トップへ戻る

AT車でも起こりうるエンスト。その原因と対処法を徹底解説

AT車でも起こりうるエンスト。その原因と対処法を徹底解説

今回はMT車(マニュアルトランスミッション車)では起こりやすいエンストが実はAT車(オートマ車)でも起こります。本記事ではその原因、理由と対処方法や直し方についてご紹介していきます。

[PR]本ページはプロモーションが含まれています
⏳この記事は約3~4分で読めます。


  • カービュー査定

そもそもエンストとは?

エンストという現象は、何らかの理由でエンジンの回転が停止し、十分な駆動力を発揮できなくなることを指しています。

そもそもエンストという言葉の名称は、「エンジンストップ(Engine Stop)」と思われがちですが、正しくは「エンジンストール(Engine Stall)」という言葉になります。

これは、意図的に停止するニュアンスを含んでいる「ストップ」に対して、段々と勢いを失って停止するという意味の「ストール」という言葉の方が適切であるとされている為です。

エンストが起こる原因って?

エンストは、基本的にはMT車で半クラッチが足りていない際に起こる現象です。これは、エンジンの力の源を解説すると少しイメージがつきやすくなります。

エンジンが生み出す力には、馬力とトルクの2種類があり、これらはエンジンの回転数が上がれば上がるほど増加していきます。

車が停止している状態から推進力を持って発進するために必要なのは、主にトルクの力ですが、アイドリング状態の回転数だけでは不十分です。その為、アクセルを踏み込んで、エンジンの回転数を上げ、トルクを増加させる必要があります。

MT車の場合

AT(オートマチックトランスミッション)車であれば、この一連の動作を自動で行いますが、MT(マニュアルトランスミッション)車の場合には、ドライバーがクラッチを踏んで、ギアを1速に入れつつアクセルを踏んで回転数を上げて、半クラッチを経てクラッチを繋ぎ、車両を発進させるという流れを組まなければいけません。これが上手に出来ないと、エンジンも車も止まってしまいエンストしてしまいます。

またエンジンの回転数が十分であったとしても、急激にクラッチを繋ぐとこれもまたエンストしやすくなります。発進時に1速でなく、2速で発進しようとしたりしても、エンストになる確率が上がってきます。

ですので、車をスムーズに発進させる際には、エンジンの回転数を徐々に上昇させて十分なトルクを発生させ、低いギアから力をタイヤに伝えていくという作業の連続になります。この動作が一つでも機能しないと、発進時にギクシャクしたり、エンストする確率が上がってしまいます。

AT車もエンストするって本当?

頻度としてはそこまで多くはありませんが、AT車であっても燃料制御周りのトラブルが原因でエンストが起こる場合があります。どのようなケースがあるのかを列挙してみます。

発進時にエンストが起こるケース

アイドリングの回転数が低い為、トルクが足りない

シフトレバーをN(ニュートラル)もしくはP(パーキング)からD(ドライブ)に入れると、エンジンにトルコン(トルクコンバーター)の負荷がかかります。その際にアイドリングの回転が低過ぎると、エンジンの回転がトルコンの負荷に耐えきれずにエンストを起こすことがあります。

走行中にエンストが起こるケース

ポンプの詰まりや燃料制御などといった燃料系のトラブル

燃料ポンプやキャブレターの詰まり、燃料噴射プログラムにトラブルが起きている場合などの、最適量の燃料を噴射が出来ない状況になると、エンジンが十分なパワーを発生する事が出来ず、エンストの種となります。

その他のケース

違う燃料を給油した

ガソリン車に軽油を入れた場合やディーゼル車にガソリンを入れた場合なども、燃料の適切な燃焼が起きずにエンストしてしまいます。また最悪の場合はエンジンが壊れる事もあるので、給油の際には注意が必要です。

アクセル開度センサーや燃料ポンプへのエアーの混入

スロットルバルブのバキュームセンサー(アクセルの動きを検知するセンサー)の異常や、燃料ポンプのひび割れなどによるエアーの混入でエンストが起きる事があります。定期的なメンテナンスを行って、整備をするようにしましょう。

エンストしてしまった場合の直し方・対処方法は?

運転中にエンストに気づいたらまずは停車を

駐車場でエンストを起こした際には、エンジンをかけなおせば基本的には問題ありません。むしろ、注意しなければいけないのは、走行中にエンストが発生した場合です。オートマ車が坂道発進時にエンストを起こすと、不慣れな為か、初期対処が遅れてしまうことがあります。

エンストしたと感じたら、まずは車の停車を優先させましょう。停車するためには、ギアをN(ニュートラル)に入れて、ハザードランプをつけて周りの車に異常を知らせながら停車をする準備をしていきます。

その次にブレーキによる停車を試みますが、エンスト時にはいつも以上にブレーキが硬い状態です。強い力でブレーキペダルを一気に踏み込んで、車を停車させましょう。

車を停車させたら、N(ニュートラル)からP(パーキング)にギアチェンジをして、サイドブレーキをかけます。

再度車を発進させる

安全を確認した後に再度車を発進させる場合には、ギアをPの状態に戻していることを確認してからエンジンをかけていきましょう。もしも、道路の途中で車を停車させていて、ギアをPに戻してから再度エンジンをかけても正常に作動しない場合には、ギアをNに入れた後に車を押して、安全な場所まで移動させるようにしましょう。

後続車による事故を防ぐ事も重要

高速道路などを走行している際などの思わぬエンストで、すぐにエンジンを始動できない場合には、車に搭載してある三角停止板や発煙筒を使って後続車にトラブルがあったことを伝えるなどして、自身の身の安全と後続車への危険を知らせましょう。また、JAF等に連絡して、車の移動の手配を行います。

故障の場合のエンストも存在する

エンストの修理費用は、壊れた箇所によって大きく変わってきます。修理代が大きくかかるケースは無論エンジンの故障です。故障の詳細内容にもよりますが10~50万円程度の高額な修理代がかかるケースも多くあります。

エンジン以外の細かいパーツの故障が原因であれば、数千円程度でパーツ交換が可能なのですが、カー用品店などに依頼して作業をする場合には、1時間もかかりませんが、工賃を含めて数万円程度するケールもあいます。ここではエンストにおける修理例をいくつか紹介します。

坂道走行の際に加速時のエンスト

燃料の噴射関連のセンサーにトラブルの可能性があります。燃料機器系のトラブルであれば、燃料ポンプの交換を行い、また根詰まりであれば燃料ホースを洗浄する事で解決する可能性があります。

走行中の急なエンスト

電気系統のトラブルの可能性があります。バッテリーが上がってしまているという単純なトラブルの可能性もありますが、何度もエンストを繰り返す場合には発電系のオイルネーターが故障している疑いがあります。オイルネーターの修理や交換には5万円程度の費用がかかります。

上記でご紹介している事例はエンストの原因の一部であり、実際にはエンストの原因にはさまざま可能性があります。1つの故障であればお金はかかりますが、対処可能ですが、複数箇所にまたがって故障しているという可能性も否定出来ません。そうなると、修理費用が予想以上に高くかかる可能性もあるので、そのような場合には廃車を検討することをおすすめします。

まとめ

AT車だからと安心していると、急なエンスト時に適切な対処が出来なくなってしまうケースもあるので、十分注意が必要です。また、もしも故障が原因のエンストであれば、修理箇所によっては高額な費用がかかることもあります。場合によっては車の買い替えも検討してみてはいかがでしょうか。

  • カービュー査定

関連するキーワード


豆知識 メンテナンス

関連する投稿


車のエアコンガス チャージ・補充方法は?入れ方や料金を徹底解説

車のエアコンガス チャージ・補充方法は?入れ方や料金を徹底解説

季節の変化で気温が変わると必要になるのが車のエアコン。車のエアコンが効かなくなると、ドライブが快適ではなくなるだけでなく、車内が不快な環境になることもあります。今回は、そのエアコンのために補充が必要なエアコンガスについて、エアコンガスが少なくなったときに出る症状、補充の費用目安、自分での補充を行う場合の手順など徹底解説します。


パーツクリーナーとは?使い方やおすすめのアイテムまで徹底解説

パーツクリーナーとは?使い方やおすすめのアイテムまで徹底解説

カー用品店などで見かけることの多いパーツクリーナーですが、実際には使ったことがないという方もいらっしゃるでしょう。そこで、パーツクリーナーの役割や使い方、おすすめアイテムなどを紹介します。


【エンジンオイル】入れすぎた場合どうなる?見方は?確認方法と対処法まとめ

【エンジンオイル】入れすぎた場合どうなる?見方は?確認方法と対処法まとめ

エンジンオイル交換の際に、エンジンオイルを規定量よりも入れ過ぎてしまったらどうなるのでしょうか?本記事ではエンジンオイルをエンジンに入れすぎた場合のエンジンへの影響、エンジンオイルの量を測る方法や、エンジンオイルを入れすぎてしまった場合の対処法を掲載しています。


【交通安全協会】入会は任意、会費を払うメリットは?実はお得?

【交通安全協会】入会は任意、会費を払うメリットは?実はお得?

免許証の交付や更新時などに入会できる「交通安全協会」ですが、そもそも入会は任意なのか義務なのかといった疑問から、チャイルドシートの無料レンタルや協賛店の割引などの入会メリット、会費を紹介します。また、入会と退会の方法についても記載しています。


駐車違反の反則金はいくら?標識がなくても駐車禁止の場所は?

駐車違反の反則金はいくら?標識がなくても駐車禁止の場所は?

当記事では駐車禁止違反(駐禁)について、違反をしてしまった際の反則金・罰金、違反点数などの罰則内容から、駐車禁止のステッカーを貼られてしまった場合にどうすればいいのか等の対処方法、駐禁の反則金の支払いについてや、違反をしてしまった場合はすぐに出頭すべきか否か等をまとめて掲載しています。(※情報は執筆時点のものです)


最新の投稿


【軽自動車販売台数ランキング】ダイハツの復活が止まらない? それでも1位はやっぱり「ホンダ車」!年度末の販売台数人気ランキングに変化はあったのか

【軽自動車販売台数ランキング】ダイハツの復活が止まらない? それでも1位はやっぱり「ホンダ車」!年度末の販売台数人気ランキングに変化はあったのか

全軽自協(全国軽自動車協会連合会)が発表した2025年7月新車販売台数ランキングによると、これまでと変わらずホンダ「N-BOX」が1位となったほか、6月に新型となったダイハツ「ムーヴ」は2位から降格し3位に。代わりにこれまで2位常連だったスズキ「スペーシア」が浮上しました。ムーヴの躍進も終わり、このままの順位で固定化されてしまうかもしれません。


カーリース契約者の約半数が支払総額を詳細計算せず契約!契約後に想定超えの総額負担を実感する人も【ジョイカル調査】

カーリース契約者の約半数が支払総額を詳細計算せず契約!契約後に想定超えの総額負担を実感する人も【ジョイカル調査】

株式会社ジョイカルジャパンは、カーリース契約経験者を対象に、カーリース契約経験者の意識調査を実施し、結果を公開しました。


約3割のドライバーが「出産」をきっかけにカーリースを選択!カーリース選択で最も重視したのは「支払総額の安さ」【ジョイカル調査】

約3割のドライバーが「出産」をきっかけにカーリースを選択!カーリース選択で最も重視したのは「支払総額の安さ」【ジョイカル調査】

株式会社ジョイカルジャパンは、都市部在住で、ディーラー購入からカーリースに切り替えた経験がある方を対象に、ライフイベントとカーリース選択に関する調査を実施し、結果を公開しました。


【新車販売台数ランキング】人気のトヨタ「ライズ」急落!? 相変わらずの1位は“あの車”!7月はどんな車が売れたのか

【新車販売台数ランキング】人気のトヨタ「ライズ」急落!? 相変わらずの1位は“あの車”!7月はどんな車が売れたのか

自販連(日本自動車販売協会連合会)が発表した2025年7月の新車販売台数ランキングによると先月急上昇したトヨタ「ライズ」が急落して9位となったほか、高級ミニバン「アルファード」が5位まで向上する驚きの結果となりました。また、ホンダ「フィット」もランク圏外から16位まで上昇するなど、ランキング全体に変化があったようです。


約7割が同乗者のマナーを気にしている!? ナイル、車の助手席マナーに関する調査を実施

約7割が同乗者のマナーを気にしている!? ナイル、車の助手席マナーに関する調査を実施

ナイル株式会社は、同社が提供する個人向けカーリースサービス「カーリースカルモくん」にて、車を運転する機会がある全国の男女を対象に、ドライブ中、助手席に座っている家族・友人・パートナー(恋人)に対して、それぞれ「最もしてほしくないこと」「されると最もうれしいこと」、加えて「トイレ休憩を伝える望ましいタイミング」についてインターネット調査を実施し、結果を公開しました。