マツダ CX-3という車
《写真提供:response》《撮影 宮崎壮人》マツダ CX-3 改良新型
SUVでありながら街乗りの楽しさを味わえるCX-3のような車は、他に類を見ないものかも知れません。と言うのもこれまでのSUVは、大きく積載能力の高いものが殆どでした。しかし、マツダはCX-3という新しいタイプの車を発表しました。
SUVらしさはあまり前面に出てはいません。この車はリアシートやラゲッジスペースなどは、さほど広いとはいえないかも知れません。けれどそれがマツダのこの車に対するテーマでした。
それは今はやりのクーペSUVというジャンルの先駆け的なもので、車のフォルムや雰囲気を都会的なものに落とし込んだSUVとしては、間違いなく成功した車と言えるでしょう。
発売当初は1.5Lのクリーンディーゼルのみでしたが、それも軽快な街乗りを意識した結果といえるかもしれません。全高も1550mmと低く抑えられている最大の理由は、町中の立体駐車場を意識したものでした。
CX-3は極端に言えば街中が似合うSUVと言えます。とはいえ雪道など悪路に弱いというわけではなく、より一層都会の風景に溶け込んでしまうほど、しなやかで上品な車といえるものでは無いでしょうか。
マツダの先進技術満載
《写真提供:response》《撮影 雪岡直樹》マツダ CX-3
小柄なボディですが、マツダの先進技術の粋が凝縮された車に仕上がっています。マツダの先進技術はまず安全を優先します。
「安全の主役は、ドライバー」この言葉通り、マツダの安全思想である「 MAZDA PROACTIVE SAFETY」は、危険な状況に対処するのではなく、危険を回避する事に主眼を置き、事故のリスクを最小限に抑えています。
運転中にミスを起こすこともあります。そこでマツダはそのミスをシステムで回避する、アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)を搭載しています。
これは搭載されたカメラで先行する車や、車前方の歩行者を検知し必要に応じてブレーキを自動制御することで、衝突回避をサポートする機能になります。
特筆すべきは夜間や夕暮れ時の視界が不良なときにも、歩行者認知精度の高いフォワード・センシング・カメラ(FSC)を採用することにより、衝突を回避する機能を向上させていることでしょう。
また、スマート・ブレーキ・サポート(SBS)は約15km/h以上での走行時に、前述のFSCとより遠くまで検知できるミリ波レーダーで先行車をとらえることができます。衝突の恐れがあるときには、音とパネル表示で警告しそれでも接近しつづける場合には、自動制御でブレーキをかけ、衝突の回避ならびに衝突時の被害を軽減させる一助となっています。
また、誤発進による事故などにもCX-3は対応しています。時速10Km以下での徐行発進や停車時に、ペダルの踏み間違いなどでの誤発進に対して、カメラとレーダー波センサーで障害物を検知し急加速や誤発進を抑制します。
このようにマツダの先進技術は、事故防止に主眼をおいていますが、CX-3はその最新技術をもったSUVの一台といえます。
■女性にも扱いやすいコンパクトSUVのCX-3
パーソナルユースな使い方で、CX-3は女性にもジャストフィットなサイズとなります。街乗りだけではなくロングドライブなど、すべてのシーンに満足感を与えるものとなっています。
最先端の安全技術に裏打ちされた安心も得られる車であることはもちろんのこと、街乗りやちょっとした遠出などの乗り心地のよさには定評があります。
マツダのうたい文句である「気品ある美しさと先鋭さを極めた」車であることは間違いありません。
マツダ CX-3のラインナップ
《写真提供:response》マツダ CX-3
ガソリン車4種(特別仕様車合わせて7種)と、ディーゼル車3種(特別仕様車合わせて4種)のラインナップとなっています。どの車種も2WD・4WDの設定があり、ディーゼル車は6MTが選べるグレードもあります。
2020年までは2.0Lガソリンエンジンと1.8Lディーゼルエンジンのラインナップでしたが、待望の1.5Lガソリンエンジンもラインナップされました。
■CX-3思わず乗りたくなる性能
SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー)、これはマツダの車づくりの基本理念である、人の持つ自然なバランス感覚を車作りにも応用した車両構造技術の事になります。
シートとサスペンションにこの技術を用い、車の挙動をドライバーの動きのように感じられる心地よい走行感覚を追及しています。
この考え方はシート形状にも用いられ、乗車姿勢で自然と骨盤が安定し、その結果背骨が柔軟にしなり、頭部の動きを安定させることにより、自然で安定した座り心地を実現しています。
また、サスペンションの改良により、ロードノイズの軽減と路面からの様々な衝撃を、自然な動きで吸収することに成功しました。
ロードノイズの軽減は静寂性に大きく寄与しています。エンジン自体の静寂性の向上や、板厚を増した後席ドアガラスによる遮音、吸音材の使用などによって室内は驚くほど静かなものとなっています。
座るだけでリラックスでき静寂に包まれる感覚、このシートに座ることを考えただけでも、思わず乗りたくなる車といえるでしょう。
車の色もデザインの一環であるというマツダの思想性から、カラーリングにもこだわりがあります。マツダといえば「ソウルレッドクリスタルメタリック」が思い浮かびますが、これは魂動デザインの造形美をより際立たせたものとなっています。
■上質なデザインと機能性を両立したインテリア
《写真提供:response》《写真撮影 中村孝仁》マツダ CX-3 15Sツーリング
各グレードでシートの材質や色が異なりますが、全体として落ち着いたデザインとなっています。またリアシートセンターにアームレストがあり、カップホルダーも装備されています。こういったところにもマツダの人間工学に基づいた思想が伺えます。
荷室の広さも気になるところですが、CX-3のラゲッジスペースは350Lと思いのほか広く、リアシートは6:4分割可倒式なので助手席側のみ倒して、荷物を収納するなどシートアレンジは自由度が高いと言えます。
■高級感のあるエクステリア
CX-3はマツダの誇る「魂動デザイン」で設計されています。同ジャンルとされるキックスやヴェゼルなどに見られるように、小型SUVはコロッとしたデザインになりがちですが、ライバル車とは一線を画すデザインに仕上がっています。
CX-3は、同じくマツダ車であるロードスターとともに、2016ワールドカーデザインオブザイヤーの最終選考に残ったことからもわかるように、そのデザインが世界的に高い評価を受けています。
そのデザインがさらに進化し、フロントグリルやテールランプのさりげない形状変更などが施され、よりシャープに上品さを増した感があります。
CX-3のスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,275mm×1,765mm×1,550mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,570mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,210kg | |
燃費 | WLTCモード:17.0km/L | |
エンジン種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ | |
最高出力 | 82kW(111PS)/6,000rpm | |
最大トルク | 144N・m(14.7kgf・m)/4,000rpm | |
駆動方式 | 2WD(FF) | |
トランスミッション | 6EC-AT |
マツダ CX-3の新車・中古車価格
《写真提供:response》《撮影 宮崎壮人》マツダ CX-3 改良新型
ここではマツダ CX-3の特別仕様車を除いた気になる新車価格と中古車価格の情報をご紹介します。
■マツダ CX-3の新車価格
【ガソリン車】
15S | 2WD:1,720,000円 4WD:1,929,273円 |
15S Touring | 2WD:1,810,000円 4WD:2,019,273円 |
20S PROACTIVE S Package | 2WD:2,260,000円 4WD:2,469,273円 |
20S Exclusive Mods | 2WD:2,416,000円 4WD:2,625,273円 |
【ディーゼル車】
XD | 2WD(6EC-AT):2,266,000円 2WD(6MT):2,266,000円 |
XD PROACTIVE S Package | 2WD(6EC-AT):2,536,000円 2WD(6MT):2,536,000円 |
XD Exclusive Mods | 2WD(6EC-AT)2,666,000円 4WD:2,875,273円 |
コンパクトでスポーティなSUVであるCX-3の価格は、安価なものでは100万円台からあり、高価なものでも300万円を切っています。新車のSUVとしてはとてもお求めやすい価格設定となります。
※価格は税抜き価格です。
※マツダ公式サイトより(2021年3月現在)
■マツダ CX-3の中古車価格
《写真提供:response》《写真撮影 中村孝仁》マツダ CX-3 15Sツーリング
【ガソリン車】
15S | 2WD:一般的な相場は160万円台~210万円台 4WD:220万円台~ |
15S Touring | 2WD:170万円台~200万円台 4WD:150万円台~230万円台 |
20S PROACTIVE S Package | 2WD:160万円台~220万円台 4WD:180万円台~190万円台 |
20S Exclusive Mods | 2WD:180万円台~210万円台 4WD:情報がありませんでした。 |
【ディーゼル車】
XD | 2WD:150万円台~180万円台(6MT含む) 4WD:160万円台~310万円台 (6MT含む) |
XD PROACTIVE S Package | 2WD:130万円台~250万円台(6MT含む) 4WD:180万円台~210万円台(6MT含む) |
XD Exclusive Mods | 2WD:150万円台~240万円台 4WD:200万円台~260万円台 |
まだ中古車の少ない車といえますが、今後出てくる中古車は年式の新しい状態の良いものが多くなると考えられます。良いものを探す上では少し待つことも必要と言えるでしょう。
※表示価格は車両本体価格で情報は車情報サイトresponse中古車価格より(2021年3月現在)
まとめ
《写真提供:response》《撮影 雪岡直樹》マツダ CX-3
今、車に求められている事は居住性・燃費・維持費などの基本的なこと以外にも、乗っていて楽しく快適さも求められます。街乗りで小回りがきき、ロングドライブでも疲れにくいシート形状や静寂性があるこのマツダ CX-3という車は、間違いなくこれらの要素を持ち合わせた車であると言えるでしょう。