あらゆる人に最適なハイブリッドかも?24年目のトヨタ プリウス
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス(左:現行型改良前モデル、右:先代モデル)
1997年に登場した初代プリウスは、トヨタとしてだけでなく、世界初の量産ハイブリッドカーという記念的な車でした。
このような新技術は往々にして華々しい1代だけでモデル廃止になってしまうものも多い中、プリウスは特徴である低燃費性能と、さらには上質な高級感までも追求して代を重ね、現在では4代目となるモデルが販売され続けています。
すでに20年以上販売が続く名門ブランドだけあって、ハイブリッドカーなら、低燃費な車ならプリウスというイメージはもう定着した印象もありますが、実際のユーザーがプリウスをどのように評価しているのかはあまり知られていないのではないでしょうか。
そこで、プリウスオーナーの口コミ情報や、自動車評論家のプリウスのレビューをまとめてみました。実際のところプリウスって乗っててどうなの?という部分を明らかにしていきましょう。
■ハイブリッド「もある」車は多くても、ハイブリッド専用車は稀少!
トヨタ プリウス
プリウスは、プラットフォームこそTNGA思想に基づく「GA-C」プラットフォームをC-HRやカローラなどと共有しているものの、空力重視感がありありと現れたスムーズなボディなどから明らかなように、ハイブリッド専用車として開発されたモデル。
最近ではコンパクトカーやミニバンなど、これまでハイブリッド仕様が設定されていなかった車型であってもハイブリッドのグレードが設定される例も増えてきてはいますが、やはり効率性の高さでは、ハイブリッド専用車に一日の長があるといえるでしょう。
トヨタ社内で見てもコンパクトハッチバックのアクア以外では専用車はなく、他メーカーでもホンダのインサイトなど限られた車種でしかハイブリッド専用車は販売されていません。
その点でも、プリウスを運転しているとちょっと優越感を覚えてしまいそうですね。
トヨタ プリウスの魅力を改めておさらいしていこう
■専用設計ならではの空気抵抗の少ないボディ!
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス
前席乗員の頭上よりもやや前側にあるルーフの頂点を境に、まるで三角形のようなフォルムが印象的なプリウス。高効率なハイブリッドシステムとはいえ、ハイブリッド専用車ならではの強みはこの風をキレイに受け流し走り抜けられる専用ボディにあります。
なんと空気抵抗を示すCd値は0.24と非常に優秀な数値を記録しており、燃費性能の向上だけでなく、走行時の静粛性の向上、さらには優れた操縦安定性まで実現してくれる高性能ボディとなっています。
またボディだけでなく、フラット化されたフロア下による整流など、エクステリアのあらゆる部分で空力性能が追求されたプリウス。この部分はどうしてこの形になっているんだろう?とじっくり眺めて考えてみるのも面白そうです。
■意外?!走りも楽しめるハイブリッド
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス ハイブリッドシステム
ハイブリッド車は燃費重視なのだから、アクセルを踏んでも全然加速しないし、乗り心地はそんなに快適じゃなくても我慢しなきゃ!と思われていた時代はとうに過ぎ、プリウスでも走りの楽しさを諦めずに済むようになっています。
現行プリウスでデビューしたGA-Cプラットフォームの軽量・低重心な特性によって、これまでよりもさらにコーナリングが安定しているだけでなく、剛性が高まったことでサスペンションがしっかり仕事ができるので、乗り心地も向上しているといういいことづくめの乗り味となっています。
搭載される1.8リッターガソリンエンジンによるハイブリッドシステムも、効率を上げるだけでなく、よりドライバーの感性に沿った加速フィールを追求。レスポンスに優れたハイブリッドならではの運転感覚は、一度味わうと病みつきになってしまうかもしれません。
■インテリアでは落ち着けるセダンの一面も
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス インテリア
ボディ形状としては5ドアハッチバックにあたるプリウスですが、初代モデルが4ドアセダンであったように、セダンとしての落ち着きの室内空間やフォーマルさもプリウスの魅力のひとつ。
現行モデルでは、なんとトップグレードでは本革シートが選択できたり、未来感のある縦型大画面ナビがオプション設定されていたりと、より上質で先進的な空間の追求に余念がありません。
意外に見落とされがちなのが後席の快適性で、現行プリウスでは、絞り込まれたルーフ形状ながら、後席ヘッドクリアランスは前席と同等を確保。5人全員がくつろぎながら移動できる、上質なインテリアとなっています。
トヨタ プリウスのスペック
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,575mm×1,760mm×1,470mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,700mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,370kg | |
燃費 | WLTCモード:30.8km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンハイブリッド 1,797cc | |
エンジン最高出力 | 72kW(98PS)/5,200rpm | |
エンジン最大トルク | 142N・m(14.5kgf・m)/3,600rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 53kW(72PS) | |
モーター最大トルク | 163N・m(16.6kgf・m) | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 2,952,727円(消費税抜) |
自動車評論家の厳しい目はプリウスをどう評価するのか?
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス
もっと引き継いでいなかったのが、乗り心地とハンドリングである。これはもう、プリウスという名の付いた別なクルマであった。乗り出した瞬間からおやっ? と思わせるほどしっかりとした足取りで、燃費を気にして軽量化したペラペラ感(先代まではそれを感じてしまった)が全くなく、重厚とまではいかないまでもドシッと落ち着いた乗り味を得ていた。
因みにこれは17インチタイヤを履いた方。15インチを履いた方は、高速でのステアリングの乱れがあることや、路面の轍に足を取られやすく、17インチほどのどっしり感はなかった。それにタイヤサイズは17インチが215/45R17、15インチが195/65R15と大きくサイズが異なる割に、NVHの処理や乗り心地に想像したよりも大きな差がなく、これならどっしり感があってシャープな切れ味のハンドリングを持つ17インチが絶対お薦めで、15インチに見るべき美点がなかったのは少々残念である。
そこで2018年12月に、比較的規模の大きなマイナーチェンジを実施した。注目すべきは外観だが、フロントマスクは変わり映えが乏しい。『プリウスPHV』のように片側4眼LEDヘッドランプなどを装着すべきだったが、バイビームLEDヘッドランプにとどまった。リヤビューは縦長のテールランプが横長になり、違和感を抑えている。
内装では洗面台のように見えた乳白色のフロントコンソールトレイをピアノブラックに変えて、質感を向上させた。
先代型は保守的な雰囲気で絶好調に売れたから、現行型は革新的にして先代型とは違うユーザーの獲得を目指したが、良い効果は得られなかった。しかし個性的なデザインの限界を知る上では、良い経験になったと思う。
自動車評論家のレビューを確認すると、特に現行プリウスのデビュー時に話題になったのは、その優れた操縦安定性と落ち着いた印象の乗り心地の両立だったようです。
先代モデルまでは、やはり燃費のためには走りは犠牲になって仕方ないよね、という諦めが感じられた部分が、現行の4代目では一気に改善されており、燃費性能が高まっているのにドライブの楽しさや快適性まで手に入れているというウィン・ウィンの性能は、現行プリウスの大きな美点でしょう。
また、デザインの違和感が一部改良によって抑えられたことにも評論家は注目。未来感はあったものの、ユーザーを選ぶ印象もあったデビュー当時の奇抜なデザインがググッと落ち着いて、一気に大人びた印象になったことが高評価に繋がっているようです。
しかし、より精悍なデザインのプリウスPHVともっと共通化させればよかったのに、なんていう声も聞かれています。この点は、そろそろ登場も予想されている次期型モデルで大幅に改善されるかもしれませんね。
ネット上でのプリウスの評判まとめ!実オーナーの本音とは
実ユーザーの口コミ評価をネット上で検索してみても、やはり特徴的なのはその実燃費の良さにびっくりしているユーザーが非常に多いということ。
個別のユーザーの運転状況がどのようなものかは判断がつきませんが、あらゆる運転シーンで静粛性と低燃費性能を両立してくれるプリウスの実力には、オーナーの皆さんも舌を巻いているようです。
また、思っていたよりも広いし乗り心地が良かった、という声も。燃費性能スペシャルのようなイメージもあるプリウスだけに、快適性部分はあまり期待されていないのかもしれませんが、より大型の車から乗り換えてもしっかり満足できる実力が備わっているが故のサプライズかもしれません。
プリウスという車名は、ネット上では揶揄の対象となることもしばしばで、この点を気にするユーザーもいる模様。しかし、特に最近の一部改良ではパーキングサポートブレーキ付きのインテリジェントクリアランスソナーが全車標準装備となったこともあり、ニュースなどでプリウスの事故映像を見る機会も、これからは減っていくことでしょう。
【2021年最新】トヨタ プリウスの新車・中古車価格まとめ
トヨタ プリウス(北米仕様)
2021年3月現在、プリウスは主に「E」「S」「A」「A プレミアム」の4グレードが展開されており、E以外には上級装備の揃う「ツーリングセレクション」が設定されていることや、4WD仕様の設定もあって、特別仕様車を含めて15グレードと幅広い設定となっています。
税抜価格帯としては、2WDが約237.1万円から約307.1万円、4WDが約259.4万円から約325.1万円となっており、高級感のあるスタイルと装備ながら300万円台までで収まっている点がうれしいですね。
ツーリングセレクションでは、内外装がより上質な仕上げになるほか、意外なところでは現行プリウスの注目ポイントでもあった「グリルシャッター」が装備されなくなるという違いも。これは、ツーリングセレクション車はエンジン水温が上がりにくい近距離移動ばかりではなく、長距離移動も日常的にこなせるポテンシャルがあるための差異化かと想像されます。
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス モデリスタパーツ装着車
もはや国民車的な人気を誇るプリウスだけに、中古車は非常に豊富。4世代あわせた中古車在庫台数は1万台を超えており、活発な取引がされているため、お好みの仕様も探しやすさが抜群です。
現行モデルに限れば、プリウスの税込中古車本体価格平均は182.6万円となっており、あまり大きく値落ちはしていないものの順当な価格帯で推移しているといえそう。先代モデル以前になると平均価格は2ケタ万円台まで下がりますので、コスパ重視なら旧型もおすすめしたいところです。
ただし、ハイブリッドカーの要でもある動力用バッテリーの程度はしっかり確認しておきたいところ。カー用品店などで気軽に交換できる補機用バッテリーとは異なり、プリウスのモーターを駆動するバッテリーは交換となると費用もかさみます。長くプリウスを楽しめるよう、バッテリーの状態もぜひ確認しておきたいところです。
まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス
プリウスの実ユーザーの口コミ評価、及び自動車評論家によるレビューをご紹介してきました。
燃費がいいだけの車とプリウスを侮ってしまってはもったいない、あらゆる面で高度な実力を備えた車であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ハイブリッドがどんどん一般的になってきている現代においても、その低燃費性能や上質な乗り心地はプリウスならではの世界。ぜひあなたも、意識せずともエコドライブができるプリウスで、ガソリン代をしっかり節約してしまいましょう。