トップへ戻る

元シルビア乗りが見る、新型シルビアの期待と不安。希望的観測

元シルビア乗りが見る、新型シルビアの期待と不安。希望的観測

数年前からにわかに話題となり続けている新型シルビア復活の噂。2018年3月のジュネーブモーターショーでの発表もなく、現状では、まだまだ「期待を込めた噂」レベルな感じも受けますが、新型シルビアが正式に復活となった場合、S13シルビア~S15シルビアまで乗り継いできた元シルビア乗りとして、様々な期待と不安が心を騒がせます。

[PR]本ページはプロモーションが含まれています
⏳この記事は約3~4分で読めます。


日産にとってのシルビアとは

新型シルビアについて、まず不安になる点を挙げると何よりも心配に思うのは、新型シルビアはシルビアたり得るのかという点です。

元々シルビアは、日産がスペシャリティーカーとして販売していた車でした。スペシャリティーカーが何なのかは解釈が様々分かれるところではありますが、一般的な解釈で言えば、「カッコイイ2ドアでスポーツカーっぽさを味わえる、デートにも使える若者向けの車」のことです。

日産 初代シルビア

初代シルビアや、空前の大ヒットとなったS13シルビアが発売された当時と現代では、大きく時代が異なります。「カッコイイ」の条件もかなり変わってきているでしょう。
「スポーツカーっぽさ」についても、環境保護が叫ばれる現代社会においては欠点になりかねません。

シルビアにまつわる日産の想定外

また、どんな車にも言えることですが、「自動車メーカーが考えているその車のイメージと、ユーザーが持っているイメージがイコールとは限らない」という点も、非常に大きな期待でもあり、不安でもあります。

「自動車メーカーの想定外の理由でユーザーにウケた」という例は、昔から非常に多く存在しています。

S13シルビア

日産の想定外・1

そして何より、歴代シルビア最大のヒットとなったS13シルビアが、正にその「想定外の理由」で爆発的なヒットを呼んだ過去があるのです。

日産はS13シルビアを、「デートカー」と位置付け開発し、発売を開始しました。また、「女性にウケるデザインにする」というコンセプトもあったようで、S12シルビアから大きく外観を変え、スタイリッシュな車両としてリリースされました。

しかし、発売開始直後こそコンセプト通りに見えた状況が、蓋を開けてみると「走り屋に人気のスポーツカー」という状況になっており、「格安で入手可能なスポーツ走行を楽しむための車」としてヒットを続けていったのです。

日産の想定外・2

そして、「シルビアにまつわる日産の想定外」はまだ続きます。

S13シルビアの大人気を受けてリリースされたS14シルビアは、「意のままの楽しい走りとセンスの良さを徹底追及したスタイリッシュスポーツクーペと、「S13シルビアでウケた走行性能を正統に進化」させるとのコンセプトの元、開発され発売されました。

参考画像:S14シルビア GT300仕様ザナヴィシルビア(98年)のレプリカ

しかし、コーナリング性能向上のために拡大されたトレッドにより、全幅は3ナンバーサイズとなり自動車税が増加。それを受けて「格安で入手可能」というイメージが崩壊し、主なユーザー層だった若者からは批判されることに…。

日産の想定外・3

とは言え、シルビアには逆の想定外もあり、開発予算の関係で足廻りはほぼそのまま継承されていたため、8割以上のパーツが流用可能となっており、ユーザーからは「チューニングのユーザビリティに優れている」、「汎用パーツが豊富で入手しやすい」と高評価を得ている面もあります。

もしかしたら「ダブルウィッシュボーン等にランクアップさせたいのに予算が無い」と、日産の開発陣は悔しい思いをしたかも知れませんが、格安に遊べるスポーツカーを求めていたユーザーにとって、流用性の高い車で在り続けてくれたと評価され、思わぬ高評価につながることになりました。

ユーザーが求める「シルビアらしさ」とは

以上のことから、シルビアを支持するユーザーがシルビアに求めているシルビアらしさとはズバリ「安くて(維持費含む)扱いやすいFRクーペ」ということになり、日産の言う「スペシャリティーカー」のコンセプトとは明らかなズレがあると感じます。

新型シルビアがもしリリースされるのであれば、日産にとっては大変だと思いますが「安くてカッコイイFRクーペ」にして欲しい…と願って止みません。

シルビアの人気「不完全だから良い」

シルビアは走り屋に人気があるということは、既知の事実であり真実です。

今となっては希少なFRパッケージ、リーズナブルな車両価格、それでいて比較的高い運動性能と、人気の理由には事欠きませんが、元シルビアユーザーとしての視点から考えると、全く別の良さがあるのです。

S13シルビア以降のシルビアに共通するシルビアの最大の魅力とは、「不満点があること」なのです。

通常、走り屋と呼ばれる属性の人たちは、自分である程度の改造を施します。
実際に走行して分かった不満点、例えば「パワーが足りない」「旋回性が悪い」「ブレーキがもうちょっと効いて欲しい」という不満を解消するべく改造を行うのです。

1995年の車両法規制緩和によって、改造の自由度は大幅に増加し、アフターパーツマーケットには品物が溢れ、誰でも気軽に改造を楽しむことが出来るようになっています。

しかし、未だ「改造=悪」という潜在的なイメージが世の中に存在していることも事実と言えるでしょう。車両の改造という行為に、合法ではあるものの罪悪感を多少感じてしまうというチューニングカーユーザーも少なからず居るでしょう。

そんなユーザーの背中を押すのが、シルビアの「不満点」なのです。「俺はココが不満だからしょうがなく改造しているんだ」という自己暗示型の言い訳をちょうどよく与えてくれるのです。

S13以降のシルビアに感じる不満点

S13シルビアの初期モデルには、CA18DE (T) エンジンが搭載されていましたが、これはパワー不足が否めず、多くのオーナーは不満を持っていました。

その後のS13は、エンジンがSR20DE (T) に変更され、パワー不足は改善されたものの元々のロングノーズ・ショートデッキというスタイルの影響もあり、アンダーステアが強く、旋回性はお世辞にも良いとは言えませんでした。

S14シルビアでは、不人気だったタレ目は有名ですが、旋回性を求めて増やした全幅は振り回しやすさを損ない、S13シルビアから進化をしていない不足気味のボディ剛性に対する不満が良く聞かれました。

また、せっかくボールベアリングタービンを搭載しているのにブースト圧が低く、パンチに欠けるという批評も聞かれます。

S15シルビア

S15シルビアでは、ボディ剛性も大幅に向上し、ボディサイズも一回り小さくなり、出力もSR20DETで250psと全体的にブラッシュアップが図られましたが、250psの出力に対するブレーキや縮小されたトレッド幅によるコーナリング性能のスポイルが目立つようになってしまいました。

また、トラクションの掛かりは飛躍的に向上しましたが、その反面、コーナリング中に限界を超えた直後のアンコントローラブルな性格が、シルビアのサスペンション機構の限界を感じさせるものとなっています。

これらの“挙げ出したらキリがない”ほどの「不満点」を与え、チューニングの後押しをしてくれるのがシルビアなのです。

シルビアはチューニングベースとしての素質が高かった

改造する必要性を多く感じ、チューニングパーツが豊富にあったとしても、シルビアが改造し辛い車だったなら、現在のような人気は無かったでしょう。シルビアは、とにかく改造しやすい車と言えます。

改造しづらい車だと、「マフラーを交換するだけでもプロが数人掛かり」だったり、「エアクリーナーを交換しようものならセッティングが狂う、ECUで弾かれてろくすっぽ走らない」、「オーディオデッキを交換するためにダッシュボードを全バラシ」ということもあります。

「比較的エンジンルームのスペースにも余裕があり、パーツの着け外し自体が簡単に行える」、「プレミアムカーではないのでそもそも部品点数が少ない」、「サスペンション交換が簡単なストラット+マルチリンク式」、「少しチューニングするだけで大きく性能が向上する素性の良さ」など、まるで日産が「どうぞ、お好きに弄ってください」と言わんばかりのキャラクターなのがシルビアです。

以上、長文となりましたが新型シルビアに対する不安は、ここまで挙げた「シルビアらしさ」をどこまで継承してくれるか、といったところです。

日産 新型シルビアに期待したい点

もちろん新型シルビアのここに期待したい、期待しているという要素も複数あります。

新型シルビア 予想CG

新型シルビアのネーミング

ネーミングは期待の方が大きいポイントです。

是非とも「シルビア」を継承して欲しいと願っています。可能であれば「S16」と型式も継承して貰えれば、シルビアファンとしてこれほど嬉しいことはありません。

パワートレインについて

2ドアのFRプラットフォームも継承して欲しい点として多くのシルビアファンが挙げる点かと思います。個人的には2シーター/2人乗りでも構わないと思っています。

現在、新型シルビアのパワートレインとして有力視されているのが、直4ターボエンジンである「VC-T」と言われています。

ターボモデルのラインナップは貫いて欲しいと思っていますが、現在の自動車を取り巻く環境を考えると、昔のような「アクチュエーターをちょっと弄ってドッカン」は難しく、「マイルドで低回転からサポートするような」、「しっとりと電子制御されたターボ」になる可能性が高いかも知れません。

ミッションに関しては、ほぼAT車の世の中ではありますが、従来のシルビアユーザーはMT車しか望んでいません。
MTラインナップが継続してくれることを期待します。

S15シルビアの6速MTは賛否両論ありましたが、恐らく搭載されるとすれば6速以上のマニュアルミッションとなるでしょう。

デザインについて

新型シルビアのデザインについて、エクステリアはフロントマスクにVモーショングリルデザインを採用する、インテリアは7~9インチ程度の比較的大きいモニターと操作系スイッチがお洒落に配置されるなど、所謂「今風」なデザインになることはある程度予想が付きます。

デトロイトモーターショー2017で公開された「Vmotion 2.0」

今まではデトロイトモーターショー2017で発表された「Vモーション2.0コンセプト」が新型シルビアのイメージに近いと個人的に思っていました。

東京モーターショー2013で公開された「IDx NISMO」

しかし、東京モーターショー2013で発表された「IDx NISMO」のイメージもフェアレディZに近いものの、初代シルビアのそれに通ずるものがあり、無視することが出来ません。

前後重量配分を考えると、マツダのND系ロードスターのようなフロントミッドシップが正解と言えますし、直進安定性を考えるとロングホイールベースになる可能性も捨てきれません。

いずれにせよ、ロングノーズ・ショートデッキの古き良きスポーツカーのシルエットに少しでも沿ってくれるようなデザインに期待したいと思います。

価格についても期待

元々、同グレードの他社車種に対して、比較的安価に入手出来ることがメリットの一つでもあったシルビアを名乗るからには、販売価格帯は大きなトピックです。

新型シルビアのライバル車はロードスターやアテンザ、スイフトといったライトウェイトスポーツカーからシビックタイプRや86(BRZ)といった国産スポーツカーたちになるはずです。

それらの販売価格を鑑みて、250万円以下で発売されれば、文句なく格安な車両と言えるでしょう。

最後に。

新型シルビア発表の噂について、一時期の盛り上がりは現在薄れてきています。脱化石燃料の時代が近付いており、GT-Rにも生産終了の噂が浮かぶ中、新しいスポーツカーの開発は簡単なことではないでしょう。

日産にはスカイライン、フェアレディZというFRスポーツが存在し、これ以上スポーツカーのラインナップを増やすのは経営戦略上どうなのかという疑問も少なからず残ります。

しかし、S13~S15シルビアのような、若者が気軽に楽しく、その気になれば本気のスポーツ走行までカバー出来るスポーツカーが日産のラインナップに無いのは寂しい限り。

他社のスポーツカー開発が羨ましいと感じている元シルビア乗りは相当数居ると思いますが、私自身、もし新型シルビアがシルビアの名を冠して発売されれば飛び付きたい気持ちでいっぱいですので、日産にはシルビア復活のその日まで頑張っていただきたいと思っています。

関連するキーワード


日産 車種情報 シルビア

関連する投稿


新型フェアレディZ NISMO初公開!2024モデルやカスタマイズドエディション追加も今すぐは買えない?

新型フェアレディZ NISMO初公開!2024モデルやカスタマイズドエディション追加も今すぐは買えない?

日産は、2023年8月1日、一部仕様を向上した新たな「フェアレディZ 2024年モデル」を発表しました。合わせてパフォーマンスを向上させた「フェアレディZ NISMO」を新たに追加しました。さらに、「東京オートサロン2023」に出展された「フェアレディZ Customized Edition」を再現できる日産純正アクセサリーパッケージも同年10月下旬に発売するようです。


3列シート/7人乗りSUV 国産車&外車 25車種を一覧で比較!

3列シート/7人乗りSUV 国産車&外車 25車種を一覧で比較!

ファミリーカーとして人気を博しているミニバンに待ったをかけるのが、多人数も乗れるSUV。最近では3列シート・7人乗りSUVが続々市場に導入されています。本記事では、現在日本で購入可能な、現役の国産車から外車まで、ありとあらゆるメーカーの「3列シート/7人乗り SUV」についてまとめてご紹介します。


【2023年】日産の現行スライドドア車まとめ!伝統のミニバンから軽まで種類が豊富

【2023年】日産の現行スライドドア車まとめ!伝統のミニバンから軽まで種類が豊富

ご家族で利用される車についていて欲しい機能といえばスライドドア。お出かけやお買い物、とっさの雨でのお出迎えまで、スライドドアが付いていれば日々のカーライフがより充実すること間違いなしですよね。先進の運転支援技術で人気の日産のラインアップでも、スライドドアを装備した車が多数用意されています。一覧でご紹介していきますので、一体どの車種があなたにぴったりなのか、検討してみては。


【2022年上半期】ミニバン販売台数ランキング!今売れてるミニバンはこれだ!

【2022年上半期】ミニバン販売台数ランキング!今売れてるミニバンはこれだ!

クルマのボディタイプでも1、2を争う人気のミニバン。ファミリーに人気のタイプから高級志向のミニバンまで幅広いタイプのミニバンが存在します。この記事ではどんなミニバンが人気なのか、自販連が発表している月別統計データをもとに、ミニバン販売台数上位車種をご案内します。どのミニバンが人気で売れたのか?ランキング形式で見ていきましょう!


日産 サクラ(SAKURA)の価格、内装、発売日、納期まで徹底解説!

日産 サクラ(SAKURA)の価格、内装、発売日、納期まで徹底解説!

新型軽自動車EV 日産 サクラは2022年5月20日に初披露され、注目されている電気自動車です。日本の電気自動車の時代を彩り、代表する車になってほしいという思いもあるので期待も高まっています。この記事では、日産 サクラのグレードや人気のカラーなどの情報をまとめていますので、購入を検討中の方は参考にしてください。


最新の投稿


マツダ新型「CX-80」世界初公開! 最上級の3列シートSUV日本導入はいつ?

マツダ新型「CX-80」世界初公開! 最上級の3列シートSUV日本導入はいつ?

マツダは、欧州で2024年4月18日(現地時間)に、新型「CX-80」を世界初公開しました。欧州では5月に予約受注を開始し、今秋の発売を予定していますが、同車は日本にも導入予定のあるクルマです。


【2024年】d払いなら自動車税支払いでポイントがもらえる!1,000万ポイント山分けキャンペーン開催中

【2024年】d払いなら自動車税支払いでポイントがもらえる!1,000万ポイント山分けキャンペーン開催中

5月上旬に届く自動車税(自動車税種別割)・軽自動車税(軽自動車税種別割)の納付書。支払方法をどれにしようか迷っている方も多いのではないでしょうか。キャッシュレス化が推進され、自動車税・軽自動車税を支払えるスマホ決済サービスが増えていますが、今年は「d払い」での支払いがおすすめ!この記事では、自動車税をd払いで支払うおすすめのポイントを紹介します。


【2024年最新】PayPay(ペイペイ)での自動車税の支払い方法を徹底解説!ポイントはもらえる?

【2024年最新】PayPay(ペイペイ)での自動車税の支払い方法を徹底解説!ポイントはもらえる?

毎年5月上旬に届く自動車税(自動車税種別割)・軽自動車税(軽自動車税種別割)の納付書。今回はキャッシュレス決済のなかでも、登録ユーザー数が6,000万人を超えるQRコード決済「PayPay(ペイペイ)」を使った自動車税・軽自動車税を支払うメリット・デメリット、支払い手順などを解説します。


自動車税はいつ払うの?支払い方法や納税証明書の請求方法まで徹底解説!

自動車税はいつ払うの?支払い方法や納税証明書の請求方法まで徹底解説!

自動車を所有している人に、5月上旬になると届く自動車税・軽自動車税の納税通知書。実際自動車税はいくらかかるのでしょう。その納付方法は?支払いを忘れて滞納してしまったり、納付しなかった場合にどうなるのかもあわせて解説します。


ミツオカ新型「リューギEX/リューギ ワゴンEX」発表!MT設定も用意されるクラシックなセダンとステーションワゴン

ミツオカ新型「リューギEX/リューギ ワゴンEX」発表!MT設定も用意されるクラシックなセダンとステーションワゴン

株式会社光岡自動車(ミツオカ)は、2024年4月4日、ミディアムクラスセダン「リューギEX」と、ミディアムクラスワゴン「リューギ ワゴンEX」の一部改良モデルを発表。同日より販売を開始しました。


ブログ 始め方 新車情報 GW 渋滞予測 自動車税 新型iphone 予約 iphone15 予約 楽天モバイル 評判 wimax au回線 副業 年賀状 安い