はじめに
「自動車騒音の大きさの許容限度」(昭和50年環境庁告示第53号)が改正され、交換用マフラーを備えた車両のうち、四輪車などの近接排気騒音について車種ごとに上限値を定めた絶対値規制に代えて、使用過程時、新車時騒音から悪化しないことを確認する近接排気騒音の相対値規制が導入されました。
言葉だけだとわかりにくいので、詳しく掲載していきます。
改正の概要
2018年11月30日付けで「自動車騒音の大きさの許容限度」(昭和50年環境庁告示第53号)が改正され、交換用マフラーを備えた車両のうち一部の四輪自動車等の近接排気騒音について、車種毎に上限値を定めた絶対値規制に代え、使用過程時において新車時の騒音から悪化しないことを確認する近接排気騒音の相対値規制を導入されました。
環境省_「自動車騒音の大きさの許容限度」(昭和50年環境庁告示第53号)の一部改正について
http://www.env.go.jp/press/106201.html新車時の近接排気騒音値が車両の種別毎に一律に設けられた許容限度を上回る四輪自動車等に交換用マフラーを備える場合の近接排気騒音の許容限度について、騒音規制法第16条第1項の規定に基づく「自動車騒音の大きさの許容限度」(昭和50年環境庁告示第53号)の一部を改正しました。
■改正の経緯
交換用マフラーを備える場合の近接排気騒音の許容限度については、昨年12月に新車時の近接排気騒音値が車両の種別毎に一律に設けられた許容限度を上回る二輪自動車等について、新車時の騒音から悪化しないことを確認する相対値規制を導入する等の改正が行われました。
四輪自動車等についても同様の改正を行ったのが今回の改正になります。
■改正の内容
新車時の近接排気騒音値が車両の種別毎に一律に設けられた許容限度を上回る四輪自動車等に交換用マフラーを備える場合の近接排気騒音の許容限度について、新車時の騒音から悪化しないことを確認する相対値規制が適用されます。
■施行期日
平成30年11月30日とすでに施行されました。
いきなり施行された感がありますが、実は平成30年1月29(月)~平成30年2月27(火月)まで改正についての意見募集(パブリックコメント)がされていました。
残念ながら 「「自動車騒音の大きさの許容限度」の一部を改正する案」に対する意見の募集(パブリックコメント)の意見提出件数は3件と寂しい結果でしたが。
「自動車騒音の大きさの許容限度」改正にともない、交換用マフラーを備えた車両のうち一部の四輪自動車等の近接排気騒音について、車種毎に上限値を定めた絶対値規制に代え、使用過程時において新車時の騒音から悪化しないことを確認する近接排気騒音の相対値規制を導入されることになりました。
これに対応するため、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」(平成14年国土交通省告示第619号)について改正が実施されました。
やはり言葉だけだとわかりにくいので、詳しく見ていきましょう。
実際どうなる?
ちょっと長くなりましたが今回の改正内容について、簡単に言うと、
具体的に車種毎に定められた一定の値を超えた車両に関して基準値+5dBまでに抑えなさいという内容です。
車種毎に定められた一定の値
・乗合車・貨物車(車両総重量3.5t 超、最高出力150kW 超) :94dB
・乗合車・貨物車(車両総重量3.5t 超、最高出力150kW 以下) :93dB
・乗合車・貨物車(車両総重量3.5t 以下) :92dB
・乗用車(車両後部にエンジンを有するもの) :95dB
・乗用車(車両後部にエンジンを有するもの以外のもの) :91dB
※2 新車時の近接排気騒音(車検証等に記載)に5dB を加えた値以下であること。
例を挙げるとFRモデルは91dbが基準値ですが、新車時の接排気騒音(車検証等に記載)が92dbだった場合、97dbまでは許容されるということです。
例:乗用車(車両後部にエンジンを有するもの以外のもの)
新車時の近接排気騒音:92dB(>91dB) 規制値:92+5 = 97dB
プラス5dBの幅を持たせてるは経年劣化で音が大きくなっていく可能性があるので安全マージンのためにとられているのかもしれません。
ちょっとわからなかったのが新車時の近接排気騒音が基準値以内(例:80dB)の車両の場合は91dbまでOKなのか車種の設定値プラス5dbまでOKなのかが不明ですね。
基本はJASMA(日本自動車スポーツマフラー協会)会員企業のアーキュレー、フジツボなど有名所の車種に適合したスポーツマフラーなら概ねこの数値を超えないものなので実質問題はなさそうですね。
ちなみに車検は平成22年4月1日以前に生産された車両の場合、JSMA認定品マフラーなら問題なく車検は通りますが、平成22年4月1日以後に生産された車両車両に装着されているスポーツマフラーは「事前認証」を取得した性能等確認済マフラーでないと車検を受けることができません。
最後に
昔は近所を夜爆音を鳴らしながら駆け抜けていくバイクやクルマもそれなりにいましたが、最近はマフラー規制がより厳しくなりそういった違法マフラーの車両も少なくなってきましたね。
マフラー交換自体は走行性能やフィーリングも良くなる場合も多いですし、何と言っても2本出し、4本出しで見た目もよくなるので筆者的には規制範囲なら肯定派です。
しかし最近は純正マフラーから交換すると入庫不可なディーラーや、売却時の純正戻しなども面倒で昔ほど交換する方が減ってきた気がします。
市場が縮小してきている上に、規制もどんどん厳しくなりマフラー生産メーカーも大変だと思いますが、日本には技術力の高いマフラーメーカーも多いので頑張って欲しいですね。