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AT車でも起こりうるエンスト。その原因と対処法を徹底解説

AT車でも起こりうるエンスト。その原因と対処法を徹底解説

今回はMT車(マニュアルトランスミッション車)では起こりやすいエンストが実はAT車(オートマ車)でも起こります。本記事ではその原因、理由と対処方法や直し方についてご紹介していきます。

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そもそもエンストとは?

エンストという現象は、何らかの理由でエンジンの回転が停止し、十分な駆動力を発揮できなくなることを指しています。

そもそもエンストという言葉の名称は、「エンジンストップ(Engine Stop)」と思われがちですが、正しくは「エンジンストール(Engine Stall)」という言葉になります。

これは、意図的に停止するニュアンスを含んでいる「ストップ」に対して、段々と勢いを失って停止するという意味の「ストール」という言葉の方が適切であるとされている為です。

エンストが起こる原因って?

エンストは、基本的にはMT車で半クラッチが足りていない際に起こる現象です。これは、エンジンの力の源を解説すると少しイメージがつきやすくなります。

エンジンが生み出す力には、馬力とトルクの2種類があり、これらはエンジンの回転数が上がれば上がるほど増加していきます。

車が停止している状態から推進力を持って発進するために必要なのは、主にトルクの力ですが、アイドリング状態の回転数だけでは不十分です。その為、アクセルを踏み込んで、エンジンの回転数を上げ、トルクを増加させる必要があります。

MT車の場合

AT(オートマチックトランスミッション)車であれば、この一連の動作を自動で行いますが、MT(マニュアルトランスミッション)車の場合には、ドライバーがクラッチを踏んで、ギアを1速に入れつつアクセルを踏んで回転数を上げて、半クラッチを経てクラッチを繋ぎ、車両を発進させるという流れを組まなければいけません。これが上手に出来ないと、エンジンも車も止まってしまいエンストしてしまいます。

またエンジンの回転数が十分であったとしても、急激にクラッチを繋ぐとこれもまたエンストしやすくなります。発進時に1速でなく、2速で発進しようとしたりしても、エンストになる確率が上がってきます。

ですので、車をスムーズに発進させる際には、エンジンの回転数を徐々に上昇させて十分なトルクを発生させ、低いギアから力をタイヤに伝えていくという作業の連続になります。この動作が一つでも機能しないと、発進時にギクシャクしたり、エンストする確率が上がってしまいます。

AT車もエンストするって本当?

頻度としてはそこまで多くはありませんが、AT車であっても燃料制御周りのトラブルが原因でエンストが起こる場合があります。どのようなケースがあるのかを列挙してみます。

発進時にエンストが起こるケース

アイドリングの回転数が低い為、トルクが足りない

シフトレバーをN(ニュートラル)もしくはP(パーキング)からD(ドライブ)に入れると、エンジンにトルコン(トルクコンバーター)の負荷がかかります。その際にアイドリングの回転が低過ぎると、エンジンの回転がトルコンの負荷に耐えきれずにエンストを起こすことがあります。

走行中にエンストが起こるケース

ポンプの詰まりや燃料制御などといった燃料系のトラブル

燃料ポンプやキャブレターの詰まり、燃料噴射プログラムにトラブルが起きている場合などの、最適量の燃料を噴射が出来ない状況になると、エンジンが十分なパワーを発生する事が出来ず、エンストの種となります。

その他のケース

違う燃料を給油した

ガソリン車に軽油を入れた場合やディーゼル車にガソリンを入れた場合なども、燃料の適切な燃焼が起きずにエンストしてしまいます。また最悪の場合はエンジンが壊れる事もあるので、給油の際には注意が必要です。

アクセル開度センサーや燃料ポンプへのエアーの混入

スロットルバルブのバキュームセンサー(アクセルの動きを検知するセンサー)の異常や、燃料ポンプのひび割れなどによるエアーの混入でエンストが起きる事があります。定期的なメンテナンスを行って、整備をするようにしましょう。

エンストしてしまった場合の直し方・対処方法は?

運転中にエンストに気づいたらまずは停車を

駐車場でエンストを起こした際には、エンジンをかけなおせば基本的には問題ありません。むしろ、注意しなければいけないのは、走行中にエンストが発生した場合です。オートマ車が坂道発進時にエンストを起こすと、不慣れな為か、初期対処が遅れてしまうことがあります。

エンストしたと感じたら、まずは車の停車を優先させましょう。停車するためには、ギアをN(ニュートラル)に入れて、ハザードランプをつけて周りの車に異常を知らせながら停車をする準備をしていきます。

その次にブレーキによる停車を試みますが、エンスト時にはいつも以上にブレーキが硬い状態です。強い力でブレーキペダルを一気に踏み込んで、車を停車させましょう。

車を停車させたら、N(ニュートラル)からP(パーキング)にギアチェンジをして、サイドブレーキをかけます。

再度車を発進させる

安全を確認した後に再度車を発進させる場合には、ギアをPの状態に戻していることを確認してからエンジンをかけていきましょう。もしも、道路の途中で車を停車させていて、ギアをPに戻してから再度エンジンをかけても正常に作動しない場合には、ギアをNに入れた後に車を押して、安全な場所まで移動させるようにしましょう。

後続車による事故を防ぐ事も重要

高速道路などを走行している際などの思わぬエンストで、すぐにエンジンを始動できない場合には、車に搭載してある三角停止板や発煙筒を使って後続車にトラブルがあったことを伝えるなどして、自身の身の安全と後続車への危険を知らせましょう。また、JAF等に連絡して、車の移動の手配を行います。

故障の場合のエンストも存在する

エンストの修理費用は、壊れた箇所によって大きく変わってきます。修理代が大きくかかるケースは無論エンジンの故障です。故障の詳細内容にもよりますが10~50万円程度の高額な修理代がかかるケースも多くあります。

エンジン以外の細かいパーツの故障が原因であれば、数千円程度でパーツ交換が可能なのですが、カー用品店などに依頼して作業をする場合には、1時間もかかりませんが、工賃を含めて数万円程度するケールもあいます。ここではエンストにおける修理例をいくつか紹介します。

坂道走行の際に加速時のエンスト

燃料の噴射関連のセンサーにトラブルの可能性があります。燃料機器系のトラブルであれば、燃料ポンプの交換を行い、また根詰まりであれば燃料ホースを洗浄する事で解決する可能性があります。

走行中の急なエンスト

電気系統のトラブルの可能性があります。バッテリーが上がってしまているという単純なトラブルの可能性もありますが、何度もエンストを繰り返す場合には発電系のオイルネーターが故障している疑いがあります。オイルネーターの修理や交換には5万円程度の費用がかかります。

上記でご紹介している事例はエンストの原因の一部であり、実際にはエンストの原因にはさまざま可能性があります。1つの故障であればお金はかかりますが、対処可能ですが、複数箇所にまたがって故障しているという可能性も否定出来ません。そうなると、修理費用が予想以上に高くかかる可能性もあるので、そのような場合には廃車を検討することをおすすめします。

まとめ

AT車だからと安心していると、急なエンスト時に適切な対処が出来なくなってしまうケースもあるので、十分注意が必要です。また、もしも故障が原因のエンストであれば、修理箇所によっては高額な費用がかかることもあります。場合によっては車の買い替えも検討してみてはいかがでしょうか。

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