給油所、20年で半減
経済産業省の調べで全国のガソリンスタンド(給油所)の数が約20年間で半分に減っているのだという。
日経新聞の報道によると、ピーク時の1994年度には6万421カ所だったガソリンスタンドは21年
連続で減り続け、2015年度末時点で3万2333カ所と、ほぼ半減してしまったそうだ。
2015年度に新規開業したスタンドは202か所で過去最少。一方で廃業したスタンドは1379カ所もあったとのこと、また、市町村内にスタンドが3か所以下しかない過疎化が進む自治体は288地域と、3年前から12.1%も増えているそうです。
ガソリンスタンド倒産の原因は?
帝国データバンクは、2006年度から2013年度の間で倒産(法的整理)または休廃業・解散によって市場から消滅したガソリンスタンド経営業者を集計、分析。その結果を発表した。
倒産、休廃業・解散動向
2013年度のガソリンスタンド経営業者の倒産は39件発生、前年度(47件)を17.0%下回り、2年連続での減少となった。
ガソリンスタンド経営業者の倒産も全業種の倒産件数の推移と変わらず、減少基調を見せている。2009年度以降ガソリン卸価格は増減しながらも右肩上がりで推移、仕入価格上昇で収益を悪化させている企業が見受けられるが、倒産件数自体には影響が出ていない。負債総額は127億9400万円、前年度を7.7%下回った。
倒産件数とレギュラーガソリン卸価格の推移
■高齢化が原因のひとつか?
代表者年齢別「休廃業・解散」企業
2013年度に「休廃業・解散」したガソリンスタンド経営業者の代表者を年齢別にみると、「70才以上」が103件(構成比42.9%)で最多。「60才以上」で見ると191件(同79.6%)と全体の8割を占めた。全業種の「60才以上」(同74.7%)と比較しても、ガソリンスタンドの経営者に高齢化の波が押し寄せており、休廃業・解散の増加要因となっていることが分かる。
ガソリンスタンド空白地帯対策、経産省がハンドブック
ガソリンスタンドの減少をうけ、経済産業省はガソリンスタンド(SS)の空白地域対策を検討する「SS過疎地対策協議会」を開催し、「SS過疎地対策ハンドブック」をまとめるとともに、今後の対応について協議を行った。
今回、第3回協議会を開催し、SS過疎地で地域が一体となって課題解決に取り組む一助となるよう、SS過疎地の先進事例及び共通して見られる「3つのアプローチ」
・地域のニーズにきめ細かく対応する総合生活サービス拠点化
・地域参加型でSSを運営する体制構築
・ビジネスモデルの大胆な見直し
とSS過疎地対策に取り組むため、課題の認知、検討、実践、評価・改善の「4段階のプロセス」を分析し「SS過疎地対策ハンドブック」を作成した。
また、SS設備更新に必要なコストや国による支援策などのビジネスプラン検討に必要な基礎情報・支援ツールを整理、今後は、地元住民の利便性の観点から居住地から最寄りSSまでの道路距離分析情報を自治体に共有し、課題の認知を促すなどの対策を行っているそうです。
ガソリンスタンド跡地を有効活用する企業も
「車楽」新居浜店
一方で、ガソリンスタンドの跡地をビジネス活用する企業も出てきている。
クルマの美容室として愛媛県でカーディテイリングサービスを展開する「車楽」の新居浜店はガソリンスタンドの跡地を利用している。
土地面積190坪のガソリンスタンドのキャノピーを上手く利用しながら、通行量の多い国道11号線からの視認性も意識した、シャッター付きの利便性の高いシースルーの作業ピットを設けており、洗車・コーティング・ラッピングを効率よく施工することができるそうです。