スズキ ハスラーとダイハツ タフト、どっちも好きで決められない?
《画像提供:Response 》ダイハツ タフト(上段)、スズキ ハスラー(下段)
軽自動車といえば、節約志向の方がアシとして選ぶ激安車、という時代は遠い昔のこと。現代の軽は、さまざまな先進機能を備えつつ、こだわりのデザインや乗り心地を追求した車種も数多くラインナップされており、ファーストカーとして全く不足のない商品性を持つものがほとんどになっています。
そんなモダン軽自動車の勢いを象徴するかのような人気ジャンルが、「軽クロスオーバーSUV」。ハイトワゴン系の使い勝手に優れたボディに、余裕のある最低地上高、ラギッドなデザインなどを備えることで、あらゆる流行を一台でキャッチできる魅力満載のジャンルとなっています。
軽クロスオーバーSUVの人気車種といえば、「スズキ ハスラー」と「ダイハツ タフト」。どちらも好調な販売成績で、街中で見かける機会も多いですよね。
パッと見では似たような印象のこの2台、実は細かく見比べていくと意外と違いが大きい部分もあります。ハスラーとタフトのどちらも魅力的で、どちらか1台なんて選べない!とお思いのあなたにぜひチェックしてほしい、ガチンコ比較の結果をご紹介していきます。
■軽のSUVは意外と少なめ… ハスラー/タフト以外の選択肢は
《画像提供:Response 》ダイハツ コペン エクスプレイ
軽の販売台数は増加しているものの、市場の人気は全高が高めのスーパーハイトワゴンに集中。意外とSUV系の車種ラインナップは少なめなのが現状です。
スズキの現行ラインナップでハスラー以外の軽SUVは、本格クロカンSUVの「ジムニー」、スーパーハイトワゴンにSUV風味のアレンジを施した「スペーシアギア」の2台。
また、ダイハツの現行ラインナップにおけるタフト以外の軽SUVは存在せず、SUV的なデザインが光る「コペン エクスプレイ」がラインナップされている程度。2020年まではキュートなデザインのクロスオーバーSUV「キャスト アクティバ」も販売されていましたが、タフトの登場に先立って販売が終了しています。
スズキ ハスラーとダイハツ タフト、気になるポイントで徹底比較
ここからは、車選びで気になるポイント別に、ハスラーとタフトを徹底比較していきましょう。
似ているようで意外に異なる2台、それぞれの魅力やイマイチポイントがはっきり分かるので、ご自身のカーライフで重視したいポイントはどこか、照らし合わせながらチェックしてみてください。
■【外装デザイン】2台とも「甘辛」?!性格の違いがディテールに
《画像提供:Response 》ダイハツ タフト(上段)、スズキ ハスラー(下段)
ぱっちりと見開いた丸目が愛らしいハスラーの外装デザインは、ディテールのキュートさと、より角張った全体のフォルムのタフ感を融合させた高度なデザイン。タフトにはない2トーン仕様のボディカラーも人気で、原色系の明るい色をあえて選びたくなる元気な印象ですね。
対するタフトは、ヘッドライトこそ長方形タイプではあるものの、微笑んでいるような車両前後の表情が愛らしい印象。前後バンパーの左右からはタイヤが覗くなど、オフローダーっぽさのアピールも欠かしません。全高がやや低いので、ハスラーよりもやや伸びやかな印象が感じられますね。
2台ともに、親しみやすさやタフさ、個性的な表情など、軽SUVとして期待通りのスタイリングといえそう。後発の強みで、タフトのほうがより新鮮味を感じるデザインと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
■【内装デザイン】カクカクのタフト、カラバリがうれしいハスラー
《画像提供:Response 》ダイハツ タフト(上)、スズキ ハスラー(下)
内装では、あらゆる部分が長方形モチーフでカクカクのタフトに注目。ダッシュボードの高さが低めに抑えられているので、前方の見晴らしがよくなっています。また、前席はブラック基調、後席と荷室はグレー基調と、車内で色合いに変化がつけられている点がユニークですね。
対するハスラーは、3種類のインテリアカラーからボディカラーに合わせたコーディネートが楽しめる点がポイント。短くまとめられたダッシュボードはやや高めな配置で、頼れるタフさが演出されています。
内装の装備として要注目なのは、タフト全車に標準装備されるガラスルーフ「スカイフィールトップ」。前席頭上に広がるガラス面は非常に開放感があり、軽自動車ではサンルーフの設定すら珍しいことを考えると、かなりの特別感があります。
■【荷室】七変化がスゴいハスラー、割り切ったシンプルさが潔いタフト
《画像提供:Response 》ダイハツ タフト(上)、スズキ ハスラー(下)
左右独立してのスライドとリクライニングが可能なハスラーの後席は、乗員空間と荷室空間の優先度を状況に応じて変えやすい点がポイント。後席格納時にはシートを前方に倒すだけで座面も連動して下がるので、低くフラットな床面をもつ荷室空間が広がります。
タフトの後席は、シンプルな操作性に割り切った印象。スライドやリクライニングができず、クッションの厚みも抑えられているものの、左右分割可倒式の後席は前倒しするだけでフラットに格納が可能です。
荷室床下収納を備えるのはハスラーとタフトで同様ながら、ハスラーはラゲッジアンダーボックスを全車で標準装備、タフトは荷室床面の高さが変えられるフレキシブルボードを備えるなど、別々のアプローチで使い勝手の追求が見られます。
■【エンジン・燃費】ハスラーはハイブリッド!全車で差が小さいタフト
《画像提供:Response 》スズキ ハスラー マイルドハイブリッド イメージ
全車でマイルドハイブリッド仕様となる点がハスラーの大きなポイントで、WLTCモード燃費では自然吸気エンジン搭載車の2WD仕様で25.0km/Lと、まさにハイブリッドカーとしての期待に応える低燃費を実現。ターボエンジン車や4WD車でもマイルドハイブリッドなので、燃費の落ち込みも小さめです。
対するタフトはハイブリッドシステムこそ備えませんが、それでもWLTCモード燃費では自然吸気エンジン搭載車の2WD仕様で20.5km/Lと、純ガソリン車として優秀な低燃費を実現。ターボを選んでも4WDを選んでもモード燃費の差が小さい点もタフトの特徴で、ロングドライブ耐性も高そうです。
ハスラーもタフトも角張ったフォルムながら低燃費な理由としては、軽量設計のボディが挙げられそうです。タフトで830〜890kg、ハスラーではさらに軽量な810〜880kgという車両重量に抑えられているので、燃費性能だけでなくキビキビとした加減速性能や安定したコーナリングも見どころです。
■【4WD】機能充実のハスラー、地上高が高めのタフト
《画像提供:Response 》ダイハツ タフト
ハスラーとタフトはどちらもクロスオーバーSUVですので、本格的なオフロード仕様といった印象ではないものの、どちらも前後オーバーハングが極めて短く路面の凸凹や起伏にも強いフォルムを持っているので、4WD仕様を選択すれば安心感がありますね。
キュートな見た目ながらハスラーの4WD仕様は本格派の機能が満載。ブレーキLSD機能の「グリップコントロール」や、雪道など滑りやすい路面でのアクセル・ブレーキ操作をアシストしてくれる「スノーモード」、急な下り坂でも車速を自動で維持してくれる「ヒルディセントコントロール」など、充実の機能が備わります。
対するタフトの4WD仕様はよりシンプルな仕立て。ボタン操作で切り替えられる4WDのモードなどはないものの、スリップを検知すると素早く後輪に駆動力を伝える4WDシステムと、ブレーキLSD機能の「グリップサポート制御」が備わるので、滑りやすい道でも安心です。ハスラーよりも10mm高い190mmの最低地上高で、轍などでやや安心感が大きめかもしれません。
■【予防安全・運転支援機能】両車充実の標準装備!グレード間の差は
《画像提供:Response 》スズキ ハスラー 全方位モニター作動の様子
今時の車だけあって、軽自動車とはいえ予防安全機能はハスラーとタフトの全グレードで標準装備。夜間の歩行者検知にも対応した自動ブレーキや踏み間違い事故防止の機能などが備わるので、日々のドライブにも安心感があります。
また運転支援機能では、ハスラーとタフトのどちらも特定のグレードでのみ全車速追従機能付ACCが備わる点は同様ですが、ターボ車にのみACCを装備するハスラーに対し、タフトは自然吸気エンジン車でもオプション装着が可能と、やや設定の違いも見られます。
タフトではハスラーに設定のない駐車支援システム「スマートパノラマパーキングアシスト」が選べるほか、全車でLEDヘッドランプ装備、「G」系ではアダプティブハイビーム機能も備わるなど、タフトの装備は軽としてかなり先進的な仕上がりとなっています。
■【価格】スーパーハイトより割安感あるハスラー、戦略的価格のタフト
《画像提供:Response 》ダイハツ タフト パノラマモニター作動の様子
2021年12月現在、オプション設定なしでの新車価格帯をチェックしてみると、ハスラーは税抜価格で124.1〜165.8万円、タフトは123.0〜163.5万円と、どちらも激安とはいえないものの、流行のスーパーハイトワゴン系と比べると装備内容的にやや割安感も感じられる設定といえそうです。
タフトの価格設定はハスラーを意識したことがありありと感じられるもので、同等グレード同士では必ずハスラーよりも税抜1〜2万円程度安値に設定されています。
上位グレード同士の比較では、ハスラーとタフトの装備内容は同等ではあるものの、下位グレード同士ではLEDヘッドランプやフロントウインドウのIRカット機能が標準装備されるなど、タフトの充実っぷりが際立ちますので、ますます割安感がありますね。
■【スペック】スペック上はかなり接戦!
スズキ ハスラーのスペックはこちら
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,680mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,460mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 820kg | |
燃費 | WLTCモード:25.0km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリンハイブリッド 657cc | |
エンジン最高出力 | 36kW(49PS)/6,500rpm | |
エンジン最大トルク | 58N・m(5.9kg・m)/5,000rpm | |
モーター種類 | 直流同期電動機 | |
モーター最高出力 | 1.9kW(2.6PS)/1,500rpm | |
モーター最大トルク | 40N・m(4.1kg・m)/100rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 1,380,000円(消費税抜) |
ダイハツ タフトのスペックはこちら
ボディサイズ(全長×全幅×全高) | 3,395mm×1,475mm×1,630mm | |
---|---|---|
ホイールベース | 2,460mm | |
最大乗車定員 | 4名 | |
車両重量 | 830kg | |
燃費 | WLTCモード:20.5km/L | |
エンジン種類 | 直列3気筒ガソリン 658cc | |
エンジン最高出力 | 38kW(52PS)/6,900rpm | |
エンジン最大トルク | 60N・m(6.1kg・m)/3,600rpm | |
駆動方式 | 前輪駆動(FF) | |
トランスミッション | CVT | |
新車価格 | 1,350,000円(消費税抜) |
結局、ハスラーとタフトはどっちがおすすめなの?
■いろんなシナリオに余裕で対応したいなら、「ハスラー」がおすすめ
《画像提供:Response 》スズキ ハスラー
高機能な4WD仕様やフレキシブルに対応できる後席アレンジの豊富さ、全車でマイルドハイブリッドを搭載したことによる低燃費など、さまざまな利用シーンに適応できそうな総合力の高さを感じるハスラーは、これ1台でなんでもこなしたい!とお考えの方におすすめといえそう。
独特の表情を持つデザインなどが人気で、もはや軽クロスオーバーSUVとしてではなく「ハスラー」を指名買いする方も多くいらっしゃるので、ハスラーの内外装デザインがお気に入りの場合や、タフトには設定のない2トーンボディカラーがお気に入りの場合にも、ハスラーがもちろんおすすめです。
大ヒット車種だけに、ご近所にハスラーがもう何台もあるというケースもあるかもしれませんので、アクセサリーやボディカラーでオーナーの個性を発揮していきたいところですね。
■使い道明快でとことん使い倒したいなら、「タフト」がおすすめ
《画像提供:Response 》ダイハツ タフト
ハスラーよりもシンプルな仕上がりで、割り切りが感じられるタフトは、アウトドアに通勤やお買い物にと、すでに使い道がはっきりと決まっている場合にはかなりおすすめです。シンプルな操作性で使いやすい室内は、日々のカーライフのお供にぴったりといえそう。
もっとも廉価なグレードでも安全装備が充実しているタフトですが、「X」系グレードではブラック塗装が精悍な印象のスチールホイールが装着されているなど、廉価さとルックスを両立した通好みの装備にも注目が集まります。
またタフトの決め手としては、「スカイフィールトップ」の開放感にやられた!という方も多そう。一度実車で体験してみると、ほかの軽ではなかなか得られない特別な視界の広さにきっと驚いてしまうはずです。
まとめ
《画像提供:Response 》ダイハツ タフト(上)、スズキ ハスラー(下)
ハスラーとタフトを、さまざまな項目で比較してきました。
どちらも最新の軽だけあって非常に魅力的ですが、細かく見ていくと違いも少なくないことがお分かりいただけたはず。どの部分にこだわりたいのか、どんな使い方をする予定なのか、しっかりと見極めた上で、お気に入りの1台を探してみてください。
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よくある質問
■ハスラーっていつから売ってるの?
スズキ ハスラーは、2014年に初代モデルが誕生し、瞬く間にヒットしたことで、軽クロスオーバーSUVのブームを牽引した存在となりました。現在販売されているのは2020年1月に発売された2代目モデルで、人気の高さを初代から受け継いでいます。
■タフトっていつから売ってるの?
ダイハツ タフトは、2020年6月にデビューしたモデルが現在販売されています。過去には普通車サイズのクロカンSUVにも「タフト」という車名のモデルがあったこともあり、現行型は車名としては2代目。また、全体的な雰囲気やフォルムは1999年から発売されていた「ネイキッド」を思わせるところもあり、さまざまなダイハツ車の息吹を感じる仕上がりが見どころです。