おなじみのプリウスの進化形だ!「トヨタ プリウスPHV」
トヨタ プリウスPHV
近年世界中のメーカーが自動車の電動化を急いでいますが、トヨタ プリウスといえば、電動化によるエコ性能向上を20年以上前から実現している老舗エコカーブランド。時代がようやく追いついてきたといった印象もありますね。
高い環境性能をもつプリウスですが、さらに一歩先行くエコ性能を実現しているのが「トヨタ プリウスPHV」。車名に含まれるPHVとは「プラグインハイブリッド」のことで、コンセントなどの外部電源から充電ができる大型バッテリーを装備することで、プリウスよりも飛躍的にEV走行距離を伸ばしたモデルです。
海外メーカーも積極的に投入している「プラグインハイブリッド」は、EVモード時にガソリン車やハイブリッド車以上の環境性能を得ることができつつ、充電を使い切った後でもハイブリッド走行が可能など、使い勝手で電気自動車を上回る優れもの。とはいえ、まだまだ国産車での選択肢は多くなく、プリウスPHVは貴重な存在といえます。
空気抵抗やパワートレインの効率を極限まで高めたプリウスをベースにしているからこそ、プラグインハイブリッド車としても高度な性能を実現しているプリウスPHV。気になるのはやはり燃費性能ではないでしょうか。
この記事では、カタログ燃費や実燃費をチェックしつつ、ライバル車種との比較なども通して、プリウスPHVの燃費情報を詳しくご紹介していきます。
トヨタ プリウスPHVならではの魅力、4点にまとめました
■先進のプラグインハイブリッド、60kmもEV走行できちゃう!
《画像提供:Response 》トヨタ プリウスPHV
ご自宅のコンセントでの100V充電も可能なプリウスPHVは、EV走行距離がWLTCモードで60kmとプリウスのEVモードと比べてはっきりと長めで、通勤やお買い物でガソリンを一滴も使わない先進ドライブがより実現しやすくなっています。
プリウスをはじめ、ハイブリッド車ではアクセルを強く踏むとエンジンが始動しやすくなっていますが、プリウスPHVは独自の「デュアルモータードライブ」システムなども活用して、モーターだけでの運転領域を大幅に拡大。EV走行の最高速度は135km/hと、国内の公道での速度域を網羅しているほどです。
もちろん、充電した駆動用電池の電力を使い切った後も、トップレベルの燃費を誇るプリウス同様にハイブリッド車として運転が可能。ガソリン残量がある限り、気兼ねなくエコ運転を続けることができます。
■ちょっぴり優越感?プリウスとは一味違う独自のエクステリア
《画像提供:Response 》トヨタ プリウスPHV
基本構造をプリウスと共有するプリウスPHVですが、プリウスPHVでは独自のエクステリアデザインを採用しており、ひと目でプリウスPHVであることが分かる先進の仕上がりとなっています。
よりワイドな印象を強調する切れ長のヘッドランプや、スリムな発光部がシャープな印象のテールランプ、ダブルバブルウインドゥを採用したバッグドアガラスなど、見れば見るほど独自要素が満載のプリウスPHV。街中を颯爽と駆け抜ければ、注目の的になってしまうかもしれませんね。
車外からは分かりにくいものの、バックドアはなんとCFRP製。F1マシンやスーパーカーが用いるようなカーボン素材を用いることで、ワイドな後方視界に貢献する細身のフレームと強度を両立し、ボディの軽量化にも寄与しています。
■専用メカニズム多数!ソーラーパネルで充電できる車です
《画像提供:Response 》トヨタ プリウスPHV ソーラー充電システム装備車
プリウスPHVは、全車にソーラー充電システムがメーカーオプション設定されているなど、独自の先進装備が多数。ソーラーパネル自体はプリウスでもオプション設定がされていた実績があるものの、それらは駐車中の車内換気システムの電源として限定的に用いられていたものでした。
プリウスPHVに搭載されるソーラーパネルは、パナソニックが開発した高出力なタイプとなっており、駐車中には駆動用バッテリーへの充電ができる優れもの。量産車として世界初となるこのシステムは、プリウスPHVの先進性を強く感じさせる装備です。
最大充電量でも1日当たり5.5km程度と、日々のソーラー充電だけでプリウスPHVのEV性能を堪能するのは難しい面もありますが、災害などで停電している際でも充電が可能という点は心強いですね。
■迫力のデザインと走りの「GRスポーツ」も設定
《画像提供:Response 》トヨタ プリウスPHV GRスポーツ
ドライブが趣味という方にもプリウスPHVはぜひおすすめしたいところ。モーターならではのレスポンスの良さが存分に味わえるエコなだけではない俊敏でパワフルな走りは、プリウスPHVの大きな魅力のひとつ。より軽量・高剛性かつ低重心なボディで、ワインディングロードでも楽しく運転できます。
また、プリウスPHVで注目なのは人気のスポーツグレード「GRスポーツ」の設定があること。意外なことにプリウスには設定がなく、こだわりの走行性能が堪能できるのはプリウスPHVの特権となっています。
専用のサスペンションや剛性アップパーツの採用によって走行性能を向上させつつ、「GR」ならではのスポーティで機能的な内外装デザインが備わるプリウスPHV GRスポーツは、これまでのプリウスシリーズにはなかった魅力を備えていますね。
トヨタ プリウスPHVのスペックはこちら
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 4,645mm×1,760mm×1,470mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,700mm | |
最大乗車定員 | 5名 | |
車両重量 | 1,530kg | |
ハイブリッド燃費 | WLTCモード:30.3km/L | |
等価EVレンジ | WLTCモード:60km | |
交流電力量消費率 | WLTCモード:107Wh/km | |
動力用主電池総電力量 | 8.8kWh | |
エンジン種類 | 直列4気筒ガソリンプラグインハイブリッド 1,797cc | |
エンジン最高出力 | 72kW(98PS)/5,200rpm | |
エンジン最大トルク | 142N・m(14.5kgf・m)/3,600rpm | |
モーター種類 | 交流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 1NM型:53kW(72PS) 1SM型:23kW(31PS) | |
モーター最大トルク | 1NM型:163N・m(16.6kgf・m) 1SM型:40N・m(4.1kgf・m) | |
システム最高出力 | 90kW(122PS) | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
新車価格 | 3,416,364円(消費税抜) |
トヨタ プリウスPHVの燃費情報を総まとめ!おすすめグレードは?
《画像提供:Response 》トヨタ プリウスPHV
プリウスPHVの魅力をご紹介してきましたが、やはり実際に購入を検討する際に気になるのは燃費性能ですよね。ここからは、プリウスPHVの燃費性能を詳しく見ていきましょう。
まずは、カタログ燃費値です。新車販売されるすべての乗用車のカタログに表示されている「WLTCモード燃費」を確認することによって、おおよその燃費性能を把握することができます。
現行モデルのプリウスPHVのWLTCモードハイブリッド燃費は非常にシンプルで、全車で30.3km/Lと、グレードごとに数値に変化はありません。
全車にメーカーオプション設定となる17インチタイヤを装着した場合にのみ、WLTCモード燃費で26.2km/Lと大きく燃費値が落ちる点は注意しておきたいところ。標準装備となる15インチタイヤの優れた性能を取るか、17インチタイヤのかっこよさを取るか、悩ましいところですね。
プリウスPHVだからこそ注目しておきたいのはEV走行換算距離(等価EVレンジ)ですが、こちらもWLTCモードでは全グレードで60kmと共通。17インチタイヤ装着車は50kmまで低下する点も同様です。
トヨタ プリウスPHVのカタログ燃費まとめ表
プリウスPHV全グレード | メーカーオプション 17インチタイヤ装着車 |
|
---|---|---|
WLTCモードハイブリッド燃費 | 30.3km/L | 26.2km/L |
市街地モード(WLTC-L) | 27.3km/L | 25.6km/L |
郊外モード(WLTC-M) | 33.2km/L | 27.7km/L |
高速道路モード(WLTC-H) | 30.0km/L | 25.6km/L |
■トヨタ プリウスPHVでもっとも低燃費なのはどのグレード?
《画像提供:Response 》トヨタ プリウスPHV
プリウスPHVは、グレード間で燃費の差がありません。もっとも廉価な「S」グレードから、もっとも高価な「Aプレミアム」グレードまで、全車でWLTCモード燃費は30.3km/Lとなっています。
燃費性能に優れているのは軽量な廉価グレードや燃費スペシャルグレードのみで、上位グレードでは劣る、という車もしばしば見られますが、プリウスPHVならどのグレードを選んでも性能が変わりません。
プラグインハイブリッド車として随一のコストパフォーマンスを誇る「S」グレードから、シートベンチレーション付き本革シートやヘッドアップディスプレイといった豪華装備を備える「Aプレミアム」グレードまで、お好みのグレードを選択しても燃費性能に差がない点は安心感がありますね。
■実オーナーが投稿!トヨタ プリウスPHVの実燃費データまとめ
《画像提供:Response 》トヨタ プリウスPHV インテリア(2016年型)
カタログ燃費が優秀でも、現実世界における実燃費が伸びなくては意味がないというもの。そこでしっかり確認しておきたいのが、実オーナーが投稿した燃費記録をまとめている情報サイト「e燃費」のデータです。
2021年11月現在、現行モデルのプリウスPHVの実燃費平均値は28.79km/Lと、カタログ燃費に迫る好記録となっています。カタログ燃費が大幅に落ちる17インチタイヤ装着車も含んでの数値ですので、その低燃費っぷりがなおさら際立つ印象ですね。
ユーザーによってはリッターあたり50キロ前後の数値を記録している方も見られるなど、充電電力が活用できるプラグインハイブリッドならではの驚異的な実燃費値を実現しているプリウスPHV。
現行型プリウスも平均燃費値はリッターあたり25キロ台と、先代モデルと比べて実燃費が伸びているのですが、それをさらに超える実燃費は、さすがのプラグインハイブリッド車ですね。
■トヨタ プリウスPHVのカタログ燃費、ライバル車と比べるとどうなの?
トヨタ RAV4 PHV
セダンタイプのプラグインハイブリッド車はとしてはホンダ クラリティPHEVがあったものの、2021年9月で販売を終了しており、現在はプリウスPHVと同等クラスのプラグインハイブリッド車は国内市場に存在しない状態です。
車体構成は大きく異なるものの、プリウスPHVと同じくトヨタから、SUVタイプのプラグインハイブリッド車「RAV4 PHV」が登場しています。より大容量の動力用電池を搭載したこともあって、RAV4 PHVの等価EVレンジは95kmと、プリウスPHVを超えるEV走行距離を実現しています。
WLTCモードによるハイブリッド燃費は22.2km/L、交流電力消費率は155Wh/kmと、車重の重さやボディサイズの大きさを反映してプリウスPHVより劣る数値となっているものの、RAV4 PHVはシステム出力が306PSと、スポーツカー並みの加速性能を備えている点が特徴的です。
三菱 エクリプスクロス PHEV
またトヨタと同様に、プラグインハイブリッド車に早くから取り組んできた三菱にも注目です。2020年12月に登場したばかりで、サイズが比較的コンパクトなSUV「エクリプスクロスPHEV」をプリウスPHVと比較している方も多いかもしれません。
エクリプスクロスPHEVは、等価EVレンジが57.3kmと、プリウスPHVよりもやや少なめ。WLTCモードによるハイブリッド燃費は16.4km/L、交流電力消費率は213Wh/kmと、こちらもプリウスPHVはおろかRAV4 PHVよりも劣る数値となっています。
スペック上は苦戦しているエクリプスクロスPHEVですが、プリウスPHVが2WD仕様のみなのに対し、前後にモーターを備えた「ツインモーター4WD」という点はエクリプスクロスPHEVの大きな魅力。高度な運動性能を実現する「S-AWC(Super All Wheel Control)」によって、SUVならではの安定性と、スポーツカーさながらの旋回性能を両立しています。
まとめ
《画像提供:Response 》トヨタ プリウスPHV
プリウスPHVの燃費情報を詳しくご紹介してきました。
プリウスの魅力を活かしつつ、独自の機能や性能でプラグインハイブリッドの魅力を存分に発揮しているプリウスPHV。ハイブリッド燃費も良好ですし、価格もリーズナブルと完成度が高く、プラグインハイブリッド車が気になっている方にはぴったりの1台となっています。
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よくある質問
■プリウスPHVとプリウスは、どこが違うの?
トヨタ プリウスPHVは、プリウスと基本構造を共有しつつ、コンセントなど外部電源から充電可能な大容量バッテリーを搭載する「プラグインハイブリッド」とすることで、EV感覚の使い勝手を引き上げたモデルです。
■プリウスPHVはソーラーパネルで充電できるって本当?
本当です。トヨタ プリウスPHVは全車に「ソーラー充電システム」がオプション設定されており、これまでよりも高出力なソーラーパネルによって、駐車中に駆動用バッテリーに充電することが可能。条件が良い地域でも最大充電量は1日あたり5.5km程度と、ソーラー充電システムだけで充電をまかなうことは現実的ではないものの、先進感が感じられる装備ですね。