行できるのも魅力のひとつといえるでしょう。
信号待ちで自動的にエンジンを停止するアイドリングストップが装備されていたり、後輪ブレーキを握ると前輪ブレーキにもほどよく働きかけるコンビブレーキが搭載されていたりする快適性の高さも見逃せません。500mlのペットボトルがピッタリ収まるインナーボックスなど、細かい配慮も行き届いています。
■スズキ レッツ
スズキ レッツ
スズキのレッツはとにかく軽い車体が特徴的で、燃料を含めても重量が70kgしかありません。シートの高さも69.5cmなので乗り降りしやすく安定性が高いので、女性にとっても取り扱いが易しい原付です。
バイクはちょっとしたきっかけで車体が傷つきやすい面もありますが、レッツの外装は樹脂自体が着色されている「材料着色」なので傷が目立ちにくいのも、頻繁に乗る方にとっては嬉しいポイントです。
まとめ
《写真提供:response》スズキ レッツバスケット
原付バイクの選び方や種類、オススメの車種などについてお伝えしてきました。新車価格は概ね十数万円程度のものが多いものの、性能や特徴は車種によって大きく異なります。タイプによって運転のしやすさも変わってくるため、原付バイクになにを求めるのかをよく検討したうえで購入する車種を決めると良いでしょう。
最近ではシート高が低く車体が軽いなど、女性でも乗り降りしやすい車種も多数登場しています。今回の記事も参考にしながら、ぜひ自分だけのこだわり抜いた愛車を見つけてみてください。