目次へ戻る

日産の直4ターボエンジン「VC-T」とは?詳しく解説!

日産の直4ターボエンジン「VC-T」とは?詳しく解説!

2016年9月に開催されたパリモーターショーで世界初公開された日産(インフィニティ)の直列4気筒ターボエンジン「VC-T」。こちらの記事ではVC-Tエンジンがどのような仕組みか、どういった特徴なのか?詳しく解説しています。


VC-Tの最大の特徴は「可変圧縮比」

圧縮比とはシリンダー内でピストンが吸気を圧縮する際に、どの程度まで圧縮するかという数値であり、これが高ければ高いほど多くの空気をシリンダー内で扱うことができるため、高効率(高レスポンス)のエンジンということになる。

では、どんどん圧縮比を高くすれば良いかというと、そうでもないのが難しいところ。

圧縮比を高くすると燃料や吸気温度といった燃調や、点火時期の兼ね合いにより、ノッキング(金属音)が発生しやすくなり、最悪の場合はエンジンブローに直結する事態となってしまう。

ターボエンジンのような高出力を追求したエンジンユニットなら尚更である。

ノッキングの最も基本的な対策は燃調を濃く取ること(リッチセッティング)だが、燃調をリッチにすると吹け上がり(レスポンス)が悪くなり、体感では「ダルいエンジン」になってしまう。

また、現代のようにエコが叫ばれる世の中では、出力効率を追求せざるを得ない。燃調が濃いエンジンなど、もっての他である。

つまりどうしても薄い燃調(リーンセッティング)が前提となってしまい、圧縮比を高くすればもっと効率的にエンジンを回すことができると分かっていながら、思うように上げることができないというジレンマに陥っている。

圧縮比と燃調によりどうすればノッキングを上手く抑え込みつつモアパワー・モアエコを実現できるか、各メーカーのエンジン開発陣共通の頭痛の種となっている。

運転状態に合わせてピストン位置をコントロールする

そんな中、VC-Tは「ノッキングが発生する部分のみ圧縮比を可変」させることによりノッキングを回避することができ、ノッキングの心配がない部分は思いっきり圧縮比を上げパワーを出すことができる。

VC-Tの仕組みは「上死点を動かして圧縮比を下げる」ということだが、簡単に言えば「ピストンの位置を運転状態に合わせてコントロールする」という機能である。

タービンが稼働している(正圧~フルブースト=ノッキングが出やすい)状態では、圧縮比は最小で8.0まで下がり、低負荷(負圧・アクセルオフ・エコ走行時=ノッキングが出にくい)状態では圧縮比は最大14.0まで上げることができる。

今まで誰もやろうとしなかった(正確に言えばやろうとしてもできなかった)機構を実現した日産のエンジン開発陣には驚かされる。

このように、VC-Tエンジンはノッキングの不安を根本的なところから解決できる、ターボとNAエンジンの”いいとこ取り”を実現した夢のエンジンと言っていいだろう。

下記のリンクは、日産の公式ホームページ内のVC-Turboエンジンの技術論文。より詳しい情報や研究内容等を知りたい方は是非参考に確認して欲しい。

日産公式サイトのVC-Tエンジンについての技術論文への外部リンクです。

日産の直4ターボエンジン「VC-T」搭載車、搭載予定車は?

VC-Tエンジンは2018年から量産車へ搭載していくとしており、現時点(2017年10月)では、当エンジンを搭載している車種はありません。

デトロイトモーターショー2017にて出展されたインフィニティQX50コンセプト

インフィニティのクロスオーバーSUV『QX50』(日本名:日産 スカイラインクロスオーバー)新型に採用、搭載予定となっている。

VCターボは、量産型可変圧縮比エンジン。最大の特徴は走行状態によって、圧縮比を8から14の間で可変させる技術を採用した点。インフィニティは次世代の2.0リットル直列4気筒ガソリンターボに、このVCターボ技術を導入する。

インフィニティによると、VCターボ付きの2.0リットルガソリンターボは、高出力と燃費を両立。さらにノイズや振動も抑え、軽量コンパクト化も実現しているという。

【デトロイトモーターショー2017】インフィニティ QX50 次期型はVCターボ搭載へ | レスポンス(Response.jp)

https://response.jp/article/2017/01/10/288103.html

日産自動車の海外向け高級車ブランド、インフィニティが1月9日、米国で開幕したデトロイトモーターショー2017で初公開した『QX50コンセプト』。パワートレインには、新世代の「VCターボ」が搭載される。

新型シルビア 予想CG

また、復活が噂されている日産のスペシャリティカー、「シルビア」にも搭載されるのではないかと噂されている。

関連するキーワード


技術

関連する投稿


略称は「サポカー」国が定めるセーフティ・サポートカーとは?

略称は「サポカー」国が定めるセーフティ・サポートカーとは?

【9/6 更新】日本自動車会議所は、自動ブレーキなどの先進安全技術を活用した一定の運転支援機能を備えた車「安全運転サポート車」の愛称を「セーフティ・サポートカー(略称=サポカー)」に決定したと発表ししました。この「サポカー」はどのように分類されているのか、どんな車種が該当しているのかをまとめました。


スバル アイサイト「ツーリングアシスト」へ!アイサイトの機能まとめ

スバル アイサイト「ツーリングアシスト」へ!アイサイトの機能まとめ

スバルのアイサイト、アイサイト・ツーリングアシストへと進化します。このように日々進化するアイサイト。「アイサイト?あればぶつからないんでしょ」とか思っているあなた!ちゃんと知らないともったいないですよ!この記事を読んだ後は、スバルのアイサイトはここまで進化してるんだよ!と人に教えたくなること、間違いなしです。


こいつ…動くぞ! 日産の動くイス「プロパイロットチェア」が面白い

こいつ…動くぞ! 日産の動くイス「プロパイロットチェア」が面白い

日産の「プロパイロットチェア」はプロパイロットのコンセプトをわかりやすく人々に伝えるために製作された自動で動くイスです。その動画と体験デモの様子を見てみましょう。


家に芝があってもなくても欲しい!ホンダの最新ロボット芝刈り機の魅力

家に芝があってもなくても欲しい!ホンダの最新ロボット芝刈り機の魅力

ホンダは、5月12日から17日にメットライフドーム(旧:西武プリンスドーム)で開催される「第19回国際バラとガーデニングショウ」に、「調和(harmony)~素晴らしき人生をHondaと共に~」をコンセプトとしたブースを出展する。


FCV(燃料電池車) もし水素タンクが炎に包まれたら!?安全性について

FCV(燃料電池車) もし水素タンクが炎に包まれたら!?安全性について

クリーンな未来のクルマ、水素社会の未来を拓くクルマとして注目されているトヨタの燃料電池車「MIRAI」。未知の燃料ともいえる「水素」を抱えて走ることに不安を抱える人も少なくないはず。こちらの記事では、燃料電池車の安全性について説明しています。


最新の投稿


あなたのクルマのニオイは大丈夫!?一車に一つ芳香剤!

あなたのクルマのニオイは大丈夫!?一車に一つ芳香剤!

車の中のニオイは人によって気になります。家族やデートなどで誰かを乗せる時、良いニオイを演出したいし、またプライベート空間として、自分に合ったニオイで、心地よくドライブを楽しみたいものです。車の芳香剤をいくつかご紹介します。


【10月20日更新】東京モーターショー2017 予想されてる出展車両一覧!

【10月20日更新】東京モーターショー2017 予想されてる出展車両一覧!

【10/20情報更新】2017年10月27日~11月5日の10日間で開催される東京モーターショー。本記事では2017年10月開催の東京モーターショーのトレンド、見どころ(出展社、出展車両予想)をまとめて掲載しています。最新の情報を随時更新してお届けしますので、気になる方は是非チェックしてみてください。


ボルボの高性能ブランド発! 高級PHEVクーペポールスター1最新情報

ボルボの高性能ブランド発! 高級PHEVクーペポールスター1最新情報

ボルボ発、高性能ブランド、ポールスター。ブランド初のオリジナルモデル『ポールスター1』が登場しました。今回はこのポールスター1について、最新情報をお届けします。 EV航続距離・スペック・価格などをまとめています。


日産キューブ!中古価格・色・内装・口コミ完全網羅!新型はいつ?

日産キューブ!中古価格・色・内装・口コミ完全網羅!新型はいつ?

日産の車、と聞かれたら何の車を思い浮かべますか?マーチ、ノート…。日産には魅力的な車が多いですが、今回ご紹介するのはキューブです。カワイイ見た目とは裏腹に、パワー面もしっかりしているキューブ。今回はこのキューブの、中古価格や色、口コミ、スペック、燃費などについて見ていきます。


新型ステップワゴンのベストチョイスを考えてみたら意外にも・・・

新型ステップワゴンのベストチョイスを考えてみたら意外にも・・・

マイナーチェンジされた新型ステップワゴンは、スパーダに待望のハイブリッド車が設定されたり、「ホンダセンシング」が全車標準装備になったりと、話題満載の改良になりました。となると、ステップワゴンを選ぶとしたら、ベストチョイスは話題のスパーダハイブリッドでしょうか?それとも・・・