燃費がいい車とは
燃費がいい車とは
燃費とは、ガソリン1Lでどれくらいの距離を走れるのかを数値化したもので、燃料消費率を略したものです。燃費を表す単位は「km/L」が用いられ、数字が大きくなればなるほど燃費がいい車になります。
たとえば、16.0km/Lなら、1Lで16km、20.5km/Lなら1Lで20.5km走れるということになります。
燃費の良し悪しは、ガソリン代に大きく影響します。ガソリン代を1Lで150円と想定して、ガソリン代にどのように影響するのか、3パターンで比較してみましょう。
国土交通省によると、定員が10人以下のガソリン車で、総重量が1,016kg〜1,265kgの車の場合、燃費基準値は16.0km/Lとされています。
A車は燃費が平均の16.0km/L
B車は燃費が良い20.0km/L
C車は燃費が悪い10.0km/L
それぞれ近い数値ですが、1年間の適正距離とされる10,000kmを5年間(50,000km)乗ったとして、ガソリン代はいくらになるのでしょうか。以下の表をご覧ください。
A車 | B車 | C車 | |
燃費 | 16.0km/L | 20.0km/L | 10.0km/L |
1Lで走れる距離 | 16km | 20km | 10km |
50,000km走行した場合 ※1Lあたり150円として計算 |
468,750円 50,000km÷16km×150円 |
375,000円 50,000km÷20km×150円 |
750,000円 50,000km÷10km×150円 |
50,000kmを走行した場合、燃費のいい車ならガソリン代が抑えられ、燃費が平均値の車と比べて93,750円も差が出ます。
車は長期的に乗るものです。燃費のいい車を選べば、結果的にコストを抑えられるので、車選びの選択肢のひとつとしてチェックするようにしましょう。
燃費を左右する要素
燃費を左右する要素とは?
数値の燃費通りに走行できるのか、というとそうではありません。燃費は、乗り方やメンテナンスの頻度、車内の湿度や気象条件などによって変わってきます。
燃費を左右する主な要素は以下のようなものがあります。
・荷物や人などの積載量
・急な加速
・メンテナンスの頻度
・エアコンの使用頻度
・渋滞での徐行運転
・信号で止まる回数
・車内の湿度や温度
燃費を抑えるためには、車に優しい運転やメンテナンスが重要なポイントになります。燃費がいい車を買っても、乗り方が粗いと本来の性能を発揮できないので、上記の点を意識して安全運転を心がけましょう。
燃費の算出方法
燃費の算出方法は?
燃費は、価格やスペックなどが記載されている場所に、「WLTCモード」として記載されています。
WLTCモードとは、国際基準の測定方法によって計測された数値で、WLTCモードには「市街地モード(WLTC-L)」「郊外モード(WLTC-M)」「高速道路モードWLTC-H)」の3種類があります。
国土交通省がサンプルとして公開している表示例がこちらです。
WLTCモード:20.4km/L | 市街地モード:15.2km/L |
郊外モード:21.4km/L | |
高速道路モード:23.2km/L |
燃費は、1Lでどれだけ走れるかということを示しているので、「走行距離÷給油量」でチェックすることもできます。給油をした際にメーターをリセットし、次の給油までどのくらいの距離を走れるか測ってみましょう。
走行距離が500kmで、給油した量が25Lなら、500km÷25Lで20km/Lということになります。信号の有無や加速した状況、季節や湿度によっても変わってくるので実際に測って確かめてみましょう。
2022年度版燃費のいい車ベスト3
2022年度版燃費のいい車ベスト3
車の性能は日々進化しています。メーカーや車種、排気量によって燃費は変わりますが、ここからは2022年最新版として、型番や車種で分類されたものを実燃費として数値化した「e燃費」を参考に、燃費のいい車を紹介します。
それぞれのランキングをまとめたものがこちらです。
総合部門 | ミニバン部門 | 軽自動車部門 | 4WD部門 | セダン部門 | |
1 | トヨタ アクア 23.06km/L |
トヨタ シエンタ 18.41km/L |
スバル プレオ 22.40km/L |
ダイハツ ミライース 21.02km/L |
トヨタ カローラ 21.87km/L |
2 | トヨタ ライズ 23.05km/L |
シトロエン ベルランゴ 16.82km/L |
ダイハツ ミライース 22.20km/L |
トヨタ アクア 20.55km/L |
トヨタ プリウス 21.64km/L |
3 | スバル プレオ 22.40km/L |
ホンダ フリード 16.69km/L |
マツダ フレアクロスオーバー 21.64km/L |
トヨタ プリウス 20.01km/L |
ホンダ インサイト 21.41km/L |
※2022年4月25日調査時点
参考:e燃費
https://e-nenpi.com/
■トヨタ アクア:23.06km/L
《写真提供:response》トヨタ アクア 新型
総合の1位に輝いたのは、トヨタ アクアです。型番が多く幅広い世代に人気のアクアの平均的な実燃費は23.06km/Lという数値でした。
口コミしたユーザーの中には、無給油で1,000km超えをしたという人もいるほど、燃費の高さに満足している人が多いようです。
■トヨタ ライズ:23.05km/L
《写真提供:response》トヨタライズ Z 2WD
2位はハイブリッドタイプのトヨタ ライズです。実燃費は23.05km/Lで、1位のアクアと0.01km/Lの僅差。日本の基準であるJC08モードでは34.8km/Lという高い数値を記録していますが、実燃費の23.05km/Lでも非常に高い数値です。
■スバル プレオ:22.40km/L
《写真提供:response》スバル・プレオプラス
3位はスバルのプレオです。実燃費は22.40km/Lで、エコモードの加速に満足している人や、平均で約30km/L位ほど走れているという人もいます。
燃費のいいミニバンランキング
次は、3列シートのワンボックスタイプ、サイズはSS・S・M・L・LLと5つのサイズがあるミニバン部門について、トップ3を見ていきましょう。
■トヨタ シエンタ:18.41km/L
《写真提供:response》トヨタ シエンタ ハイブリッド
ミニバン部門の1位は、ハイブリッドタイプのトヨタのシエンタです。WLTCモードでは、22.8km/Lを誇りますが、実燃費としては18.41km/L。多少低くなりますが、それでも高い数値といえます。
■シトロエン ベルランゴ:16.82km/L
《写真提供:response》シトロエン ベルランゴ
ミニバン部門2位は、ディーゼルタイプのシトロエン ベルランゴです。実燃費は16.82km/Lで、小回りがきいて乗りやすく、ディーゼルなので坂道も楽に乗れるのが魅力という口コミが見られました。
■ホンダ フリード:16.69km/L
《写真提供:response》フリードHYBRID G・Honda SENSING
ミニバン部門の3位は、ホンダのフリードです。2位のベルランゴと僅差の16.69km/Lでランクイン。スムーズな加速に好印象を持ったという声がありました。
燃費のいい軽自動車ランキング
次は排気量が660cc以下で4人乗り、コンパクトで維持費も安く人気がある、軽自動車部門を見ていきましょう。
■スバル プレオ:22.40km/L
《写真提供:response》スバル・プレオ プラス
軽自動車部門の第1位は、スバルのプレオです。総合ランキングでも3位にランクインしているだけに、軽自動車部門では堂々の1位を獲得しました。実燃費はミニバンをはるかに超える22.40km/Lです。
■ダイハツ ミライース:22.20km/L
《写真提供:response》ダイハツ ミライース
軽自動車部門の2位は、ダイハツのミライースです。燃費は1位とわずか0.2km/L差の22.20km/L。アクセルを踏む回数や信号などの条件によって変わりますが、ユーザーは、非常にいい車という評価をしていました。
■マツダ フレアクロスオーバー:21.64km/L
《写真提供:response》マツダ・フレアクロスオーバー
軽部門の3位はマイルドハイブリッドタイプのマツダ フレアクロスオーバーです。マツダのフレアクロスオーバーはラインアップが豊富ですが、その中でも特に燃費がいいのがマイルドハイブリッドタイプです。排気量は660ccとコンパクトタイプなので、その分燃費がいいのかもしれません。
燃費のいい4WDランキング
次は、雪道での走行やアウトドアを楽しみたい人におすすめの4WD部門です。4WD車は車体の大きさや、タイヤを4つ動かすことから、燃費が悪いイメージがあるかもしれませんが、4WD部門でも燃費がいいものがあるのをご存知ですか?
それは、4WDのハイブリッド車です。他のボディタイプよりも販売されている車種は少ないですが、燃費のいい4WDを見ていきましょう。
■ダイハツ ミライース:21.02km/L
《写真提供:response》ダイハツ ミライース
4WD部門の1位はダイハツのミライースです。ミニバンの1位に勝る21.02km/Lです。ダイハツのミライ―スは、軽自動車部門の2位にもランクインするほど、ジャンルを超えた燃費の良さです。
■トヨタ アクア:20.55km/L
《写真提供:response》トヨタ アクア(e-Four)
4WD部門の2位はトヨタのアクアでした。アクアは2011年に発売されてから、加速の性能が大きく変わったと満足しているユーザーも多いようです。中には防音効果も高くなっているという口コミも見られました。
■トヨタ プリウス:20.01km/L
《写真提供:response》トヨタ プリウス Aプレミアム ツーリングセレクション E-Four
4WD部門の3位はトヨタのプリウスです。トヨタのプリウスはこれから紹介するセダン部門の2位にもランクインしています。気になる実燃費はというと、20.01km/L。プリウスユーザーには非常に人気が高く、代々プリウスを乗り継いで、性能の良さを実感している人も多いようです。
燃費のいいセダンランキング
最後は、3ボックスで4ドアタイプのセダンについて見ていきましょう。
非常に人気があり、ほとんどのメーカーがセダンを販売しています。走行性能が良く安定した走りを楽しめるセダンの中で、特に燃費がいい車はどれになるのでしょうか。
■トヨタ カローラ:21.87km/L
《写真提供:response》トヨタ・カローラ(セダン)ハイブリッド
数多く販売されているセダンの中で堂々の1位になったのは、ハイブリッドタイプのトヨタカローラです。実燃費は21.87km/Lで、吸い付くような走りが実感できるという口コミや、1,800ccに乗り換えて正解だったという口コミも見られました。
■トヨタ プリウス:21.64km/L
《写真提供:response》トヨタ・プリウス改良新型
セダン部門の2位はトヨタのプリウスです。トヨタはセダン部門で1位と2位を獲得しました。プリウスの実燃費は21.64km/Lで、1位のカローラとの差は0.23km/Lというわずかな差。子供の独立とともにミニバンを卒業し、プリウスに乗り換えたという人もいました。
■ホンダ インサイト:21.41km/L
《写真提供:response》ホンダ・インサイト
セダン部門の3位はホンダのインサイトです。セダンは多くのメーカーが販売していることもあり、各社技術を駆使しているため、2位との差はこちらも0.23km/Lと僅差になっています。季節が変わると冷房をかける機会が減るため、燃費の良さを実感している人もいます。
燃費のいい車の選び方
燃費のいい車の選び方は?
ミニバンと軽自動車、そして4WDとセダンに分けて燃費のいい車のランキングを見てきましたが、車種やメーカーによっても燃費は変わります。
そこで、ここからは燃費のいい車の選び方について具体例を紹介します。
■メーカーで選ぶ
燃費のいい車のランキングでは、トヨタ車が上位にランクインしていました。ランクイン数をあらためて見てみると下記のようになります。メーカーから選ぶ際に参考にしてみてくださいね。
・トヨタ:7車
・スバル:2車
・ホンダ:2車
・ダイハツ:2車
・シトロエン:1車
・マツダ:1車
■ボディタイプで選ぶ
上記のランキングは、各ブランドでシリーズ化されたものを総合的に判断したものです。ボディが小さければ小さいほど燃費も良くなるので、ボディタイプで選ぶのもひとつの方法です。
ボディタイプを選ぶ時のポイントは以下の3つ。
1.人数
2.用途
3.荷物の量
何人で乗るか、通勤用かそれともレジャー用か、将来的な家族構成の変化まで想定するのかでも選ぶ車が変わります。
また、キャンプやレジャー用品、ベビーカーやチャイルドシートなど、常時積んでおきたいものがあるかどうかでも変わってきます。乗車人数、用途、荷物の有無や量に応じてボディタイプを選ぶようにしましょう。
■排気量で選ぶ
車のボディタイプを選ぶのと同じように、排気量も燃費に大きく影響します。それは、排気量が大きければ大きいほどガソリンを消費するためです。
2,000ccを超える車は加速がスムーズですが、燃費を考えて車を購入するなら、2,000cc以下の車をチェックしましょう。
■ライフスタイルに合わせて選ぶ
車選びはどんな目的で車を使用するかで、選ぶものが変わってきます。通勤やドライブ、買い物にレジャーなど用途によって適した車が違うので、目的を明確にした上でライフスタイルに合ったものを選びましょう。
迷ったら、販売店に出向いて車を見てみる他、気になるメーカーがあれば自動車ディーラーに行って条件に合う車を紹介してもらいます。
予算を決めて、新車にするか中古車にするのか、基本となる部分からイメージしてみましょう。その後は、カタログやインターネットの比較サイト、ディーラーなどに相談しながら情報を集めて整理していくのがポイントです。
まとめ
ライフスタイルに合った車探しを進めていきましょう
燃費のいい車について、ボディタイプ別にご紹介してきましたが、車種ごとに燃費の違いがあります。おおまかなイメージができたところで、次は具体的に車を使う目的や乗る人数などを想定して、メーカーや車種を絞っていきます。大きな買い物になるので、焦らず少しずつあなたのライフスタイルに合った車探しを進めていきましょう。