最高速度350km/h超、0-100km/h加速2.6秒!F1由来の空力と次世代クワトロを投入
《画像提供:Response》〈photo by Audi〉アウディ初のハイブリッドスーパーカー『ヌヴォラーリ』
アウディは2026年6月4日、ブランド初となる高性能ハイブリッドスーパーカー「Audi Nuvolari(ヌヴォラーリ)」を発表しました。システム最高出力736kW(1,001ps)、最高速度350km/h超を掲げる、アウディ史上もっともパワフルで最速の市販モデルです。
車名の「ヌヴォラーリ」は、1930年代にアウトウニオンのレーシングカーを駆った伝説的ドライバー、タツィオ・ヌヴォラーリに由来します。無謀なまでの勇気、独創性、勝利への執念を象徴する名前を掲げ、アウディは電動化時代の新たなスーパースポーツ像を提示しました。
《画像提供:Response》〈photo by Audi〉アウディ初のハイブリッドスーパーカー『ヌヴォラーリ』
パワートレインの中核となるのは、4.0リッターV8ツインターボエンジンです。エンジン単体で588kW(800hp)と最大トルク730N・mを発生し、そこに110kWのアキシャル フラックスモーターを3基組み合わせます。
2基のモーターはフロントアクスルに搭載され、最大2,150N・mのトルクを発生。可変トルク配分を担いながら、次世代四輪駆動システムの核となります。もう1基のモーターはV8ミッドエンジンとトランスミッションの間に配置され、加速時の電動ブーストを支えます。
リチウムイオンバッテリーの総容量は7.3kWhです。大容量EVバッテリーで長距離を走るためではなく、軽量で高出力な電動アシストを狙った設計となっています。
パフォーマンスも強烈です。0-100km/h加速は2.6秒、0-200km/h加速は6.8秒。いずれもバッテリー初期温度28度超、充電残量80%以上という条件下での数値ですが、アウディの市販車として異例の領域に踏み込んでいます。
走行制御では、新世代の「quattro predictive ride」を初導入しました。ステアリング角、加速度、ヨーレート、路面グリップなどのデータをリアルタイムで処理し、コーナーでのグリップ低下を予測。前後左右の駆動力と制動力を先回りして制御することで、高速域での安定性と旋回性能を高めます。
走行モードは、Eハイブリッド、バランス、ダイナミック、ダイナミックプラスの4種類を設定。さらにトラックモードでは、ウェット、ドライ、レース、トラクションコントロールオフなど、サーキット走行を想定した細かなセットアップが可能です。
《画像提供:Response》〈photo by Audi〉アウディ初のハイブリッドスーパーカー『ヌヴォラーリ』
エクステリアにもF1由来の技術が盛り込まれました。アウディのスペースフレーム技術にカーボン外装を組み合わせ、外装部品の大部分にCFRP(カーボンファイバー強化ポリマー)を採用。F1の知見を活かしたプリプレグオートクレーブ技術で製造されます。
空力面では、アクティブエアロダイナミクスシステムを搭載しました。可動式アダプティブリヤウイングは、クローズド、ローダウンフォース、ハイダウンフォースの3段階で制御されます。ハイダウンフォース設定時には400kgを超えるダウンフォースを発生させ、ステアリング上のボタンでDRS(ドラッグリダクションシステム)を手動操作することもできます。
足元には、アウディの量産車として初採用となるセンターロック式鍛造ホイールを装着。ブレーキは新開発の「Audi ceramic pro」で、フロントに420mm×40mmディスクと10ピストン固定キャリパー、リアに410mm×32mmディスクと4ピストンキャリパーを組み合わせます。
《画像提供:Response》〈photo by Audi〉アウディ初のハイブリッドスーパーカー『ヌヴォラーリ』
インテリアはドライバー中心のミニマルな設計に。1930年代のアウトウニオン タイプCへのオマージュとしてカラーアクセントを取り入れ、アルマイト処理されたアルミニウムやカーボンファイバーを使用。不要な装飾を抑え、走行に必要な情報をドライバーの前に集約する思想が貫かれています。
Audi Nuvolariは、R8の後継というより、アウディがF1参戦時代に向けて掲げる新しい技術的フラッグシップといえる存在です。V8エンジン、3基の電気モーター、次世代クワトロ、F1由来の空力制御を組み合わせた499台限定モデルとして、2027年前半から納車が開始される予定です。


