ホンダ ストリームとは?
ホンダ ストリーム
ストリームは、2000年から2014年まで販売されていたホンダのミニバンです。5ナンバーサイズに抑えられたコンパクトさや使い勝手の良さから発売当初は大きな注目を集めていました。
ミニバンと言うと、車高の高いボックスタイプのモデルをイメージする方が多いかもしれません。しかし、ストリームは車高の低いスタイリッシュなデザインが大きな特徴となっています。
発売当時はその斬新なスタイルと、市場的にミニバンへの需要が高まっていたこともあって、わずか10ヶ月で累計販売台数10万台を超える大ヒットとなりました。その後、多くのメーカーが似たスタイルのミニバンを発売したこともあり、自動車業界に大きな革命をもたらしたモデルのひとつであるとも言えます。
その後モデルチェンジを繰り返しながら10年以上にわたって定番ミニバンとして愛され続けてきましたが、時代の流れと共にこのカテゴリーそのものの市場が縮小傾向となり、売り上げ不振が続いた影響もあって2014年に生産が終了することになりました。
その後、主に中国市場をターゲットに開発された世界戦略車であるジェイドが後継車として投入されました。しかし市場の流れが大きく変化することなく、発売から5年程度で姿を消すことになってしまいました。
現在では、残念ながらストリームの後継車にあたるモデルは販売されていません。しかし独特のスタイルと力強い走りなどは現在でも評価されており、中古市場でも人気を集めています。
ここではまず、そんなストリームの魅力をご紹介します。
■実用性の高い広々とした車内空間
ストリームの大きな魅力のひとつが実用性の高さです。3列シートを持つミニバンですが5ナンバーサイズに抑えられており、車高も低いことから非常に運転のしやすいモデルに仕上げられています。また、外観はコンパクトながら車内空間はとても広く確保されていますので、ファミリーカーとしても魅力的なモデルです。
コンパクトサイズのミニバンにおいて弱点になってしまいがちなのが、3列目シートの狭さです。ストリームもコンパクトサイズで車高が低く設計されていることから、3列目シートは特別に広いというわけではありません。
しかし、大人が十分に座ることのできる広さは確保されています。つまり、コンパクトミニバンながら3列シートのミニバンとしてしっかりと機能するモデルであると言えるでしょう。
この実用性の高さは、初代モデルから長年にわたって愛され続けてきたストリームの大きな強みとなっています。
■街乗りからロングドライブまで楽しめる絶妙なバランス感
走行性能の高さや車内の快適性もストリームの魅力のひとつです。ミニバンという落ち着いた性格の車も多いジャンルながら、ストリームはホンダ独自のi-VTECエンジンを搭載することで十分なトルクを発揮し、停車や発進の多い街乗りからロングドライブまで快適に楽しむことができます。
また、足周りはフロントにストラット、リアに高性能なダブルウィッシュボーンを、そしてスタビライザーも搭載しておりコーナリングにおけるレスポンスの良さや安定性の高さを実現しています。
さらに、基本的にはFFで走行し、路面状況に応じて自動で4WDに切り替わるリアルタイム4WDを搭載しています。そのため雪道や悪路などの走破性も非常に高く、アウトドアシーンでも安定した走行が可能です。
■古さを感じさせないスタイリッシュなデザイン
スタイリッシュなデザインもストリームの魅力のひとつです。
ミニバンと言うと車内空間を最大限に広げることのできるボックス型が主流ですが、ストリームは低床設計のおかげで十分な車内空間を確保しながら低車高を実現しています。このスタイルがストリームのアイデンティティーにもなっており、ミニバンの世界で一大ムーブメントを巻き起こした革命的なデザインでもあります。
現在ではこのスタイルのモデルはあまり見られなくなりましたが、ミニバンでありながらスポーティなこのデザインは古くささを感じさせません。すでに生産が終了してから7年近くが経過していますが、現在でも十分に通用するデザインであると言えるでしょう。
また、このスタイルは空力面で走行性能を高める役割も担っています。一般的なミニバンは車高がある分だけ、高速走行時の安定性や横風への強さなどが犠牲になってしまいがちです。しかしストリームは車高が低いことから高速走行などにおける安定性も非常に高く、横風にも強いミニバンに仕上がっています。
ホンダ ストリームの価格
ホンダ ストリーム
価格は自動車の購入を検討する上でとても重要な要素のひとつです。そこで、ここではストリームの販売当時の新車価格や中古市場価格についてご紹介します。
■販売当時の新車価格
生産終了時にラインナップされていたグレードのうち、RSZの価格をご紹介します。1.8LモデルではFFが1,895,239円(税抜)、4WDが2,134,286円(税抜)です。2.0LモデルはFFが2,095,239円(税抜)、4WDが2,334,286円(税抜)となっています。
CVTは2.0L、FFモデルのみで、他のモデルはすべて5速ATです。
※新車価格販売当時の公式サイトの情報です。(2021年3月調べ)
■ホンダ ストリームの中古市場価格
ストリームは10年以上にわたって販売され続けたモデルということもあって、中古車価格にもかなりの幅があります。初期のモデルであれば数万円程度から販売されていますが、それだけ年式も古くなります。
最終モデルにあたる2012〜2014年式のものでは、およそ50万円から100万円程度が中古車相場となっているようです。グレードによっては年式が新しくてもかなり安価なものがあり、新車当時の価格を考えるとお買い得感は強いでしょう。
先ほどもご紹介しました通り、デザイン的にも古くささを感じることはなく、しっかりとした作りのモデルですのでコストパフォーマンスの高い中古車を探しているという方にもおすすめのモデルと言えます。
近年ではミニバンの人気はやや下落傾向にありますので、今は買い時と言えるタイミングでもあります。
■おすすめのグレード
ストリームは何度もモデルチェンジを繰り返しており、グレードにもさまざまなものがあります。中でも人気が高いのはスポーツタイプのグレードです。
もともと力強い走りを楽しむことができるミニバンとして人気を集めていましたので、スポーツタイプに注目が集まっていると考えられます。特別にこだわりはなくコストパフォーマンスを優先するのであれば、あえてスポーツタイプのグレードを外すことによって安価で状態のいいモデルに出会えるかもしれません。
■中古ストリームのコストパフォーマンス
先ほども触れました通り、中古ストリームの価格はかなり低くなっています。そのため、コストパフォーマンスに優れたミニバンを探しているという方にとっては魅力的な選択肢であると言えます。
ただし、すでに生産終了から7年近くが経過していますので、最終モデルであっても高年式とは言えません。そのためストリームが欲しいと考えているのであれば、早めに検討しなければ状態のいい車体は少なくなってしまう可能性があるでしょう。
ホンダ ストリームの最大のライバル!トヨタ ウィッシュ
トヨタ ウィッシュ
ストリームのライバルとして比較されることの多いモデルとして、トヨタのウィッシュが挙げられます。ストリームとウィッシュのどちらを購入すべきか悩んでいるという方も多いでしょう。
そこで、最後にストリームとウィッシュを比較していきます。
■トヨタ ウィッシュとは
トヨタのウィッシュはストリームと同時期に販売されていた車で、2017年に生産が終了しています。スタイルとしてはストリームにかなり近く、スタイリッシュでスポーティなデザインのミニバンです。
■デザインの違い
デザインはかなり近いと言っていいでしょう。もともとウィッシュはストリームのヒットを受け、大きく意識して開発されたと言われています。
そのため、スタイルは近いものになっていました。特に初代モデルのデザインはかなり近いものとなっています。
■装備の違い
ストリームも初代の一部改良によってCVTを採用しましたが、ウィッシュでは初代登場時から全2.0リッター車にCVTを搭載していました。一概に通常のATとCVTのどちらが優れているとは言えませんが、ウィッシュの方がより新しい技術を積極的に導入していたと考えることができるでしょう。
一方で安全性能においてはストリームは早い段階から追突軽減ブレーキなどを導入しており、こちらの点ではストリームの方が魅力的と言えるでしょう。
■パワートレインの違い
ストリームとウィッシュは、それぞれ1.8〜2.0Lのガソリンエンジンを採用しています。いずれもバランスの取れた性能の高いエンジンとなっていますので、特別にどちらが秀でているというわけではありません。
ただし走行時のフィーリングには違いがありますので、比較するのであればそれぞれに試乗してみることをおすすめします。
■中古市場価格は?コスパで比較
中古市場価格はストリームとかなり近いものとなっています。これは前述の通りコンパクトタイプのミニバンの市場が縮小しており、価格が下落傾向にあることが影響しているのかもしれません。
いずれもかつてヒットしており販売期間も長かったことから中古市場の台数も多いので、選択肢はとても豊富です。コスパに優れた車体を見つけやすいと言えるでしょう。
まとめ
ホンダ ストリーム
スタイリッシュなコンパクトミニバンとしてかつて一世を風靡したストリームですが、すでに生産は終了しており、新車では購入することはできません。
しかし中古市場にはかなりの台数が出回っていますので、入手は比較的容易と言えるでしょう。気になる方は中古モデルをチェックしてみてはいかがでしょうか。同時にライバル車のトヨタのウィッシュと比較してみると、より理想的な1台を見つけることができるかもしれません。