短めサイズがちょうどいい。コンパクトSUV「日産 キックス」
日産 キックス
車体の四隅でタイヤが踏ん張った安定感のあるフォルムが印象的なのが、日産 キックス。サイズとしてはコンパクトSUVに分類される車です。
キックスは、乗り降りがしやすく運転も楽なちょっと高めの着座位置や、ちょっとした悪路でもへっちゃらな力強い印象のデザインなど、SUVの王道ポイントを抑えつつ、全長4,290mmと扱いやすいサイズを維持しています。
現行モデルのキックスは、2016年にはリオデジャネイロオリンピック/リオデジャネイロパラリンピックのオフィシャルカーとしても採用されて聖火リレーを先導するなど、グローバルに販売される世界戦略車。躍動感のあるデザインが海外でも人気なようです。
そんなキックス、 2020年に国内投入された際には、国内市場初の「e-POWER」専用モデルという点も話題を呼びましたが、低燃費なイメージのあるハイブリッド車ということもあって、実際に検討中の方ならその燃費性能が大いに気になっているのではないでしょうか。
この記事では、カタログ燃費や実燃費をチェックしつつ、ライバル車との比較などを通して、キックスの燃費情報を詳しくご紹介していきます。
日産 キックスが人気の理由、4点でご紹介!
■ダイナミックな表情!精悍なエクステリア
《画像提供:Response 》日産 キックス
Vモーショングリルがきらりと輝くフロント部から、ダイナミックにせり上がっていくベルトラインと、呼応するように滑らかに下降していくルーフライン、さらにブーメラン形状のテールランプまで、キックスのエクステリアデザインは流れるようなまとまりのあるデザインが特徴です。
プレミアムホライズンオレンジパールメタリックやサンライトイエローパールといった鮮やかなボディカラーも着こなす存在感のあるデザインは、SUVながらスポーティさを存分に感じさせますね。
キックスのエクステリアで忘れてはならないのが、各ピラーをブラックアウトしたことによる「フローティングルーフ」デザイン。軽快な印象を感じさせますし、ルーフをブラックとした2トーン仕様との相性も抜群です。
■明るいオレンジタン色も選べる、機能的なインテリア
《画像提供:Response 》日産 キックス X ツートーンインテリアエディション インテリア
車内に乗り込んでもキックスはインパクト抜群。「X」グレードのブラックインテリアも精悍ですが、「X ツートーンインテリアエディション」に特別装備されるオレンジタンのインテリアは、コンパクトSUVでは珍しい色調で非日常な雰囲気を感じさせてくれます。
ブラックとオレンジタンの両方で採用されている、座り心地抜群の「ゼログラビティシート」にも要注目です。ダブルステッチ仕立てで上質感を感じさせる上に、長時間の運転でも疲れにくいので、遠出の頻度も増えてしまうかもしれませんね。
また、キックスの荷室容量はコンパクトSUVクラストップレベルのゆとりが確保されており、お買い物の相棒にもぴったりです。
■運転支援機能「プロパイロット」を全車標準装備!
《画像提供:Response 》日産 キックス ステアリングホイール
車でのお出かけでネックとなるのが、退屈になりがちな高速道路の長時間運転。お出かけ先で目いっぱい楽しんだ帰路のロングドライブは疲れも感じやすいですし、その上渋滞に遭遇してしまったりすると、ドライバーの負担が一気に増加しますよね。
キックスなら、高速道路などでの巡航や渋滞などでアクセルとブレーキ、さらにハンドル操作までアシストしてくれる「プロパイロット」が全車で標準装備されているので、ドライバーの負担軽減に役立ってくれることでしょう。
もちろん、前方の車両や歩行者の検知に対応した自動ブレーキ機能「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」や、ブレーキ制御付きの「踏み間違い衝突防止アシスト」も全車に備わりますので、運転中の幅広いシーンで安心感がありますね。
■先進の「e-POWER」で電動車両の気持ちよさ
《画像提供:Response 》日産 キックス
同社のコンパクトカーであるノートに搭載されて初登場したハイブリッドシステム「e-POWER」は、100%モーター駆動による力強い加速や優れたレスポンスが魅力的な日産独自のパワートレインです。
e-POWERは、搭載するガソリンエンジンが発電した電力を使ってモーターを駆動するので、電気自動車感覚の運転を楽しみつつ面倒な充電が不要。いつも通りにレギュラーガソリンを給油するだけでOKです。
またキックスでは、アクセルペダルを戻した際に強めに減速するドライブモードを選択することで、モーター駆動の利点を活かした「ワンペダル感覚」の運転も可能。ペダル踏み替えの頻度がグッと減ることで、慣れると離れられなくなると話題です。
日産 キックスのスペックはこちら
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,290mm×1,760mm×1,610mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,620mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,350kg | |
燃費 | WLTCモード:21.6km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリンハイブリッド 1,198cc | |
エンジン最高出力 | 60kW(82PS)/6,000rpm | |
エンジン最大トルク | 103N・m(10.5kgf・m)/3,600-5,200rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 95kW(129PS)/4,000-8,992rpm | |
モーター最大トルク | 260N・m(26.5kgf・m)/500-3,008rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | - | |
新車価格 | 2,509,000円(消費税抜) |
日産 キックスの燃費情報を総まとめ!e-POWERの実力は?
《画像提供:Response 》日産 キックス AUTECH
キックスの魅力をご紹介してきましたが、やはり実際に購入を検討する際に気になるのは燃費性能ですよね。ここからは、キックスの燃費性能を詳しく見ていきましょう。
まずは、カタログ燃費値です。新車販売されるすべての乗用車のカタログに表示されている「WLTCモード燃費」を確認することによって、おおよその燃費性能を把握することができます。
現行モデルのキックスのWLTCモード燃費は全車で21.6km/Lと、ほぼ単一グレードの販売ということもあって非常に分かりやすくなっています。
詳しくモード値を見ていくと、市街地モードでは26.8km/Lと抜群の低燃費を誇っていることがわかります。低回転域からの分厚いトルクが自慢のモーター駆動によって、ストップ&ゴーの多くなる市街地で優れた燃費が期待できそうですね。
反面、速度域が上がる郊外モードでは20.2km/L、高速道路モードでは20.8km/Lと、やや伸び悩む印象も見られます。リッターあたり20キロ台に乗せているのはハイブリッド車らしさを感じさせる部分ですが、実燃費への影響も心配される部分かもしれません。
日産 キックスのカタログ燃費まとめ表
キックス 全車 | |
---|---|
WLTCモード燃費 | 21.6km/L |
市街地モード(WLTC-L) | 26.8km/L |
郊外モード(WLTC-M) | 20.2km/L |
高速道路モード(WLTC-H) | 20.8km/L |
■実オーナーが投稿投稿!日産 キックスの実燃費データまとめ
《画像提供:Response 》日産 キックス エンジンルーム
カタログ燃費が優秀でも、現実世界における実燃費が伸びなくては意味がないというもの。そこでしっかり確認しておきたいのが、実オーナーが投稿した燃費記録をまとめている情報サイト「e燃費」のデータです。
2021年11月現在、現行モデルのキックスの実燃費平均値を確認してみると、20.48km/Lとなっています。
これはWLTCモード燃費にもかなり近い燃費値となっており、中にはリッターあたり30キロ台の燃費値を記録しているユーザーも見られるなど、e-POWERの性能を存分に活かせる利用シーンではさらなる低燃費も期待できるようですね。
もっとも投稿数が多いのはリッターあたり19〜20キロ台となっており、このあたりが普段通りの運転で得られる燃費値の目安といえそう。単体では十分に低燃費ではありますが、ライバルSUVのハイブリッド車と比べると、やや伸び悩んでいる印象も受けます。
■日産 キックスのカタログ燃費、ライバル車と比べるとどうなの?
ホンダ ヴェゼル
キックスのライバルとして、ボディサイズがかなり近いホンダ ヴェゼルはチェックしておきたいところ。こちらは2021年にフルモデルチェンジを受けたばかりですが、旺盛な需要と半導体不足の影響を受けてか、2021年11月現在では一部グレードの受注を停止しているほどです。
ヴェゼルには、e-POWERと似た構成のハイブリッドシステム「e:HEV」が設定されるものの、1.5リッターガソリンエンジン搭載車も設定される点がキックスとの大きな違い。また、ハイブリッド車とガソリン車を問わず、4WDが選択できる点もうれしいポイントですね。
ヴェゼルのWLTCモード燃費をチェックしてみると、ハイブリッド車の2WD仕様でもっとも低燃費なグレードが25.0km/L、4WD仕様で22.0km/L、ガソリン車の2WD仕様で17.0km/L、4WD仕様で15.6km/Lとなっており、ハイブリッド車同士の比較ではヴェゼルがかなりの差で低燃費となっています。
トヨタ ヤリスクロス
また、全長はややキックスよりも小さめなものの、存在感のあるデザインで話題なのがトヨタ ヤリスクロス。こちらは2020年に登場したコンパクトSUVで、欧州拠点主導による商品開発が行われたとされており、どこか輸入車っぽさも感じる仕上がりです。
ヴェゼルと同様、ヤリスクロスはどちらも1.5リッターのハイブリッド車とガソリン車の2本立て。ハイブリッド車はトヨタ車でお馴染みの「THS」で、エンジン出力を駆動と充電に自在に切り替える効率的な走りが魅力的です。
ヤリスクロスのWLTCモード燃費でそれぞれもっとも低燃費なグレードをチェックしてみると、ハイブリッド車の2WD仕様で30.8km/L、電気式4WDとなるE-Four仕様で28.7km/L、ガソリン車の2WD仕様で20.2km/L、4WD仕様で18.5km/Lと、キックスと競合するのはガソリン車となってしまっているほどに燃費値の差が出てしまっています。
■キックスと違って4WDが選べる「日産 ノート」の燃費は?
日産 ノート AUTECH クロスオーバー FOUR
キックスに続き、こちらも2020年のフルモデルチェンジでe-POWER専用車となったのがコンパクトハッチバックの日産 ノート。先代の2代目ノートでデビューしたe-POWERがさらに進化し、現行モデルとなる3代目は進化した「第2世代e-POWER」を初搭載しました。
また、キックスには4WD仕様の設定がないのに対し、ノートには後輪を専用モーターで駆動する電気式4WD「e-POWER 4WD」が用意されている点もポイントです。先代ノートの電気式4WD仕様よりも大幅にパワーアップした最高出力50kWのリヤモーターで、発進時だけでなく高速走行時まで後輪を活用することで、卓越した安定感を得ることができます。
ノートのWLTCモード燃費をチェックしてみると、2WD仕様の「S」グレードが28.4km/Lとキックスを大幅に上回る燃費値なのに対し、e-POWER 4WD仕様の「S FOUR」グレードでは23.8km/Lと、100kg以上車重が重くなっていることもあってか2WD仕様との差が小さくありません。
とはいえ、e-POWER 4WD仕様であってもキックスを大きく上回る低燃費を実現しているところをみると、ノートに搭載されている第2世代e-POWERの高効率性がうかがえますね。
アクティブに使いたいSUVであるキックスでこそ、4WDが欲しいという方も少なくないはず。性能としては文句なしの高評価を受けるe-POWER 4WDがすでに実現されているだけに、キックスの今後の展開にも期待したいところですね。
まとめ
日産 キックス コロンビアエディション(アクセサリー装着車)
キックスの燃費情報を詳しくご紹介してきました。
ストップ&ゴーを繰り返すことも多い日本の交通状況でこそ輝く高効率ハイブリッド「e-POWER」の実力がしっかりご理解いただけたのではないでしょうか。
この記事ではご紹介できなかったものの、より上質感を追求した「AUTECH」や、人気ブランドとのコラボレーション限定車「コロンビアエディション」といった魅力的なバリエーションもキックスには用意されています。
人気のコンパクトSUVジャンルで車をお探しなら、キックスもしっかりチェックしておきたいところですね。
■車をローンで購入するなら?カーローン申込ランキング
よくある質問
■キックスの「e-POWER」ってどんな仕組みなの?
日産 キックスに搭載されるハイブリッドシステム「e-POWER」は、搭載するガソリンエンジンで発電した電気を使って、モーターでタイヤを常時駆動します。そのため、モーター駆動ならではの電気自動車を思わせるレスポンスの良さや低速域のパンチ力が楽しめるのに、面倒な充電が不要と言う使いやすさが光ります。電気自動車に比べて搭載するバッテリー容量が少なく済むので、価格もお求めやすくなっています。
■キックスに4WDの設定はないの?
日産 キックスには、残念ながら4WD仕様の設定はありません。キックス同様にe-POWER専用車であるノートには後輪を専用のモーターで駆動する「e-POWER 4WD」仕様が存在するものの、キックスは海外で販売されるガソリン車も含めて前輪駆動仕様のみのラインナップとなっており、今後の追加設定も期待できそうにありません。