フラッグシップが最量販車種?!売れまくりのトヨタ アルファード
《画像提供:Response 》トヨタ アルファード
ミニバンクラスにおいて、フラッグシップならではの絶対的な存在感を誇ってきたのがトヨタ アルファード。初代モデルは2002年に登場し、大型高級ミニバンの世界を大いに盛り上げました。その完成度の高さは凄まじく、欧州自動車メーカーが研究用に自国に持ち帰ったと噂されているほどです。
堂々としたスタイルや余裕のある室内空間、さらに乗用車的な優れた走行性能を持つアルファードは、初代、2代目と人気を博してきましたが、現行モデルとなる3代目でさらに絶対的な人気が確立されたように感じられます。
近年のアルファードの人気は、新車販売台数が如実に示しています。2021年1月から6月の新車販売台数集計において、ミニバンでトップ、普通車としてもヤリスシリーズとルーミーというコンパクトカーに次ぐ第3位の販売台数を達成しました。
もっとも廉価なグレードでも税抜価格で300万円超スタート、豪華グレードでは700万円超とお高めな価格設定や、現行型は2015年デビューとモデルライフ終盤であることを考えると、2021年にここまでアルファードの販売台数が伸びたのは非常に異例なこと。高級ミニバンというジャンルが伸びたというより、アルファードの一人勝ち状態となっています。
そんなアルファード、存在感のあるエクステリアやゆとりのインテリアばかりが注目されがちですが、いざ所有するとなると気になってくるのが、維持費に直結する燃費情報なのではないでしょうか。
ボディサイズが大きめな大型3列シートミニバンだけに、極悪燃費のイメージをお持ちの方も少なくなさそうですが、現実世界におけるアルファードの実燃費が気になりますよね。
この記事では、カタログ燃費や実燃費、ライバル車種との比較を通して、アルファードの燃費情報を詳しくご紹介していきます。
アルファードのこんなところが人気の理由です
■唯一無二!迫力のエクステリアデザイン
《画像提供:Response 》トヨタ アルファード
全長は約5m、全幅は1.8m超え、全高は1.9m超えと、ド迫力のボディサイズを持つアルファード。そのサイズだけでも強いインパクトを感じさせますが、高級感と威厳を感じさせるエクステリアデザインによる唯一無二の存在感こそ、アルファードの大きな魅力でしょう。
細かなディテールにも要注目ですが、ミニバンらしく箱型に落ち着いてしまいそうなところを流麗にまとめたフォルムにも注目しておきたいところ。フロントフェンダーから後部ドアまで続くキャラクターラインなどは、ふくよかで妖艶なイメージも醸し出していますね。
■気分はグランクラス!おもてなしのインテリア
トヨタ アルファード エグゼクティブラウンジシート(2015年型)
余裕のあるボディサイズを活かした圧倒的な室内空間の広さもアルファードの大きな魅力。3列シートそれぞれに大柄な大人が乗ってもくつろげるだけでなく、その状態で荷室容量までしっかり確保されているので、どんな利用シーンにおいても不足を感じることはなさそうです。
また、「エグゼクティブラウンジ」グレードでは、まるで飛行機のビジネスクラスや新幹線のグランクラスを思わせる、パワーオットマンや格納式テーブルなどを備えた豪華な仕立ての左右独立式2列目シート「エグゼクティブラウンジシート」が備わります。お客様のお出迎えでも喜んでもらえること間違いなしですね。
■峠道も高速も怖くない、安定の乗り心地
《画像提供:Response 》トヨタ アルファード リヤサスペンション
アルファードは大柄なボディサイズに高めの全高を持つだけに、乗り心地はグラグラと落ち着かなくて山道なんかは運転が怖いんじゃないの?とお思いの方もいらっしゃるかも。しかし実際は、後輪にダブルウィッシュボーン式サスペンションを備えるほか、適度に引き締められた足回りや向上したボディ剛性によって、低速域から高速域まで落ち着いた運転フィールを楽しむことができます。
カーブでもグラっとこない安定したスタンスは、ドライバーに不安を感じさせないだけでなく、同乗者の快適性にも大いにプラスとなります。これまで以上にロングドライブ能力が向上したアルファードなら、疲れ知らずで遠出もできそうですね。
■手放し直前「半・自動運転」もできる先進運転支援機能
《画像提供:Response 》トヨタ アルファード メーターパネル
価格帯が高めのフラッグシップミニバンらしく、全車で先進の予防安全・運転支援機能パッケージ「トヨタセーフティセンス」が標準装備されている点も、アルファードの大きな魅力のひとつです。夜間の歩行者検知にも対応したプリクラッシュセーフティ機能や、全車速追従機能付のレーダークルーズコントロールなどが全車で利用できます。
特にレーダークルーズコントロールは、レーントレーシングアシスト機能と合わせ、高速道路などでは運転の負荷を大幅に低減することが可能。疲れを感じにくい余裕のある性能がうれしいアルファードですが、これまで以上に「もっと遠くまで」が実現しやすくなっています。
トヨタ アルファードのスペックはこちら
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,945mm×1,850mm×1,950mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 3,000mm | |
最大乗車定員 | 7名 | |
車両重量 | 2,190kg | |
燃費 | WLTCモード:14.8km/L | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンハイブリッド 2,493cc | |
エンジン最高出力 | 112kW(152PS)/5,700rpm | |
エンジン最大トルク | 206N・m(21.0kgf・m)/4,400-4,800rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | フロント105kW、リヤ50kW | |
モーター最大トルク | フロント270N・m、リヤ139N・m | |
駆動方式 | 電気式四輪駆動(E-Four) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 5,066,364円(消費税抜) |
トヨタ アルファードの燃費情報を総まとめ!おすすめグレードは?
《画像提供:Response 》トヨタ アルファード
アルファードの魅力をご紹介してきましたが、やはり実際に購入を検討する際に気になるのは燃費性能ですよね。ここからは、アルファードの燃費性能を詳しく見ていきましょう。
まずは、カタログ燃費値です。新車販売されるすべての乗用車のカタログに表示されている「WLTCモード燃費」を確認することによって、おおよその燃費性能を把握することができます。
現行モデルのアルファードのWLTCモード燃費は、パワートレイン別に大まかに3種類に分類することができます。
ハイブリッド車の燃費値は、全グレードで共通の14.8km/Lと、非常にわかりやすいです。
対するガソリン車は、3.5リッターエンジンと2.5リッターエンジンの違い、グレード間の違い、2WDと4WDの違いとかなりバリエーションが豊富ですが、2.5リッターエンジンでもっとも低燃費なグレードでは2WDで10.8km/L、4WDで11.0km/L。3.5リッターエンジンでもっとも低燃費なグレードでは2WDで10.2km/L、4WDで9.9km/Lとなっています。
ハイブリッドが燃費面で優れているのは当然ではあるものの、ガソリン車は2.5リッターと3.5リッターで燃費性能に大きな違いはない模様。大排気量で重量もある3.5リッターエンジンは燃費性能で不利に思えるものの、パワフルなのでアクセル開度が少なくて済む点が、僅差の理由かもしれませんね。
トヨタ アルファードのカタログ燃費まとめ表
ハイブリッド | ガソリン 2.5リッター (X 2WD) |
ガソリン 3.5リッター (GF 2WD) |
|
---|---|---|---|
WLTCモード燃費 | 14.8km/L | 10.8km/L | 10.2km/L |
市街地モード(WLTC-L) | 12.6km/L | 7.3km/L | 7.3km/L |
郊外モード(WLTC-M) | 15.6km/L | 11.7km/L | 10.3km/L |
高速道路モード(WLTC-H) | 15.4km/L | 12.8km/L | 12.1km/L |
■トヨタ アルファードでもっとも低燃費なのはどのグレード?
《画像提供:Response 》トヨタ アルファード
パワートレインや駆動方式、乗車定員別に非常にグレード数が豊富なアルファードですが、もっとも低燃費なグレードは非常にわかりやすく、ハイブリッドの全車種となっています。
アルファードのハイブリッド車は全車でWLTCモード燃費が14.8km/Lとなっており、大型ミニバンとしては充分に納得できる低燃費といえそうです。
車両重量で見れば、同じハイブリッド車とはいえもっとも軽量なグレードともっとも重量のあるグレードでは150kgもの差があります。しかし、ハイブリッドシステムの性能の余裕もあってか、どのグレードを選んでも低燃費が味わえるところはうれしいポイントでしょう。
ハイブリッド車は全車が電気式4WD「E-Four」となっている点もポイント。通常時は効率に優れた2WDながら、滑りやすい路面や発進時などで瞬時に後輪用のモーターを利用して4WD状態となり、安定性を確保してくれるので安心感がありますね。
■実オーナーが投稿!トヨタ アルファードの実燃費データまとめ
《画像提供:Response 》トヨタ アルファード ハイブリッド エンジンルーム
カタログ燃費が優秀でも、現実世界における実燃費が伸びなくては意味がないというもの。そこでしっかり確認しておきたいのが、実オーナーが投稿した燃費記録をまとめている情報サイト「e燃費」のデータです。
2021年10月現在、現行モデルのアルファードの実燃費平均値を確認してみると、もっとも低燃費なのはやはりハイブリッド車で、12.11km/Lとなっています。
ガソリン車はどのグレードもリッターあたり10キロには届いておらず、e-燃費のデータ上ではもっとも低燃費なのは3.5リッターガソリン車の4WD仕様で9.33km/L、ついで2WD仕様で8.53km/Lとなっています。2.5リッターガソリン車はやや及ばず8.28km/Lとなっており、排気量が小さくCVT仕様となることを考えると、意外と実燃費が伸びない印象です。
ただし、実際のユーザー数としては2.5リッターガソリン車の方がかなり多いことが予想され、それに伴って燃費情報のデータ提出数も影響を受けている可能性がある点は注意が必要です。2.5リッターガソリン車のデータの方が、より幅広い利用シーンに応じた燃費値となっているかもしれませんね。
ガソリン車に比べるとハイブリッド車の燃費性能は圧倒的ながら、提出されている燃費情報をチェックしてみても、平均燃費でリッターあたり20キロを超えることはまずなさそう。大柄なボディだけに、燃費の向上策にも限界があるということでしょう。
■トヨタ アルファードのカタログ燃費、ライバル車と比べるとどうなの?
日産 エルグランド
アルファードのライバル車といえば、まず思い浮かぶのが日産 エルグランド。高級大型ミニバンというコンセプトをアルファードに先んじてヒットさせた実績のある車名は、現在でも日産のフラッグシップミニバンの座を維持しています。
現行型のアルファードも比較的長寿モデルとなっていますが、現行型エルグランドは2010年デビューと、まさに異例のロングライフ。2020年10月にはマイナーチェンジを受けており、まだまだ現行型の販売が続く見込みとなっています。
エルグランドのWLTCモード燃費をチェックしてみると、ハイブリッド仕様を持たないこともあってアルファードよりも見劣りする印象。3.5リッターガソリン車の2WD仕様は8.7km/Lに留まり、2.5リッターガソリン車の2WD仕様でも10.0km/Lとなっています。
4WD仕様ではそれぞれ8.4km/Lと9.7km/Lと、こちらもアルファードの燃費値には届きません。3.5リッター車のV6エンジンは、フェアレディZやスカイラインに搭載されたこともあるなどスポーティな回転フィールが見どころですが、燃費面ではやや前時代的な印象も受けますね。
《画像提供:Response 》ホンダ オデッセイ
また、先代までは全高が低めの独特なラージミニバンだったホンダ オデッセイは、現行モデルになって全高を高めて迫力のあるデザインを得ており、アルファードやエルグランドと競合するようになりました。
現行モデルでは2020年に大規模なマイナーチェンジを受けていますが、なんと後継車の発表がないまま2021年末での生産終了が発表されており、現行型オデッセイを新車で手に入れられる期間は残りわずかとなっています。
オデッセイのWLTCモード燃費をチェックしてみると、2モーター式ハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載したハイブリッド車の圧倒的な低燃費が際立ちます。ハイブリッド車でもっとも低燃費なグレードでは20.2km/Lとなっており、アルファードのハイブリッド車と比べても大幅な低燃費が実現されています。
ガソリン車は2.4リッターガソリン車のみの設定となっていますが、こちらはもっとも低燃費なグレードでは12.8km/Lとなっており、アルファードの2.5リッター車よりもやや低燃費となっています。ガソリン車のみ4WDも設定されており、もっとも低燃費なグレードでは12.2km/Lと、燃費の落ち込みが少なめな印象です。
まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ アルファード
アルファードの燃費情報を詳しくご紹介してきました。
最大級の室内空間を持つ高級サルーンとして、さすがにコンパクトカー並みの低燃費とはいかないものの、ライバル車種と比べても納得の低燃費性能を実現していることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
燃費に優れたハイブリッド車と、鼻先の軽さが印象的な2.5リッターガソリン車、高回転の伸びがスポーティな3.5リッターガソリン車と、選ぶ楽しさも満点。燃費だけでなくお値段も大きく変わってきますので、ニーズにぴったりのパワートレインを持つアルファードをぜひ探してみてくださいね。
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よくある質問
■アルファードがミニバンでトップの売れ行きって本当?
2021年上半期の新車販売台数ランキングでは、トヨタだけでなく他社まで含めた3列シートミニバンとして、トヨタ アルファードが最上位にランクインしていました。現行型アルファードは2015年デビューでそろそろフルモデルチェンジの噂も聞かれることを考えれば、かなり異例の事態といえるでしょう。
■アルファードは長く乗っても価値が落ちないと聞いたけど、本当?
今後はどのように中古車市場が変化していくかわかりませんが、現状では中古車市場でもアルファードの人気が非常に高いことから、下取り価格も高値で安定しているようです。そのため、残価設定プランなどでも非常に魅力的な残価額が提示されることもしばしばで、よりアルファードの人気に拍車をかけているようです。