デフロスターとは
まず、車には四角いボタンに温泉のようなマークがついたスイッチが2つあるかと思います。この2つのスイッチが、デフロスター・デフォッガースイッチになります。以下では次の順番に説明します。
・デフロスタとデフォッガーのマークの違いについて
・デフロスター(デフォッガー)の使い方
■デフロスターとデフォッガーのマークと違いについて
まず、デフロスタースイッチはフロントウィンドウの曇りを取り除くことができ、デフォッガースイッチはリアウィンドウの曇りを取り除くことができます。直訳すると、デフロスター(defroster)は霜を除くという意味になり、デフォッガー(defogger)は霧を除くといった意味があります。
どちらも、曇りをはらすといった意味があります。これにより、デフロスタースイッチはフロントウィンドウの曇りを取り除き、デフォッガースイッチはリアウィンドウの曇りを取り除くといった違いがあります。2つのマークの違いについて説明したところで、以下でこれらのマークの見分け方と仕組みについて紹介します。
デフロスターマークとデフォッガーマークの見分け方
扇型の枠に3つの矢印が入っている方がデフロスタースイッチで、四角の枠に3つの矢印が入っている方がデフォッガースイッチになります。車種によっては、デフロスタースイッチの方に「FRONT」と書かれていて、デフォッガースイッチの方に「REAR」と書かれていることもあります。この2つのスイッチはエアコンパネルの近くに設置されていることが多いです。
仕組み
窓の曇りを取り除くために使われるデフロスター・デフォッガーの仕組みについてご説明します。デフロスタースイッチは、フロントウィンドウの曇りを取り除くために使われます。高温なエアコンの風をフロントウィンドウに送り、ウィンドウの曇りを取り除くことができます。デフォッガースイッチは、リアウィンドウの曇りを取り除くのために使われます。リアウィンドウにプリントされている電熱線がガラスを温めることで、曇りを除去しています。
■デフロスター(デフォッガー)の使い方
デフロスター・リアウィンドウのスイッチを使うことで、ウィンドウの曇りを除去することができます。ウィンドウが曇ってしまうということは、車内の湿度が高いということです。車内の湿度はエアコンを使って下げることで、短い時間で曇りを取り除くことが可能です。
オートエアコンは、デフロスタースイッチと連動することで、エアコンが除湿を行えるよう変更されます。マニュアルのエアコンでは、エアコンの風の向きをフロントウィンドウの方にしましょう。空調を外気導入にすることでより早く曇りを取り除くことが可能です。
デフロスターの故障
曇りを取り除いてくれるデフロスターですが、カビの臭いがしてくる・風が出ないのようなことがありませんか。
以下では
・デフロスターのにおいの原因
・デフロスターが効かない原因
・デフロスターから風が来ない
・窓ガラスの曇る理由
についてご説明します。
■デフロスターが臭い原因と対応
デフロスターを使う時に、カビの臭いがすることがあります。このカビの臭いを消すには、エアコンフィルターやエバポレーターを清掃することで臭いを消すことが可能です。カビの臭いの原因は細菌・カビ類の繁殖とされており、細菌・カビ類が繁殖する条件としては温度や湿度、有機物が挙げられます。
このため、臭いを消すためにはエアコンの内部で一番湿気が多いエバボレーター内で繁殖している菌とカビ類を取り除く必要があり、そのためにはエアコンの洗浄をしましょう。
物にもよりけりですが、カー用品店等で5000円前後で出来ますので、デフロスターが臭いと感じた場合は洗浄をしてもらうと良いですね。
■デフロスターが効かない時の原因と対応
デフロスターが効かない理由は、オートエアコンとマニュアルエアコンで異なります。
オートエアコンが効かない場合、温度の設定が低いことが挙げられます。温度が低いと窓ガラスの外側に曇りが発生するので、温度を高くしましょう。
また、エアコンフィルターが汚れていることが原因になっていることもあるのであわせて確認しましょう。
マニュアルエアコンが効かない場合、操作が間違っている可能性があります。吹き出し口の切り替えが行われていない、温度や風の量が高く設定されている、外気循環と内気循環を間違っている、A/Cのスイッチが入っていないなどが挙げられます。マニュアルエアコンが効かない場合は、これらの設定をもう一度確認しましょう。
■デフロスターから風が出ない
デフロスターから風が出ない場合、エバポレーター凍結が原因として挙げられます。
エバポレーターとは熱交換器のことで、常時2度~3度になるような設定されています。
ですが、温度センサーに不具合が発生してしまうとエバポレーターの制御温度がマイナスになってしまうので、エバポレーターについた水滴が凍ってしまします。凍り始めに風を強く設定してあれば氷が風圧で飛ばされますが、風を弱くしている場合はエバポレーターが凍結します。これによって、エバポレーターから風が出なくなっています。
凍結は、雨や湿気の多い日に起こります。対処方法としては、エアコンを止め、自然解凍をさせましょう。また、デフロスターから風が出ない原因として、ヒューズ切れや断線、ブロワモーターの故障の可能性もあります。こういった場合には、整備工場で見てもらいましょう。
■そもそもなぜ窓ガラスが曇るのか
雨の日に密閉した車内に人が乗ると、人間の汗や呼気により湿度が高くなりガラスが曇りやすくなってしまいます。人は汗・呼気により水分を放出させています。密閉された車内を換気しないしない限り、外気と空気の入れ替えができません。さらに、車内循環モードでエアコンを使うと曇りやすくなります。また、ガラスの汚れも曇りを起こす原因の一つです。窓ガラスを掃除することをおすすめします。
デフロスターの修理について
デフロスターが故障してしまったら修理をしなければなりません。以下では修理方法と修理費用についてご説明します。
■デフロスターの修理方法
デフロスターが故障してしまった場合、修理には多くの知識、また技術が必要です。しかし、デフロスターの故障した場合には壊れる場所が決まっています。車の修理をしたことがある方ならば、すぐに原因がわかります。
以下では、
・デフロスターのフラップ
・電動式
・手動式
の順番に壊れる場所をご説明します。
デフロスターのフラップ
車のダッシュボードの中には、ブロワーファンモーターという空気を送る装置がついています。ブロワーワーファンモーターの通路には、ダンパーという風の流れを変える装置がついています。オートエアコンでは、コントロールパネルにスイッチがある、スイッチを押すことでダンパーが風の向きを切り替えることができます。マニュアルエアコンでは、ワイヤーケーブルで操作パネルとダンパーが繋がっています。レバーを動かすことにより、ダンパーの風の向きを変えることができます。このフラップの部分が壊れてしまうと、デフロスターが曇りを取ることができなくなります。
電動式
オートエアコンは、モーターを使うことにより吹き出しの切り替えを行なっています。例を挙げるならば、ベントの切り替えはできてもデフロスターの切り替えが行えないとモーターやダンパー等に異常が発生することなどが考えられます。車の助手席の方にグローブボックスがあります。それを外すと、切り替えの部品を見ることができるので、モーターが作動しているか確認しましょう。
手動式
マニュアルエアコンは切り替えを行うレバーの部分が動かない、風の切り替えをすることができない場合、ワイヤーケーブルが外れている、あるいは切れている可能性があります。
ダンパーはエンジンの熱を利用し開閉を行なっています。したがって、エンジンルームのバキュームホースに亀裂や穴があるかどうか確認しましょう。
上記でご説明した内容は、ある程度車に知識がある方へのご説明です。あまり作業をしたことない方には、整備工場等での修理をおすすめします。
■デフロスターを修理に出した場合の費用は?
デフロスターの修理費用は作業料や工賃、またデフロスター自体の値段を含め5万円ほどになります。ですが、車種や規格によってデフロスターの金額は前後しますし、整備工場によって作業料や工賃も異なってくるため5万円~前後する場合もあります。
まとめ
この記事では、デフロスターとは何かという基本からご説明しました。デフロスターはフロントウィンドウの曇りを取り除くことができる装置であることを知っていただいたでしょうか。それを踏まえ、デフロスターの使い方や故障した場合の対処方法、また修理方法についてご説明しました。デフロスターを使いこなし、窓ガラスに曇りの無い快適なカーライフを送りましょう。
よくある質問
■デフロスターの意味は?
フロントガラスの曇りを取り除くのが「デフロスター」、リアウィンドウの曇りを取り除くのが「デフォッガー」といいます。 直訳するとデフロスター(defroster)は「霜を除去する」、デフォッガー(defogger)は「霧を除去する」という意味です。
■デフロスターマークはどれ?
扇型のマークに3本の波線の矢印(線)が入っているのがデフロスタースイッチ。長方形のマークに3本の波線の矢印(線)が入っているのがデフォッガースイッチです。車種によっては、デフロスタースイッチに「FRONT」、デフォッガースイッチに「REAR」と書かれていることもあります。