スバル インプレッサ 試乗記
気になるスバル、インプレッサの乗り心地はどうでしょう。
新型インプレッサのパワートレインは、エンジンについては直噴化による熱効率向上、チェーンドライブ式CVT「リニアトロニック」については変速比の幅を従来より1割程度拡大するといった改良がなされているが、基本的には従来のアーキテクチャの延長線上のもので、劇的なパフォーマンスの向上はなかった。
走ってみて従来型と最も異なっていたのは、CVTの挙動だった。まず、中高速域でのクルーズ時のエンジン回転数が低くなった。負荷の小さい平地で100km/hを維持する時のエンジン回転数は1500rpm程度、また緩加速でも1600~1700rpmに上がるくらいで、変速比幅の拡大の恩恵が如実に表れていた。
スロットルワークへの応答性も向上していた。従来型の“ドローン”としたフィールではなく、スロットル開度に応じて回転数と車速がある程度リンクして上がるように改良されていた。スポーツレンジではパドルシフトによる擬似マニュアルシフトが可能。また、最近のリニアトロニックは変速機任せでも有段変速機のような動きをするようプログラミングされているが、ステップアップ・ダウンの節度感も増した。峠道など、車速が大きく変化するシーンで変速機がもたついてイライラさせられるようなことはなくなった。
■インプレッサ、燃費はどうか
やはり一番気になるのは燃費!という方も少なくないと思います。
実際のインプレッサの燃費はどうなのでしょうか。
ロングツーリング燃費だが、一部区間を除いて過剰なエコランをせずに走って得られたリザルトは測定区間合計781.7km、給油量合計49.8リットル、満タン法による実燃費は約15.7km/リットルであった。
この数字をどうみるかは微妙なところで、Cセグメントファミリーカーとしてみれば若干不満だが、2リットルAWDという仕様だと思えばまあまあ納得できるという水準。平均燃費計はおおむね5%過大表示といったところで、その数字から推察するに、普通の混雑状況の都心部では11~12km/リットル、速度を落としてエコラン気味にロングドライブをしたときは18km/リットルあたりであろう。
前述のようにパワートレインの効率はそれほど高いようには感じられなかったが、新プラットフォームの採用ゆえか新型インプレッサは空走時の転がりが異常に良く、その走行抵抗の小ささに救われた格好であった。ちなみに試乗車の「2.0i-L」には前輪駆動版も存在する。そちらのほうはもう少し燃費が良い可能性があるが、前編でお伝えしたように新プラットフォームとAWDのコンビネーションによる悪天候下での車両安定性はピカイチと言っていいレベル。個人的には1000km級のロングドライブ1回あたりの燃料代が数百円程度であれば、AWDを選びたいという気分であった。
■スバルがほこる、安全性の高さ
スバルは新型インプレッサの大きなセールスポイントとして、安全性の高さを挙げている。ボルボのように対人事故時にダメージを軽減するボンネットエアバッグを全車標準装備するなど、相当に力を入れているのは確かなようだ。もちろんそれらを試す機会はなかったが、ステレオカメラ方式の先進安全システム「アイサイト3」は相変わらず良い仕事をした。前車追従でクルーズをしていても、前のクルマとの車間を一定に保とうとしすぎず、滑らかさ重視の制御であるのは嬉しい。また、現在の市販車のシステムではセンターラインや路肩のラインを的確に読み取り続けることは難しいのだが、アイサイトは車線の失探率は比較的低いほうであった。
スバル フォレスター 試乗記
料理のできる男子が生命力を連想してもらえるように、SUVがもつ機動力の高さ、心強さはやはり魅力。『フォレスター』はこのジャンルでも身近で、スバルならではの走りのよさが味わえる存在である。
■フォレスター 内装 走りは
フォレスター。
フォレスターの走りはどうなのでしょうか。
内装も加飾類の質感、見え方により配慮が行き届き、外観同様に“ちょっといいクルマになった”と感じる。もともとゆったりとした室内空間だから、居心地がさらによくなった。後席にシートヒーターが設定されたのも、家族で乗るユーザーから歓迎されるだろう。反対にフロントシートは、全体に“腰”がなくなったようにも感じた。
肝心の走りもよくなった。改良前のモデルでは足回りのドタバタ感が気になったが、それが解消。安定感はそのままに、しんなりと心地いい乗り味になった。また乗り味に会わせて走行中のノイズ(振動も)が気にならなくなり、洗練された乗用車の雰囲気が高まった。
スバル XV 試乗記
新型XV。気になっている人も多いかもしれませんね。
今回はそんな新型XVの試乗記を見てみましょう。
インテリアはさすがに大きく異なっていて、特にベンチレーターの吹き出しは従来のナビディスプレイの上から、その左右に位置が変わり、ダッシュの造形は大きく異なっている。2.0iのインテリアは、アクセントとして加えられるオレンジ色のステッチが、従来はシフトレバー根元やシート、それにステアリングなどだったものが、今回はさらにダッシュボードにも加えられて、全体として少し高級感を増した作りとなっている。なお、このステッチは1.6リットル版には入らない。
■旧型とどう違う?XVに乗ってわかること
実は、旧型の改良型に乗ったのはほんの2年ほど前。その時は凄くいいと思ったものだが、たった2年でその印象はガラリと変わってしまった。それを現実のものとしたのは、「スバル・グローバル・プラットフォーム」と名付けられた全く新しいプラットフォームである。すでに『インプレッサ』で実用化されたこの新プラットフォームがXVにも採用されている。前述した剛性感の高さはこれに起因するものなのだが、車内テストによれば走安性も大きく向上しており、スラローム時のロール角も小さくなり、その速度も速くなっているという。今回の試乗ではそこまでのテストはできなかったが、少なくとも剛性の高さと静粛性に関しては、顕著に良くなったことが実感できた。