トヨタ RAV4って、どんなクルマ?
《写真提供:response》トヨタ RAV4 ハイブリッド 新型
トヨタ RAV4は、1994年5月に初代が発売され、四半世紀以上の歴史を持つクロスオーバーSUVです。現行型となる5代目モデルが2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、名実共にトヨタが誇る代表的なSUVとなりました。ミディアムクラスのボディサイズで、高い駆動性能と優れた燃費性能に加え、ダイナミックでタフなエクステリアに、いくつもの安全機能も備えた大人気車種です。
しかし、RAV4は発売当初から、現在のようなスタイルだったわけではありません。むしろ、紆余曲折を経てきたクルマです。今回は、RAV4の歴史を振り返りながら、最新型である5代目RAV4の詳細情報と、おすすめグレードなどをまとめてみたいと思います。
トヨタ RAV4の歴史
■初代RAV4
《写真提供:response》初代トヨタRAV4(北米仕様)
初代RAV4は1994年5月に発売を開始しますが、実は1989年にはすでに、コンセプトカーとして東京モーターショーでお披露目されています。そのときの車名は「RAV-FOUR」。外観は、SUVというよりは、クロスカントリー車の風貌でした。その後、1993年の東京モーターショーにて、RAV4のプロトタイプが出展され、1994年5月に市販車としてデビューしています。
この初代RAV4の特徴は何といっても、「コンパクト」という概念をSUVに吹き込んだことでしょう。もちろん、それまでもコンパクトサイズのSUVは存在していましたが、それでもどちらかといえば、トラックをベースにした重量級SUVやRVが謳歌していた時代。そこに、コンパクトを武器に市場を席巻します。
初代RAV4は、販売店によってグリルデザインなどが若干異なる「J」と「L」が存在しています。トヨタオート店(現ネッツ店)で販売されていたのが「RAV4 J」で、カローラ店で販売されていたのが「RAV4 L」でした。もちろん、クルマの内容自体はほぼ共通です。
1998年1月時点での「RAV4 L」のカタログ値では、ボディサイズが「全長3,705mm・全幅1,695~1,760mm・全高1,635~1,660mm」でした。エンジンは「2.0L 3S-GEツインカム16バルブ」のスポーツエンジンと、使用率の高い中・低速域での燃費効率を高めた「2.0L 3S-FEツインカム16バルブ」がラインナップされています。
当時としては世界トップレベルの安全性を目指し、衝突安全ボディ「GOA」と、「前席ELR付3点式シートベルト(プリテンショナー&フォースリミッター付)」を採用し、さらにABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やデュアルSRSエアバッグ(運転席・助手席SRSエアバッグ)を全車に標準装備しています。
さらに特徴なのは、40パターンのボディカラーと、20パターンのインテリアカラーを選べたこと。全部で800通りの組み合わせが可能で、自分だけのRAV4を手に入れられました。
■2代目RAV4
《写真提供:response》2代目トヨタRAV4(北米仕様)
2000年5月に登場した2代目RAV4の特徴は、ひと言でいうと『世界視野で開発されたモデル』といえるかもしれません。初代は、いわゆる5ナンバーサイズに収まるコンパクトクロスオーバーSUV、というところからスタートしました。しかし、2代目からはボディの大型化が進み、海外市場を強く意識した作りとなっています。実際、RAV4の全モデルが3ナンバーボディサイズとなりました。
2003年8月時点での「RAV4 L」のカタログ値では、ボディサイズが「全長3,760~4,155mm・全幅1,735~1,785mm・全高1,670~1,705mm」へと拡大しています。エンジンには、4WDに「2.0L BEAMS 1AZ-FSE VVT-i D-4」、2WDに「1.8L BEAMS 1ZZ-FE VVT-i」が採用され、新開発エンジンならではの威力が存分に発揮されています。4WDに搭載された1AZ-FSE型は、高速道路などでもパワフルな加速を実現し、悪路でもトルクフルなドライビングを体感させてくれます。また、2WDに搭載された1ZZ-FE型は、VVT-iの恩恵から、低・中速域でのゆとりあるトルクを実現しています。
ボディサイズが広がったことにより、ユーティリティも向上しました。リヤシートを前後にスライドさせることにより、大空間のラゲッジスペースを獲得したり、フロントシートのヘッドレストをはずして、すべてのシートを後ろに倒すことで、フロントフルフラットを手にすることも可能です。さらに、リヤシート自体を取りはずこととができるので、ビッグラゲッジスペースを作り出すこともできました。
■3代目RAV4
《写真提供:response》3代目トヨタRAV4(北米仕様)
2005年11月には、3代目RAV4が登場。2代目で構築された海外向けへの流れが、このモデルでいっそう強まりました。その点を示唆するのが、当初の国内目標月間販売台数が2,000台という控えめな数字であったという事実でしょう。一方、グローバルな目標年間販売台数は30万台で、圧倒的に世界での販売を念頭に置いたモデルであるとわかります。海外市場を強く意識した結果、初代から続いていた3ドアモデルは廃止され、5ドアモデルのみとなりました。
ちなみに、一部の海外向けでは、日本と同じショートボディのほか、荷室などを延長したロングボディの設定があり、日本では2007年8月から新型派生車種の「ヴァンガード」として販売されました。
2008年9月時点での「RAV4」のカタログ値では、「全長4,335~4,365mm・全幅1,815~1,855mm・全高1,685mm」となっています。国内販売のRAV4のエンジンには「2.4L 2AZ-FE VVT-i」が搭載され、一択だけとなりました。これに、「Super CVT-i」が組み合わされ、変速ショックのない滑らか走りを実現しています。全車でCVTながらマニュアル感覚で変速操作ができる「7速スポーツシーケンシャルシフトマチック」仕様となっており、スポーティな感覚でした。
ラゲッジスペースは、リヤ席がスーパーチルトダウン機構により、シート全体を沈み込ませることが可能になり、段差の少ないフラットな空間を、これまで以上に素早く実現できるようになっています。
この3代目RAV4、海外では2013年に4代目へとフルモデルチェンジを果たしますが、日本では3代目が継続販売されました。結局、日本国内では2016年まで販売され、その後終売。国内では、RAV4の新車販売は姿を消します。
■4代目RAV4
《写真提供:response》4代目トヨタRAV4(北米仕様)
4代目RAV4は、2012年11月のロサンゼルス・モーターショーにてワールドプレミアがなされ、翌2013年に北米市場に投入されました。残念ながら、日本には正式に導入されなかったモデルです。
日本に正式導入されなかった理由にはいくつかあるようで、4代目RAV4と同じプラットフォームを使用した「3代目ハリアー」が日本でリリースされたこと、2013年当時は今ほどSUV人気が日本国内で盛り上がっていなかったこと、などがあげられるようです。
とはいえ、4代目RAV4の世界での人気は順調そのもの。2018年には、世界全体での販売台数が約83万台に達し、世界で最も売れたSUVとなりました。(トヨタ自動車調べ)
■5代目RAV4(現行モデル)
《写真提供:response》現行(5代目)トヨタRAV4ハイブリッド 新型(欧州仕様)
現行モデルとなる「5代目RAV4」は、約2年8か月ぶりに国内市場へ復活を果たしました。直線を基調としたシャープなデザインで、精悍な印象を与えます。
この5代目における大きな変更点は、プラットフォームの変更です。RAV4はこれまで、2代目が「MCプラットフォーム」、3代目と4代目が「新MCプラットフォーム」と、トヨタ カローラに多く導入されているプラットフォームを採用してきました。ところが今回、カムリに導入されている「GA-Kプラットフォーム」に変更されています。これに伴い、エンジン、トランスミッション、ハイブリッドシステムなど、多くが刷新され、基本性能が大幅にアップしました。
そして前述のとおり、2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するに至ります。
現行モデルRAV4のグレード構成
《写真提供:response》現行(5代目)トヨタRAV4ハイブリッド 新型(欧州仕様)
では、現行モデルとなる5代目RAV4は、どんなグレード構成となっているでしょうか。2021年4月にリリースされた情報を基に、まとめていきたいと思います。
なお、今回のまとめには、特別仕様車は除外しております。また、2021年7月現在、トヨタ自動車の公式ホームページ上では「RAV4 PHV」が、「RAV4」とは別のクルマとしてラインナップされているため、今回のまとめから除外いたしました。
RAV4の主なグレードは、「X」と「G」で、それぞれガソリン車とハイブリッド車があります。このほか、ガソリン車のGグレードに、新開発4WDシステムを搭載する「G“Z package”」と、専用意匠の内外装などでアクティブ感覚を強めた「Adventure」がラインナップされています。
■Xグレード(ガソリン・ハイブリッド)
《写真提供:response》トヨタRAV4ハイブリッドX 2WD(センシュアルレッドマイカ)
Xグレードは、RAV4全体的のグレード構成からすると、ベースグレードに相当します。
足回りには「225/65 R17タイヤ&17×7Jアルミホイール(シルバーメタリック塗装)」を備え、フロントグリルやリヤサイドスポイラーはブラックに配色されており、全体的に引き締まった印象のエクステリアが持ち味です。
インテリアは、「4.2インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ+アナログメーター(メーター照度コントロール付)」が設定されており、Xグレード以外のメーターが「7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ(スピードメーター表示)+オプティトロンメーター(メーター照度コントロール付)」であることを考えると、まさにベース仕様といえるでしょう。
そのほか、シート表皮はファブリック、ステアリングはウレタン3本スポークなど、シンプルなインテリアとなっています。
■Gグレード(ガソリン・ハイブリッド)
《写真提供:response》トヨタ RAV4 HYBRID G
Gグレードは、Xグレードの装備に加えて、さまざまな快適装備が追加され、充実の内容となっています。
足回りには「225/60 R18タイヤ&18×7Jアルミホイール(スーパークロームメタリック塗装)」が採用され、フロントグリルはガンメタリック塗装が施されています。さらに、Xグレードにはなかったフロントフォグランプ(ハロゲン)が付いたり、フロントにはシルバー塗装の、リヤにはダークシルバー塗装の「スキッドプレート」が追加されています。
装備内容がXグレードよりワンランク上になるとともに、外観においてもXグレードとの差別化が図られ、迫力が増したエクステリアにデザインされているといえるでしょう。
■G“Z package”(ガソリン)
《写真提供:response》トヨタ RAV4 新型(「G」ダイナミックトルクコントロール4WD搭載車)
Gグレードがベースとなっている「G“Z package”」において、最大の特徴といえるのは「ダイナミックトルクベクタリングAWD」が採用されていることでしょう。これは、新開発の4WDシステムで、RAV4では、G“Z package”とAdventureにだけ装備されています。
このシステムは、状況に応じて最適な前後トルク配分をおこなうとともに、後輪トルクを左右独立で制御することでステアリングを切る際の安定性を高めるトルクベクタリング機構、2WD走行のシーンで素早く対応し、燃費向上を図るディスコネクト機構を採用し、高い操縦安定性や走破性を実現させています。
また、足回りは「235/55 R19タイヤ&19×7 1/2Jアルミホイール(スーパークロームメタリック塗装)」となります。
■Adventure(ガソリン)
《写真提供:response》トヨタ RAV4
Adventureグレードには、専用デザインのフロントグリルとフロントバンパー、および専用大型フロント・リヤスキッドプレート(専用シルバー塗装)が装備されています。足回りは「235/55 R19タイヤ&19×7 1/2Jアルミホイール(切削光輝+ブラック+マットクリア塗装)」を採用し、押し出しの強いタフなデザインが特徴です。
G“Z package”同様、走破性を高める「ダイナミックトルクベクタリングAWD」や「ダウンヒルアシストコントロール」が備わります。
専用大型ホイールアーチモール(フロント・リヤ)や、車名プレート+グレードマーク(マットブラック)など、RAV4のほかのグレードにはないオリジナリティが、Adventureグレードにはあります。
その他のRAV4情報
■エクステリアデザイン
《写真提供:response》トヨタRAV4新型(米国仕様)
エクステリアデザインは、前述のとおり、グレード構成によって、それぞれ違った魅力が際立つように工夫されています。「X」や「G」グレードでは、シャープで都会的な印象が強調されて、街乗りを主戦場とする方には最適でしょう。一方、「Adventure」グレードであれば、よりオフロードに適したタフなデザインとなります。
ヘッドランプは、ガソリン車とハイブリッド車で異なっており、ガソリン車では「3灯式LEDヘッドランプ(オートレベリング機能付)+LEDクリアランスランプ+LEDデイタイムランニングランプ[DRL]」が設定されています。こちらは、シンプルなデザインで、精悍なイメージを強調しています。
一方、ハイブリッド車には「Bi-Beam LEDヘッドランプ(オートレベリング機能付)+LEDクリアランスランプ(デイタイムランニングランプ[DRL]機能付)」が設定されており、ガソリン車と違って1灯の光源です。
■インテリアデザイン
《写真提供:response》トヨタ RAV4 新型 ハイブリッドモデル
インテリアデザインも、エクステリア同様、グレード構成によってそれぞれ違った特徴が反映されます。
「X」や「G」グレードでは、エクステリアのシャープ印象をそのままに、シックで都会的なまとまりを見せています。一方、「Adventure」グレードでは、よりオフオードを意識した、遊び心が反映されたデザインです。
■ボディサイズ
《写真提供:response》トヨタ RAV4 新型のTRDオフロード(シカゴモーターショー2019)
RAV4のボディサイズは「全長4,600~4,610mm・全幅1,855~1,865mm・全高1,685~1,690mm」となっています。5~10mmほどの差は、いずれも「Adventure」グレードが最大値(全高のみ、G“Z package”を含む)です。
前述の初代RAV4のボディサイズが「全長3,705〜4,115mm・全幅1,695~1,760mm・全高1,635~1,660mm」であったことを考えると、初代の5ドア仕様と比べても現行モデルは500mmほど長く、100mmほど広く、30mmほど高くなり、ボディサイズの進化がうかがえます。
■パワートレーン・燃費
《写真提供:response》トヨタ RAV4 新型 ハイブリッドモデル
RAV4には、ガソリン車に「2.0L ダイナミックフォースエンジン M20A-FKS × Direct Shift-CVT」を搭載。直列4気筒エンジンで、胸のすくような動力性能と、優れた低燃費を実現しています。
一方、ハイブリッド車には「2.5L ダイナミックフォースエンジン A25A-FXS × ハイブリッドシステム」を搭載。高い燃費効率と高出力を両立しています。
RAV4全体のWLTCモード燃費は「15.2~21.4km/L」。ガソリン車を選んだ場合、4WDでは「15.2km/L」、2WDでは「15.8km/L」です。ハイブリッド車を選んだ場合、E-Fourで「20.6km/L」、2WDで「21.4km/L」となります。
このように、RAV4にはガソリン車とハイブリッド車の設定、さらに駆動方式にも2WDと4WDといった選択肢があるため、どのグレードの、どの駆動を選ぶかで、燃費には最大6km/L以上の違いが生じます。購入を検討する際は、自分の主な用途や、ランニングコストも計算に入れてグレード選択する必要があるでしょう。
■口コミ
RAV4には、概ね好意的な口コミや意見がみられます。
ここまで出来が良いとデザイン以前に走りや総合力の高さでこのクルマを選ぶ人は多いだろう。とにかくSUVでありながら、オールラウンダー的要素の強いクルマだ。
「ダイナミックトルクコントロール4WD」でも電子制御の効果でしっかりとトラクションがかかりスタックするようなことはなかったが、「ダイナミックトルクベクタリングAWD」のほうが接地しているタイヤへのトルク伝達がスムーズかつ素早く、すべてが滑らか。一部が凍った滑りやすい雪道での坂道発進などで、絶大な効果が期待できる。そういった路面を走るユーザーは、「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を積極的に選ぶ価値がある。
RAV4のおすすめグレード
■HYBRID G(E-Four)
《写真提供:response》トヨタ RAV4 ハイブリッド 新型
都会派のスマートSUVとして、RAV4を利用したいのであれば、質の高いハイブリッドシステムを搭載した「HYBRID G(E-Four)」がおすすめです。「X」グレードと比べて、1段上の標準装備を搭載し、上質さにも余念がありません。また、内装だけでなく、フロントマスクにも違いがあるため、満足感も高いでしょう。
■Adventure(4WD)
《写真提供:response》新型トヨタRAV4アドベンチャー
一方、アクティブな楽しみ方を追求したのであれば、断然、「Adventure(4WD)」グレードがおすすめです。搭載されている「ダイナミックトルクベクタリングAWD」は、悪路において絶大な効果を発揮します。また、このグレードにだけある専用装備も充実しており、押し出し感の強いタフなデザインを楽しめるでしょう。
まとめ
《写真提供:response》トヨタ RAV4 アドベンチャー 新型
トヨタ自動車の欧州部門は2020年4月に、RAV4の世界累計販売台数が、1,000万台を突破したと発表しました。2019年には、世界で最も売れたSUVとなっています。
コンパクトSUVとしてはじまったRAV4が時代のニーズを取り入れながら、こうしてトヨタのグローバルモデルに成長し、いまなお進化を続けていることは大きな魅力となるでしょう。