元祖エコカーかも。トヨタ プリウスは世界的なエコブランド
トヨタ プリウス S ツーリングセレクション ブラックエディション
ハイブリッドカーを市販量産した世界初の車として、「エコカー」の代名詞ともなっているのがトヨタ プリウスです。1997年に初代が登場して以降、日本だけでなく世界的な支持を集め続けており、トヨタを代表する車名のひとつとなったといっても過言ではないでしょう。
初代の登場当初は「エコカーの主流ではない」という扱いも受けていたガソリンエンジンと電気モーターによるハイブリッドシステムですが、現在では国内・海外のほとんどの自動車メーカーがハイブリッド車をラインナップしているほどに性能・認知度ともに高まっており、プリウスはエコカーの礎を築いた車種として歴史の転換点となったとも言えます。
そんなプリウス、センセーショナルに登場した初代、動力性能と燃費性能を同時に向上させた2代目、リーズナブルな価格設定で話題を呼んだ3代目もまだまだ記憶に新しいですが、現在は2015年に発売された4代目モデルにまで進化しています。
現行型でも、滑らかに加速していく効率のよいパワートレインと、ハイブリッド専用車ならではの空気抵抗の少ないボディデザインはもちろん健在ですが、やはり気になるのは燃費性能がどこまで進化しているかではないでしょうか。
この記事では、プリウスのカタログ燃費と実燃費、ライバル車種との比較を通して、プリウスの燃費情報を詳しくご紹介していきます。
トヨタ プリウスの魅力はこんなにたくさん!
■ひと目でプリウスと分かる刺激的なエクステリア
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス
車両フロント部の低い位置に設置されたトヨタエンブレムから、前席頭上あたりまで一気に駆け上がるワンモーションフォルムと、そこから滑らかに下降するルーフラインによる流麗なファストバックスタイルこそ、プリウスの大きな特徴のひとつ。
現行型プリウスでは、そこに刺激的なディテールの数々が加わったことで、これまでのやや地味めな印象から一転、まるでスポーツカーのようなシャープなイメージをも演出しています。
■先進的デザインと使いやすさを両立したインテリア
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス インテリア
滑らかな曲線とコンパクトなメーターパネルで、未来的な印象のあるインテリアもプリウスの魅力のひとつ。ダッシュボード全体が低く抑えられているので、前方視界が広々として運転のしやすさにも貢献しています。
エコカーであることの利点は走行時の静けさにもつながっており、風切り音やエンジンの唸りが低く抑えられた快適なドライブが可能。ドライバーも乗員も落ち着ける空間となっています。
■新プラットフォームで走りの楽しさも磨きをかけた
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス カットモデル
現行型プリウスは、TNGA思想に基づくプラットフォームを採用した最初の車です。「GA-Cプラットフォーム」の採用によって、これまで以上に走りの楽しさの基礎体力が向上しています。
具体的には、高剛性かつ軽量・低重心なスタンスを手にしたことで、微振動を抑えて乗り心地を向上させつつ、カーブでもグラっとこない安定感を両立。ワインディングロードや高速道路でも、リラックスしながら運転を楽しめるプリウスに進化しました。
■雪国待望!電気式4WD「E-Four」仕様がついに新設定
トヨタ プリウス(北米仕様)
長らくプリウスには設定がされてこなかったのが四輪駆動。積雪地帯にお住まいの方だけでなく、近年では普段雪が降らない地域でもドカ雪となることもままあり、プリウスの燃費性能と四輪駆動の走破性が両立できたらなあ、とお考えだった方も少なくないはずです。
現行型プリウスでは、ついに電気式4WD「E-Four」仕様が設定された点も大きなポイントでしょう。後輪を専用のモーターで駆動するこのシステムは、前後輪をつなぐプロペラシャフトなどを持たない軽量コンパクトな仕上がりで、プリウスにもぴったりな4WDとなっています。
トヨタ プリウスのスペックはこちら
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,575mm×1,760mm×1,470mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,700mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,370kg | |
燃費 | WLTCモード:30.8km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンハイブリッド 1,797cc | |
エンジン最高出力 | 72kW(98PS)/5,200rpm | |
エンジン最大トルク | 142N・m(14.5kgf・m)/3,600rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 53kW(72PS) | |
モーター最大トルク | 163N・m(16.6kgf・m) | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 3,028,182円(消費税抜) |
トヨタ プリウスの燃費情報を総まとめ!おすすめグレードは?
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス
プリウスの魅力をご紹介してきましたが、やはり実際に購入を検討する際に気になるのは燃費性能ですよね。ここからは、プリウスの燃費性能を詳しく見ていきましょう。
まずは、カタログ燃費値です。新車販売されるすべての乗用車のカタログに表示されている「WLTCモード燃費」を確認することによって、おおよその燃費性能を把握することができます。
現行モデルのプリウスのWLTCモード燃費は、燃費に特化した最廉価グレードのEとそれ以外のグレード、標準仕様とツーリングセレクション、2WDとE-Four仕様で異なります。基本的には2WDのみの設定となるEグレードがもっとも低燃費で32.1km/L、それ以外のS/A/Aプレミアムグレードは2WDが30.8km/Lで4WDが28.3km/L、ツーリングセレクション車では2WDが27.2km/LでE-Fourが25.4km/Lとなっています。
もっとも低燃費なEグレードで詳しい燃費値の内訳を見ていくと、市街地モードで29.9km/L、郊外モードで35.2km/L、高速道路モードで31.2km/Lとなっています。
郊外モードでの35.2km/Lという結果は、ハイブリッドの強みが出やすい市街地運転だけでなく、交通の流れがよくなってきても低燃費を維持できることを示していますね。
トヨタ プリウスのカタログ燃費まとめ表
Eグレード | Sグレード 2WD | Sグレード 2WD ツーリングセレクション |
|
---|---|---|---|
WLTCモード燃費 | 32.1km/L | 30.8km/L | 27.2km/L |
市街地モード(WLTC-L) | 29.9km/L | 28.2km/L | 25.5km/L |
郊外モード(WLTC-M) | 35.2km/L | 33.2km/L | 28.9km/L |
高速道路モード(WLTC-H) | 31.2km/L | 30.4km/L | 26.9km/L |
■トヨタ プリウスでもっとも低燃費なのはどのグレード?
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス インテリア
WLTCモードによるカタログ燃費では、もっとも低燃費なのはEグレードとなっています。
Eグレードとそのほかのグレードとの燃費性能の違いは、ガソリンタンク容量や標準装備内容を切り詰めることで推進された軽量化が影響しているとみられ、実際にEグレードでは主に室内の快適装備がかなり削られていることもあり、燃費スペシャルグレードや営業車グレードといった印象を受けてしまう方も少なくなさそうです。
とはいえ、Eグレードの廉価な価格設定は大きな魅力ですし、現行プリウスの特徴である走りの良さはむしろ車重が軽量なEグレードで先鋭化されている印象もありますので、しっかり検討しておきたいところです。
カタログ燃費ではリッターあたり数キロ程度落ちるとはいえ、プリウスらしい充実の装備を楽しみたいなら、Eグレードよりも上位のSグレードやAグレードを検討してみるとよいでしょう。
Eグレード以外に設定されているツーリングセレクションは、より幅広の17インチタイヤが装着されることもあってカタログ燃費はガクッと落ちる印象。プリウスのエクステリアを引き締める17インチタイヤとアルミホイールがかっこいいとはいえ、燃費を重視するならツーリングセレクションは避けたほうがよさそうです。
■実オーナーが投稿!トヨタ プリウスの実燃費データまとめ
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス エンジンルーム
カタログ燃費が優秀でも、現実世界における実燃費が伸びなくては意味がないというもの。そこでしっかり確認しておきたいのが、実オーナーが投稿した燃費記録をまとめている情報サイト「e燃費」のデータです。
2021年10月現在、現行モデルのプリウスの実燃費平均値を確認してみると、もっとも低燃費なのは走行用バッテリーにリチウムイオン電池を用いたモデルの2WD仕様で、25.08km/Lとなっています。続いて現在は廃止済の走行用バッテリーにニッケル水素電池を用いたモデルの2WD仕様が23.67km/L、E-Fourモデルが23.05km/Lとなっています。
プリウスの先代モデルでは、エコ運転をしないとリッターあたり20キロを切ってしまうという声も聞かれましたが、現行モデルはどのタイプでも実燃費平均がリッターあたり20キロを超えており、先代までよりも燃費性能が磨き上げられていることがわかりますね。
現行モデルでは、エコ運転を意識せずとも優れた燃費を実現しやすくなっているようです。
ユーザーによっては、リッターあたり30キロや40キロ近い燃費値を記録している場合も見られるなど、ハイブリッド専用車としての威厳はまだまだ保たれているといった印象ですね。
■トヨタ プリウスのカタログ燃費、ライバル車と比べるとどうなの?
《画像提供:Response 》ホンダ インサイト
現在、プリウスの直接的なライバルは意外と少ない印象です。
プリウスよりもやや価格帯が上とはいえ、ハイブリッド専用車であるホンダ インサイトなどが比較対象となる場合もあるかもしれません。インサイトは2モーター式のハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載しており、高速域を除けばタイヤは常にモーターで駆動されるので、電気自動車感覚のレスポンスが魅力です。
インサイトのWLTCモード燃費を確認してみると、WLTCモード燃費でもっとも低燃費なグレードでは28.4km/Lとなっています。セダンタイプとして十分以上に低燃費が実現されているものの、プリウスの燃費値を見た後だと、やや物足りない印象も受けますね。
幅広い車種で4WD仕様を展開しているホンダですが、インサイトでは2WD仕様しか選択ができない点もネックのひとつ。価格相応の内外装の上質感などインサイトならではの魅力もありますので、実車をしっかりチェックしておきたいところです。
トヨタ カローラ
また、近年ではトヨタのラインナップ内でもハイブリッド車が非常に多くなっているので、トヨタ車同士で悩んでいるという方も少なくなさそうです。プリウスと車格が近めでハイブリッドが選べるセダンタイプといえば、カローラがあります。
現行型カローラは、プリウス同様にアグレッシブな印象に大きくイメージチェンジしたエクステリアが印象的。WLTCモード燃費でもっとも低燃費なグレードでは29.0km/Lと、プリウスには届かないもののかなりの低燃費が実現されています。
ボディサイズ的にはプリウスとカローラはかなり近いものの、価格設定ではカローラがかなり廉価な印象。カローラはセダンタイプだけでなく、ワゴンタイプの「ツーリング」や、ハッチバックタイプの「スポーツ」もラインナップされているなど選択肢が豊富なこともあり、選びやすさが光ります。
まとめ
プリウスの燃費情報を詳しくご紹介してきました。2015年の登場当初は敵なしといった印象もあったプリウスの燃費ですが、デビュー6年が経過していることもあって、近年はやや競合車種に埋もれてきている印象もあります。
そろそろ次期型モデルへのフルモデルチェンジも噂されてはいますが、走りの良さなど、まだまだ現行型の魅力も衰えていません。高効率で低燃費なお車をお探しなら、プリウスは確実にチェックしておきたいところですね。
《画像提供:Response 》トヨタ プリウス
よくある質問
■プリウスって、いつから売ってるの?
初代プリウスが発売されたのは1997年12月のこと。「21世紀に間に合いました。」のキャッチコピーが印象的でした。現行型プリウスは2015年に発売された4代目モデルとなっています。
■たくさんあるハイブリッドからプリウスを選ぶ理由は?
ハイブリッド専用車であるプリウスは、空力性能などがとことん追求された滑らかなフォルムで、燃費性能だけでなく静粛性なども抜群。さらにハッチバックとセダンの中間のようなプロポーションは、フォーマルな印象もありつつ荷室の使い勝手も良好で、様々な利用シーンで活躍できる点がプリウスならではの魅力でしょう。