今や電気なしで車は動かない!重要部品「カーバッテリー」
パナソニックストレージバッテリー カオスプロ
自動車、特にガソリンエンジンを搭載した車では、運転に必要なのはガソリンだけ、と思いがちです。しかし、一度止まってしまったエンジンをもう一度動かすには、電気の力が必要です。
そのため、電気を蓄えておく「バッテリー」はガソリンエンジン車において最も重要な部品のひとつといえるでしょう。
近代の車では、バッテリーが用いられるのはエンジン始動時だけでなく、そもそも車に乗り込む前にロックを解除したり、シート位置を電動で調整したりと、車に乗り込む段階からバッテリーのお世話になっていますよね。
しかし、意外と愛車のバッテリーの状況はチェックできていないし、メンテナンスもしていないという方も多いのでは。
突然のバッテリー上がりでほとほと困ってしまうことを防ぐためにも、定期的なバッテリーの点検と、性能低下したバッテリーの交換は、全てのドライバーに気をつけていただきたいところです。
■電気を使う便利機能は多数!キーフリー、オーディオ、ナビ…
先ほども軽くご紹介しましたが、現代の車における快適性は、電気が支えてくれている面がかなり大きいですよね。
鍵穴に鍵を差し込まなくても解錠ができるキーレスやキーフリーは、バッテリーが上がってしまうともちろん作動しませんし、緊急時用にメカニカルキーでの解錠も可能とはなっていますが、どこに鍵が収納されているのか、車のどこに鍵を差し込めばいいのかなんて知らないよ!という方がほとんどかもしれません。
そうなると、バッテリーが上がってしまうだけで車に乗り込むことすら難しくなってしまいますね。
オーディオやナビ、夜間ないと困るヘッドライトなど、電気仕掛けで快適性をグンと向上させてくれている機能をしっかり使うためにも、バッテリーのメンテナンスと交換は非常に大事です。
日々進むバッテリーの性能低下… 劣化の症状や寿命時期まとめ
■乾電池は使い切ったら交換、カーバッテリーは充電で容量維持
《画像提供:Response》スズキ エネチャージ/エコクール 概要図
この記事では、自動車用の鉛バッテリーのことを「バッテリー」と呼びますが、一般的にはバッテリーと呼ぶと、ご家庭でテレビのリモコンなどに用いられる乾電池のことも含まれます。
乾電池は、充電が可能なものもあるものの、ポピュラーなのは使い切ったらそのまま廃棄するものでしょう。自動車用の鉛バッテリーも、新品状態での充電を使い切ったら廃棄するものと思っている方が、もしかするといらっしゃるかも。
車のバッテリーは、エンジンを止めている間に電気を保つという役割もありますが、エンジンが回っている間に発電された電気を蓄えておくという役割もあります。そのため使用可能なサイクルが長くなっており、メンテナンスを適切に行えば数年間は支障なく使い続けられる耐久性があります。
■カーバッテリーはどうやって電気を蓄えるの?
《画像提供:Response 》デンソー オルタネーターの機能 イメージ
実際に、自動車のバッテリーがどうやって電気を蓄えるかというと、基本的にはエンジンに搭載された発電機によって発電し、その電力を蓄えるものです。
一般のガソリンエンジン車では、バッテリーには一定の電力が自動的に充電され、バッテリーの電力と発電した電力を組み合わて電気機器に使用していきます。そのため、エンジンが停止していて発電していない間でも、コンセントなどに接続しなくても電気が一定の間は使用可能になっているのです。
自動車のバッテリーの仕組みは、一般的なものでは極板に二酸化鉛と鉛を、電解液に希硫酸(濃度の低い硫酸水溶液)を用いたもので、リーズナブルな価格と、信頼性のある充放電性能を両立しています。
しかし、さまざまな要因によってバッテリーの劣化は進み、段々と性能低下することは免れません。性能低下に早めに気付き、予防的に交換しておくことが大事になります。
■【具体的症例】カーバッテリーの性能低下が進んだ症状とは
《画像提供:Response》スバル レガシィ バッテリー交換の様子
エンジンのかかりが悪い
元気よくエンジンがかかっていたのに、最近はちょっと弱々しいし、一回のクランキングでかからなかったりする… そんな症状があれば、バッテリーが弱っていて、寿命が近づいてきているかもしれません。
エンジンの始動は、瞬間的に大電流が求められるためバッテリーにとっても負荷が大きいもの。1日に何回もエンジン始動を行なっていたりすると、バッテリーの寿命が縮まりやすくもなるようです。
近年のバッテリーは高性能化が進み、普通にエンジンをかけれていたのに突然バッテリーが上がってしまった、という「突然死」の可能性もあるよう。この部分だけでの判断はおすすめできませんが、メンテナンスを依頼する目安にできることでしょう。
アイドリング中にヘッドライトが暗い
エンジンの回転数が低めとなるアイドリング中に、ヘッドライトが暗かったり、パワーウィンドウの動作が遅かったりと、電装品の動きが悪いようなら、これもバッテリーの寿命が近づいていることを示しているかもしれません。
発進してエンジンの回転が上がっていくと、発電量も増えていくので、バッテリーの劣化はあまりはっきりと感知できなくなってくることも。アイドリング時の調子が、今までと違うように感じられたら、点検を依頼しましょう。
アイドリングストップがなかなか作動しない
アイドリングストップ機能がついた車なら、アイドリングストップによる頻繁なエンジンの停止と再始動に対応した特別仕様のバッテリーが使用されています。このバッテリーももちろん劣化が進みますので、段々と充放電性能が下がってきてしまいます。
わかりやすい部分では、アイドリングストップがあまり作動しなくなってきたら、性能低下が進んでしまっているようです。
アイドリングストップは、エンジンの暖機、エアコン優先、気温の関係など、さまざまな要素に応じて作動と非作動が判断されるので、一概に非作動がバッテリーの劣化とは言い切れませんが、暖機が終了していてエアコン非作動など、条件のいい状況においても作動しない場合は、もしかするとバッテリーに問題がある可能性もあります。
■なぜカーバッテリー上がりが起きるのか?
バッテリーが上がる要因のひとつにヘッドランプや室内灯など、車内機器の消し忘れや、エンジンの停止時にエアコンを含む電気を消費するものを使い過ぎていることが挙げられます。また、バッテリーは何もしなくても自然に放電されるので、車を使う頻度が少ない場合や近距離移動が多い場合、バッテリーが上がりやすくなります。
気温が下がる冬はバッテリーの中にある希硫酸が、気温の低下とともに性能が落ちるためバッテリーが上がりやすくなってしまいます。
■カーバッテリーの寿命は何年なのか?
バッテリーは2〜3年で交換しましょう!と聞くこともあるかと思います。この2〜3年という期間は、バッテリーメーカーが補償期間として設定している場合が多いもので、新品で購入してからこの期間中に、正常な使用にも関わらず不具合が起こった場合に交換してもらえるというものです。
そのため、一概に2〜3年を「寿命」としてしまうことは問題があります。バッテリー、ひいては車の使用状況は人それぞれですので、もっと短い期間で不具合を誘発してしまう場合もあるかもしれませんし、補償期間後も問題なく使用が続けられる場合もあります。
そのため、使用期間で寿命を測るのではなく、不具合の前兆症状をしっかり掴むか、プロの整備士さんに確認してもらうことで、性能低下を確実に掴んでおきたいものです。
「突然死」予防!身近なオートバックスで早めの点検・交換
■ショートの危険、中には硫酸… DIYでのバッテリー作業は要注意!
《画像提供:Response》トヨタ プリウス バッテリー交換の様子
12Vと比較的低い電圧を用いる自動車用のバッテリーですが、それでも危険が伴います。人が感電しても命に関わることは少ないようですが、工具などでショートさせてしまうと、最悪の場合バッテリー本体が爆発してしまうこともあるようです。
また、電解液に希硫酸を用いているのはご紹介した通りで、基本的には漏れにくい構造にはなっているものの、バッテリーを大きく傾けたり落としたりすると漏れてしまう恐れもあります。
鉛や希硫酸を使用していることから、一般の家庭ごみとしては処分ができないため、回収先を見つける必要があるなども難点。
作業としてはシンプルなので、慎重に行えばDIYでも可能なバッテリー交換ですが、色々と難しい点も多く、面倒に感じる人も多いようです。
■確かな技術力と豊富な店舗数、在庫も豊富なオートバックス
《画像提供:Response》オートバックス店舗 イメージ
バッテリー交換は、カーディーラーやガソリンスタンドなど色々な場所で依頼することができますが、おすすめはオートバックスをはじめとしたカー用品店でしょう。
店内には用途に応じた多数の在庫が用意されていることがほとんどですし、こだわりバッテリーを事前に注文して取り寄せてもらうことも可能。購入後には、併設のピットでスムーズに交換してもらえますし、廃バッテリーの処理などに悩む必要もありません。
店舗数が多い上に、メカニックの技術力の確かさに定評のあるオートバックスなら、安心して作業を依頼できることでしょう。
■気になる工賃や作業時間、オートバックス最新情報まとめ
《画像提供:Response》A PIT AUTOBACS SHINONOME
オートバックス公式ホームページによると、2022年11月現在、バッテリー交換の目安工賃は税抜500円から、目安時間は10分からとされています。比較的作業が容易なバッテリーだけあって、リーズナブルな価格で短時間の作業となっているようです。
もちろん、まだ交換が必要か分からないけど、点検してみてほしい!というケースでもオートバックスならしっかり対応してもらえます。具体的にバッテリー点検をしてみてもらうことで、交換の必要がしっかりわかるので、安心感がありますね。
短時間で作業が済むバッテリー交換は、ピットサービスが混み合いやすい休日などでも比較的スムーズに作業完了してもらえるケースも多い様子。まずは点検だけでも、オートバックスを訪れてみるとよいでしょう。
■【格安交換】こだわりのバッテリーを持ち込み交換してもらう手も!
量販店よりも格安なネット通販で新品バッテリーを手に入れたけど、交換はなんとなくハードルが高い… そうお思いなら、お近くのオートバックス店舗で持ち込み交換に対応してもらえるかどうか問い合わせてみるとよいでしょう。
作業工賃が上記でご紹介したものよりも高額になると思われるほか、ピットが混み合う時期や時間帯だと断られてしまう場合もあるものの、意外とお近くのオートバックスで、プロの腕前で取り付けてもらうことが可能かもしれません。
カーバッテリーを長持ちさせる方法は?
車のバッテリーは車内機器の消し忘れや、自然放電、そして気温の低下と走行距離の短さによる寿命があります。
これらを踏まえて、具体的にバッテリーを長持ちさせる方法を紹介します。
■定期的に車の運転をする
近い距離を頻繁に使用するとバッテリーが上がりやすくなってしまうため、走行しない期間が続く場合や近い距離を移動する場合、エンジンをかけてバッテリーを動かすようにしてください。また、バッテリーは車の運転によって充電されるので、できるだけ電気系統を使わない日中に運転することをおすすめします。少なくとも1ヶ月に1回は運転するようにしましょう。
■エンジンを切った状態で電装系を使わない
エンジンを切った状態でカーナビやラジオをつけるとバッテリーで動作するため、少し走行してから使うようにすることをおすすめします。スマホの充電はなるべくしないという点もバッテリーを長持ちさせる方法のひとつです。
エアコンやワイパー、オーディオやハザードランプなど、それぞれの機器が切ってあるのを確認してからエンジンを切るようにしましょう。
■アイドリングを少し長くする
車を一定の距離を動かすことでバッテリーが上がることを防止できます。そのため、車に乗る距離が短い場合や乗らなかった期間がある場合には、少し長めにアイドリングをしてエンジンを動かし、バッテリーを充電させましょう。
乗る頻度や距離に応じて変わってきますが、アイドリングでの充電目安は1時間程度です
■暑すぎ、寒すぎる場所を避ける
■なぜカーバッテリー上がりが起きるのか?
バッテリーの中にあるバッテリー液(希硫酸)は、化学反応を起こして電気の供給と発電を行います。しかし、夏場や寒冷地では化学反応が鈍くなってしまうため、電気の供給が悪くなってしまいます。
夏場は屋根のある場所に駐車する他、寒さが予想できる場所への駐車は避けるようにしましょう。
まとめ
《画像提供:Response》古河電池 自動車用バッテリー「Altica(アルティカ)」
バッテリーは現代の自動車を支える非常に重要な部品であることがお分かりいただけたと思います。
そんなバッテリー、あまり注目される存在ではないからこそ、プロの目でしっかり点検してもらえれば安心ですよね。店舗数豊富なオートバックスで、愛車のバッテリーの調子をまずは確認してもらってはいかがでしょうか。
よくある質問
■車のバッテリーって、ダメになるものなの?
カーバッテリーは、日々状況をチェックして適宜メンテナンスをすることで寿命を大きく伸ばすことはできるものの、充放電性能がだんだんと低下してくるため、数年単位での交換が必要になります。近年のバッテリーは高性能なため、劣化が進んでも見かけ上は普段通りに使えていて、突然バッテリーが上がってしまうこともあるようなので、予防的に早めの交換をしておきたいところです。
■車のバッテリーって、どこに付いてるの?
多くの車ではエンジンルーム内に取り付けられていますが、室内のシート下や、荷室のカーペット下など、特別な場所に取り付けられている車もあります。バッテリー本体の色は様々ですが、ポピュラーなものは白色の本体に黒色のフタがついているもので、フタには配線が接続されているのが目印です。
■車のバッテリー、自分でも交換できるの?
適切な工具があり、作業注意に気をつけながら作業を行えば、DIYでもバッテリーの交換は可能です。しかし、メンテナンスに不慣れだとハードルは高めかもしれません。バッテリー本体も意外とずっしり重たいですし、横倒しにすると内部の希硫酸が漏れてしまうことも。慎重に作業を行いたいところですね。