大きく積めて、小回りも得意。全高1.89mの車体に仕事道具を満載
ルノーは2026年9月14日、ドイツ・ハノーバーの商用車ショー「IAAトランスポーテーション2026」で、新型「トラフィック バン E-Techエレクトリック」の詳細を明らかにしました。欧州向けの中型電動バンで、パネルバンは2026年末までに提供される予定です。
《画像提供:Response》《Photo by Renault》ルノー トラフィック バン E-Techエレクトリック
注目したいのは、充電で仕事を止める時間を短くする工夫。新しいプラットフォームに800Vの電気システムを組み合わせ、20分で最大280km分の航続距離を回復できるとしています。81kWhのバッテリーを搭載し、一充電の航続距離は約470km。いずれもメーカー公表値で、航続距離はWLTP認証前の数値です。
配送先を何件も回る日も、遠方の現場へ向かう日も、途中の充電にどれだけ時間を取られるかは大切なポイント。単にバッテリーを大きくするだけでなく、短時間で走行を再開できる仕組みまで整えた点が、新型の見どころです。
《画像提供:Response》《Photo by Renault》スライドドアを開いたトラフィック バン E-Techエレクトリックの荷室
もちろん、商用バンの本分である積載性にも抜かりはありません。荷室容量は最大5.8立方メートル、積載量は1.3トンを確保し、欧州規格のパレットを3枚積載可能。荷室床面の高さを53cmに抑え、荷物を持ち上げる負担にも配慮しています。荷室には外部機器へ給電するV2L機能も備わり、現場で使う電動工具などの電源としても活用できます。
これだけ積める一方、全高は1.89mに抑えられました。高さ制限のある駐車場を利用しやすい寸法で、最小回転直径も10.3m。ルノーは小型乗用車「クリオ」に匹敵する取り回しのよさをうたっています。大容量の荷室と、街なかで扱いやすい車体を両立する狙いです。
ドライバーの居心地にも目を向けています。リアにはマルチリンク式サスペンションを採用し、電動車ならではの静粛性と合わせて、乗用車のような快適性を追求。運転席からの前方・側方の見通しや運転姿勢にも配慮し、一日の大半を車内で過ごす働き方を支えます。
さらに、中身はソフトウェアを中心に機能を更新する新世代設計です。従来のように多数の電子制御ユニットへ機能を分散させるのではなく、2基の高性能コンピューターへ集約。Googleと共同開発したAndroidベースの「CAR OS」を使い、購入後も車両機能をアップデートできる仕組みを採り入れました。機能の追加だけでなく、車両データを活用した予防整備などへの展開も見据えています。
生産はフランスのサンドゥビル工場で行い、2027年には架装向けのシャシーキャブと、乗員スペースを拡げたクルーキャブも追加する計画です。たっぷり積むための車体に、素早い充電と進化するソフトウェアを組み合わせた新型トラフィック。欧州での市場投入に向け、今後の追加情報を待ちましょう。


